【カッツ防衛相、入植者に対する行政拘禁処分を廃止の意向】(Y,P,H)
就任して約半月になるカッツ防衛相が、ユダヤ人入植者に対する行政拘禁を今後行わないと発表した。安全保障に関する事例の際に司法手続きなしに拘束・拘留ができるこの制度は、テロ関与の疑いがあるパレスチナ人だけでなくイスラエル人に対しても適用され、今年もガラント前防衛相の指示で入植者に対しても適用されていた。
しかしカッツ氏は「パレスチナによるテロの脅威や国際社会の不当な制裁などを鑑みると、入植者たちに国がこのような厳しい措置を取ることは不適切」との理由から、今後同制度を使用しない意向を示した。極右閣僚やリクードの閣僚などからは歓迎のコメントが。
しかし司法関係者からは「過激な入植者に殺人を容認するもの。最高裁は人種差別の観点からユダヤ人のみに対して撤廃するのを不当だと判断するだろう」との声が上がっている。(11/22)
【休戦合意がささやかれるなか、約300発のロケット弾が飛来】(Y,P,H)
イスラエル・ヒズボラ間の休戦交渉が大詰めを迎えているなか、北部戦線での戦闘が始まって以来最大となる約300発のミサイル・無人攻撃機が、ヒズボラにより北部からテルアビブ近郊までの広い範囲に撃ち込まれた。朝から夜までの間に500回以上のサイレンが国内で鳴り、中央部に対しても朝と昼の2度に渡ってミサイルが飛来し、昼の攻撃ではテルアビブ近郊10キロの中央部の町に着弾した。
この日1日の攻撃で計8人の負傷者が出ている。軍関係者によるとこの日は雨が降り、霧がかっていたこともあり、ミサイルの発射台が確認できにくい状況をヒズボラが利用し多くのロケット弾を発射したもよう。政府関係者は、「休戦直前に最大火力での攻撃が見られるのは通例で、ヒズボラ側も休戦の準備が整いつつあるということ。イスラエルも休戦前にベイルートへ激しい攻撃をするだろう」と話している。
休戦交渉も締結まであと少しのようで、イスラエル政府は現行の休戦案に対してGoサインを出しており、ネタニヤフ氏とその周辺はこの休戦をどう国内に向けて発信・説明するかについて協議しているよう。(11/24)
【UAEに派遣されているラビが行方不明、翌日に遺体で発見】(Y,P,H)
前日から行方不明が報じられ、イランにより拉致または殺害されたのではとされていた、UAE駐在のラビ(ユダヤ教指導者)であるツビ・コーガン氏が24日、遺体で発見された。コーガン氏は当地のユダヤ人共同体の創設メンバーの1人でチーフラビの助手を務め、国内唯一のコシャー認定スーパーを運営していた。
先週木曜日から音信不通になっており、捜査から自身のスーパーから拉致されたことが判明、その後ドバイから車で1時間半ほどの場所で自身の自家用車と共に遺体で発見された。翌25日には殺害者となったウズベキスタン人3人が、中東のある国(恐らくトルコ)で逮捕されドバイまで送還。
この逮捕に関してUAE警察は「全ての首謀者たちを逮捕した」と発表し事件の収束を強調しているが、イスラエルの関係者は「殺害・拉致に関与した一部のメンバーは、まだトルコで逃亡している」と話すなど両国の間に食い違いも見られている。(11/23-25)
【国防軍、押収したヒズボラの武器の一部を公開】(Y,P)
約2か月間行われている南レバノンでの地上作戦中に押収されたヒズボラの兵器の一部が、国防軍の技術部門によって公開された。実際に発見された兵器の数は6万以上にのぼるが、実際にイスラエルまで運ばれたのは半分以下で、半分以上は作戦が行われた場所で破壊されている。
この日報道陣に公開されたのは、AKをはじめとした自動小銃や機関銃・イラン製の強力なライフル銃、ロケットランチャーや(一部にはロケット弾の発射台が載っている)ピックアップトラック・ジープなど。
ガザ・ハマスから押収された武器と比較されるような形で公開されており、ハマスよりもヒズボラの方が高性能かつ手入れのされた武器を所持しており、『洗練』されたテロ組織であることが分かる。(11/25)
【イスラエルとヒズボラ(レバノン)が休戦で合意】(Y,P,H)
夜の閣議でイスラエルはヒズボラとの休戦に合意することを承認、翌27日午前4時より休戦期間に入った。
これによりレバノン/ヒズボラ側はイスラエルへの攻撃や正規軍以外の武装勢力の活動が禁止され、南部にあるテロ拠点は破壊される。イスラエル側はレバノンへの攻撃停止のほか、60日以内にレバノン内からの撤退が義務付けられる。
ネタニヤフ首相はビデオメッセージで国民に対し、ヒズボラの戦力を数十年前のレベルにまで削いだと戦果を強調。休戦に応じた理由としてイラン問題への注力や軍への休息期間の必要性、そしてヒズボラ・ハマスという南北の敵・戦線をこの休戦により分断できることなどを挙げた。しかし避難地からの帰宅ができない状況のままでの休戦に対しては、北部住民・首長たちから敗北だと反対する声が。
この世論に対して首相関係者は「レバノン占領とヒズボラ軍部解体は、この戦争の目的では最初からなかった」と答えている。
またメディアはこの休戦案の問題点について、
1.国境部に無人地帯が設定されておらず帰還する住民に紛れテロリストが戻って再拠点化する可能性がある、
2.ヒズボラによる協定違反時のイスラエルの攻撃権については協定には明記されておらず、アメリカが作成・署名した別の文書により保証されているため、ロケット弾発射や部隊攻撃などの差し迫った脅威でない限りは、レバノン軍とUNIFIL(国連レバノン暫定軍)への対応要請しかできないこと、
3.協定が履行されているかの監視も担当する上記2つの軍があまりに頼りないこと、などが指摘されている。
ハマスは休戦に関して指導者の1人が祝福のコメントを出すも、組織内では「ヒズボラは裏切った」との失望の声が広がっているよう。(11/26)
【人質解放交渉の再開のため、トルコに協力を要請か】(Y,P)
カタールからイスタンブールにハマス海外部の拠点が移ったことを受け、ここ数週間イスラエルはトルコに対して人質解放交渉の仲介を要請しているとのことが分かった。
エルドアン大統領はこの日の朝、イスラエル・ヒズボラの休戦を祝福し、「ガザでの休戦のため、必要な全ての助けを行うつもり」ともコメントしている。
イスラエル政府は否定しているが、バイデン大統領はガザ休戦のためのトルコとの協力を明言しており、10日ほど前にシンベト長官がトルコを極秘訪問。これについて関係者はトルコは正式な仲介役ではないとしながらも、拠点が国内にあることからハマスに対しての働き掛けの部分で、トルコが役割を果たす可能性について認めている。
しかしハマスを全面的に支持し、2国間の輸出入を停止するなどというエルドアン大統領のスタンスもあって、トルコの介入を危惧する政府関係者も。(11/27)
【ヒズボラが休戦協定違反、空軍がテロ拠点を空爆】(Y,P)
休戦期間2日目となる28日、ヒズボラによる休戦協定違反と見られる行動が複数見られた。まずは午前中にテロリストと見られる男性2人が、南レバノンにあるロケット弾発射台に戻っている姿が目撃された。
この発射台はここ1月間の間にイスラエル北部に向けて数十発のロケット弾を撃ち込んでおり、国防軍は銃撃を行ってテロ拠点に戻るのを阻止。そして午後には、サイダ(シドン)近郊で中距離ロケット弾発射に関連するテロ行為が見られたため、空軍が休戦期間開始後初めてレバノン内での空爆を行った。
この空爆は参謀総長と防衛相というトップ直々の許可を得てからという異例の形をもって行われ、イスラエルはアメリカに対しても空爆前に状況と攻撃に関する説明を行ったと報じられている。(11/28) |