ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【1週間で3人の遺体がイスラエルへ、これでガザに残されたのは3人に】(Y,P,H)
6日夜にハマスがイスラエルに対して遺体を返還。その後のDNA鑑定で遺体はガザ周辺のキブツ自警団の責任者として自身の住むキブツ防衛戦で戦死し、拉致されたリオル・ルダイフさん(61)のものであると発表された。
ルダイフさんはアルゼンチンから7歳の時に一家で帰還し、その直後からガザ周辺のキブツに住み、救急車の運転手として40年間ボランティアするなど地域一帯に貢献していた。
また9日深夜にハマスは2014年の地上作戦にて戦死した後拉致していたハダル・ゴルディンさん(23)の遺体をイスラエル側へ返還。その後の鑑定で本人の遺体であることが確認された。10/7以前はガザで囚われの身となっている人質の数が限りなく少ないこと、そしてギブアティ旅団特殊部隊の指揮官という兵士だったこともあり、ゴルディンさんの遺体はイスラエル・ハマスの双方にとっても象徴的な意味合いを持っていたが、4118日の時を掛けてようやく家族との(無言ではあるが)再会を果たした。11日には葬儀が行われ、最後の敬意を表するために数千人が参列している。
また13日には3人目の遺体がイスラエルへと引き渡され、こちらはベエリのキブツメンバーであるメニ・ゴダルドさん(72)であることが判明。10/7の襲撃時、メニさんは妻アイェレトさんと自宅に居たために家のシェルターへと避難。するとテロリストたちはシェルターに火を着けて2人を誘き出し、メニさんを射殺し遺体をガザへと拉致した。アイェレトさんはその場では見つからずに脱出に成功したが、数時間後に草むらで隠れている所を見つかり彼女もテロリストにより殺害された。
これによりガザに残されているのはベエリ・キブツ最後の人質である男性、警察特殊部隊の兵士、そして労働者として来ていたタイ人男性の3人の遺体のみとなった。
(11/7-13)

 

【アメリカ、トンネルに残されたテロリストたちの安全な通行を要求】(Y,P,H)
トランプ大統領の娘婿で休戦合意の立役者の1人でもあるジャレッド・クシュナー氏がイスラエルを訪問しネタニヤフ首相と対談。会談ではラファの地下トンネルに残っているとされる約200人のハマスのテロリストに関する処遇について集中的に話し合われ、クシュナー氏はネタニヤフ氏に対してテロリストたちへの『安全な通行権』を求めた。
このトンネルは現在国防軍の管理下にあり、9日に11年の時を経て返還されたハダル・ゴルディンさんの遺体の一部も、この中に隠されていたと考えられている。会談の中で出た案の1つはテロリストたちは武器を捨てて投降する代わりにイスラエルは安全なガザ内部への通行、または身元を引き受ける国への出国を保証。彼らがトンネルを出て誰も居なくなった後にトンネルを爆破するというもの。
国防関係者は不本意ながらも「アメリカの要請通り、何かしらの協定という解決案になるだろう」と話している。
(11/11)

 

【ヒズボラ最高指導者、武装解除を否定】(Y,P,H)
先週からレバノンにおけるヒズボラの再軍備化とイスラエルによる空爆から短期的な軍事作戦が行われる可能性も報じられているなか、ヒズボラ最高指導者ナイム・カセムが地下壕の中からビデオ演説を行った。
そのなかで、状況がこのまま続くことはありえず、何事にも限界があるとしたうえで「イスラエルによって存続危機の状態にあるが、我々には自衛権がある。自衛を可能にさせる全ての武器について我々は一切放棄しない。降伏よりも重い代償はない」と発言し、武装解除を拒否した。
イスラエル軍報道官はこの日海外メディアに対して説明を行い、南レバノンにヒズボラがテロ拠点を再構築しているだけでなく、シリアなどの隣国から武器を密輸しているとの情報も明かし、イスラエルのヒズボラ空爆はその脅威を受けたものだと説明している。
(11/11)

 

【ナブルス近郊で激化する過激入植者たちによる暴動】(Y,P,H)
11日の午後、ナブルス近郊の村ベイト・リドに100人以上の覆面をした過激なユダヤ人入植者たちが押し入り、住民の車両や所有物などに対する放火・破壊行動を行い、パレスチナ人4人に怪我を負わせた。
暴動を鎮圧するために国防軍の部隊が急行したところ、部隊と入植者の暴徒たちとの衝突に発展。パラシュート部隊のジープのタイヤに穴が開けられるなどの、被害が出た。中央軍司令官は「(パレスチナ人の)死者が出なかったのは奇跡だった。この状況は許容できるものではなく、厳しい対応が必要」と発言し、入植者たちを批判。丸1日経った12日には入植者たちの行動を「越えてはいけない赤線を越える行為」と批判するコメントをザミール参謀総長も発表している。
軍部の批判とは対照的にネタニヤフ首相やカッツ防衛相が沈黙を守るなか、12日夜にはアメリカのルビオ国務長官までもが懸念を表明。「このような事例がガザで私たちが尽力している休戦に悪影響を及ぼすという危機感がある」と不快感を露わにした。
このような軍部内やアメリカからの懸念・批判の声があるなか13日には、ナブルス近郊にあるモスクに対して放火が行われ、「非難し続ければよい」や「司令官を恐れてはいない」などといった軍に向けられた落書きが壁に行われるという事例が起こっている。
(11/11-13)

◯ 内政

【逮捕された前軍法務総監のスマホ発見、捜査の監査役は誰に?】(Y,P,H)
10/7のテロリスト拘束施設内で行われた虐待映像が漏洩した事件について、逮捕されている前軍司法部トップのトメル=イェルシャルミ氏の証言の一部が報道され、「映像漏洩について理解していたのは軍司法部のみで軍トップや防衛相・検事総長には隠していた」と証言していることが分かった。
またこの報道があった7日には同氏に対する一時的な自宅内での拘禁処分が決定され、テルアビブ北の海中からは同氏が(恐らく捜査妨害のために)捨てたスマホも発見されている。しかし自宅拘禁となって2日後の9日早朝にはトメル=イェルシャルミ氏が睡眠薬を大量摂取するという自殺未遂があり、救急隊が急行。命に別状はなかったがこれを受け、彼女は病院へ入院している。
しかし現状で世論やメディアの注目は主犯者である彼女についてではなく、この漏洩事件の調査を誰が取り仕切るのかについてに。先週にレビン法相は「幅広い層の国民からの信任を得ている」と言う理由から、71歳の一線を退いた裁判官の任命を一方的に決定。
しかし司法府側やその関係者からは「法相単独にそのような権限はなく、このような特例はネタニヤフ首相の裁判に関する(法相が自身の近しい者を責任者に任命するなどという)危険な前例になる」といった批判の声も上がっている。
この漏洩事件に関しては「トメル=イェルシャルミ氏から漏洩に関して虚偽の報告を受けていた」という立場から、ミアラ検事総長も参考人として捜査に関わるため彼女自身が監査役になることは出来ず、従来であれば司法部から別の裁判官が任命されるのが通例。しかしこの軍内ではあるものの司法制度に対する信頼が失墜するような事件が起こったなか、この『監査役問題』はレビン法相が戦前強硬に進めていた司法改革とリンクする形で大きな議論を呼んでいる。(11/7,9-11)

◯ 国際情勢

【イラン武装組織、在メキシコ大使の襲撃画策も阻止される】(Y,P,H)
イランの革命防衛隊がメキシコで実行しようとしていた同国駐在のクランツ=ネイガー・イスラエル大使に対する襲撃テロ計画が、現地当局により未然に阻止されたことが報道から明らかになった。詳細は明かされていないが実行犯である組織は在ベネズエラ・イラン大使館を通じてテロを画策していたとのこと。
米関係者によると現状脅威は無くなっているとしつつ、「イラン政府のプレゼンスがある全ての国にとっては対岸の火事ではなく憂慮すべきこと」としており、イスラエル外務省はメキシコに対して謝意のコメントを発表している。メキシコシティではイスラエル大使館前で毎週のように親パレスチナ派によるデモがあり、その一部が暴徒化し中に押し入ろうとしたり火炎瓶が投げ込まれたりといった事例が散発していた。
(11/8)

 

【トランプ大統領「ネタニヤフ首相に恩赦を」】(Y,P,H)
12日にトランプ大統領はヘルツォグ大統領に対してネタニヤフ首相への恩赦を要請する公式書簡を送付した。その中でトランプ氏は「イスラエルの司法制度の独立に関しては完全な敬意を払っているが、このビビ(ネタニヤフ)の訴訟は政治的なものであり、不当な虐げだ」とし、恩赦を与えるべきだと主張した。
トランプ氏は休戦合意後のイスラエル国会内での演説でも、冗談交じりで「ネタニヤフ首相に恩赦を与えてはどうか?」とヘルツォグ氏に呼び掛けていたが、米大統領が国内の司法問題に対して介入するのは異例の事態と言える。これを受けてヘルツォグ氏は、「恩赦に興味がある者は規則に則って恩赦を請願すべき」と慎重な発言を行っている。
ネタニヤフ首相は「無実を晴らすためにこの裁判を8年間待っていた」との姿勢を崩さないものの、「いつものように真っ直ぐ、本質についてそのまま語ってくれた。あなたの素晴らしいサポートに感謝する」とトランプ氏に謝意を伝えている。
(11/12-13)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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