ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【南シリアで国防軍が軍事作戦、トランプ大統領はイスラエルを牽制】(Y,P,H)
27日の深夜に国防軍がシリア南部のベイトジンで軍事作戦を実行、イスラエルに対するテロ活動を行っていたムスリム同胞団系のテロ組織のテロリスト3人の自宅に突入して逮捕した。
シリア南部での国防軍を標的とした爆破装置の設置や迫撃砲発射などを行っていたことからの逮捕劇だったが、逮捕後に村を出ようとしたところテロリストたちによる銃撃を受けて重傷者3人を含む、予備役兵6人が負傷した。これに対して兵士たちも応戦し空軍による援護射撃もあり、複数のテロリストが無効化された。
この事例を受けてシリアメディアは少なくとも10人のシリア人が死亡し、空爆を受けて倒壊した建物の下敷きになっている者もいると報じている。
イスラエル側はこのテロ組織がシャラア政権の諜報部と協力関係にありながら、イスラエル軍や(国内少数派で政権による攻撃を受ける)ドゥルーズ派に対しテロ行為を行っていると考えている。
数日後の1日にトランプ大統領がイスラエル・シリア間の緊張関係に言及、「シリアでの結果には非常に満足しており、繁栄した国家への進化にイスラエルが干渉しないことが重要」と発言。南シリアにおける国防軍による軍事作戦に釘を刺している。
(11/28, 12/1)

 

【レバノン軍、ヒズボラによる地下トンネルをメディアに公開】(Y,P,H)
レバノン軍がメディアの報道陣に対し、南レバノンにヒズボラが建設した地下トンネルの様子を公開した。
公開されたのは計74あるレバノン軍の管理下となったヒズボラによるトンネルの1つで、長さは約100mで台所や野戦病院のような治療室があり、水道や換気のためのパイプが設置されているなど、かなり設備が整ったトンネルだったことが分かるもの。ツアーに参加したアラブ系メディアはトンネルが幹線通りから4分ほどの場所にあったことや、数十の水のボトルや缶詰などが発見されたと伝えている。
イスラエルメディアはこのレバノン軍によるヒズボラトンネル公開について、「レバノン軍が休戦協定を順守し、ヒズボラ武装解除を国際的に進めていることのアピールを狙ったもの」と分析している。
(11/29)

 

【10時間に2度のテロ―その背景にはパレスチナ内の教育問題か】(Y,P,H)
1日夜から2日にかけての約10時間の間に西岸地区でテロ事件が2度発生した。
1つ目は1日夜にヘブロン近郊で起こった衝突テロで、パレスチナ人の乗った乗用車が交差点に配置されていた国防軍部隊に対しスピードを上げて衝突。女性兵士1人が負傷し、テロリストは逃走した。数時間後に同じ乗用車に乗っていたテロリストを国防軍が発見、逃亡を図ったため無効化された。
2日朝のテロはラマラ北近郊の入植地付近で起こったもので、パレスチナ人不審者に対して兵士2人が尋問と身体チェックを行っていたところ、自身のバッグから刃物を取り出して刺傷。直後にテロリストは無効化されたものの、2人とも軽傷を負った。
犯人は数キロ離れた村に住むパレスチナ人男性で、家を出る際にテロ実行を家族に告げていたのにもかかわらず通報していなかったことから、国防軍はテロリストの自宅を捜索し、家族3人を逮捕し取り調べを行っている。
この2件のテロはハマスなどにより組織されたものではない単独犯で、防衛・諜報関係者は「給与未払いによりパレスチナ内の教育がストップしており、未成年による単独犯テロが最近増えている」とその背景に教育問題があることを指摘している。
(12/1-2)

 

【国際社会への約束はどこへ?自治政府はテロ教育を継続】(Y)
イスラエルのNPOが2025~26年度のパレスチナにおける教科書に関するレポートを発表。パレスチナの小中高で使用される教科書290冊を分析したもので、パレスチナ解放のための死を辞さない『ジハード』は宗教的義務であるという教育が継続されていることが判明した。
例えば中学校の国語(アラビア語)の授業では読解力を伸ばすための文章として、自爆ベルトを巻いてテロを起こしたりイスラエル人たちの喉を掻き切ったりするテロリストを賞賛する内容が用いられている。また理科系の教科書の中にもテロ教育は見られ、高校の生物の教科書では神経系について説明する挿絵としてイスラエル兵に射殺される瞬間のパレスチナの子どもが採用され、テロに繋がるイスラエルへの憎悪を煽るものとなっている。
アッバス議長はトランプ案にある『自治政府の根本的改革』の一環として、一切のテロ・憎悪教育を廃止すると欧米に対して約束しているが、実質的には何も変わっていないことが露呈された。
(12/2)

 

【キブツで働いたタイ人男性の遺体が返還、これでガザに残る遺体は1人に】(Y,P,H)
イスラム聖戦がガザ北部で人質の遺体を発見したと発表し、3日夕方に国際赤十字を通じてイスラエル側に返還された。そして4日朝に遺体の鑑定結果が出、キブツ・ベエリの果樹園で働いていたタイ国籍のスティサク・リンタラクさん(42)の遺体であることが判明した。
リンタラクさんは2017年からイスラエルで働いており10/7の朝に果樹園で殺害され、遺体のままイスラム聖戦のテロリストによりガザへ拉致されていた。
リンタラクさんのお母さんの話によると、彼らが住むタイ北部の小さな町ではイスラエルに出稼ぎに行く男性も多く、リンタラクさんは親戚何人かと一緒にイスラエルに来ており、現在でも彼らはイスラエルで働いている。タイ大使館との協力でリンタラクさんの遺体は近く祖国に戻る予定となっており、生前好んで着ていた服を着て葬儀が行われ、地元の寺院で火葬が行われるとイスラエルメディアは報じている。
これで未だガザで囚われの身となっているのは、警察特殊部隊の警官として10/7に戦死したラン・グビリさん(24)の1人となった。
(12/3-4)

◯ 内政

【ネタニヤフ首相、ヘルツォグ大統領に恩赦を正式要請】(Y,P,H)
3つの事件で収賄・詐欺・背任の罪で起訴されているネタニヤフ首相は30日、自身の弁護士を通じてヘルツォグ大統領に対して恩赦を正式に要請した。
裁判開始から5年半が経っての恩赦要請についてネタニヤフ氏は「自身の望みは裁判を継続し自身の無実と完全無罪を証明すること」と強調しつつも、自身の裁判が国を二分する議論となっており「国全体に和解をもたらす」ことが公益であり、自身の裁判を(恩赦という形で)終結させることが国の中に出来た溝を埋め一致をもたらすと恩赦の必要性を主張した。
しかしこの大統領に宛てられた書簡のなかには、恩赦要請の際には通例とされている罪状への自認と後悔の念などについては全く書かれておらず、首相関係者は一様に「恩赦を受けての政界引退はなく、一時的なものであっても首相を辞任する意向も全くない」と語っているため、実質的にはネタニヤフ氏への無条件での恩赦を求めるものになっている。
これに対して恩赦についての権限を持つ大統領周辺からは、「将来的に総選挙を勝利しての復職は認める可能性もあるが、少なくとも一時的な首相離職は必須」との声が。大統領は数週間から2か月ほどの間にこの恩赦要請に対する答えを出すことになっている。
世論調査ではネタニヤフ氏の要請に応じる形での恩赦の有無に関しては賛成38%・反対43%となっており、反対が若干上回っているが二分されていると言える。
またこのネタニヤフ氏への恩赦に関してはイスラエル国内だけの問題ではなく、10月の休戦締結時にトランプ大統領が国会でヘルツォグ大統領に対して「ネタニヤフ氏に恩赦を与えてはどうだろうか」と呼び掛けたり、先月にはトランプ氏が恩赦を要請する正式な書簡をヘルツォグ氏に送ったりと、強力な『援護射撃』が行われて来た。
(11/30)

 

【ネタニヤフ首相が後任のモサド新長官を発表、またまた物議を醸す】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は4日、来年6月に任期満了で退任するモサドのバルネア長官の後任として、現在自身の軍事秘書官を務めているロマン・ゴフマン司令官を任命することを発表した。
ゴフマン司令官は49歳でベラルーシから14歳の時に帰還し、義務兵役時に戦車部隊に入隊、そこから軍でのキャリアを開始した。
その後伝統ある第7機甲旅団の司令官やゴラン高原で活動する師団長などを歴任し、10/7発生時には知らせを受け住んでいる南部の町から被害を受けたスデロットに急行し、警官や武器を所持しているボランティアを集めて即席の部隊を形成し指揮。多くのテロリストたちの攻撃を食い止めるなかで銃弾を受けて重傷を負い、最も階級の高い負傷兵ということでその英雄的行為から象徴的な存在となった。
ロシア系移民一世としてのサクセスストーリーを体現するようなゴフマン司令官のモサド長官任命だが、この人選に関しては関係者たちから疑問の声が上がっている。というのもバルネア長官は自身の後任に適任であるとモサド副長官を含む上層部の2人を推薦したが、ネタニヤフ氏は自身の側近であり、モサドはもちろん諜報機関での経験が全くない軍人を長官に任命した形に。
これと同じようなことをネタニヤフ氏はシンベトのズィニ新長官の任命の際にも行っており、イスラエルの諜報機関を司る2人が諜報機関での活動歴が無いという異例の事態になる。
(12/4)

◯ 国際情勢

【「ガザ発のXアカウント」の多くは海外からのもの?】(Y,H)
イスラエル外のユダヤ人共同体との協力や反ユダヤ主義への対抗を目的とする離散省が、親パレスチナ的アカウントの位置情報に関する調査結果を発表した。
この調査はXがアカウントの所在地を表示する機能を導入したことを受けたもので、ガザや西岸地区から活動し現地情報を発信しているとうたっている487のアカウントの位置情報を分析。その結果、位置情報が実際にガザや西岸地区となっているアカウントは37.4%にとどまり、海外拠点が24.2%、残り38.4%は位置情報が不明であることが分かった。例えば約100万人のフォロワーを誇る『Times Of Gaza』の位置情報は、東アジア・太平洋となっている。
このように反イスラエル的なプロパガンダの多くは、ガザからの現地情報と語りながら実際には海外からの発信であることがXの新機能から判明した。
(11/29, 12/1)

 

【ホロコースト犠牲者の遺品がオークションに…イスラエルのNPOが購入】(Y,H)
先月ドイツの競売商『フェルツマン』がホロコーストで犠牲者となったユダヤ人たちの黄色いユダヤの星や親戚と交わした手紙、また強制的な不妊手術に関する医療文書やヒトラー暗殺計画に関与したとされる裁判文書などといった、犠牲者の個人情報を含む遺品を出品しようとしていた件について、イスラエルのNPOがその多くを買い取っていたことが分かった。
遺品を『救出』したホロコースト生存者への支援活動をしているNPO『友への助けの手』は取材に対して「ホロコーストの記憶が売りに出されているのを黙って見ていることは出来なかった。次世代のために過去を救うことは倫理的義務だ」とコメント。
救出された遺品たちはNPOが運営するホロコースト博物館内に展示されることになっている。
(12/1)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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