ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ハマスが1週間で6人の遺体を返還、ガザに残されたのは13人】(Y,P,H)
16日には人質の遺体を返還しなかったハマスだが、17日に新たな遺体を発見したと仲介国に伝え、深夜に国際赤十字を通じて遺体をイスラエルへ返還した。翌18日朝には遺体がニルオズのエリヤフ・マルガリートさん(75)であることが判明。エリヤフさんはキブツ内の自身の厩舎で馬の世話をしていたところ殺害され、遺体としてガザに拉致されていた。
18日深夜にハマスは2人の遺体を返還し、翌19日にはニルオズのキブツメンバー・自警団員でハマスと戦闘の末に戦死したロネン・エンゲルさん(54)とタイ人労働者でベエリの農園で殺害され遺体として拉致されたソンタヤ・アカラスリさん(30)であると身元が確認された。
ロネンさんがキブツ内の戦闘で命を落とした後、テロリストはロネンさん宅を襲撃し妻のカリナさんと2人の娘も拉致。23年11月の第1回休戦期間中に解放され、翌5月にロネンさん死亡の知らせを受けていた。
また20日夜にはもう1人の遺体がイスラエルに返還され、数時間後にニル・イツハクのキブツ自警団の指揮官としてテロリストと戦い戦死したタル・ハイミさん(41)の遺体と発表された。10/7の際にタルさんの妻エラさんは4番目の子供を妊娠しており、その後四男ロタン君を出産している。
また21日夜にはニルオズのキブツ創設者の1人のアリエ・ザルマノビッチさん(86)と同キブツ自警団員だったタミル・アダルさん(38)の遺体が返還されている。ガザに未だ残されている死亡した拉致被害者は13人。
(10/18-22)

 

【ハマスの休戦違反、対戦車ミサイルにより兵士2人が死亡】(Y,P,H)
休戦合意により国防軍が『黄色ライン』までの第1次撤退を終え1週間以上が経った19日朝、複数のテロリストがラファにある国防軍の重機に対戦車ミサイルを撃ち込み、20代の兵士2人が死亡、3人が重軽傷を負った。地下トンネルから地上に飛び出しミサイルと狙撃で同時攻撃するという奇襲で、駆け付けた救急隊にも狙撃が行われたことから計画的だったことが分かっている。
ほぼ同時刻に北部ベイト・ハヌンでも地下トンネルから奇襲しようとしたテロリストを空軍が確認、空爆で阻止するなどといったハマスの攻撃が複数確認されている。
この休戦違反を受けイスラエルはハマスのテロ拠点数十か所に空爆を実施。標的には生存する人質が居た可能性があったハンユニスの地下トンネルも含まれている。空爆前にイスラエルは仲介国であり休戦維持の保証人アメリカに事前通告、米は休戦違反を把握しつつ、イスラエルに休戦崩壊が起きないように(大規模な報復攻撃の自粛を)求めたと報じられている。19日夜にイスラエルはアメリカの要請を受けて、休戦状態に入ると発表している。
(10/19)

 

【ヒズボラが再軍備化も政府はイスラエルとの交渉を模索か】(Y,P,H)
仏フィガロ紙が去年11月のイスラエルとの休戦締結以後、テロ組織ヒズボラが再軍備化を秘密裏に進めていると報道した。
それによると去年9月のヒズボラ構成員が所持していたポケベルの大規模な爆発やナスララ死亡により、ヒズボラは大打撃を受けメンバー曰く「組織としては瀕死状態」に。しかし休戦期間に入るとイランの革命防衛隊から軍事援助を受けて軍部のリーダー層と指揮系統を再構築し、政治部とは切り離されゲリラ組織化はした新軍部体制がスタートしている。
また休戦合意にあるリタニ川以南のヒズボラの武装解除についても、現状で戦力の約20%は残っており、レバノン全土での武装解除はレバノン政府内で意思統一すらされていないとのこと。
このようなヒズボラ再軍備化の報道と同時にレバノンのアウン大統領が「その時に応じた形での対話と交渉を通じて、解決に至ることは可能だ」と先週発言したことから、レバノン内ではイスラエル・ハマスの休戦合意が長期的に維持された場合、イスラエル・レバノンの安全保障に関する条約の取りまとめが進むのではないか、との論調が広がっている。
(10/18-19)

 

【米バンス副大統領がイスラエルを訪問、休戦『監視』のためか】(Y,P,H)
ウィトコフ特使・クシュナー氏という休戦合意の立役者がイスラエルを訪問している中、米バンス副大統領も21日から23日までイスラエル訪問を行った。
21日には米中央軍がガザ地区の休戦監視とスムーズな人道支援物資の搬入促進を目的に設立した民間軍事調整センター(CMCC)の司令部を訪問。同司令部にはすでに米・英・カナダやUAE・ヨルダンなどアラブ諸国の兵士たちも駐在している。
司令部を視察後にバンス氏は「歴史的な和平計画から1週間だが、予想よりもうまく行っている」と前進を強調。人質の遺体返還が半分ほどしか進んでいない状況には「忍耐が必要」とハマスに期日を設けないとしつつ、遺体返還や武装解除などの合意内容に従わなければ「とても悪いことが起きるだろう」と警告した。
22日にはネタニヤフ首相と会談。会談の冒頭に行われたメディア対応では休戦合意後米高官が連続してイスラエルを訪問し、米政府の意向に沿った形でイスラエルが対応を続けていることを受け「イスラエルがアメリカの保護国になったのか」との質問が。
これにバンス氏は「米国が希望するのは同盟国であり、イスラエルが保護国化することは望んでおらず、事実ではない」と述べ、米高官が続々と訪問していることについて「ガザに関しては簡単ではないため、休戦継続には働くことが必要」と説明した。
米イスラエルの一致を強調させるはずが、この日与党の極右議員が主導で西岸地区での主権を認める法案の採決が行われ、与党の多くはネタニヤフ氏の要請で棄権したものの極右議員の賛成票で可決され、米が強く反発している西岸地区問題をイスラエルが進める形に。
これを受けて翌23日にトランプ大統領は「西岸地区に関しての心配は不要だ。イスラエルは何も(=併合)行わないし、良い振る舞いをしている」と述べると同時に、「併合すればイスラエルはアメリカからの全てのサポートを失うだろう」と釘を刺した。
この日バンス氏は国防省内でイスラエル軍高官と会談を行い帰途についたが、空港内での記者会見でこれに言及。「決議には満足しておらず、個人的に侮辱された気分」と不快感を露わにし、「政治的パフォーマンスだったのならば、非常に愚かなものだった。我々がイスラエルに併合を許すことはない」と米政府の方針を改めて強調した。
ウィトコフ・クシュナー氏だけでなく副大統領も連続して訪問しイスラエルを『監視』している状況を現地メディアは「ビビ(ネタニヤフ氏の愛称)・シッター」と揶揄しながら報じている。
(10/21-23)

◯ 内政

【ネタニヤフ氏、戦争名を『復活の戦争』に変更】(Y,P,H)
週明けに行われる休戦後最初の閣議で政府はこの2年間続いた戦争の名称を『鉄の剣戦争』から『復活の戦争』へ変更する方針であることが明らかになった。ネタニヤフ首相とカッツ防衛相の提案であり、ネタニヤフ氏はここ1年間演説の場でこの名称を好んで使用。
提案書の中には「イスラエル国の復活(復興)におけるマイルストーンとなった戦争であることを受けて」と理由が記されているが、イスラエルで復活という言葉はホロコーストから独立という流れを指す文脈で使用されることが多く、10/7の原因である国の失態を『イスラエル第2の独立』という美しいナラティブに書き換えようという狙いやホロコーストや独立戦争と同列に並べることに批判の声も。
ラピード野党議長は「本当に『復活』を望んでいるならば、まず許しを請え」とこの提案に激しく反発している。
そして週明けの19日に行われた閣議でこの改名案が賛成多数で可決された。反対の声もあるため、『鉄の剣戦争』という名称で設置された墓標は遺族が望めば変更する必要はないが、この名称変更には1億円近い予算が必要で「戦後、このために予算を掛けるべきか」との批判も上がっている。
(10/17-19)

 

【国家安全保障顧問も更迭、10/7に在職していたトップは首相のみ】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相が同じリクード党のベテラン議員ハネグビ国家安全保障顧問を更迭することを決定した。更迭の理由は公表されていないが、ハネグビ氏は軍・諜報部トップとガザ市内の占領を含むギデオンの戦車作戦Bやドーハ空爆に反対してきたことから、ネタニヤフ氏との意見の相違が原因とされている。
更迭を受けてハネグビ氏はSNSに投稿し、「私も関与している10/7の大失態は根本的な調査が必要」と非政治的な国家調査委員会の調査を要求。ネタニヤフ政権が進めようとしている政府主導の調査委員会に反対の意を表明した。
これにより10/7に直接関与していた軍や諜報部トップは全て退任や辞任または更迭処分になっており、責任と向き合っていないのは首相のみとメディアは報じている。
(10/21)

◯ 国際情勢

【ガザ少年に関するBBCドキュメンタリーへ制裁措置】(Y,P,H)
英BBCが今年2月に放映・配信開始したドキュメンタリー『ガザ:戦地で生き延びる方法』に関して、イギリスの情報通信庁が「根本的な誤解を招くものだった」としてBBCに制裁を科すことを決定した。
これは主役でありナレーターを務めるアブダラ・アル=ヤズリ君(14)がハマス政府の副農相アイマン・アル=ヤズリの息子にもかかわらず、その事実を番組内で全く言及しなかったことの問題。同庁はBBCにプライム帯である午後9時のニュース番組内でこの事実への声明・謝罪を発表するよう命令した。
今回の発表では言及されていないがこの番組は他にもアブダラ君の母親(=ハマス高官の家族)がナレーターの謝礼として約15万円を受け取ったことや映像内で「ユダヤ人」という単語を「イスラエル人」と訳し変えているなど、様々な問題点が見られる。
(10/17)

 

【トランプ大統領がハマスのナラティブを:兵士攻撃は反抗者では】(Y,H)
ハマスの休戦違反への報復としてイスラエルがガザを空爆したことを受け、休戦再開を強く働き掛けていたトランプ大統領が取材に応え、「もしかするとハマス内の反抗者の発砲だった可能性もある」との見解を示した。「厳しく適切に対応する」としながらハマスの攻撃ではないと暗示するこの発言は「ラファでの事例にハマスは関与しておらず、同地域の兵士との連絡は途絶えている」というテロ組織の主張を受け入れたもので、イスラエルでは驚きと共に報じられている。
もちろん違反を続けるのであれば根絶すると発言したが、戦争終結を大々的に発表した以上ホワイトハウスは休戦第1段階の完了が最重要事項。したがってこの日再びイスラエルを訪問したウィトコフ特使とクシュナー氏はネタニヤフ首相に休戦崩壊を生じさせるような攻撃を行わないよう警告している。
(10/20)

 

【極右官僚「サウジはラクダに乗っておけばよい」→後に謝罪】(Y,P,H)
極右のスモトリッチ財務相がサウジアラビアとの国交正常化について問題発言を行い、その後謝罪した。
右派・ユダヤ教系メディアのシンポジウムでの発言で「パレスチナ国家への見返りとしての国交正常化とサウジが言うのであれば、それにはNo Thank Youだ。彼らはサウジの砂漠でラクダに乗り続け、我々は経済的に発展し続ければよい」と語った。冗談交じりではあるがアラブ世界に対するステレオタイプで笑いを誘い、サウジとの国交正常化を拒絶したスモトリッチ氏。
この発言はアラブ世界で大きく取り上げられ、サウジ高官は「知性の欠如を露呈する発言。サウジ経済はイスラエルの4倍の規模になる」と批判している。
その後スモトリッチ氏は謝罪のビデオを自身のSNSにアップ、「私のサウジに関する発言は故意ではないが、適切ではなかった。侮辱を生んでしまったことは遺憾である」と釈明した。
(10/23)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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