【ハマス、休戦第1段階の延長を拒否】(Y,P,H)
ハマスはイスラエルが提示していた第1段階の6週間の延長について拒否する姿勢を示し、「戦争終結とガザからの撤退という(第2段階の)コミットメントから逃げようとしている」と、批判した。イスラエルは恒久的休戦について曖昧にさせたまま第1段階を引き延ばし、少しでも生存している人質解放を行いたいとカイロでの交渉に臨んだが、ハマスは第2段階に入らないなかでの人質解放には一切応じない姿勢を見せ、交渉は現在暗礁に乗り上げている。
ネタニヤフ首相の関係者は、首相の考えについて「戦争を終える理由を探してはいない。短期間の軍事作戦で圧力を掛ければ、さらなる人質解放が行えるのでは」としている。
ネタニヤフ首相が第2段階への継続を避けたい大きな理由には、1.極右に対する第1段階後の戦闘を再開するという約束、2.第2段階に入れば戦争終結を宣言することとなり、自身の責任問題を含めた10/7の調査に着手する必要が出てくる、などといった国内問題の要素もある。
しかし軍部記者たちによると、イスラエルは「人質が少しでも居る可能性があれば、そこで作戦を行わない」というガイドラインを採用しているため、大規模な戦闘再開の可能性は低いとのこと(人質の居場所をほとんど把握できていないため)。したがってネタニヤフ氏は上記のような理由から、現状の第1段階をできるだけ延長したい思惑があるとされている。(2/28-3/1)
【イスラエル、シリア新政府にドゥルーズ派への攻撃を停止するよう警告】(Y,P,H)
1日にダマスカスに隣接するクリスチャンとドゥルーズ派の町で、シリア新政府軍とドゥルーズ派の間で衝突が起き、市民1人が死亡した事例を受けネタニヤフ首相とカッツ防衛相は、「イスラム過激派によるテロ政権に、ドゥルーズ派を傷つけるようなことはさせない。ドゥルーズ派が危害を受ければ、政府は私たちからの危害を受けることになるだろう」と、シリア政府を警告した。
イスラエルのドゥルーズ派コミュニティーはアサド政権崩壊直後から、政府に対しシリアの同胞を保護するよう要請。アラブメディアからはイスラエルの介入に反対する声が上がっていると報じている一方、イスラエルメディアには「イスラム過激派の国では生きたくない」と介入を望む声が届いている。(3/1-2)
【ハマスによる休戦延長拒否を受け、イスラエルが支援物資搬入を停止】(Y,P,H)
米ウィトコフ中東特使による休戦延長案(イスラエルが提示していた案と類似)をハマスが拒否したことを受け、イスラエルは1日深夜の閣議でガザ地区に対する人道支援搬入の全面停止と、ガザとの間の検問所の一時閉鎖を決定した。これらの決定に関しては、アメリカも認識しているという。
2月27日よりラマダンの断食(期間中は毎晩の断食後に豪華な夕食を食べる)が始まったため、このタイミングでの人道支援物資はハマスに対する圧力と言う意味では、強いツールになる。しかしその反面、休戦期間中に25000台の物資を乗せたトラックがすでに搬入されており、約4か月間の食料はガザにあるとされている。したがってこの搬入停止は、『象徴的』なものに過ぎないと現地メディア。
イスラエル政府内からは、ハマスが拒否を続けた場合には電気やインフラに対する供給制限を行っては、との声が上がっているもよう。これにはもちろんハマスだけでなく、エジプトをはじめ仲介国からも反対の声が上がっている。(3/2)
【ハイファでドゥルーズ派市民による刺傷テロ、1人が死亡】(Y,P,H)
北部最大都市ハイファのバスターミナルで3日朝、ナイフによる刺傷テロが発生し1人が死亡、4人が重軽傷を負った。犯人は北部ドゥルーズ派のイトロ・シャヒン(20)で、自身が乗っていたバスがターミナルに到着した際に持っていたナイフを取り出し、「アッラーアクバル」と叫びながら近くに居た乗客を刺し、バスから降りた後にも複数の乗客に襲い掛かった。バスが停まったのがターミナルの入り口付近だったため、叫び声を聞いた警備員と通り掛かった武器を所持していた市民がテロリストを射殺した。
死亡したのは同じアラブ系市民のハサン・ダハムシェさん(62)で、重傷者のうち1人も15歳のテロリストと同じ町に住むアラブ人少年。犯人は精神疾患を患っており、またドイツ国籍所持者でここ数か月は海外に住んでいたとの情報があり、警察は犯行動機などを調べている。(3/3)
【エヤル・ザミール氏、第24代参謀総長に就任】(Y,P,H)
国防軍本部でヘルツィ・ハレビ参謀総長の退任、そしてエヤル・ザミール新参謀総長の就任式典が行われた。戦争が終結しておらず59人が未だにガザで人質になっていることから、通例の引継ぎとは違い関係者だけの出席で、兵士たちは式典用ではなく任務・作戦中に着用する通常の軍服を着用するなど、簡素な式典となった。
ザミール新参謀総長は所信表明演説で、「ハマスは大ダメージを受けたが決着(軍事・統治組織としての消滅)はしておらず、我らの任務は完了していない」と発言。また「国防という使命は平等な形で共有されるべき。私たちは聖典・トーラーの民でもあり、行いの民でもある。イスラエル社会全てに対して、祖国を守るというミツバ(戒律・良い行い)に加わるよう呼び掛けたい」と、超正統派に対して兵役義務を履行するよう呼び掛けた。
ザミール氏はヨムキプール戦争のあった70年代以来の、戦車部隊出身の参謀総長。またネタニヤフ政権下で首相府の軍事顧問なども務めた後、2021年から23年までは軍を離れており、23年には文官として防衛省へと戻ったため、10/7の歴史的失敗劇に現場で直接関与していないなどから、広く第一候補とされていた。(3/5)