ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【国防軍がダヒヤ地区へ激しい攻撃、ヒズボラは休戦に否定的】(Y,P,H)
レバノンのヒズボラ系メディアによるとイスラエル空軍はこの日、8度に渡ってヒズボラの本拠地であるベイルート・ダヒヤ地区へ激しい空爆を行った。この報道によるとこれらの空爆は数分間隔という集中的かつ激しいもので、ダヒヤ地区は2006年のレバノン戦争時のような姿になっていると言う。
攻撃前の避難勧告もあり死傷者は報じられていないが、その他の場所にもイスラエルは空爆を行っており合わせて13人が死亡したと現地メディア。双方間の交戦と並行して、イスラエル・ヒズボラ間の休戦交渉が進展しているとメディアは報じている。
ヒズボラと関係があり休戦交渉に深く関与しているヨルダンの国会議員が、アラブメディアに対して「イスラエル・ヒズボラの休戦交渉成立は50%以上。しかし、ヒズボラとしては米・イからの案をそのまま飲みたくはない。特にヒズボラが協定に反した際イスラエルが自由に攻撃できる権利については問題だ」と語っている。
またヒズボラ系メディアはイスラエルの自由な攻撃権とレバノン軍・UNIFILによるヒズボラの非武装化は受け入れられないものとより悲観的な報道をしている。(11/16)

 

【ヒズボラからの攻撃によりアラブ人女性が死亡、中央部にも飛来】(Y,P,H)
ヒズボラによって発射されたロケット弾5発が、北部ハイファ近郊にあるアラブ人の町に飛来。4発は迎撃されたが1発は住宅に着弾し、50代の女性サファ・コットさんが死亡した。
サイレンが鳴ったためコットさんは自宅内のシェルターに避難したが、ミサイルはシェルターの壁を貫通しコットさんは致命傷を負って意識を失い、その後救助隊によって遺体で発見された。他にも、30人以上が重軽傷を負っている。
地元住民によるとこの町にはシェルターの数が少なく、シェルターが自宅にある場合でもロケット弾やミサイルから身を守れるものではない、とのこと。
国防軍は声明を発表、「飛来した5発のミサイルはファジル5という、重い弾頭を持つ強力なミサイルだった。シェルターに関しては、建てられた経緯や基準に基づいていたか否かについて調査中」とコメントした。また夜にはテルアビブを中心に中央部に広範囲にサイレンが鳴り、テルアビブ近郊の町にロケット弾が着弾し5人が負傷している。(11/18)

 

【慈悲の心が裏目に―10/7の性犯罪証明の困難さに関する調査】(Y)
法学部教授のイフアット・ビトン教授が先月、「テロ攻撃中に犯された性的犯罪の記録・確認に関する課題」との研究レポートを発表、ハマスによる性犯罪の新情報が明らかになって来ている。この研究は、教授が死亡したテロリストのポケットからコンドームの包装を発見したものの、このような事例が全く報告されていなかったことから彼女が自身で調査を始めたもの。
レポートによると救出のために戦った多くの部隊は、性犯罪にあったであろう女性の遺体などについて写真を撮るなどという記録はあえて行っておらず、これには兵士たちの士気が下がる恐れや「生きている者のみに集中する」といった軍としての考えがあったもよう。
またあるインタビューを受けた司令官は柱に縛られ膝から上は服の脱がされた女性の遺体を見たが記録せずに、下ろして床に寝かせ布で体を覆ったとのことで、これも慈悲の心によるものだが結果として記録が残らず証明することが出来ていない。このような例の数々をビトン教授は同調査書でまとめている。(11/18)

 

【ヒズボラとの休戦交渉は90%の段階も…イスラエルの攻撃権がネックか】(Y,P,H)
バイデン大統領からイスラエル・ヒズボラ間の休戦交渉について任されている、アモス・ホフシュタイン特使がレバノンを訪問。同氏はベイルートで、ヒズボラの代表として交渉に携わるナビ・ベリー議員そしてミカティ暫定首相と会談。
その後記者会見を開いたうえで、「紛争を終える好機であり、決断を下す時。確実に溝を埋めることに成功したが、紛争を終結させるという両者の決断が必要だ」と語り、イスラエルとヒズボラの双方に対して歩み寄りを呼び掛けた。イスラエル国内でも翌20日には、「90%に関しては一致が得られており、両者が来週にも休戦が実現するのでは」との報道もあるが、2つの大きな障害がある。
最大の問題はヒズボラが協定に違反した際のイスラエルの攻撃権についてで、イスラエルはレバノン全土を対象とした自由な攻撃権を絶対条件にしている。関係者はこの問題についても進展があったと話しているが、ヒズボラの最高指導者カセムは「イスラエルによる攻撃の完全停止とレバノンの主権保証の2つが絶対条件であり、好きな時に侵攻することは許されない」と、イスラエルの自由な攻撃権に関しては反対の姿勢を示している。
もう1つの問題は、休戦協定が履行されているか監視する国際委員会。休戦交渉を行う米仏を中心に英独とイスラエルがメンバーになる予定だが、レバノン側は英独の参画には否定的。その代わりにエジプト・ヨルダンを加え、国境警備にも両国軍を配備するよう要求している。(11/19-20)

 

【10/7以降の1年間で、800人の国防軍兵が戦死】(Y,P,H)
国防軍は19日にガザ・ジェバリア地区でのテロリストとの戦闘により、予備役兵のロイ・サソンさん(21)が戦死したと発表した。これにより、10月7日以降の国防軍兵戦死者が800人を越えた。
この戦闘ではサソンさんの指揮官も負傷し、車椅子で葬儀に参加。800人の亡くなった兵士たちのうち最も多くの犠牲者が出たのは、ハマスによる越境攻撃のあった10月7~8日で309人。また全体のうち43人は女性兵士と、5%を占めている。
また戦線別ではガザ地区内での戦死者は374人、地上作戦を開始して約2月になるレバノンでは44人。サソンさんも戦死したガザ北部(ハマスのテロリストたちが再びテロ拠点化している)ジェバリア地区では多くの兵士が犠牲となっており、これで28人目の犠牲者に。(11/20)

 

【ヒズボラからのロケット弾が幼稚園に】(Y,P,H)
ヒズボラ最高指導者ナイム・カセムがイスラエルの攻撃権に対し反対する演説を行った直後、ヒズボラは約25発のロケット弾を北部海岸部に向けて撃ち込み、そのうちの1発が港町アッコにある幼稚園付近に着弾した。
この幼稚園には約120人の児童たちが居るが、着弾したのは降園時間の20分後で児童たちはすでに帰宅。そのため中庭の滑り台から2mほどの場所に着弾し中庭を中心に大きな物的被害が出たが、負傷者は奇跡的に出なかった。
幼稚園の教諭として働くアラブ人女性はメディアに対し、「今でも恐怖で体が震えている。自分たちの幼稚園でこのようなことが起こるとは、夢にも思わなかった」と話した。(11/20)

◯ 内政

【首相側近による国防を脅かす情報漏洩事件、今週にも起訴か】(Y,P,H)
首相府のフェルドシュテイン元報道官が軍・諜報部の許可がないにもかかわらず国防に関するトップ会議に参加し、許可されていない情報を入手改ざんした上で独大手紙に漏洩していた事件で、報道禁止令の一部が緩和され新情報が報道された。
それによると同氏は機密度の極めて高い書類を(共に逮捕された)軍関係者から不正に入手した後、当初はイスラエルメディアにリークしたとのこと。しかし国内メディアでは検閲により報道出来ないということになり、厳しい検閲のない独ビルト紙にリークした。
このリークと独紙による報道は6人の人質殺害の直後で首相に対して人質解放交渉を進めるようにとの世論が高まっていた時期であり、情報の内容も「国内の抗議行動はハマスの益」など国民の関心と首相への批判をそらせるような内容だった。
今週中にも同氏をはじめ複数が起訴される見通し。またこの情報漏洩事件に関して、首相側近で現報道官のヨナタン・ウリフ氏も関与した疑いで取り調べを受けている。(11/17)

 

【首相私邸に向けて照明弾、活動家3人がテロ容疑で逮捕】(Y,P,H)
16日夜海岸部にあるネタニヤフ私邸近くでの首相に対する抗議行動中、複数の照明弾が海岸近くから放たれ、そのうちの1発は私邸の敷地内(邸宅前のガードマンボックス)に着弾した。シンベトと警察の捜索により、数時間後にネタニヤフ氏に対する抗議運動の中心的人物3人が逮捕された。
事件発生時に首相とその家族は在宅していなかったため、負傷者は出ていない。1週間前にはエルサレムの首相官邸近くでも同様の事件が起こっており、1人が逮捕されている。
この事案自体に対しては与野党を問わず非難のコメントが出ているが、与党からは事件と(去年10/7まで国を二分していた)司法改革の必要性をリンクさせて改革再開を求めたり、検事総長の解任を要求する声が上がり、野党はそれに対して反対するなど様々な問題に飛び火している。(11/17)

国際情勢

【クシュナー氏、再び中東に関する助言役に】(Y,P,H)
トランプ次期大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏が、正式なポストには就かないものの中東外交に関する特別な助言役として、次期政権でも重要な役割を果たすであろうことが分かった。トランプ政権の主要ポストなどと共に中東特使や在イ米大使なども決まっているが、サウジ皇太子をはじめ中東のリーダーとのコネクションもあるため、第1次政権と同様に中東政策では最も重要な役割を果たすことになるだろう、と関係者は話している。
しかし第1次政権直後にはクシュナー氏の投資会社が、サウジ国有ファンドから20億ドルの投資を受けたということもあり、氏の中東政策への介入は批判を呼ぶ可能性もある。また別のメディアはこの日、イスラエル・ヒズボラの間で進んでいる休戦交渉案の内容についてトランプ氏が了承し、「自身の就任前(来年1月)には休戦協定が履行されることを希望する」とコメントしたと報道している。(11/15)

 

【ICC、ネタニヤフ首相とガラント前防衛相に逮捕状】(Y,P,H)
国際刑事裁判所(ICC)が、戦争犯罪と人道に対する罪の容疑でネタニヤフ首相とガラント前防衛相に対して逮捕状を発行したと発表した。決定によるとこの2人が主導となりイスラエルは、殺人・迫害や、インフラ・食料・衣料品などを意図的に奪う非人道的行為を国として『政策・戦争の手段』に採用していたとのこと。
ここ1年間大きく取り上げられていた人道支援物資については、人口1人当たりで計算すると十分な物資が流入しているとの調査もあるが、ICCは「市民への必要性からではなく、国際社会からの圧力に屈して最低限の支援物資を認めただけ」と戦争手段としての飢餓利用だとした。ほとんどの国内メディアはこのニュースを批判的に報道し、「ハマスが一般市民を盾として戦うことを組織化し、それにより多くの民間人犠牲者が出ているのだが、その事実をICCは無視した」との論調。
理論上は、日本をはじめ西ヨーロッパやカナダ・南米など計124加盟国はICCの決定に従い、両氏が入国した際に逮捕する可能性がある。しかし国内の外交関係者は「ICCは引き返せなくなっている状態。ネタニヤフ首相との会談をボイコットすれば休戦交渉はさらに進まなくなるため、欧米の主要国家が逮捕に踏み切る可能性は極めて低い」としている。また法律関係者からは、戦争犯罪を精査するための国による独立調査委員会を発足させれば、イスラエルが主権国家として自らを調査・裁く能力があるとICCが判断し、決定が覆る可能性もあるとしている。
しかし外交の分野やネタニヤフ・ガラント氏に限らず、今後イスラエルの企業や団体・機関との国際的な取引や協力関係を解消する例も出てくる恐れがあり、国際的なマイナスの影響は必至。(11/21)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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