ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【国務長官も訪問、アメリカの『停戦監視』続く】(Y,P,H)
バンス副大統領がイスラエルを出発した数時間後の23日午後、ルビオ国務長官がイスラエルに到着。
まずはネタニヤフ首相と会談し、記者会見でトランプ大統領の休戦(和平)合意が歴史的な好機なことと両国の緊密な関係を強調する言葉が聞かれた。しかしこの訪問の裏にはイスラエルが西岸地区併合に関する法案をバンス氏訪問中に可決したことやハマスの人質遺体返還の遅延にイスラエルが怒りを募らせていることがあり、双方の件でイスラエルに牽制・抑制したと考えられている。
翌24日にはバンス氏がウィトコフ特使・クシュナー氏と先週訪れた南部の民間軍事調整センター(CMCC)を訪問。同センターの司令部には米英独仏加やヨルダン・UAEなどを加えた計11国から司令官と兵士が派遣され、ガザでの休戦監視を行っている。ルビオ氏は兵士たちの前で演説を行い、「ここで行われている働きは今までにない歴史的任務。困難もあるが、誇りを持つベき」と各国兵士たちを激励。
また「(イスラエル国防軍が撤退した)黄色ラインの向こう側ではテロリストが市民を虐げている。強奪されずに物資配給を行い、(第2段階での)治安維持部隊配置へのインフラ構築が最大の任務だ」と語った。「プランBはなく、これが成功のための最善の手」とトランプ大統領による休戦案の代替案はないとの姿勢を示した。
25日午後にイスラエルから仲介国のカタールに向かったルビオ氏だが、その前にアメリカ系イスラエル人の人質2人の家族と面会。2人を含む人質全員の遺体返還のため、様々な形でハマスに圧力を掛けると約束している。
(10/23-25)

 

【自治政府とハマスがカイロで会談も】(Y,H)
ハマスとパレスチナ自治政府の使節団がカイロで会談し、休戦の第2段階の交渉で議題となるガザの政治と安全保障の諸問題に関して話し合った。休戦期間に入ってから初めてパレスチナ2大組織の両者が会談・協議を行った。
会談で主に議題となったのはラファ検問所と人道支援の搬入に関してで、両者はエジプトなどの仲介国に休戦合意をイスラエルに順守させるため圧力を掛けるよう要請した。また会談で戦後の恒久的なガザ統治を自治政府が行うことへのイスラエルの反発についても話し合われ、会談に参加した自治政府関係者は「国際社会からの圧力により、自治政府がガザ統治を行うことを希望している」とアラブメディアに語っている。
休戦第2段階のために行われたこの会談だが、ハマスがガザ統治に一切関与しないことや武装解除を行うことなど、イスラエルにとって極めて重要な議題は話し合われなかったよう。これについて週明け26日にアラブメディアが「ハマスの完全な武装解除は不可能」と報道。
イスラエルでも軍部トップが国会の安全保障委員会で「ハマスが武装解除を行うことはないというのが基本前提」と語ったことがニュースになっている。
(10/23, 26-27)

 

【トランプ大統領、ハマスに48時間の期限を明言】(Y,P)
21日以降人質の遺体返還が行われていない状況に25日夜、トランプ大統領が「ハマスは十分に努力していない」と発言した。
SNS上での投稿で「発見が困難な遺体もいくつかあるが、それ以外は即時返還が出来る状態だがハマスは何かしらの理由で返還を履行していない。遺体返還を今すぐ行わなければ、この合意に関与している国々が行動に出ることになる。これから48時間で彼らがどう出るかを見ることにしよう」と発言した。
この直後にハマス指導者の1人ハリル・アル=ハヤは「遺体捜索のため、今日から新しい地域に入る予定」だと発言。25日夜からエジプトの捜索隊がガザ入りし遺体捜索に当たっている。
イスラエルはトランプ氏に「ハマスは遺体返還を拒否し時間を稼いでいる」と期限設定と制裁措置の許可を求めていた。しかし米側は状況を理解しながらも、ガザへの制裁による休戦崩壊の恐れからイスラエルの要請には応じていなかった。
(10/25-26)

 

【返還された遺体はすでに埋葬された人質、ハマスは発見を『捏造』】(Y,P,H)
トランプ大統領が設定した48時間の期限の27日夜、ハマスは赤十字経由で人質1人の遺体の一部をイスラエルに返還した。しかしイスラエルの身元鑑定の結果、返還されたのは残り13人の人質ではなく23年12月にガザの遺体救出作戦で収容されたオフィル・ツァルファティさん(27)の遺体の一部なことが判明。
その後イスラエルはガザ監視のために国防軍が飛行させているドローンが捉えたツァルファティさんの遺体に関する映像を公開。その映像ではハマスのテロリストが地面に掘られた穴に遺体の入った白いポリ袋を投げ込み、その後遺体を土で覆い、重機で大量の土砂で完全に埋めている様子が捉えられている。その6分後にハマスは赤十字スタッフを呼び、再び遺体を掘り起こすという演出行為と遺体の侮辱行為が行われている。
最後の遺体返還から約1週間が経つ中、ハマスは全ての遺体の場所を把握している訳ではなく、おおよその場所を把握している遺体の捜索活動が困難と主張し続けてきた。しかしこの遺体発見捏造の映像はこの主張が虚偽であり、ハマスが人質の遺体を最後まで道具として使用するため腐心していることを明らかにしていると国内メディアはハマスを激しく批判しながら報道している。
(10/27-28)

 

【ハマスによるさらなる休戦違反を受け、大規模なガザ空爆を実施】(Y,P,H)
返還された遺体の一部がすでに収容・埋葬された人質のものでその遺体にも侮辱的演出・捏造行為が行われたこと(上記ニュース)、そして28日には南部にある国防軍側のエリアでテロリストからロケットランチャー・狙撃で奇襲攻撃があり、予備役兵1人が死亡するなどといった「ハマスによる重大な休戦違反」を受け、イスラエルはガザ地区に休戦期間では最大規模の空爆を行った。
アメリカの承認があった中の空爆で(現状ガザ内での軍事作戦には米側の承認が必要)、30人以上の司令官クラスのテロリストを排除したとし、翌29日の10時に報復攻撃の完了と休戦状態に戻ると公式声明を発表した。
この報復攻撃を受けてハマスは『イスラエル側による重大な休戦違反』と批判し、同日朝に発見を発表した2人の遺体返還の拒否を宣言。一連の空爆で104人が死亡したとハマス保健省は発表している。
休戦合意では全ての遺体返還をもって第1段階完了となるが、ハマスによる遺体返還の遅延や遺体に関する侮辱的行為などを重く見ているのはイスラエルのみのよう。アメリカは同国籍所持の人質がまだ2人いるため理解を示しつつも、その他の仲介国は生存者が解放されたこともあり「遺体返還に関する問題に興味を失っている」と現地メディアは皮肉交じりに報道している。
(10/28-29)

 

【ベエリ・ニルオズのキブツメンバー2人の遺体、無言の帰還】(Y,P,H)
21日に人質男性2人の遺体が引き渡されて以降、新たな返還をしていなかったハマスが30日の午後に2人の遺体を返還した。同日夜にはイスラエルで身元鑑定が完了し、ニルオズのアミラム・クーペルさん(85)とベエリのメンバーのサハル・バルフさん(25)のものだと発表した。
クーペルさんは詩人・経済学者としてキブツで活動し、10/7に妻のヌリートさんと共に生存者として拉致された。ヌリートさんは23年10月末に解放されたが、クーペルさんは解放されず。その後も新たな生存情報があったが、24年6月に国防軍は死亡を発表していた。
バルフさんはベエリで生まれ育ち同キブツの次世代として期待された人材で拉致された2か月後の23年12月に救出作戦が行われたが失敗。
その際にハマスのテロリストに殺害されていた。これでガザに残されている人質の遺体の数は11になる。
(10/30)

◯ 内政

【男性人質が証言「ベングビル氏の発言が原因で虐待を」】(Y,P)
10/7にハマスに拉致され、10月13日に解放されるまで2年以上ガザで囚われていたバル・クペルシュタインさん(23)が公共放送のインタビュー番組で証言した。クペルシュタインさんは「だいたい270日が経った時、テロリストがやって来て何度も殴打されてこう言われた『これはベングビルのせいだ。囚人たちに彼が行ったことを私たちはお前たちに復讐している』と。こんなことが何度かあった」と自身が受けた虐待について振り返った。
実際10/7から269日目の去年7月、ベングビル国家治安相は「パレスチナ人囚人は良い状況で収監されない。(今までよりも厳しい)『私が決めた環境』だ」と語り、囚人の刑務所内での生活環境を改悪させたと『自身の成果』を強調していた。この報復行為として人質の虐待や監禁状態の悪化があり、同様の証言は他の人質からも上がっている。
この番組放映を受けてベングビル氏はクペルシュタインさんの批判は避けたものの「ハマスのナラティブを放映・促進している」とTV局を批判、また自身の指示による過酷な収監環境が「テロ防止に大きく貢献した」と自身の正しさをアピールしている。
(10/26)

 

【パレスチナ囚人への虐待の映像流出を受け、警察が調査へ】(Y,P,H)
南部スデ・テイマン基地のテロリスト拘束施設で囚人に虐待・不正行為があり、士官を含む5人が起訴されている問題で施設内の映像が漏洩、TV放映された事案について、ミアラ検事総長は刑事事件として警察の捜査を開始すると発表した。
兵士がテロリストを虐待している様子を捉えた映像は本来最も高い機密レベルの資料にもかかわらず何者かにリークされ、去年8月民放のニュース番組で放映された。この件は1年以上進展が見られなかったが、別件の調査中に軍司法部トップのトメル=イェルシャルミ軍法務総監(少将)と彼の側近が映像流出に関与している可能性が高いとの新たな資料が発見され、それを重く見た検事総長が一般司法制度内で捜査を行うことを決定した。
現状、軍法務総監自身が捜査対象にはなっていないが、ここ数日の間に重要参考人として捜査に協力することに。関係者曰く、最高機密に当たる資料のリークであることから彼女の側近によるものとされており、最低でも漏洩を認識していた可能性が高いという。
この一件が上記の5人の兵士の裁判に直接影響するかについては不明。しかしイスラエルは戦争のあったこの2年間、(国際裁判所など)国際社会の批判から兵士たちを保護しつつ、軍の司法的公平・透明性を維持するという2つのバランスを保ってきた。今回の事案はそんな軍内の司法制度を根幹から揺るがすものになる。
(10/29)

 

【エルサレム中心部に20万人以上、超正統派の兵役反対デモ】(Y,P,H)
現在リクード党議員が中心となり、超正統派の兵役問題を解決するための法律案の作成・提出が進んでいること、召集令状の要請を無視し兵役逃れを行った超正統派の若者の一部が逮捕されていることを受け、超正統派の大規模な抗議デモがエルサレム中心部で行われた。
『100万人の抗議運動』と銘打たれたデモにはイスラエル全土から20万人以上が参加し、エルサレムとテルアビブを結ぶ国道1号線や鉄道など交通の大動脈がストップ。参加者は「兵役に行くなら、逮捕された/死んだ方がマシ」や「シオニストたちは呪われている」など兵役の断固拒否と現行の兵役免除継続を求める声を上げた。
参加者の一部が建設現場に押し入ってクレーンやビルに登り、その1人が転落して死亡したことから予定時間よりも早く終了したが、暴徒化した若者が警官や取材に来た報道陣と衝突、負傷者が出たと報じられている。
このデモの前に新法案の内容が報道され始めたが、兵役逃れの制裁措置も緩和されその実態は『兵役免除法』であることから、批判の声も上がっている。
(10/30)

◯ 国際情勢

【150人のテロリスト、カイロの5つ星ホテルで悠々自適】(Y,P)
この休戦期間中にイスラエルの刑務所から釈放された元終身刑受刑者のテロリスト250人のうちエジプトへ送られた154人がカイロにある1泊4万円以上する5つ星ホテル『ルネッサンス・カイロ・ミラージ・シティ』に宿泊していることが英デイリー・メール紙の報道で分かった。
テロリストの中にはバスでの自爆テロの首謀者や銃撃テロでイスラエルの一般市民殺害に直接関与した者も含まれており、中には獄中で作家となったテロリストがカイロの書店でサイン会を行っている様子も。28日には同ホテルから退出を余儀なくされたが、また別の豪華ホテルへと移ったとの続報があった。
最近の調査でこの250人のうち160人がパレスチナ自治政府から給付金として100万シェケル(4700万円)以上を受け取り『ミリオネア』になったこと、欧米に『殉教者基金』を廃止すると約束したものの、服役中のテロリストの家族や死亡したテロリストの家族への給付金支払いを継続していることなどが判明している。
(10/25-28)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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