ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【不法滞在者により北部で連続テロが発生、2人が死亡】(Y,P,H)
26日に北部で3件の連続テロが発生した。
まずはベテシャン内でパレスチナ人男性が運転するピックアップトラックが市民2人を轢き、68歳男性が死亡し16歳の少年が軽傷。目撃者によるとトラックは男性を数十メートル引きずりながら走ったようで、救急隊が現場に急行し男性の死亡が確認された。
その後テロリストは別の町に向かい、その途中の交差点で近隣キブツに住む18歳の少女を車で轢き、車から降りた後にナイフで刺殺した。彼女の遺体からは多くの刺し傷が見つかっており、残酷な刺殺だったことが分かっている。
その後再びテロリストは逃走し最初の現場から約30km離れた交差点で再び37歳男性をはねるテロを起こしたが、その場に居合わせた武器を所持した市民に無効化された。
犯人はジェニン近郊に住む何度もイスラエル内に不法滞在している常習者として知られているアフマド・アブ=アルロブ(34)。今回もエルサレム近郊の分離壁をよじ登って不法侵入し、北部に向かい犯行に及んだ。
分離壁を越えてやって来る不法滞在者について先週国家検査官(オンブズマン)が安全保障に関して警鐘を鳴らすレポートを発表しており、分離壁のずさんな警備が報道されているなかでこのようなテロが発生した。
(12/26)

 

【空軍、世界初のレーザーによる防空システムを実戦配備】(Y,P,H)
防衛省と国有軍需企業ラファエル社が共同で開発してきた高出力レーザーの照射による防空システム「アイアンビーム」が初めて実戦配備され、その引き渡し式典が北部で行われた。
現在国防軍が短距離ロケット弾・ミサイルに対して使用している防空システムはアイアンドームだが、1発の迎撃ミサイル発射に800~2300万円という莫大な費用が掛かることが問題視されていた。しかしアイアンビームに必要なのはレーザー照射のための電気代のみであり、これにより数百円程度でロケット弾や迫撃砲・無人攻撃機を迎撃できることになる。
これらの利点を受けて式典で演説したカッツ防衛相は、「この偉業はゲームチェンジャー。テヘランや(イエメン首都)サナア、ベイルートをはじめ我らの全ての敵に対する力強いメッセージとなるだろう」と敵を警告しながら、実戦配備を称えた。
費用面に関しては圧倒的メリットがあるものの、レーザーという特性上天候に依存することや指向性の面から障害・遮断物のある市街地や地形では使用できない点、また70kmの射程距離があるアイアンドームと比べるとまだ10kmほどと短いことなどから現状ではアイアンドームを補完する形での導入に。しかしレーザー照射による防空システムの実戦配備は世界初であり、すでに第2世代の開発が着々と進んでおり「世界の軍事大国よりも1歩先を進んでいる」と防衛関係者は語っている。
(12/28)

 

【大雨によりハマスの地下トンネルが発見される】(Y,P)
数日間続いた豪雨によりガザ地区中部で土砂災害が発生し、地下だった部分がむき出しになったことでハマスがテロ行為のために建設した巨大な地下トンネルが発見された。場所は境界線のフェンスから800mの位置で黄色ラインの外側になるため、現状はもちろん休戦第2段階でも国防軍が管理することになっている。
国防軍によるとこのトンネルは軍に把握されておらず新しく発見されたもので現在全長や経路などの調査が行われている。発見場所の向かい(イスラエル)側にはキスフィームのキブツがあり、10/7の攻撃時には19人が虐殺されそのうちの1人は遺体で拉致されており、このトンネルが使用された可能性も指摘されている。
(12/29)

 

【1年で6度目の米イ首脳会談がフロリダで行われる】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相が訪米し、フロリダにあるトランプ大統領のリゾート地で3か月ぶりの首脳会談が行われた。会談の前後には取材対応もあり、トランプ氏はガザやイランはもちろんレバノン・シリア、そしてネタニヤフ氏への恩赦というイスラエルの内政にも言及した。
会談において最も重要な議題だったイランの再軍備化について、イランが再軍備をするならば攻撃する必要があるとしながらも「(核施設への攻撃に出撃した)B-2の燃料を浪費しなくて良いよう願っているし、イランが交渉に前向きだと聞いている」と語り、イスラエルによる攻撃を容認する姿勢を示しイランを警告しつつも、外交的解決の方が好ましいとの姿勢を示した。
会談時にネタニヤフ氏は諜報機関が集めた機密情報を見せ、イランがミサイル製造と防空の分野で再軍備化を進めているとプレゼンを行い、トランプ氏はそれを受けて「自国の諜報機関の調査結果と照らし合わせたい」と返答したと報道されている。
またガザ問題に関しては唯一ガザに遺体が残されている人質ラン・グビリさん(24)について言及、「遺体返還のために出来ることは全て行っている」とイスラエルと同じ立場を取っていることを強調した。しかし同時に休戦期間の第2段階に関して「可能な限り早く開始すべき」とイスラエルの「最後の遺体返還なくして第2段階はなし」との主張とは温度差があることを示唆した。
もう1つの鍵となるハマス非武装化に関して「応じなければ、地獄のような代償を支払うことになる」とハマスに武装解除を要求。また59か国がハマス非武装化を含む自身の和平案に賛同しているとし、「それらの国々がガザに入り、ハマスを一掃することになるだろう」と警告した。
トランプ計画に賛同している国は30以上あるとされている(正確な国数・国名は公表されておらず)が、この中でガザ非武装化にも従事する『国際安定化部隊』への派兵に前向きな姿勢を示しているのはイタリアとトルコのみ。
そしてトルコはハマス支援国であることから、イスラエルはトルコによるガザ内への派兵・介入を拒否しているため同部隊に関しては全く進んでいないのが実情でもある。したがってこのトランプ氏の強気発言は彼特有のパフォーマンスではないかと現地メディアは報じている。
またこれらと並んで国内で大きく取り上げられたのが、ネタニヤフ氏の恩赦というイスラエル国政へのトランプ氏の介入について。ネタニヤフ氏を「戦争の英雄であり、彼なくしてイスラエルは現在存在していなかっただろう」と賞賛した上でトランプ氏は、「(ヘルツォグ)大統領と恩赦に関して話し、もう(手続きの)途中にあるよう。こんなに良いことはないじゃないか?」とヘルツォグ大統領がネタニヤフ氏の恩赦に関して動き始めているととれる発言をした。
直後にイスラエル大統領府は声明を発表、「米政府から数週間前に問い合わせがあり、手続きに関する説明がされたが、大統領間が話し合った事実はない」と否定するような立場を示した。与党はトランプ氏の発言を歓迎、野党はトランプ氏がビジネスマン出身であることから「恩赦への援護射撃の見返りとして、安全保障での譲歩を飲まざるを得なくなる可能性がある」と米大統領による内政干渉に警鐘を鳴らしている。
このように不透明なところはありつつも、トランプ第2次政権に入って6度目のこの首脳会談はイスラエル側では概ね成功とされている。
(12/30)

 

【ハマス「米は武装解除の複雑さを理解している」】(Y)
ハマス関係者がカタールメディアの取材に応え「アメリカ政府はガザの武装問題の特性と複雑さを十分理解している」と話し、イスラエルが求めるような迅速なハマス武装解除の可能性を否定した。
この内容は2週間前にフロリダで行われた米ウィトコフ中東特使とエジプト・カタール・トルコという仲介国代表で行われた協議を受けたものであり、そこではトランプ和平計画の第2段階へ迅速に移行していく意志で一致が見られたとのこと。
また上記の仲介国はハマスの武装解除に関して付随する問題やその複雑性などを説明し、ウィトコフ氏をはじめ「ホワイトハウスは理解を示した」としている。これはネタニヤフ首相との会談時にトランプ大統領が断言したハマス武装解除への強いコミットとはトーンがかなり違うもので、イスラエル側はホワイトハウスの真意を測りかねている。
また第2段階でもう1つの鍵となる『国際安定化部隊』へのトルコの関与の仕方についても首脳会談時にネタニヤフ氏は「国際部隊やガザ復興へのトルコの関与には反対」と主張し同国の除外を要請したが、トランプ氏は明確な回答を避けたとの事実が判明。アメリカは現在折衷案としてエジプト・ヨルダンといったガザ外に設置される基地内ではトルコによる同部隊への参画・派兵容認を考えている。
仲介国の働き掛けにより米国が柔軟な姿勢を見せ始めていることから、ハマス側では「今後もイスラエルは様々な譲歩を余儀なくされ、武装解除についても現実せずに終わるだろう」との見通しを立てているとイスラエルメディアは報道している。
(1/1)

◯ 国際情勢

【イスラエル、国連加盟国として初めてソマリランドを国家承認】(Y,P,H)
イスラエルは26日、1991年に独立宣言しそれ以降ソマリア北西部で実質的に独立国家として機能しているソマリランドを国家として承認すると発表した。
国連加盟国としては初のソマリランド承認となり同国はこの承認を受けて公式声明を発表、アブラハム合意に加わる意思を示した。ソマリランドはイスラム教国ではあるがこの発表を受け、首都ハルゲイサでは花火が打ち上げられたりビルにイスラエル国旗がライトアップされたりと、祝賀ムードに包まれた。
このソマリランド承認は安全保障とリンクしたものであり、フーシ派が実効支配するイエメン西部と目と鼻の先にある同国との国交により牽制・攻撃が容易になること、同派による重要航路のアデン湾での妨害阻止、そしてイランへの牽制・攻撃などが専門家などに指摘されている。
アラブ世界では「イスラエルがソマリランドに軍事基地の建設を模索している」との声もあり、トルコ・エジプトやサウジなどの中東各国はイスラエルによる国家承認を次々と非難。28日にはアラブ連盟の緊急総会が開かれ、共同の非難声明が採択されている。
(12/26-28)

 

【イタリア、人道支援と騙り1億円以上がハマスの手に…】(Y,P,H)
イタリア警察は27日、ガザ市民への人道支援募金との目的で集めた700万ユーロ(1.3億円)以上をハマスに送金していた疑いで同国に在住する9人の活動家を逮捕した。
この中にはイタリア・パレスチナ人協会会長のムハンマド・ハヌーンなども含まれており、彼らは国内で複数の人道団体を立ち上げて運営。そして同国の左派政党や学生団体・人道支援組織との関係を構築しガザ市民のために寄付金を集めていたが、そのうちの71%以上はハマスやハマス関連団体のもとに送金され、テロ活動のための資金となっていた。
10/7からのここ2年間、イタリアでは左派系により反イスラエル的感情が高まりガザのためと銘打った抗議集会が多く行われていたが、その裏にはこのようなハマスへの経済支援といった活動も行われていたもよう。
(12/27)

 

【イラン、政権に反対する大規模なデモが1週間近く続く】(Y,P,H)
イランでは28日から、自国通貨が対米ドルで過去最低水準に急落したことを受け、物価高騰や生活苦に対して声を上げる大規模なデモがテヘランを中心に続いている。
テヘラン内の大学では学生たちが「ガザ(ハマス)でもレバノン(ヒズボラ)でもなく、私の生活はイランのため」との声を上げ、自国民の生活よりもテロ組織へと資金を投じる体制に対する批判の声を挙げた。学生のほかにも首都内では政府の経済政策に対して抗議の意を込めて多くの商店が休業し、中心部でも「独裁者に死を」などという声を上げた市民が警察と衝突した。
異例のデモを受けてペゼシュキアン大統領は「抗議者たちの正当な要求に耳を傾けるよう、内務省に要請した」との声明を発表し、不満を持った市民たちに歩み寄る姿勢を示し、中央銀行総裁を更迭している。
1日現在では、テヘラン以外にもイスファハンなど約20か所以上で同様のデモが起こり、警察による発砲により少なくとも5人のデモ参加者が死亡。当初の対話路線から、政府が力での鎮圧へとシフトしている様子がうかがえる。またデモ隊も西部の町の警察署へと侵入し、占拠を試みるなど過激化している。
イスラエルはこのデモに対しては一歩引きつつも体制による対応なども含め注視しており、連日報道している。
(12/29-1/1)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、シオンとの架け橋からのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。

シオンとの架け橋、京都府


配信停止