ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【国防軍がハマス・ナンバー2を殺害、米は休戦違反と警告】(Y,P,H)
13日夕方に空軍はガザ市西部を走行中の乗用車に対して精密攻撃を行い、乗車していたハマス・メンバー4人を含む5人が死亡した。
その後この4人の中の1人にハマス軍事部門「カッサム旅団」のナンバー2であるラエド・サードが含まれていることが判明。同日夜にはネタニヤフ首相とカッツ防衛相が声明を発表し、サードは10/7の虐殺を主導した1人であり休戦期間中にはテロ組織の再軍備化とガザ内の国防軍への攻撃を計画・指揮していたと標的とした理由を述べている。
肩書は武器製造部の司令官ではあるサードだが、軍部最大の『ガザ市旅団』を創設して指揮官を務めるほか、海軍部隊を創設するなどハマス軍部の中枢を担い続けており、国防軍は去年6月にもサードを標的とした精密攻撃を行っていた。
この特別作戦は空軍が手にした機密情報を基に数か月間地下トンネルに潜伏していたサードがトンネルを出て車移動しているところを攻撃したのだが、アメリカに対して通達したのが作戦実行の20分後という事後報告だったことなどから、ホワイトハウスは激怒とイスラエルメディアは報道。
イスラエルは再軍備化というハマスによる休戦違反に対する正当な攻撃だとしているが、何としてでも第2段階に入ったという形を作りたいトランプ大統領にとってこの攻撃は休戦協定を揺るがす不要なものになるため重大な休戦違反として憤慨している。2日後の15日にトランプ氏は「イスラエルが休戦違反をしたかに関して調査している」と公の場で発言、今月末の首脳会談の際にはネタニヤフ氏に対して苦言が呈されるだろうとメディアは報じている。
(12/13, 15)

◯ 内政

【海岸部では3日間で年間降水量の半分以上の雨、ガザでは12人が死亡との報道】(Y,P,H)
ギリシャで発生した地中海性の冬嵐「バイロン」がキプロスを通ってイスラエルに上陸し、9日から11日までに国内の広い範囲で集中豪雨が観測された。
海岸部の一部では年間降水量の半分以上、エルサレム・テルアビブなどの主要都市でも2~30%に相当する雨が観測されている。一夜明けた12日朝には東エルサレムで50代の男性が水たまりに横たわった形の遺体で発見され、この地域で洪水は無かったが低体温症によって死亡した可能性が高いと救急隊員は語っている。
また海岸部に住む19歳の男性は10日から行方不明になっており、テルアビブ北の河川のすぐ近くから服と所有していた電動自転車が発見されたことから、濁流に巻き込まれ流された可能性が高く警察による捜索活動が続いている。
この集中豪雨はガザ地区にも大きな被害を与えており、ハマス情報省はこの嵐で12人が死亡また行方不明となり、13の建築物が倒壊、27000張のテントが流されたと発表している。
(12/12)

 

【10/7被害者らが800日目に合わせ、非政治的な調査委員会を望む】(Y,P,H)
生存した拉致被害者や拉致による犠牲者・戦死した兵士たちの遺族、1500家庭以上によって構成された市民団体『10月協議会』が10/7から800日目となる14日に連名の書簡をネタニヤフ首相に対して送付し、非政治的な『国家調査委員会』の開設を要請した。
この書簡には一家で拉致され唯一生還したビバス家のヤルデンさんや被害者家族を代表する存在だったマタンさん(生還)の母エイナブ・ツィンガウケルさんを始め数十人が署名した。国家調査委員会こそが「あの日の惨劇へと繋がった多くの失態・過ちの連鎖について何の障害や恐れもなく真相解明できる唯一の方法」だと同委員会の開設を求め、「イスラエル政府に対して逃げることを止めるよう呼び掛ける」と政府の姿勢を批判した。
この背景には国家に重大な誤り・惨劇があった際は最高裁判所が主導して『国家調査委員会』が開設され、真相究明するのが通例だが、ネタニヤフ政権は「最高裁(=左派・リベラル)主導の国家調査委員会では幅広い国民(=主に自身らの支持層である右派)の支持を得る調査が出来ない」と従来の委員会開設を拒否。国会議長を委員長とし、政治家たちが委員を任命する政治色の強い独自の委員会設置の法整備を急ピッチで進めており、この書簡は被害者たちからの「待った」の声になる。
こういった被害者らの声に対してネタニヤフ氏は「最高裁が委員の構成を決めるということになれば、委員会への国民からの支持率は急落する。最善の道は(政権が法整備を進める)『平等な国家委員会』だ」と発言し、平行線を辿っている。
(12/14)

 

【イランがネタニヤフ氏の対抗馬であるベネット氏のスマホをハッキング】(Y,P,H)
イラン系ハッカー集団『ハンダラ』が17日、ナフタリ・ベネット前首相のスマホのハッキングに成功したと発表した。
ベネット氏側は当初ハッキング被害を否定していたが、その後同団体が141ページにもわたるイスラエルや世界各国の首脳・高官の電話番号が入っている連絡先やチャットなどのやり取りを記録した1900以上のファイルの一部を公開。ベネット氏は事実を認め、自身のメッセージアプリ『テレグラム』のアカウントがハッキングされたと声明を発表した。
専門家によるとこれはベネット氏の個人所有ではなく、情報共有を行っている秘書や顧問など彼に近しい存在のデバイスに対するハッキングの可能性が高いとのこと。また親イランの個人ハッカーによる犯行ではなく、イラン諜報省や政府に所属したプロ集団による「イスラエルとのサイバー戦争の一部だ」との見解を示した。
ハイテク企業の経営者から政界入りし、一時的に長年のネタニヤフ時代に終止符を打ったベネット氏。2022年に政界を引退したが、汚職に加え10/7の引責問題を抱えるネタニヤフ氏への世論の反発が高まるなか、彼の待望論が再燃している。
直近の世論調査ではリクードの27議席に次ぐ22議席を獲得し、首相としての支持率でもネタニヤフ氏と最も肉薄(6%差)するなど対抗馬筆頭となっている。そんななかのハッキング被害は世論や総選挙にも影響する可能性があり、ベネット氏には政治的にも大きな痛手になりかねないと現地メディアは報道している。
(12/17-18)

◯ 国際情勢

【シドニー:ユダヤの冬の祭りで銃撃テロが発生、15人が射殺される】(Y,P,H)
オーストラリア・シドニーにあるボンダイビーチで14日夕方、地元のユダヤ人らによる光の祭り『ハヌカ』を祝うイベントで1000人ほどが集まるところに2人のテロリストがライフル銃を持って乱入し参加していたユダヤ人に向かって発砲。2人で計103発を発射し、10歳の少女や87歳のホロコースト生存者の男性など15人が死亡した。この中にはイベントを企画したユダヤ教の指導者やスタッフたち3人も含まれている。
テロリストはパキスタンから移民して来たサジド・アクラムとその後豪州で生まれたナビードの親子で2人が乗っていた車の中から即席の爆破装置のほかにイスラム国(IS)の旗が発見され、イスラム国に感化されたテロだと判明。
ナビードは豪州で収監されているISリーダーとも連絡を取っており、豪諜報機関からマークされていたこと、2人は1月ほど前にフィリピンに渡航し何かしらの軍事訓練を受けていたこと、そして大規模なイベントにもかかわらず警備に当たった警官がわずか2人だったことなどがその後の調査・報道から判明している。
15人が犠牲となったこの銃撃テロはオーストラリアで起こったテロとしては史上最悪のもので、銃乱射事件としても国内で起こったものとしては2番目の規模になる。ここ20年ほどシドニーを中心に豪州内のイスラム人口は増加の一途を辿っており、10/7のハマスによる虐殺以降は反ユダヤ的な事例の数がそれ以前の4倍以上に。現地ユダヤ人からは「ユダヤ人にとってオーストラリアは安全な地ではなくなった」とSOSの声が上がっていたが、イスラム人口層は現政権である労働党の強固な支持層でもあるためユダヤ人を守るための十分なサポートがされておらず、「このような惨劇が起こる予兆はあった」との現地ユダヤ人の声をイスラエルメディアは伝えている。
ちなみにテロリストの1人から武器を奪い拘束したのも同じイスラム教徒の移民でシリアからオーストラリアにやって来たアフメド・エル=アフメドさん(43)。彼も拘束時の格闘によって負傷し入院しているが、その勇気ある行為は国際的に賞賛され彼のためのクラウドファンディングがスタートされ、米系ユダヤ人投資家のビル・アックマン氏をはじめ世界中から彼のための支援が集まり始めている。
(12/14-16)

 

【シドニーでの銃撃テロを受け、イスラエル・ユダヤ人に対する警備強化】(Y,P,H)
前日にシドニーで起こった反ユダヤ的なテロ事件を受けベルリンやロンドン、ニューヨークなどといった大きなユダヤ人コミュニティーがある町で行われる『ハヌカ』の行事の警備が厳重化された。
ベルリンのシンボルでもあるブランデンブルク門では厳戒態勢のなかハヌカのキャンドル点灯式が行われシュタインマイヤー大統領が特別ゲストととして登場、前日のテロ犠牲者を追悼する祈りが捧げられた。
またベルギー第2の都市アントウェルペンでのハヌカの点灯式でも、同国首相が犠牲者への追悼とユダヤ人共同体との連帯感を示すため出席、ハヌカのモチーフから「光が消えることは決してなく、あなたたちは我が家に居るのだ」とベルギーはユダヤ人の我が家として安全であることを強調した。
ニューヨークやロンドン当局はハヌカに際してシナゴグやユダヤ人の多い地区で行われる祭りのイベントの警備を厳重にし、警官を増員すると発表。
ISを支持する過激派がシドニーでのテロに感化され同様のテロを起こすのではという懸念が広がっており、イスラエルもユダヤ人の多い欧米諸国に対してシナゴグなどへの警備厳重化を要請している。またイスラエル国防軍は海外に渡航する予備役兵たちに(特にガザ内での作戦関与などといった)自身の兵役や任務などを公にすることや渡航先でのイスラエルやガザなどの議論に参加すること、十分な警備がされていないハヌカなどの行事への参加を自粛するよう通達している。
(12/15)

 

【イスラエルとエジプトが歴史的な天然ガス取引、その裏にはトランプ氏か】(Y,P,H)
17日夜にネタニヤフ首相がコーヘン・エネルギー相と共同記者会見を行い、約5.4兆円規模となるガス取引をエジプトと締結したと発表した。
期間は2026年から40年までの15年間で、イスラエルは1300億立方メートルの天然ガスをハイファ沖にあるガス田から輸出することになっており2.8兆円が国庫の収益になるとの見通し。ネタニヤフ氏は会見の中で、「中東におけるエネルギー超大国としてのイスラエルの地位をより強固なものとするイスラエル史上最大の取引」と表現、米石油大手シェブロンを通じてのものでありイスラエルの安全保障は守られると強調した。
この背景には今月末にフロリダで行われる米イ首脳会談にエジプトのシシ大統領を加えたいという米側の考えがあり、エジプトは大統領同席の見返りとしてこのガス取引の締結を条件としていた。自国企業が潤い国の中東における経済政策を促進させるものであることから、トランプ氏からの『圧力』もあっての会談前の締結となったと現地メディアは報じている。
これに対して専門家からは「いつから会談前に貢ぐようになったのか。ガザへの武器密輸を防ぐなどという、エジプト側のコミットが明記されていない取り引きは大きな過ち」といった声も。翌18日にはエジプトが公式声明を出したが「経済的な取引に過ぎない」との内容で安全保障に関する条項やネタニヤフ氏との首脳会談の可能性とは無関係だと強調している。
(12/17-18)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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