ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ハマス、休戦第1段階の延長を拒否】(Y,P,H)
ハマスはイスラエルが提示していた第1段階の6週間の延長について拒否する姿勢を示し、「戦争終結とガザからの撤退という(第2段階の)コミットメントから逃げようとしている」と、批判した。イスラエルは恒久的休戦について曖昧にさせたまま第1段階を引き延ばし、少しでも生存している人質解放を行いたいとカイロでの交渉に臨んだが、ハマスは第2段階に入らないなかでの人質解放には一切応じない姿勢を見せ、交渉は現在暗礁に乗り上げている。
ネタニヤフ首相の関係者は、首相の考えについて「戦争を終える理由を探してはいない。短期間の軍事作戦で圧力を掛ければ、さらなる人質解放が行えるのでは」としている。
ネタニヤフ首相が第2段階への継続を避けたい大きな理由には、1.極右に対する第1段階後の戦闘を再開するという約束、2.第2段階に入れば戦争終結を宣言することとなり、自身の責任問題を含めた10/7の調査に着手する必要が出てくる、などといった国内問題の要素もある。
しかし軍部記者たちによると、イスラエルは「人質が少しでも居る可能性があれば、そこで作戦を行わない」というガイドラインを採用しているため、大規模な戦闘再開の可能性は低いとのこと(人質の居場所をほとんど把握できていないため)。したがってネタニヤフ氏は上記のような理由から、現状の第1段階をできるだけ延長したい思惑があるとされている。(2/28-3/1)

 

【イスラエル、シリア新政府にドゥルーズ派への攻撃を停止するよう警告】(Y,P,H)
1日にダマスカスに隣接するクリスチャンとドゥルーズ派の町で、シリア新政府軍とドゥルーズ派の間で衝突が起き、市民1人が死亡した事例を受けネタニヤフ首相とカッツ防衛相は、「イスラム過激派によるテロ政権に、ドゥルーズ派を傷つけるようなことはさせない。ドゥルーズ派が危害を受ければ、政府は私たちからの危害を受けることになるだろう」と、シリア政府を警告した。
イスラエルのドゥルーズ派コミュニティーはアサド政権崩壊直後から、政府に対しシリアの同胞を保護するよう要請。アラブメディアからはイスラエルの介入に反対する声が上がっていると報じている一方、イスラエルメディアには「イスラム過激派の国では生きたくない」と介入を望む声が届いている。(3/1-2)

 

【ハマスによる休戦延長拒否を受け、イスラエルが支援物資搬入を停止】(Y,P,H)
米ウィトコフ中東特使による休戦延長案(イスラエルが提示していた案と類似)をハマスが拒否したことを受け、イスラエルは1日深夜の閣議でガザ地区に対する人道支援搬入の全面停止と、ガザとの間の検問所の一時閉鎖を決定した。これらの決定に関しては、アメリカも認識しているという。
2月27日よりラマダンの断食(期間中は毎晩の断食後に豪華な夕食を食べる)が始まったため、このタイミングでの人道支援物資はハマスに対する圧力と言う意味では、強いツールになる。しかしその反面、休戦期間中に25000台の物資を乗せたトラックがすでに搬入されており、約4か月間の食料はガザにあるとされている。したがってこの搬入停止は、『象徴的』なものに過ぎないと現地メディア。
イスラエル政府内からは、ハマスが拒否を続けた場合には電気やインフラに対する供給制限を行っては、との声が上がっているもよう。これにはもちろんハマスだけでなく、エジプトをはじめ仲介国からも反対の声が上がっている。(3/2)

 

【ハイファでドゥルーズ派市民による刺傷テロ、1人が死亡】(Y,P,H)
北部最大都市ハイファのバスターミナルで3日朝、ナイフによる刺傷テロが発生し1人が死亡、4人が重軽傷を負った。犯人は北部ドゥルーズ派のイトロ・シャヒン(20)で、自身が乗っていたバスがターミナルに到着した際に持っていたナイフを取り出し、「アッラーアクバル」と叫びながら近くに居た乗客を刺し、バスから降りた後にも複数の乗客に襲い掛かった。バスが停まったのがターミナルの入り口付近だったため、叫び声を聞いた警備員と通り掛かった武器を所持していた市民がテロリストを射殺した。
死亡したのは同じアラブ系市民のハサン・ダハムシェさん(62)で、重傷者のうち1人も15歳のテロリストと同じ町に住むアラブ人少年。犯人は精神疾患を患っており、またドイツ国籍所持者でここ数か月は海外に住んでいたとの情報があり、警察は犯行動機などを調べている。(3/3)

 

【エヤル・ザミール氏、第24代参謀総長に就任】(Y,P,H)
国防軍本部でヘルツィ・ハレビ参謀総長の退任、そしてエヤル・ザミール新参謀総長の就任式典が行われた。戦争が終結しておらず59人が未だにガザで人質になっていることから、通例の引継ぎとは違い関係者だけの出席で、兵士たちは式典用ではなく任務・作戦中に着用する通常の軍服を着用するなど、簡素な式典となった。
ザミール新参謀総長は所信表明演説で、「ハマスは大ダメージを受けたが決着(軍事・統治組織としての消滅)はしておらず、我らの任務は完了していない」と発言。また「国防という使命は平等な形で共有されるべき。私たちは聖典・トーラーの民でもあり、行いの民でもある。イスラエル社会全てに対して、祖国を守るというミツバ(戒律・良い行い)に加わるよう呼び掛けたい」と、超正統派に対して兵役義務を履行するよう呼び掛けた。
ザミール氏はヨムキプール戦争のあった70年代以来の、戦車部隊出身の参謀総長。またネタニヤフ政権下で首相府の軍事顧問なども務めた後、2021年から23年までは軍を離れており、23年には文官として防衛省へと戻ったため、10/7の歴史的失敗劇に現場で直接関与していないなどから、広く第一候補とされていた。(3/5)

◯ 内政

【ヤルデン・ビバスさんの首相への手紙が国会で読み上げられるも…】(Y,P,H)
ガンツ元防衛相率いるナショナル・ユニティ党のトゥルーペル議員が国会で登壇、先週家族3人の葬儀を行ったヤルデン・ビバスさんから受け取った、首相に宛てた手紙を読み上げた。
手紙の中でビバスさんは家族で経験した10/7について述べた後、「514日が経っているが、あなたの政府はまだ責任を取っていない。国家による調査委員会を設置することは、国民の総意」と、真相解明を行うよう求めた。
また10/7以降1度もニルオズを訪れていないことについても指摘、首相に対して「私と一緒に来てもらいたい。一緒にキブツの惨状をこの目で見なければ、立ち上がることはできない」と自身が案内すると、ニルオズ訪問を要請した。(首相はまだヤルデン・ビバスさんと面会すらしていない)
手紙が読み上げられている間、首相はトゥルーペル議員の方を一度も見ずに他の議員と話している瞬間もあったため、同議員から「耳を傾けてはどうか」と言われる一幕も。首相は苛立った様子で「聞いている」と答えたがその後も直視することは1度もなく、同議員がその後手紙を渡そうと首相のもとに行ったが、受け取ろうとすらしなかった。(3/3)

 

【シンベト、10/7についての外部調査書を発表】(Y,P,H)
10/7がいかにして起こったについて、外部からの独立チームによる調査を行っていたシンベトが、その報告書を発表した。
そこにはハマスに越境攻撃の背景として、1. ハマスによるガザ統治容認と(労働者受け入れなどの間接的)協力関係、2. その一環としてのカタールからの支援送金への協力(これによりハマス軍事部の軍部増強を可能に)、3. ガザに対する警戒心の低下、4. 攻撃的手段・イニシアティブではなく防御・諜報という受動的対応に終始したこと、5. 神殿の丘でのイスラエル(過激な右派参拝者)による違反やパレスチナ囚人に対する政策、などが挙げられており政府による政策を批判するものとなっている。
またシンベト自身の失策ももちろんあったとし、1年以上前に国防軍が発見していた越境攻撃計画に対して適切な処置がなされなかったことや、単発のテロではなく軍のような動きをしていたハマスに対し、有効な策を講じられなかったことなどを自身の失態として挙げている。また軍による調査報告書と同様、政府に対して(政府の関与度が低く政治色の薄い)国家による独立調査委員会を開設し、真相究明を行うべきとした。(3/4)

◯ 国際情勢

【BBC、番組でガザ重役の子供を特集したことを謝罪】(Y,P,H)
英BBCテレビは27日、放映したドキュメンタリー番組『ガザ:戦地で生き延びる方法』について、「容認できない欠陥」があったとして謝罪した。同番組ではアブダラという名の13歳の少年がナレーターを務めたのだが、その後の調査により同少年はハマス政府の副農業相の息子であることが判明していた。
また同番組を手掛けた制作会社はBBCから受け取った予算から、この少年の母親=ハマス重役の家族に「少額の謝礼」を支払っていたことも分かっている。この他にも「ユダヤ人へのジハード(聖戦)」との発言が、「イスラエルへの抵抗運動」とオブラートに『意訳』されているなど、この番組に対してイスラエルは反発の声を上げている。
これらの調査結果を受けBBCは、同番組をオンラインの動画コンテンツから削除している。(2/28)

 

【アラブ連盟、ガザ市民の他国への移住を含まない復興案を採択】(Y,P,H)
トランプ大統領がガザ市民の移住を伴うガザ復興案を発表、エジプトやヨルダンに受け入れを要請したことを受け、アラブ連盟はカイロで緊急サミットを行った。サミットではエジプトが提案していた代替え案が、承認された。
この案は『ガザ2030』という名前で、第1段階はガザ地区を7つに区分し市民は仮設住宅または移動式住宅に住み、その間に瓦礫の撤去・インフラ整備が行われ、その後4万戸以上の集合住宅を建設。そして最終的には空港や商業・観光用の港、国際会議場や、大学や太陽エネルギー施設などが建設され、ガザの周囲を巡るように鉄道も建設される予定になっている。
ガザ統治に関してはハマスではなくパレスチナ自治政府が行い、ガザ警察の訓練などはエジプト・ヨルダンが行い、治安維持を図るとしているが、全91ページの中で(イスラエルが最も懸念している)ガザ統治の形について触れられているのは4ページのみ。米・イスラエルはこのエジプト案に反発の声を上げ、アラブ諸国に対してトランプ案を真剣に検討するよう呼び掛けている。(3/4)

 

【7人の拉致被害者がトランプ大統領と面会、惨状を語る…】(Y,P,H)
10/7にガザへと拉致され、解放された7人の被害者がアメリカに到着。現地時間6日にホワイトハウスを訪問し、大統領に謝意を述べ、ガザでの過酷な監禁状態などを語った。飢餓状態の人質たちの前で見せつけるように食事を楽しんだり、共に監禁されていた若い人質が手足を縛られた後テロリストがやって来、手首を切断し笑うのを見たりと自身が経験した証言を行った。
また1月の休戦合意の立役者となったトランプ氏に対し、「私たちに希望を与えてくれました。私たちを救うために、神があなたを送ったと信じています。どんなに喜んだことか…」と謝意を述べるとともに、さらなる人質解放を懇願した。
面会後にトランプ氏は自身のSNSでハマスに対し、「お前たちが人生を破壊した、元拉致被害者と会った。これは最後の警告だ。指導層、これがガザを離れる最後のチャンスだ。ガザ市民、美しい未来があるが人質の監禁を続けるならば、死ぬことになる。賢い判断を下すように」とメッセージを送っている。(3/5-6)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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