ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ウィトコフ特使とクシュナー氏らが人質広場での集会に参加】(Y,P,H)
エジプトで休戦交渉を取りまとめた後イスラエル入りしているウィトコフ特使と交渉に深く関わっていたトランプ大統領の娘婿クシュナー氏、そして妻でトランプ氏の長女イヴァンカさんが休戦合意後初めて行われたテルアビブ『人質広場』での大規模な集会に参加し、万雷の拍手と共に迎えられた。
ウィトコフ氏は「長い旅路であり、この夜を夢に見て来た。イスラエル国民に感謝を宣べたいーあなたたちは世界中に対して希望を担い、平和は弱さではなく力なのだと示した」と参加者たちを称えた。自身もユダヤ人であるクシュナー氏は「10月7日以降、私の心がどこか欠けたものとなった」と自身の体験を語り、「第1段階が完了する月曜日こそが祝いの時」と人質解放が無事完了することに期待を寄せた。休戦合意後ということでこれまでとは違い、笑顔と希望にあふれた雰囲気の中での集会に。
月曜朝にはトランプ氏が数時間のイスラエル訪問を行う予定で国会でも祝賀演説を行うことになっている。
(10/11)

 

【イスラエルを厳しく批判もアラブ諸国が秘密裏に連携】(Y,H)
米ワシントンポスト紙がアラブ世界の6か国が2022年から今年にかけてアメリカ主導の安全保障に関する秘密裏の会談・合同演習をイスラエルと行っていたと報道した。米側の書類から判明したものでこのネットワークに参加しているのはエジプト・ヨルダン・UAE・バーレーンの他、国交を結んでいないカタール・サウジも含まれており、「地域安全保障構築」と呼ばれるもの。
イランとその代理勢力の脅威を受けて生まれ、ある合同演習はイスラエルが対ハマスの戦闘で行っている地下トンネルの発見・制圧・破壊にフォーカスが置かれ、イスラエルが持つ対テロ組織のノウハウを共有するような形だったよう。また別の資料からは米イと上記のアラブ諸国が暗号化されたチャット・フォーマットを使用し、空軍に関する機密情報を共有していることが判明している。
2年間続いたガザ戦争中アラブ諸国はイスラエルを激しく非難していたが、その裏では安全保障における連携をさらに強めていることが明らかになった。
(10/12)

 

【国中が歓喜:20人の生存している人質が738日ぶりに解放】(Y,P,H)
前日に国防軍が一次撤退を完了したことを受け、ハマスは2度に分けて20人の生存している人質を解放し、昼前に全ての生存者がイスラエル側に迎えられて738日ぶりに帰還した。
午前8時頃に中部のガザ市でハマスが日本文化を愛し着物を着てノバ音楽祭に参加したところ拉致されたガイ・ギルボア=ダラルさんやピアニストで失明が危惧されているアロン・オヘルさんら7人を国際赤十字へ引き渡した。
そしてその2時間後にはハンユニスで母エイナブさんが多くの取材に応え被害者家族の象徴的存在となっていたマタン・ツィンガウケルさん、8月に骨と皮だけの衝撃的な映像が公開されたエビヤタル・ダビッドさん、キブツ・ニルオズから拉致された双子のダビッドとアリエル・クニヨさんら13人が赤十字を経由してガザ地区を出、イスラエル領内のレイーム基地で家族と再会を果たし、生還した人質のための専門病棟がある中央部の3つの病院へ搬送された。
国内テレビ各局は1日以上に渡って人質解放に関するニュース特番のみを放送し、人質解放の速報や家族や恋人・友人との感動の再会、病院に無事収容された後は休戦案の履行や問題点など今後の展望について報じた。
夜のニュースでは生還した人質たちの監禁状態が明らかになり、全ての人質が飢えと渇きに2年間苦しみ続け、体重が十キロ以上減少し3分の2ほどになった人質も居ることや少なくとも2人の人質は解放前日まで他の人質と別の場所で監禁され、孤独状態だったこと、テロリストたちは動物のように人質を扱い彼らの目の前で見せつけるように食事をしていたこと、またガザ付近から拉致された人質に「10/7に家族は死んでいる」と偽の情報を伝えられたことなど、心身ともに非人道的で悲惨な境遇だったことが家族に話した証言から分かっている。
またこの日にハマスが4人の人質の遺体をイスラエルへ返還しており、これはハマスが遺体の場所を把握している「1桁台の人質遺体」から程遠いため、イスラエルは休戦違反だと激しく非難している。生存している人質全員の解放が確認された後、イスラエルは終身刑を受刑しているテロリストを含め、1968人のパレスチナ囚人を釈放している。
(10/13)

 

【休戦開始直後にハマスがガザ中心部で公開処刑を実施】(Y,P,H)
休戦期間に入り生存している人質が解放された13日の夕方、イスラエルとの内通および反ハマス的活動の疑いがあるガザ市民がガザ中心部で公開処刑された。
SNSにアップされたビデオによると数百人の市民に囲まれながら銃殺刑になり、「アッラーアクバル」との叫び声や喜びの指笛・歓声の中、実施された様子が分かっている。現地メディアはこれについて第2段階の『国際安定化部隊』によるガザ治安維持を阻止するため、ハマスは反対者など市民への弾圧を再開させており、ガザ統治者としてのハマスを既成事実化させることが目的で、民衆への見せしめでもあると分析。
またこの背景にはトランプ大統領が「決まった期間であれば、ハマスに治安維持を任せても良い」と発言したことが関係しているのではとも報じている。
ガザ内にはハマスに対抗できる大規模な氏族がドゥグムシュー・シャバブなど複数あり、国防軍撤退直後からハマスと各氏族間の戦闘が散発し始めていた。ハマスは15日に集団の公開処刑の事実を認めるも「司法的手続き」を経てのものだと主張している。
(10/13-15)

 

【ハマスが遺体4体を返還も1人はパレスチナ人だと判明】(Y,P,H)
前日に引き続き14日の深夜にハマスは4体の死亡した人質とされる遺体をイスラエルに返還した。
その後身元確認が行われ、3人の遺体は人質のものであると判明。その中にはエレズ検問所から拉致され、生死不明とされていた兵士のタミール・ニムロディさん(18)も含まれており、一次調査の段階では空軍の空爆に巻き込まれて死亡したのではとされている。もう2人はノバ音楽祭から拉致された30代男性と音楽祭付近をタクシーで走行中に拉致された50代男性。
しかし4つ目の遺体は人質のものではないことが身元確認の結果分かり、イスラエル側はハマスによる(故意ではない)間違えだとしている。ハマスは国防軍の兵士だと主張したが、その後の調査で国防軍に協力していたところをハマスに殺害された西岸地区在住の男性ではないかとの疑いが強まっている。
(10/14-15)

 

【解放後2日目に司令官の葬儀に参列、さらなる悲惨な証言も】(Y,P,H)
10/7にナハルオズ基地で戦死し遺体として拉致され、13日に遺体が返還された第7機甲旅団の司令官ダニエル・ペレツさんの葬儀が行われ、1000人以上が最後の別れを告げた。
参列者の中にはペレツさんの指揮でテロリストと戦い、生存者として拉致され13日に解放されたマタン・アングレストさんの姿も。アングレストさんは「両足でやっと立てるような状況だが、これ(参列)がダニエルと仲間たちに私が出来る精一杯のこと。ダニエルや(戦死した)仲間たちが天から私を力付けてくれている」と弔辞を述べた。
この葬儀にはヘルツォグ大統領やスモトリッチ財務相、ベネット前首相なども参列。
この日にはノバ音楽祭から拉致され13日に解放されたロム・ブラスラブスキーさんの監禁中の証言が報道された。
ブラスラブスキーさんは解放直前に飢餓状態を隠蔽するため、過食を強要された後遺症に悩まされており、2年間ペットボトルで用を足していたことやラマダンの断食やイスラム教に改宗すれば境遇を改善すると「誘惑」を受けていたよう。家族が解放を求める集会に参加しなかったことを「お前の家族は誰も来ておらず、イスラエルの中でもお前については話題になっていない」と言われるなど精神的虐待も行われたよう。
(10/15)

 

【最後の女性の人質が無言の帰国…未だ19人の遺体はガザ】(Y,P,H)
仲介国の圧力を受けてハマスは15日深夜に3度目の遺体返還を行い、2人の遺体を国際赤十字経由でイスラエルに引き渡した。
国防軍に遺体が到着した際には聖書の一節が朗読されるなど追悼礼拝が行われ、イスラエル領内に戻った後に身元確認が。そして翌16日朝に音楽祭から拉致された20代イラストレーターの女性とベドウィン(アラブ系遊牧民)系イスラエル人で10月7日に戦死し遺体として拉致された30代男性であることが発表された。遺体は家族に渡され、葬儀・埋葬が行われることに。
ハマスは「これが私たちの手元にある全てであり、より多くの遺体返還のためにはさらなる努力と機具が必要」と主張しているが、イスラエル側には複数の遺体に関する機密情報があり「10体以上の遺体は国際部隊の助けなしにハマスは返還できる」としている。そこでイスラエルはカタール・エジプトなど仲介国とこの機密情報を共有し、ハマスに圧力を掛けるよう強く要請。
同時に現在は1日に600台の人道支援物資を載せたトラックがガザに搬入されているが、遺体返還をハマスが渋った場合はこの数を減らすと警告している。
遺体返還の遅れは始まった休戦合意の決裂を引き起こす可能性があるため、エジプト中心にアラブ諸国が(第2段階の部隊とは別の)多国籍部隊をガザに派遣し、遺体捜索を行うことをイスラエルに提案。しかしイスラエルは「アラブ諸国の部隊投入は『ハマスは単独で出来る遺体返還を全て行い、最善を尽くした』というテロ組織の虚偽の主張・ナラティブを認めること」と反対している。
(10/15-16)

◯ 内政

【休戦を受けネタニヤフ首相が演説「内外からの圧力に私は耐えた」】(Y,P)
ネタニヤフ首相が録画した演説を公開し、人質解放を前にした喜びと共に2年間の自身の国家運営が正しかったことを改めて強調した。
首相はまず「(軍部高官から)1人の人質も生存者として帰還できない可能性もあると言われたが、私はそうは思わなかった。外交的圧力とともにハマスへ軍事圧力を掛ければ、全人質を解放できると信じていた。そしてそれに従って行動した」と自身が正しかったことをこれまでと同様に力説。
そして「内外からの様々な圧力に私は耐えなければならなかった。しかしイスラエルの安全保障のために私はことごとく抵抗・拒絶した」と国際社会だけでなく国内にも批判の矢を向けた。国内に広がっていた「ガザからの全面撤退なしにハマスが人質全員を解放することはない」という論調は間違っていたと自身が正しかったと強く主張した。
(10/10)

◯ 国際情勢

【ハマス指導者、10/7の質問に激高し取材終了】(Y,P)
1987年のハマス創設時から指導者として関わっているムサ・アブ・マルズークがUAEのニュースTV番組に出演。
その中でキャスターから「10/7で行ったことはパレスチナ解放を促進したか」との厳しい質問を受け、当初は「誰も1500人程度の兵士で解放できるとは思っていない」と冷静を装い答えていたものの「最低限のリスペクトを持った質問をするように」と批判。
それにキャスターが「リスペクトを持ったものでありパレスチナ市民、特にガザ市民からの疑問でもある」と食い下がると「それはお前個人の質問に過ぎない」と激高し、その後何度かの押し問答が続くとアブ・マルズークは「質問を受ける気はない、中継を切れ」と周囲に命じ、生中継の取材は強制終了となった。
中継が切れた後にキャスターは「真の議論やパレスチナの民の疑問から逃げるハマスの特長・考え方をまさに露呈するものとなった」と視聴者に語り掛けた。アラブ世界内でこれほど論理的なハマス批判は珍しく、国内メディアの多くが報じている。

(10/11)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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