ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【「ユダヤ人になるのが夢」と語っていたアラブ系市民、ハマスに協力し起訴】(Y,H)
北部に住むクリスチャンの女性アラブ市民ラニア・ダンダン(51)がインターネットを通じてハマスのテロ行為に加担した疑いで起訴されたと警察・シンベトが発表した。
シンベトによるとダンダンは実在するイスラエル人に見えるような架空アカウント作成やハマスの利益となる虚偽の情報に基づいたコンテンツ作成し、架空アカウントを通じて発信するなどして、ハマスの心理的テロに加担した疑いが掛けられている。
ダンダンは北部の港町に住むキリスト教家庭に生まれ2006年に離婚を経験した後、宗教的なユダヤ人地区に住んだことをきっかけにユダヤ教への改宗を希望。改宗を試みるがアラブ人を受け入れるシナゴグがなかなか出てこないなど、彼女の改宗プロセスが難航する様子は10年ほど前に大手メディアが取り上げていた。
彼女の近隣住民からはこの事件を受け、「複雑な境遇の末に改宗のプロセスを経ていた彼女がスパイ行為に関わっていたとは信じられない」と驚きの声が上がっている。
(1/16)

 

【トランプ氏が「平和評議会」の人選発表、ネタニヤフ首相は反発】(Y,P,H)
トランプ大統領は17日にガザ和平計画の第2段階履行を指揮する「平和評議会」のメンバーを発表した。自身が議長を務めその下に娘婿のクシュナー氏やウィトコフ特使、ルビオ国務長官などホワイトハウスの面々のほかブレア元英首相や世界銀行総裁・ユダヤ人ビジネスマンなどが名を連ねている。
また平和評議会の下で運営され、パレスチナ人テクノクラート政権を直接監督する「ガザ執行委員会」の創設とそのメンバーも同時に発表。そこには国連関係者の他にトルコ外相やエジプト諜報部トップ、UAE国際協力相やカタール高官などの名が見られる。
イスラエル軍はこの中でもエルドアン大統領の後継者と目されているトルコ外相やハマスを経済支援しているカタール高官の存在を問題視。ハマスを支持する両国が同委員会で存在感を強めれば、国際社会の経済支援がハマスに流れる可能性が高く、ハマスの武装解除をさらに困難なものとし、ハマスのガザ統治への関与が継続する可能性を指摘した。
これを受けて首相府は「ガザ執行委員会の構成については連携が取れておらず、イスラエルの政策と相反するものになっている」とアメリカの決定に反対する異例の声明を発表。サアル外相にルビオ国務長官と協議するよう指示した。
イスラエルの一部メディアでは問題となっているトルコ・カタールの委員会参画について、トランプ氏はネタニヤフ氏にあえて通知せずに発表に踏み切ったといった報道もされている。
(1/17)

 

【国防軍、シリアとの安全保障協定に対して危機感を抱く】(Y)
今月再開したイスラエル・シリア間の安全保障の実務者協議に関して、国防軍がその交渉内容の一部に強い危惧を抱いていると現地メディアが報じている。
現在水面下で協議されている協定はイスラエルの安全が守られる対価として、イスラエルは昨年末から駐屯しているシリア側のヘルモン山頂や9つの戦略的地点からの撤退というシリア側の要求を飲むというもの。また国防軍は「イスラエル軍によるシリアへの攻撃を禁止または制限する」という項目が含まれるという情報を得ており、これには特に反対の声が上がっている。
近年イスラエルはシリア上空の制空権を手にしており、イラン・イラクからシリア経由のヒズボラへの武器密輸ルートに空爆を続けている。そのためこのような空爆への制限が掛かれば、ヒズボラの再軍備化が容易になる危険性が考えられる。
またシリア南西部には未だに複数の親イランやパレスチナ系武装組織が活動し、テロ拠点を築いているがこれらへの(テロを防ぐための未然の)攻撃も困難になる。10/7という大きな失態から国防軍は「越境攻撃を阻むことが出来るよう敵との間に緩衝地帯を作り維持すべき」との考えを強く持っていることもあり、撤退とテロ行為への攻撃制限に危機感を強めている。
(1/19)

 

【平和評議会が正式に設立、ラファ検問所は近く開放へ】(Y,P,H)
世界経済フォーラムが行われているスイス・ダボスで22日、トランプ大統領が主導する『平和評議会』の設立式典が行われた。
式典冒頭では議長を務めるトランプ氏が演説し、中東における平和が実現していると語り、ロシア・ウクライナ戦争も近々終結させる意思を示した。当初の目的はトランプ休戦案の第2段階であるテクノクラートによるガザ暫定政権とガザ武装解除、復興事業を監督するというガザに限定されたものだったがその後、他地域での紛争終結をするという大規模なものへと拡大。
アメリカは60か国に対してこの組織参画を呼び掛け、現段階で中東諸国やトルコ・パキスタンなどのイスラム国やアルゼンチンやパラグアイ、欧州からはブルガリアやハンガリーなど約35か国が加わっている(G7など大国は現段階では参加見合わせ)。式典では『未来のガザ』がイラストなどで紹介され、海岸を使用した観光資源や交通ハブの建設といった計画が発表された。
また「ハマスは生まれた瞬間から武器を握っているが、約束にはコミットしなければならない。武器を放棄しなければ、それは彼らの最後となるだろう」とトランプ氏は改めてハマス武装解除を行うと述べた。
またガザ暫定政府の首相がビデオメッセージを寄せ、そこではイスラエル側が拒否しているラファ検問所の双方向での開放が来週にも行われるとの発表がなされた。これは「最後の人質であるグビリさんの返還を行うまで、ラファ開放を含む第2段階には入らない」というイスラエルの従来の姿勢とは相反するもの。
現地メディアによるとラファに関してはアメリカからの強い働き掛けがあったため来週初めにも閣議でラファ検問所の双方向での開放が承認される見通しとなっている。
(1/22)

◯ 内政

【エルサレムの違法託児所で2人の乳児が死亡、53人が一時入院】(Y,P,H)
エルサレムの超正統派地区内にある託児所で19日、生後3か月と半年の乳児2人が意識不明の重体となり救急隊が急行、救命処置を行ったがその後死亡が確認された。
また救急隊は狭いアパート中に55人もの乳児が寝かしつけられており、トイレの便器横にもマットレスが敷かれて乳児が横たわっていた様子を確認したため、その場にいた53人の乳児たちをエルサレムの病院へ搬送し検査を行った。当初は暖房器具からの一酸化炭素中毒や有害ガスの可能性も指摘されていたが検査では異常は見つからず、過度な暖房により体内に熱がこもったことによる死亡ではないかとされている。
この乳児死亡やトイレ内にマットレスが敷かれている映像は大きな議論を呼び、超正統派社会に多くある違法託児所を問題視する声が。この同託児所も30年以上無許可状態だったとのことで驚きと批判の声が上がる中、超正統派議員は「司法府の圧力により政府が決定した超正統派の託児所への補助金打ち切りによって起こったもので、乳児たちの血の責任は(政府の司法顧問であるミアラ)検事総長にある」と責任転嫁の発言を行った。
また真相解明のため裁判所が下した乳児2人の遺体の司法解剖許可は、遺体解剖が宗教法に反するものとする超正統派の怒りを呼び、19日夜から20日夕方までに渡りエルサレムを中心に国内で大規模なデモが発生。20日午後に最高裁が超正統派である遺族の意思を尊重する形で、遺体解剖の中止命令を発表するまで続いた。
(1/19-20)

 

【エルサレムのUNRWA本部解体工事が始まる】(Y,P,H)
エルサレム東部にあった国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)本部の敷地に20日、警察立会いのもとイスラエル土地公社の重機が運び込まれ、解体作業が行われた。
24年10月に国会で成立したUNRWA活動停止法に基づくもので、今月初めにはスタッフや設備の退去作業が完了していた。同組織の国内での全活動を禁止する同法は職員の一部が10/7の虐殺に直接関与したことが決定打となり成立した。
しかしイスラエルへの憎悪を煽り、テロ行為を正当化するような教育を続け、ガザ内では組織の施設をハマスがテロ目的で使用することを容認してきた同組織には長年非難の声が上がっていた。
外務省報道官はこのような事実と共にUNRWA解体のニュースを説明、一部の右派紙は30年間に渡りパレスチナ側が統治する西岸・ガザ内で『難民キャンプ』が1つも解体されることなく現存していることなどを例に挙げ、「UNRWAは難民を解消するのではなく、全パレスチナ人が帰還可能という非現実的な幻想を植え付けることでパレスチナ難民問題を永続させてきた」と厳しく批判している。
(1/20)

 

【アラブ人の間の暴力に反対する最大のデモが北部で開催】(Y,P,H)
北部にあるアラブ人の町サフニンで22日、イスラエル国内のアラブ人社会内で多発する暴力・犯罪に反対する大規模デモが行われた。
昨年は年間252人のアラブ人が殺害されており、その多くがアラブ系反社会的勢力によるものと分かっているが実際に解明されたのは40件。このようなアラブ人社会で長年続く暴力犯罪を受け、サフニンを中心とする北部に住むアラブ系市民約5万人が町に集結し、政府に適切な対処を行うよう声を上げた。
今回のデモのきっかけとなったのが同町のスーパーでの事件。アラブ社会には多くの反社が存在し、町でメンバーやその家族などを標的とした銃撃などが見られることから、自身のテリトリー内の商店などに(標的や巻き添えにならないように)みかじめ料を要求しているケースがある。そんな中、同町のスーパーが支払いを拒否すると経営者や商店に反社からの発砲や恐喝の事例が多発するようになり、今月初めに閉店に追い込まれる事態になった。
この経営者が悲痛の叫びを上げたところ同町の学校が共鳴し、独自にストを敢行。数日間で北部のアラブ社会全体を巻き込んだものに広がり、数万人規模のデモとなった。
アラブ社会の犯罪に関するデモは今までもあったが、政治・人権団体ではなく市民と言う草の根から生まれたものであるという点と家族や女性・子供たちから医師・弁護士・エンジニアなどという幅広い層が参加していた点などは今までに見られなかったもの。
デモ参加者からは取材に「暴力犯罪を撲滅できるのは警察だけだが、極右のベングビル(国家治安相)がトップである間は良い結果は望めない」といった声が挙がっていた。
(1/22)

◯ 国際情勢

【イラン:武力によりデモは一時鎮圧、米軍は政権交代を視野に軌道修正?】(Y,P,H)
ロイター紙をはじめ国際メディアは16日にテヘランとの接触に成功、市民などの証言に基づき先週末(8~9日)に過去最大のデモが行われた後は体制側の武力により抗議行動はほぼ鎮圧されていたと報じた。
同紙の取材に対して市民は「11日からの1週間、テヘランは平穏だった」と答えており、デモは小規模かつ散発的なものにとどまっているとのこと。小康状態になった理由には数千人から1万人以上とされる死者を出した政府による暴力的鎮圧の他に政府によるデモを防ぐための厳重な警戒態勢が指摘されており、テヘラン上空にはドローンの監視がそして町の至る所には警察・革命防衛隊の部隊が多数配備されている。
また16日にトランプ大統領は「イラン指導層が予定していた800人以上への処刑中止に敬意を表する」と語り、デモに参加するイラン市民たちに「助けがもうすぐ来る」と語るなど好戦的だったトーンを一変させている。報道陣からのイスラエルやアラブ諸国による説得かとの質問には、誰の説得でもなく自身の意志により攻撃を取り止めたと回答。
この態度の変化についてイスラエルメディアは昨年6月のイラン戦争時の米軍の空爆前にも直近の攻撃はないと欺瞞作戦のような言動を行っていたことを指摘。またトーン軟化とは裏腹に中東に空母を移動させていることから、攻撃中止ではなく一時的な延期ではとの声も上がっている。
続く18日には先週のイスラエルによる空爆延期要請に関する続報があり、本当の理由はイスラエル側の防空システムへの懸念ではなく「計画されていた空爆では政権交代は不可能で大局的な戦略目標がないまま大規模な交戦を強いられる恐れが大きい」というのがイスラエル側からトランプ氏に伝えられた空爆要請の根拠だったとの報道がなされている。それによると現在トランプ氏はポスト・ハメネイのイラン新政権などに関する真剣な議論を始め、政権交代を目標とする軍事作戦へと軌道修正をしているとのこと。
同じ日にはイラン政府高官が先週に引き続き半月以上続く抗議運動による死者数を発表し、5000人以上の死者が確認されていると語った。この中には政府側の治安維持部隊500人が含まれているとしたうえで、デモに参加する市民たちを「テロリストであり武装した反乱者たち」と批判、また最終的な死者数は未確認としながらも「急激に増えることはないだろう」との姿勢を示した。
しかし海外メディアや人権団体による推定死者数は1.8万人近くで、これはイラン国内にある20近い病院への取材をもとに算出されたものとなっており、被害規模に大きな開きがある。また17日以降小規模ではあるがイラン国内でインターネットへ接続する例が見られ始め、イラン政府による市民に対する殺害を含む暴力行為を捉えた映像が報道され始めている。
(1/16-19)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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