ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ウィトコフ特使・クシュナー氏と会談、イスラエルはラファ開放を決定】(Y,P,H)
24日夜にネタニヤフ首相はガザ和平計画の第2段階を進めるためイスラエルを訪問中の米ウィトコフ特使とクシュナー氏と会談した。
会談の内容は明らかにされていないが、「最後の人質ラン・グビリが今週中にも帰還出来るのでは」と会談後に期待を寄せる関係者の声もあれば、「特使はトルコを境界線上に配備するようイスラエルに働き掛け、安全保障を脅かしている」と米側を激しく批判する声も同時に上がっている。
またアメリカによるラファ開放への強い働き掛けに応じる形で翌25日夜には安全保障内閣が開かれ、極右をはじめとする多くの閣僚からの反発があったものの同検問所の開放をネタニヤフ氏は決定し、発表。
最後の人質の帰還前の開放決定は事実上の第2段階開始をイスラエルが認めたことになり、大手メディアは「内閣はホワイトハウスの意向を受け承認印を押すだけの機関になった」と皮肉交じりに報じている。
(1/24-26)

 

【最後の人質ラン・グビリさんが無言の帰宅、12年ぶりにガザ内の人質が0人に】(Y,P,H)
25日夜に国防軍はガザ市東部にあるパレスチナ人墓地においてラン・グビリさんの遺体発見を目的とする特別作戦を開始したと発表した。
この場所は黄色ラインの外で国防軍側のエリアになり、予備役部隊と諜報機関、またユダヤ人の遺体を扱うことから軍内のラビ(ユダヤ教聖職者)機関も動員され、数百と言う墓に埋葬されている遺体を1つずつ歯牙鑑定士が調べていくというもの。この作戦の発端は約1月前に逮捕したテロリストから有力な情報が得られたため作戦が実行された。
そして翌26日午後、250以上の遺体の調査のすえに予備役部隊は(ハマスによりテロ拠点ともなっていた)シファ病院の遺体袋の中からイスラエル警察の制服を着用したラン・グビリさんの遺体を発見した。その後ザミール参謀総長がガザ地区入りし、グビリさんに敬意を払う短い式典が行われた後に遺体が搬送され、843日の時を経てイスラエルに無言の帰宅を果たし、家族に迎えられた。
グビリさん帰還により2014年にあった兵士遺体の拉致以来12年ぶりにガザ地区内にイスラエル人人質が居ない状態となり、この知らせを受けてイスラエル中で2年3か月にわたって衣服や車・かばんなどに付けていた人質帰還を願う黄色いバッジ・リボンを取る様子がSNS上で多くアップされるなど国中が最後の人質帰還を記念した。
グビリさんは警察の対テロ特別部隊に所属し、勤務中の事故により肩を負傷していたにもかかわらず10/7の朝に越境攻撃の知らせを受けて現場に急行。その後ナハルオズに隣接するキブツ・アルミームでハマスとの戦闘に入り、ノバ音楽祭から避難して来た参加者数十人を守りながら激戦を繰り広げて戦死し、遺体としてガザへと拉致されていた。
グビリさんの両親は息子の発見・帰宅を受け作戦に従事した国防軍や医師に謝意を伝え、「私たちの英雄― 最初に(戦場に)出て、最後に戻って来た」とのコメントを発表している。
28日にはグビリさんの葬儀が行われ、ネタニヤフ首相やヘルツォグ大統領、警官としての殉職だったこともありベングビル国家治安相も参列し、弔辞を述べている。
(1/26-28)

 

【ハマス、自身の警官がガザ新警察に加わるよう画策】(Y,P,H)
第2段階に入り、武装解除と統治権を譲渡しガザ運営に一切関与しないはずのハマスだが、自身の警官たちを新しいガザ警察に組み込もうと画策している。
ハマスは休戦期間の間に急速に自身の警察を再構築し、現在約1万人の警官を配備している。数日前にハマスは警官をはじめとした自身の職員約4万人に手紙を送り、ハマスの職員が新政権下でも働けるよう働き掛けているため、ガザのテクノクラート新政権に協力するよう命じている。
自身に反対する市民を弾圧し、テロ政権に治安維持という武力を通じ直接関与してきたハマス警官たちをイスラエルは当然『テロリスト』と見ており、現段階では報道のみではあるが現実味を帯びた際には猛反発することは必至。
しかしハマス報道官のハゼム・カセムはロイターに対して「新政権が(ハマスの)訓練された人員が有益だと考え、旧体制で働いていた者たちの権利を傷付けないという、確信がある」と語り、多くのハマス政権に関与していたメンバーたちがそのままテクノクラート政権にスライドするだろうと、楽観的な姿勢を示している。
(1/27)

◯ 内政

【ネタニヤフ首相が記者会見、最後の人質の帰還やイランについて発言】(Y,P,H)
最後の人質ラン・グビリさんの遺体の帰還とラファ検問所が開放され本格的に休戦第2段階が始まることを受けネタニヤフ首相が27日夜に記者会見を行った。
グビリさん帰還に関してはこれまでの発言を繰り返す形で「防衛関係トップをはじめ多くが『大半の人質が戻って来ないという現実に向き合う準備が必要』と主張したが、私はそれを信じなかった。私は全員を帰還させられると信じていた」と自身の立場が中枢部においては少数派だったが最終的には正しかったと強調した。
また戦後ガザのトルコ・カタールの関与という懸念事項には「トルコ・カタール兵がガザに入ることはない。ヨルダンから地中海までの安全保障はイスラエルが管理する」とハマス支援国の兵士がガザに入ることをイスラエルは許さないとした。
ハマス武装解除とガザ復興に関する記者からの質問には「ハマス非武装化の前にガザ復興はない」と答えているが、クシュナー氏が発表した計画には「武装解除された地域から復興が始まる」とあるため、微妙にニュアンスが違うものとなっている。
また連日報道されるアメリカによるイラン攻撃とイランのイスラエルを標的とした報復攻撃の可能性については「イランが重大な過ちを犯し我らを攻撃した際にはイランが見たこともない形で反応するだろう」とイスラエルに報復攻撃しないよう警告した。
(1/27-28)

 

【予算案が第一読会通過も、成立は超正統派の兵役免除法が条件に】(Y,P,H)
予算案への賛成条件として超正統派の兵役免除法成立を求めていた超正統派の2党がリクードの妥協案を受け入れたことで賛成に回り、国会は28日深夜に2026年の予算に関する第一読会を実施、62-55の賛成多数で可決した。
当初超正統派側は予算を進める前に免除法成立を求めており、それまでは予算に反対票を投じるとネタニヤフ首相に圧力を掛けていた。しかし免除法の草案者のリクード議員が超正統派側と会合を行い、そこでの合意内容から同派の精神的指導者のラビが賛成票を投じるよう各議員にゴーサインし、予算案が第1読会を通過した。
しかし兵役免除法が成立した後の(第3読会を経ての)予算成立という条件は変えておらず、一時的に賛成側に回った見返りとして超正統派はイェシバ(同派宗教学校)へのさらなる予算充当を受け取ったとされている。
(1/28-29)

◯ 国際情勢

【今週のイラン情勢:ハメネイは地下潜伏、当局「2日間で3万人が死亡」】(Y,P,H)
イラン反体制派メディアは24日、イラン最高指導者ハメネイがアメリカの攻撃を恐れてテヘラン市の地下にある『特殊なシェルター』へ姿を隠したと報じた。
軍高官から米攻撃の可能性が高まったと進言を受けてのもので潜伏先の地下シェルターは複数のトンネルが網目のように繋がった大規模な施設とされている。また同メディアによるとハメネイは一時的に全ての決定権を三男マスウドに譲渡したよう。去年6月のイスラエルとの戦争時にもハメネイは家族とテヘラン北西部の地下シェルターへ避難したと考えられており、最高の警戒レベルにあることを物語っている。
翌25日にはタイム誌の取材にイラン保健省高官が応え、今月8・9日のデモだけで3万人が治安維持部隊により殺害され「死者数の数が国の埋葬能力をはるかに超え、遺体を包むポリ袋が不足し救急車の代わりにトレーラーが使用された」とコメント。またイラン警察長官は「我々は命を呈してイスラム革命のために立つ」と警告を発表しつつ、内乱を民意に反して起こしていると(米イをはじめとする)国外勢力を批判した。
続く26日にはテヘラン郊外での9日のデモの最中、革命防衛隊の兵士たちが10代の女性抗議者に性的暴行を加えようとしている映像が国際メディアにより報道された。目撃者によると17歳前後の少女がライフル銃を使って臀部・下半身を殴られてレイプされると脅され、顔を殴られないよう隠しながら助けを求めて叫んだところ、市民たちに止められ未遂に終わった。また女性の抗議者が取り調べという形で性的暴行にあうといった事例が市民からの情報発信により多く報告されている。
28・29日にも新たな動きがあり、空母などの戦力をイラン付近に投入し攻撃への準備を進めるアメリカにハメネイ側近が反応。「限定的攻撃というのは幻想であり、米の攻撃は全面交戦となり、我らは迅速かつ前例のない形で反撃する。攻撃者(アメリカ)やテルアビブ中心部が標的となる」とアメリカそしてイスラエルを警告した。
また米関係者はアメリカが反政府派のデモを活性化させ、政権交代の引き金となる重要な高官や政府関連施設への空爆について選択肢にしていると発言。しかしイスラエル・アラブ諸国の関係者は空爆のみによる政権交代は不可能との姿勢を示しており、イスラエルの関係者は「外圧を通じた政権交代は組織化された国内の反対勢力が必要」と語っている。
(1/24-26,28-29)

 

【バルセロナでまた反ユダヤ的事例、今度は墓地の破壊】(Y,P,H)
バルセロナにあるユダヤ人共同体は25日に共同体が所有するユダヤ人墓地で墓標が取り去られたり損壊されたりという個人・遺族の尊厳を傷付ける破壊行為があったと同市当局に被害届を出した。
数か月前からユダヤ人やイスラエルに関連する施設を示す反ユダヤ的マップが作成されるなど反ユダヤ的傾向を強めているバルセロナ。地元共同体は「(10/7以降の)デモでユダヤ人への憎悪のスローガンが一般化している。スローガンからユダヤ人へ印を付けるようになり、脅迫が起こり、破壊行為が起きた」とホロコースト前夜を連想させる流れだと悲痛の叫びを上げた。
また同時にスペイン当局にはユダヤ人を標的とした憎悪の増幅に適切な対処をしていないと批判している。これに関してはイスラエル外務省も声明を発表。「この蛮行はサンチェス政権の反イスラエル的な歩みから出た結果だ」と破壊行為だけでなくスペイン政府を批判している。
(1/25)

 

【国境なき医師団、スタッフのリスト提出を決定】(Y,P,H)
国境なき医師団は24日に声明でこれまで拒否して来た西岸・ガザ地区内で活動する同団体スタッフのリストをイスラエル政府に提出すると発表した。
イスラエル政府は同団体の活動継続許可の手続きとして、全パレスチナ人スタッフやボランティアのリスト提出を求めていたが団体側は拒否。安全保障上の要件を医師団側が拒否したため、昨年末より国内での活動停止の手続きを始めていた。
これを受けて医師団は「イスラエルは『医師団』とパレスチナ人の同僚にスタッフの情報を提供するか、数十万人のパレスチナ人を見捨てるかという不可能な選択を突き付けた」とイスラエルを批判しながら、リスト提出を発表。
24年にはイスラエルの攻撃で医師団のパレスチナ人スタッフが死亡し団体はイスラエルを激しく非難。しかし国防軍の調査からそのスタッフがイスラム聖戦で科学・電子部門の責任者を務めるテロリストだったことが判明。
他にも別のスタッフがハマスメンバーだったり、ハマス保健省の職員が医師団から給与を得ていたりとテロ組織との関与が指摘されたため、イスラエルはパレスチナ人関係者のリスト提出を国境なき医師団に求めていた。
(1/25)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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