ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【カッツ防衛相、入植者に対する行政拘禁処分を廃止の意向】(Y,P,H)
就任して約半月になるカッツ防衛相が、ユダヤ人入植者に対する行政拘禁を今後行わないと発表した。安全保障に関する事例の際に司法手続きなしに拘束・拘留ができるこの制度は、テロ関与の疑いがあるパレスチナ人だけでなくイスラエル人に対しても適用され、今年もガラント前防衛相の指示で入植者に対しても適用されていた。
しかしカッツ氏は「パレスチナによるテロの脅威や国際社会の不当な制裁などを鑑みると、入植者たちに国がこのような厳しい措置を取ることは不適切」との理由から、今後同制度を使用しない意向を示した。極右閣僚やリクードの閣僚などからは歓迎のコメントが。
しかし司法関係者からは「過激な入植者に殺人を容認するもの。最高裁は人種差別の観点からユダヤ人のみに対して撤廃するのを不当だと判断するだろう」との声が上がっている。(11/22)

 

【休戦合意がささやかれるなか、約300発のロケット弾が飛来】(Y,P,H)
イスラエル・ヒズボラ間の休戦交渉が大詰めを迎えているなか、北部戦線での戦闘が始まって以来最大となる約300発のミサイル・無人攻撃機が、ヒズボラにより北部からテルアビブ近郊までの広い範囲に撃ち込まれた。朝から夜までの間に500回以上のサイレンが国内で鳴り、中央部に対しても朝と昼の2度に渡ってミサイルが飛来し、昼の攻撃ではテルアビブ近郊10キロの中央部の町に着弾した。
この日1日の攻撃で計8人の負傷者が出ている。軍関係者によるとこの日は雨が降り、霧がかっていたこともあり、ミサイルの発射台が確認できにくい状況をヒズボラが利用し多くのロケット弾を発射したもよう。政府関係者は、「休戦直前に最大火力での攻撃が見られるのは通例で、ヒズボラ側も休戦の準備が整いつつあるということ。イスラエルも休戦前にベイルートへ激しい攻撃をするだろう」と話している。
休戦交渉も締結まであと少しのようで、イスラエル政府は現行の休戦案に対してGoサインを出しており、ネタニヤフ氏とその周辺はこの休戦をどう国内に向けて発信・説明するかについて協議しているよう。(11/24)

 

【UAEに派遣されているラビが行方不明、翌日に遺体で発見】(Y,P,H)
前日から行方不明が報じられ、イランにより拉致または殺害されたのではとされていた、UAE駐在のラビ(ユダヤ教指導者)であるツビ・コーガン氏が24日、遺体で発見された。コーガン氏は当地のユダヤ人共同体の創設メンバーの1人でチーフラビの助手を務め、国内唯一のコシャー認定スーパーを運営していた。
先週木曜日から音信不通になっており、捜査から自身のスーパーから拉致されたことが判明、その後ドバイから車で1時間半ほどの場所で自身の自家用車と共に遺体で発見された。翌25日には殺害者となったウズベキスタン人3人が、中東のある国(恐らくトルコ)で逮捕されドバイまで送還。
この逮捕に関してUAE警察は「全ての首謀者たちを逮捕した」と発表し事件の収束を強調しているが、イスラエルの関係者は「殺害・拉致に関与した一部のメンバーは、まだトルコで逃亡している」と話すなど両国の間に食い違いも見られている。(11/23-25)

 

【国防軍、押収したヒズボラの武器の一部を公開】(Y,P)
約2か月間行われている南レバノンでの地上作戦中に押収されたヒズボラの兵器の一部が、国防軍の技術部門によって公開された。実際に発見された兵器の数は6万以上にのぼるが、実際にイスラエルまで運ばれたのは半分以下で、半分以上は作戦が行われた場所で破壊されている。
この日報道陣に公開されたのは、AKをはじめとした自動小銃や機関銃・イラン製の強力なライフル銃、ロケットランチャーや(一部にはロケット弾の発射台が載っている)ピックアップトラック・ジープなど。
ガザ・ハマスから押収された武器と比較されるような形で公開されており、ハマスよりもヒズボラの方が高性能かつ手入れのされた武器を所持しており、『洗練』されたテロ組織であることが分かる。(11/25)

 

【イスラエルとヒズボラ(レバノン)が休戦で合意】(Y,P,H)
夜の閣議でイスラエルはヒズボラとの休戦に合意することを承認、翌27日午前4時より休戦期間に入った。
これによりレバノン/ヒズボラ側はイスラエルへの攻撃や正規軍以外の武装勢力の活動が禁止され、南部にあるテロ拠点は破壊される。イスラエル側はレバノンへの攻撃停止のほか、60日以内にレバノン内からの撤退が義務付けられる。
ネタニヤフ首相はビデオメッセージで国民に対し、ヒズボラの戦力を数十年前のレベルにまで削いだと戦果を強調。休戦に応じた理由としてイラン問題への注力や軍への休息期間の必要性、そしてヒズボラ・ハマスという南北の敵・戦線をこの休戦により分断できることなどを挙げた。しかし避難地からの帰宅ができない状況のままでの休戦に対しては、北部住民・首長たちから敗北だと反対する声が。
この世論に対して首相関係者は「レバノン占領とヒズボラ軍部解体は、この戦争の目的では最初からなかった」と答えている。
またメディアはこの休戦案の問題点について、
1.国境部に無人地帯が設定されておらず帰還する住民に紛れテロリストが戻って再拠点化する可能性がある、
2.ヒズボラによる協定違反時のイスラエルの攻撃権については協定には明記されておらず、アメリカが作成・署名した別の文書により保証されているため、ロケット弾発射や部隊攻撃などの差し迫った脅威でない限りは、レバノン軍とUNIFIL(国連レバノン暫定軍)への対応要請しかできないこと、
3.協定が履行されているかの監視も担当する上記2つの軍があまりに頼りないこと、などが指摘されている。
ハマスは休戦に関して指導者の1人が祝福のコメントを出すも、組織内では「ヒズボラは裏切った」との失望の声が広がっているよう。(11/26)

 

【人質解放交渉の再開のため、トルコに協力を要請か】(Y,P)
カタールからイスタンブールにハマス海外部の拠点が移ったことを受け、ここ数週間イスラエルはトルコに対して人質解放交渉の仲介を要請しているとのことが分かった。
エルドアン大統領はこの日の朝、イスラエル・ヒズボラの休戦を祝福し、「ガザでの休戦のため、必要な全ての助けを行うつもり」ともコメントしている。
イスラエル政府は否定しているが、バイデン大統領はガザ休戦のためのトルコとの協力を明言しており、10日ほど前にシンベト長官がトルコを極秘訪問。これについて関係者はトルコは正式な仲介役ではないとしながらも、拠点が国内にあることからハマスに対しての働き掛けの部分で、トルコが役割を果たす可能性について認めている。
しかしハマスを全面的に支持し、2国間の輸出入を停止するなどというエルドアン大統領のスタンスもあって、トルコの介入を危惧する政府関係者も。(11/27)

 

【ヒズボラが休戦協定違反、空軍がテロ拠点を空爆】(Y,P)
休戦期間2日目となる28日、ヒズボラによる休戦協定違反と見られる行動が複数見られた。まずは午前中にテロリストと見られる男性2人が、南レバノンにあるロケット弾発射台に戻っている姿が目撃された。
この発射台はここ1月間の間にイスラエル北部に向けて数十発のロケット弾を撃ち込んでおり、国防軍は銃撃を行ってテロ拠点に戻るのを阻止。そして午後には、サイダ(シドン)近郊で中距離ロケット弾発射に関連するテロ行為が見られたため、空軍が休戦期間開始後初めてレバノン内での空爆を行った。
この空爆は参謀総長と防衛相というトップ直々の許可を得てからという異例の形をもって行われ、イスラエルはアメリカに対しても空爆前に状況と攻撃に関する説明を行ったと報じられている。(11/28)

◯ 内政

【首相、情報漏洩事件について初のコメント】(Y,P,H)
国防を脅かす機密文書漏洩の罪でエリ・フェルドシュテイン元首相府報道官が起訴されたことを受け、ネタニヤフ首相がビデオメッセージを発表した。
首相は「フェルドシュテインは愛国主義者であり真のシオニスト。これまでも様々な情報漏洩があったが誰も逮捕はもちろん、取り調べさえも受けていない」と元報道官を擁護しつつ、首相府が関わる本件だけが魔女狩りにあっているとした。
「この狩りは私に対するものだけでなく、私を選んだ多くの国民に向けられている」と発言し、重要な情報が首相に対し報告されていないと司法府だけでなく、軍・諜報部に対しても批判を展開した。この事件発覚の際に首相府は漏洩者と首相は全くの無関係だと発表していたが、その後首謀者が首相の元報道官だと判明。
これらに関する説明はなく、他の漏洩とは違い兵士や人質の人命を危険に晒す可能性があった事例だったことなどについては、言及されていない。(11/23)

 

【極右に続き超正統派党首も、ガザ再入植を支持】(Y,P)
UTJ党のゴルドクノップ住宅建設相が極右入植団体によるツアーに参加し、ガザを南北に分断しているネツァリーム回廊を視察訪問。同団体は『ガザ入植図』を見せて彼らの構想を説明し、視察後に同相はXで「ガザでのユダヤ人入植こそが、虐殺と国際裁判所に対する回答だ」と、ガザでの入植地の再建設を支持するコメントを行った。
ベングビル国家治安相やスモトリッチ財務相などの極右閣僚に続いて、超正統派政党の党首もガザ入植を明言した形。これはイスラエル政府の公式見解とは相反するもので、サアル外相はこの日ガザ内での行政統治の可能性について否定している。
しかしガザでの戦闘が長引き、ネタニヤフ首相がハマス後のガザについて明確なビジョンを示さないことから、連立内の過半数の政党党首がガザ入植を支持する立場を表明する事態に。(11/28)

国際情勢

【バイデン大統領、ICCの逮捕状を厳しく批判】(Y,P,H)
国際刑事裁判所(ICC)が、ネタニヤフ首相とガラント前防衛相に対して逮捕状を発行したことを受け、バイデン大統領がコメントを発表。
「常軌を逸している。ICCによる含蓄がどんなものであっても、イスラエルとハマスの間にはいかなる類似性も存在しない。安全保障に対する脅威に関して私たちは、イスラエルと共にある」との声明を発表し、ICCの決定に対して反対であるとの姿勢を明確に示した。
現状でアルゼンチン・ハンガリーもICCの決定に従わない意向を示しており、イギリスはICCの重要性を認めつつも、米のように「民主主義国家とテロ組織を同列に比較することは不可能」と決定を批判し、両氏を逮捕するとは明言していない。
対照的にカナダなどは「ICCのすべての決定に対し従う」と全面的に支持しており、国際社会内でも様々な反応が見られる。(11/22)

 

【アッバス議長、後継者を任命】(Y,P,Y)
パレスチナ自治政府のアッバス議長が公式声明を出し、自身が何らかの理由で職務遂行が難しくなった際にはパレスチナ国民評議会のラウィ・ファトゥ議長が議長代行となると発表した。
この決定によると90日の間ファトゥ氏(75)が議長代理となり、その期間中に議長選挙が行われるとのこと。周囲への相談なしの決定に対して関係者は驚きつつ、背後にアメリカからの要請があったのではとしている。米・サウジはガザ停戦後ハマスに代わって自治政府がガザを統治する構想を持っており、その準備として自治政府内の改革を希望。
そのため米は議長に対して副議長の任命を要請したが、アッバス議長はこれを自身を取り除く計画だと感じたため副議長ではなく、あくまで議長代行として(ポスト・アッバスの有力候補にも挙げられていない)同氏を任命したのではとのこと。(11/27)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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