【国防軍が5回目のフーシ派攻撃を実施】(Y,P,H)
米英を中心としたフーシ派に対する空爆が行われた直後に、イスラエル空軍も戦闘機・給油機・偵察機など20機以上を用い、フーシ派拠点へと5回目の攻撃を実施した。ここ2週間でフーシ派は、イスラエルに対して弾道ミサイル4発・無人攻撃機4機を発射していたため、それへの報復措置になる。
軍報道官によると攻撃目標はホデイダとラス・イッサという2つの港と、首都サナア近郊ヒズヤズにある発電所。カッツ防衛相は最高指導者フーシをはじめとした指導層に対し「お前たちにも手を伸ばすだろう」と殺害をほのめかして警告したが、攻撃の形はテロのために使用されているインフラ攻撃という、過去4度と同じものになっている。
現段階では弾道ミサイルよりも無人攻撃機迎撃の方が難易度が高く、この1年間にイスラエルは無人攻撃機に対する防衛費として340億円以上を投入している。(1/10)
【ナハル・オズでの戦闘、2人の死者はイスラエル軍によるもの】(Y,P,H)
10/7にナハル・オズのキブツで死亡した、ディクラ・アラバさん(51)と息子のトメルさん(17)についての軍の調査結果が発表され、2人はテロリストではなくイスラエル側の発砲により死亡した可能性が高いと判明した。
テロリストたちはナハル・オズに侵入すると、ディクラさんとパートナーであるノアム・エリヤキムさん(同日に死亡)の自宅に入り家族を拘束、ディクラさんのスマホから怯える一家の様子を生配信した。その後トメルさんは命令を受けて近隣住宅を回りノックし、外に出て投降するよう呼び掛けさせられていたが、テロリストが目を離したすきに逃亡し隠れていたところ、銃撃を受け死亡した。
当初はテロリストによる発砲と思われていたが、兵士たちへの事情聴取などから、戦闘中だった国境警備隊の特殊部隊の誤射だった可能性が高いことが分かった。母のディクラさんはその後、車に乗せられガザに拉致されそうになったところを国境警備隊が発見し発砲したところ、後部座席に座っていたディクラさんに銃弾が当たり死亡した。
このようなイスラエル側の発砲・砲撃による死亡が疑われている例はまだあり、調査が進められている。(1/10)
【休戦前最後の週、9人の兵士がガザ北部で犠牲に】(Y,P,H)
11日にはガザ北部のベイト・ハヌンでハマスにより設置された爆破装置により、ナハル旅団の19~21歳の兵士3人と軍用輸送トラック運転手の37歳の兵士1人が死亡した。
ベイト・ハヌンでは12月から軍事作戦が行われており、爆破装置は作戦を指揮する前線司令部を標的としたものと考えられている。他にも重傷者2人を含む6人が負傷。
13日には同じくベイト・ハヌンでの戦闘中に大規模な爆発が発生し、ナハル旅団のコマンド部隊の兵士19~23歳の兵士5人が死亡、8人が重傷を負った。爆破による建物の倒壊によって死傷者が発生したのだが、爆破についてはテロリストによる対戦車ミサイルや爆破装置のほか、国防軍の武器に引火したことによる可能性もあり軍が調査を行っている。(1/11,13)
【24時間で3度、フーシ派からの攻撃】(Y,P,H)
14日未明にフーシ派からの弾道ミサイルが飛来し、テルアビブを中心としたダン地区全体からユダ山地にかけての約70kmの広範囲でサイレンが鳴った。
国防軍報道官はミサイル迎撃を発表したが、夜が明けて朝になるとエルサレムの近郊数か所でミサイルの(迎撃された後の)大きな破片が住宅地に落ちたことにより物損被害が出たことが、報告されている。ミサイルによる直接的な人的被害は出ておらず、怪我人はシェルターに避難する途中で負傷した11人のみ。
フーシ派は「『パレスチナII』という極超音速ミサイルを、テルアビブの防衛省に向けて発射した」と犯行声明を出している。13日の朝には同派により発射された無人攻撃機が南部に飛来したが、攻撃ヘリが迎撃。夜にはミサイルが飛来し、領空外で迎撃されたもののヨルダン渓谷や北部・西岸地区でサイレンが鳴るなど、この24時間でフーシ派の攻撃が3度あった。(1/13-14)
【ついに交渉締結。日曜日から休戦期間、33人の人質解放へ】(Y,P,H)
10日頃から人質解放・休戦交渉にブレークスルーの兆しが見え始め、ついに15日カタール外相と米バイデン大統領が記者会見を次々と行い、イスラエルとハマスが6週間の休戦案に合意したと発表した。
13日にはすでに42日間の第1段階の休戦案の概要が報道され、兵士を含む女性や50歳以上の男性、そして病人や負傷者に該当する人質33人が解放される(生死などは不明)ことが判明。その見返りでイスラエルは(殺人などで)終身刑で服役中の囚人を含む1300人のテロリストを釈放。
第1段階の終盤には、ラファのフィラデルフィ回廊から国防軍は撤退することに。その後の第2段階は、さらなる人質解放とそれに伴う数百人のテロリストが釈放され、ガザ内からのさらなる撤退が予定されているが、第2段階については第1段階中に交渉が行われる予定。
イスラエルはこれまで交渉を進める条件として、「解放が予定される33人の人質に関する安否確認」を求めていたがこれについては妥協し、生存者としてか無言での帰宅かが直前まで分からないというハマス側の条件を飲んだことになる。またハマスはイスラエルが指定した病人・負傷者を優先的に解放することを認めるかわりに、イスラエルはより多くのテロリスト釈放を約束するなど、互いが譲歩したポイントについても報道されていた。
13日夜の段階でイスラエル側の関係者は、「24時間以内にハマスからの、OKとの最終返答があるだろう」と話していた。翌14日には米ブリンケン国務長官が「交渉は合意間際で、ハマスからの回答を待っている状況」とコメント。
ハマスからの回答が予想以上に遅れていることを受け、カタールを中心とした仲介国が一刻も早く二つ返事をするよう、圧力を掛けていることが報じられた。またハマス側に遅れ・返答の保留が発生している最大の要因は、ヤヒヤ・シンワルの弟であり現ガザ・ハマス指導者ムハンマド・シンワルの最終決定を待っているためとの報道があった。
そして翌15日夜にカタール・アメリカという仲介国、イスラエルはヘルツェル大統領が記者会見を行い、合意を発表。ハマス側も公式声明で交渉案に合意したことを認め、19日の12:15から休戦期間に入ることが決まった。ネタニヤフ首相は第1段階中に第2段階に関する合意がない場合には戦闘を再開する姿勢を示し続けてきたが、バイデン氏は会見で「交渉が継続される間は休戦が守られることになる」と明言している。
またこの交渉締結の立役者であるトランプ次期大統領は、バイデン氏より2時間近くも前に交渉成立を自身のSNSで発表、同時に「ガザが今後、テロリストにとっての保護地域に戻ることはない」とコメントしている。(1/13-15) |