【空軍、ヒズボラ拠点に異例の空爆を実施】(Y,P,H)
30日深夜、南レバノンからの国防軍撤退が3週間延期されてから初めて、空軍がレバノン東部ベッカー高原の村に対し空爆を行った。軍報道官は「国境部と国防軍に対して脅威となる拠点が複数あった」と、標的は地下にあった兵器製造・開発施設やシリア・レバノン間の(武器などの)密輸関連拠点だったと説明。
同日の日中にはヒズボラによる偵察無人機がイスラエルに向かって発射されていることを踏まえ、ヒズボラによる休戦合意違反だと批判した。翌31日午後にはレバノンから不審な飛行物がイスラエル領空に侵入し迎撃されてはいるものの、ここ1週間休戦状態が不安定化するような事例が続いている。 (1/31)
【男性市民の人質3人、15か月ぶりにイスラエルに帰還】(Y,P,H)
10/7、クファル・アザとニルオズからハマスのテロリストにより拉致された、キース・シーゲルさん(65)、オフェル・カルデロンさん(54)そしてヤルデン・ビバスさん(35)が、484日ぶりにイスラエルに帰還し家族との再会を果たした。
シーゲルさんは妻のアビバさんと、カルデロンさんは子供のサハルさん(16)・エレズ君(12)と共にそれぞれの自宅で拉致され、ガザで囚われの身に。家族3人は高齢女性・未成年ということで2023年末の休戦期間中に解放され、その後人質の家族として解放のために尽力しながら2人の帰宅を待っていた。
ヤルデン・ビバスさんは当時4歳のアリエルくん・9か月のクフィルくん、そして妻のシリさんと共に一家でニルオズの自宅から拉致された。乳児を含めた一家全員の拉致は国際的にも衝撃を与え、ビバス一家は拉致被害者の象徴的存在に。今回の休戦期間では生存している子供・一般女性たちから解放される取り決めがなされていたため、ヤルデンさんの家族3人の生存に関してイスラエル側は、「きわめて危機的・厳しい状況」としている(またヤルデンさんはハマス側から3人が亡くなったと聞かされている)。
そんな背景もあるためシーゲルさんとカルデロンさんは笑顔での家族再会となったのとは対照的に、ヤルデンさんは姉妹・父との再会時を除き、終始固く不安そうな表情。しかし病院へと搬送されるヘリのなかで、「私たちのために戦ってくれたことを聞きました。これ(皆のサポート)は当たり前のことではありません、ありがとう」とメッセージボードを通じて、国民に感謝の言葉を述べた。
2日前の人質解放の際には、赤十字への受け渡しの際に市民が殺到し人質が人込みをかき分けて歩くような事態となったため、イスラエルは仲介国を通じてハマスに抗議。そんな警告もあってか今回の3人の解放は、これまでにも見られたハマスによる『セレモニースタイル』の解放で、手を振るなどの指示やプロパガンダ的要素は色濃くあったが、混乱状態にはならずスムーズな受け渡しとなった。(2/1)
【イスラエル「テロリスト50人を排除、100人以上を逮捕」】(Y,P,H)
先月21日からジェニンを中心とした西岸地区北部でイスラエルが行っている、テロ拠点への特別軍事作戦について国防軍は、テロリスト50人を排除し指名手配中だった100人以上を逮捕したと発表した。軍報道官は50人のうちの15人はテロ拠点への空爆によるもので、テロリストだけでなく80の爆破装置・40の銃器を押収したとしている。
ジェニンなどではハマスやイスラム聖戦などが実効支配し無法地帯・テロの温床となっており、パレスチナ自治政府が全く機能していない状況が続いていた。そこで昨年12月からイスラエルの支援を受け、自治政府の治安維持部隊がテロ組織に対して大規模な軍事作戦を約50日間行ったが、結局それは失敗に。
そこでイスラエル軍がそれを引き継ぐ形でテロリストの排除や逮捕、拠点破壊そして武器押収などを目的とした対テロ作戦を行っている。(2/2)
【仰天の『トランプ計画』―イスラエルは賛成、アラブ諸国は反発】(Y,P,H)
現地時間4日にホワイトハウスで米トランプ大統領とネタニヤフ首相の首脳会談が行われ、その後共同記者会見が開かれた。そこでトランプ氏は「アメリカがガザを引き受けて所有し、武装解除と復興・経済的発展の責任者となる。中東のリーダーたちと話し合った際にはこのアイデアを受け入れ、安定化をもたらすとの言葉があった。ガザは世界中からの代表者やパレスチナ人も暮らす、国際的な素晴らしい場所になるだろう」と語り、復興のためにアメリカが長期的にガザを保有する意向を示した。
また首脳会談中にあった別の取材時間では、復興期間中のガザ市民のヨルダン・エジプトへの一時的移住というアイデアについても言及。「170~180万人の規模ではないかと考えている」と、一部分ではなくガザ市民の大半を復興・開発のために移住させ、『更地』にするという意向を表明した。
ネタニヤフ首相はその後にあった米メディアの取材で、このトランプ計画について「私が初めて耳にした、良いアイデア。全ての人々に違う未来を生み出すものであり、精査しその後実行されるべき。ガザ市民は再建された後、戻ってくることが出来る」と、全面的に支持する姿勢。
イスラエル関係者は「天才的なアイデア」としつつ、実行可能かどうかについては懐疑的な様子。極右のベングビル前国家治安相は「私よりも右の考え方」と賞賛して彼の計画を歓迎、近く再び連立政権に加わる可能性を明言している。
アラブ世界からはサウジアラビアやエジプトがこの計画発表を受け、ガザにおけるパレスチナの自治権支持とガザ市民移住への反対を表明するコメントを発表。サウジは、「パレスチナ国家樹立がなくともイスラエル・サウジの国交正常化が可能」とのトランプ氏の理解に対しても反応し、「パレスチナ国家樹立なくして国交正常化なし」という従来の立場を強調している。
そんな中、パレスチナ自治政府ではトランプ計画の発表を受けて、ガザ市民を受け入れて西岸地区内に新しい町を建設してはとの案が水面下で上がっている。場所に関してもリストアップが進んでおり、世界遺産のある観光都市エリコの西側が有力候補。
この案に関しては約1月前から協議されたものであり、トランプ計画の発表前から議論されていたものになる。またこの自治政府の案はアッバス議長の側近たちが発案したものではあるが議長は関わっておらず、近く提案されることになっている。(2/5-6)
【パレスチナ囚人への虐待罪で、兵士が禁固刑に】(Y,P,H)
南部スデ・テイマン基地にあるパレスチナ人の拘束施設で、囚人に対して虐待や不正行為を行ったとして、警備員となっていた予備役兵1名に対して7か月間の禁固刑の実刑判決が下された。この兵士は少なくとも4回にわたり、目隠しをされ手を縛られた囚人に対して手足や自身の自動小銃を使っての殴打や、暴力をふるいながら「イスラエルは生きている/イスラエル・ファイト」などと言った言葉を強制的に言わせ、その様子を自身のスマホで撮影していた。
判決書にはこの兵士は超正統派の兵役コース出身で、南部在住者として10/7を経験したことなど、「複雑な境遇」とその精神的影響に関して言及されるも「最も重大な罪の一つ」と断罪。軍内の階級でも、最下級の二等兵に降格処分となった。(2/6) |