ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【10/7に拉致されたカップルが証言+クラウドファンディング】(Y,P,H)
10/7にキブツ・ニルオズの自宅から拉致されたカップル、アリエル・クニオさんとアルベル・ イェフドさんが大手メディアへのインタビューに初めて応じた。イェフドさんは25年1月の解放までの約500日間女性1人で監禁されたこともあり、レイプを含む性的虐待を日常的に受けていたと初めて語った。彼女は「当初は考えないよう心の奥に閉じ込めていた」が、同じくテロリストからの性的暴行を受けた女性の証言に昨年末触れ、「彼女にとても共感した。私も同じようなことを毎日のように経験していた」と、重い口を開くきっかけになったとした。またその過酷さと辱めから「この状況から抜け出す手段はこれしかないと、3度全てを終わらせようとした」と、自殺を試みたこともあったと赤裸々に語った。 またクニオさんは見張りのテロリストたちと交渉し、「こっちは大丈夫、愛してる。頑張ってくれ」とのメモをイェフドさんに渡すことができ、彼女はこれが毎日を生きる力になったとも語った。また2人はTVの映像から人質広場での集会で、全く知らない数万人の市民が自分たちのプラカードを持ち解放の声を上げているのを知ったと言い、「家族だけではなく、私たちのために戦ってくれている人々のためにも(生きた形で)戻る義務がある」と感じ、それが活力になったと話した。またインタビューの中では去年10月に解放されたクニオさんがイェフドさんからどのような仕打ちを受けていたかを聞き、「理解しても受け入れたくなかった、自分の世界が崩れるように感じた」とショックを受けたことについても隠さずに語られている。このインタビュー公開と同時に2人は心身更生のためのクラウドファンディングを開始し、1日足らずで2億円近い寄付金が。このように政府からの支援だけでは治療・更生と社会復帰が難しいとのことから、多くの10/7の被害者たちは市民から寄付金を募る事態となっており、社会的な議論にもなっている。
(2/13-14)

 

【イ米間で温度差はあるものの、ガザ平和議会の第一回会議が開催】(Y,P,H) 
戦後のガザ復興・統治を暫定的に行う『平和評議会』の初会合(ワシントン)を19日に控え、トランプ大統領が自身のSNSで参加国が50億ドル(7600 億円)以上を復興のために拠出すると発表した。同評議会の議長を務めるトランプ氏は「無限の可能性を有しており、歴史上最も重要な国際機関であることを証明するだろう。最終的にはガザを超えた世界平和という壮大なビジョンがある」と、評議会について自画自賛するコメントをした。また同時に「即時の完全な武装解除という合意に関してコミットしなければならない」とハマスに対して、武装解除を要求。 同日にネタニヤフ首相は評議会については明言しなかったが、「ハマスの完全な非武装化が必要であり、彼らの手に軽火器であっても残ってはならない」と、10/7の虐殺が自動小銃・手りゅう弾などという軽火器により実行されたことに触れながら、武装解除が不可欠だと語った。トランプ氏が楽観的な発言を続ける反面、イスラエルは国防関係者がハマスの武装解除や多国籍部隊による治安維持に関して「実現する画は全く見えない」と語るなど、かなり悲観的。また初会合にはネタニヤフ首相ではなくサアル外相がイスラエルを代表することが決まっており、首相欠席の理由の1つにはトルコ・カタールなどのハマス支持国との同席を総選挙を前にした時期に(右派層からの反発もあり)避けたかったのでは、とも分析されている。
そして19日には47の国・国際団体の代表が初会合に参加し、1.ハマスの非武装化、2.ガザ新警察への人員募集開始(すでに2000人が志願)、3. インドネシア・カザフ・モロッコなど 5か国が多国籍部隊への出兵を決定、4. アラブ諸国は復興のために70億ドル、米は評議会のため100億円を拠出すること、などが確認されている。
(2/15-16,19)

 

【米、反ハマス系武装組織をガザ警察にしようと画策か】(Y) 
『平和評議会』による暫定的なガザ統治下、多国籍部隊と共に治安維持を担当する新たなガザ警察の編成について、ハマスと敵対している武装組織を登用し警官にするという計画がホワイ トハウスで議論されていることが分かった。ガザには南ラファから北ベイト・ラヒヤまで大規模な武装組織(氏族)が5つあり、この中にはハマス弱体化のためにイスラエル国防軍の支援を受けている組織もある。これら既存の民兵たちを警官に合法化させようというのがウィトコフ特使とクシュナー氏の構想だが、これに関しては英仏をはじめとする欧州各国も懸念を示しており、米軍高官からも「ギャングが安全保障上の信用できるパートナーとなることはなく、ばかげている」との声が上がっている。
これに関してイスラエル側は見解を示していないが、現地メディアは「おそらく米案を支持することになるだろう」と報じている。
(2/18)

◯ 内政

【トランプ大統領「ネタニヤフに恩赦を与えない大統領は恥じるべき」】(Y,P,H)
12日夜にトランプ大統領はネタニヤフ首相の恩赦に関して言及、現在検討を行っているヘルツォグ大統領に対して「恩赦を与えていないことを恥じるべき」と、異例の発言を行った。トランプ氏は戦時中の同氏の国家運営を賞賛したうえで、「イスラエルの大統領には恩赦を与える権限があり、5度も赦免を明言したが自身の力を失うことを恐れてか行っていない。これは恥ずべき事」と述べ、司法制度に則り恩赦の要請を検討しているヘルツォグ氏を激しく批判した。同氏はこの爆弾発言をオーストラリアからのフライトで知ったようで、非常に驚いたとのこと。その直後に大統領府は「イスラエルは自治権をもった法治国家。トランプ氏の発言とは異なり、大統領は決定をまだ下していない」と、冷静な声明で対応している。ただ大統領周辺を中心に、「ネタニヤフ氏が恩赦実現のため外圧を掛けるよう依頼した可能性もあり、そうであれば一線を越えた行為」との声が。ネタニヤフ氏はこれに関して、沈黙を貫いている。
(2/13)

 

【超正統派の町で女性兵士2人がリンチ未遂に】(Y,P,H)
15日にテルアビブ近郊にある超正統派の町ブネイ・ブラクで、軍の任務のためにやって来た女性兵士2人が数百人の超正統派の男性たちに囲まれ、危うく集団リンチとなる暴動が起こった。女性兵士は軍の士官で入隊を直前に控えた兵士に対する、徴兵前のオリエンテーションと家族に対する兵役の説明のためにブネイ・ブラクに。すると自宅周辺まで来た時に通行中の超正統派たちが女性兵士の存在に気付き、2人に対して罵声を浴びせ始めた。すると数分後には数十人以上が彼女の後をつけて嫌がらせをする事態となり、野次馬を含めると最終的には百人単位の超正統派たちが彼女たちを取り囲んだ。その後警察への通報があり急行した警官が2人を救出したのだが、今度は兵士たちの救出と鎮静化のために出動した警察が暴徒化した彼らの標的となり、警察車両をひっくり返したりゴミ箱や白バイ1台が放火により全焼したりなど、彼女らが救出された後も周囲は数時間に渡って無法地帯と化した。暴動は夜には鎮圧されたが警官1人が負傷、超正統派の 23人が逮捕されている。 女性兵士は「呪い・罵声を浴びせた彼らの目は憎悪に満ちており、警官の救出がなければ身体 的な攻撃を受けていただろう」と回想。10/7以降、超正統派の徴兵問題は今まで以上に国を揺るがす大きな問題となっているが、テルアビブにある国防省本部から10分足らずの場所での女性兵士へのリンチ未遂は国中に衝撃を与えると同時に、超正統派の国防軍への参画が前途多難であることを物語っている。
(2/15)

 

【10/7に関する法案名から『虐殺』が削除、遺族からは猛反発】(Y,P,H)
10/7の攻撃・虐殺への追悼に関する法案を国会の教育・文化委員会が協議しているなか、出席した首相府の代表者が「法案名から『虐殺』という単語を削除すべき」と発言したことが国内で大きな議論を呼んでいる。首相府側は1920年代に100人以上のユダヤ人が犠牲になったアラブ人による襲撃に関しても虐殺ではなく、『出来事』という表現が使用されていることを例に挙げ、「記憶が強靭さを作る」と受動的な虐殺ではなく能動的な勝利や英雄的行為に着目し、国の士気を高揚させるべきと説明した。しかし現政権は去年にも戦争の名称を『復活の戦争』 という前向きなものに変更、それに則り戦没者の墓標に刻まれた戦争名も書き換えさせようとしていた。そんなことからこの法案名からの『虐殺』の削除も、ネタニヤフ首相の10/7における責任問題から逃れるためのプロパガンダ的歴史修正だとの批判の声が、遺族や拉致被害者達の間から紛糾している。
(2/16-18)

◯ 国際情勢

【今週のイラン情勢:交渉と同時に空母派遣、運命の10日間に突入】(Y,P,H)
13日に複数の米高官がメディアに対し、現在カリブ海に配備されている世界最大の航空母艦 「ジェラルド・フォード」をペルシャ湾へと派遣する意向を明かした。トランプ大統領はイラン問題に関して外交的解決が望ましいとしながらも、交渉が決裂した際には攻撃を行うことも暗示しており巨大空母の派遣は交渉を前にしたイランに対する圧力という狙いがある。ペルシ ャ湾にはすでに空母リンカーンとミサイル駆逐艦3隻が半月以上配備されており、トランプ氏は先週から2 隻目の空母派遣について明言していた。同じ日にはトランプ氏が「イランの政権交代は起こりうる中では最良のこと」と、ハメネイ体制終焉への希望を口にし好戦的な姿勢を示した。また同時に米高官からはイランに空爆を行うこととなれば、その軍事作戦は去年のものより長期的・複合的なものになるだろうと語り、昨年6月のような核施設限定の局地的な空爆には留まらないとしている。
そんな緊張感が高まる中、14日にはスイス外務省が「来週ジュネーブにて、オマーンを仲介役とした米イ間の交渉が行われる」との声明を発表。翌15日にはイラン副外相がメディアに対し、 米側が経済制裁を緩和するのであれば核開発で妥協する用意があるとし、「アメリカが真摯な対応を取れば、合意に至ると確信している」とコメントした。またトランプ大統領もイランが合意を望んでいるとの発言を繰り返し、「間接的な形ではあるが、対話に対しては私も関与することになっている」と取材陣に16日には語り、あくまで米側としては交渉による合意・交戦回避が優先されるとの立場を改めて強調させた。しかし15日には、昨年末のネタニヤフ首相との首脳会談でトランプ氏が交渉決裂の際のミサイル関連施設への空爆を容認し、空中給油や各国への領空の通行許可要請などという後方支援を行う用意もあると話していたと、交戦へ向かっているような報道も同時になされている。
17 日にはジュネーブにて再び米イ間の交渉が行われ、イランのアラグチ外相は報道陣に「合意という好機への新しい窓、明確な道のりが開けた」と核問題に関しては大きな進展があったと 強調した。米側も交渉における前進を認めているが、その反面イランは要衝ホルムズ海峡の一 時封鎖を宣言し革命防衛隊による軍事演習を行うなど、臨戦態勢をアピール。そして翌18日には前日の外交的解決への兆しから一転、米空軍が24時間ほどの間に50機以上の戦闘機を中東へとさらに配備し、イスラエルに対して「イラン攻撃の数日前には事前通知する」との旨を伝えたことが報道され、イラン攻撃が間近に迫っているといった論調となった。またトランプ氏はイスラエルに対してミサイル関連施設の空爆に実行許可を出したともされており、米に先立ってイスラエルによる先制攻撃の可能性も浮上している。
19日に行われた平和評議会の初会合でトランプ氏はイラン問題に言及し、合意か攻撃かについ て「10日ほどで分かることになるだろう」と発言。イランに対して米案を期日までに受け入れるか攻撃を受けるかの二択だとした。また同日にはネタニヤフ氏と参謀総長が軍の式典に参加し、攻撃を受けた際には大規模なイラン攻撃を行うと警告。イスラエルメディアは「命運を分ける10日間」との見出しと共に、イスラエル・米両軍の臨戦態勢を報じている。
(2/13-19)

 

【国境なき医師団、ガザ病院内でのテロ活動を初めて認める】(Y,P,H)
国境なき医師団が14日、ガザ南部ハンユニスにあるナセル病院での救命や緊急治療以外の医療活動を停止すると発表した。同団体は活動停止の理由として「ここ数か月患者や医師団のスタッフたちが武装した男性たちを病院内で目撃したため」としており、テロリストたちにより同 病院が拠点化されていると事実上認めた。イスラエルは10/7以前よりハマスによる病院のテロ拠点化について主張し続けてきたが、国境なき医師団が認めたのはこれが初めて。ハマス内務省はこれを受け違反者に対しては法的な措置が取られると説明し、病院内での武装者排除にコミットすると強調。また「目撃された武装兵たちは(ハマスではなくハマスに抵抗する)地元部族の構成員である」との可能性も示唆している。 ガザでの病院のテロ拠点化に関してはイスラエルによる主張に加え、国外に脱出した元ガザ市民からの証言などが長年上がっていたが、国際的にはそれほど注目されてこなかった。
(2/14)

 

【米保守派評論家、空港で取り調べを受けたとイスラエル批判も...】(Y) 
熱狂的なトランプ大統領支持で知られる「MAGA」を代表する保守派評論家のタッカー・カール ソン氏が、自身のイスラエル滞在時に空港スタッフから尋問されたとSNS 上で18日に発信した。 カールソン氏はハッカビー米大使と SNS 上でイスラエル国内のクリスチャン事情に関しての論争 を行い、そこから大使はカールソン氏に対して自身への独占インタビューを行うよう提案。それを受けて氏はイスラエルの空港内で米大使へと独占インタビューを行ったのだが、その後 「パスポートを一時没収されて取調室に引っ張っていかれ、大使への取材内容に関して聞かれた」と、イスラエルによる出国審査を批判。これを受けて米国務省やハッカビー大使は取り調べといった事実はなく、大使や外交官も受けるようなセキュリティーに関するいくつかの質問がなされただけと反応。イスラエル空港庁も一般的な質疑以上の取り調べは無かったとコメントしている。翌19日にはカールソン氏が空港スタッフと笑顔で写真撮影している動画がSNS上にアップされ、氏の発言との矛盾が指摘されている。カールソン氏は保守派を代表する論客ではあるものの、昨年のチャーリー・カーク氏射殺に関してイスラエルが関与しているなどと発言するなど反ユダヤ的思想も散見される。
(2/18-19)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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