【今週のイラン問題:米イの直接交渉が開始されるも、臨戦態勢は継続】(Y,P,H)
オマーン首都のマスカットで6日、アメリカ・イラン間による交渉が午前と午後の2度行われた。ウィトコフ特使・クシュナー氏とイラン外相が率いる両国の交渉団が直接対面することはなく、オマーン外相とそれぞれが対話するという形で主にウラン濃縮を含む核開発に関して意見が交わされたもよう。
交渉後にイラン側は米交渉団に中央軍司令官が加わっていたことについて「脅しながらの交渉」と批判しつつ、外相が「良いスタートだった」と発言するなど近いうちに2度目の交渉の場が設けられるだろうとしている。またトランプ大統領も来週中にも2度目の交渉があると明言、「イランは合意を熱望している」とイランが譲歩する可能性をほのめかしたが、イラン側は否定し「トランプは嘘つきだ」と返すなど、場外での舌戦が起こっている。
この米・イラン間の交渉本格化をイスラエルは危惧しており、翌7日には現地メディアがネタニヤフ首相の米訪問とトランプ氏との首脳会談が11日に前倒しになったと報道。これに合わせて首相府も「全ての交渉において、弾道ミサイルの制限と代理勢力への支援打ち切りが協議されるべき」とコメントし、アメリカが譲歩しないように牽制している。
イスラエルは核開発放棄の他に、より差し迫った脅威である長距離ミサイルと抵抗の枢軸問題を交渉の議題に加えるよう求め、アメリカも当初は理解を示していたが、イランが「核問題のみの交渉」という立場を崩さないまま交渉が始まったことから、トランプ氏がその要求を飲んでしまったのではとの危機感を募らせている。
9日には首脳会談でネタニヤフ氏はイスラエルが持つ、核とミサイル開発そして反体制デモに参加したイラン市民への弾圧に関する最新の諜報情報を共有、交渉においてアメリカ側が譲歩しないよう働きかけることになるだろう、と会談の内容に関する報道を行っている。
11日にはネタニヤフ・トランプ氏の首脳会談が持たれ、交渉を最優先したい米側と攻撃も辞さないとするイスラエル側での温度差が感じられたが、アメリカがもう1隻の空母を近く中東に配備するよう国防省が動くなど臨戦態勢が整っているという報道も。このように報道の錯綜も見られるため、米がどれだけ外交的解決に本腰を入れているのかは不透明な状況が続いている。
また同日にはイランで79年のイスラム革命を祝う記念日があり、市民たちが米イの国旗を踏みながら行進したり米軍司令官たちの棺が置かれ、軍服を着た子供たちが一緒に写真を撮ったりなどとアメリカを挑発する好戦的な光景が見られている。
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【イスラエル・ボブスレー代表がチェコで盗難被害に】(Y,P,H)
現在開催中のミラノ・コルティナ五輪でイスラエルとして初出場するボブスレー代表が7日、合宿先のチェコで盗難被害に遭った。トレーニングを終えて滞在場所に戻るとアパートが荒らされており、数千ドル相当の競技器具と代表であるワード・ファワルセ選手のパスポートが盗まれていた。
現在チェコ当局が捜索を行っており、イスラエル五輪委員会の働き掛けにより即時に緊急旅券がファワルセ選手に発行され、同選手も問題なくイスラエル代表としてコルティナ入りし、男子4人乗りの種目に出場する予定となっている。
イスラエルのボブスレー代表はスケルトン競技でオリンピックに出場した米系ユダヤ人アダム・エデルマンさんが2019年に1人で立ち上げたもの。悪戦苦闘しながらもドゥルーズ派の元ラグビー選手であるファワルセ選手やユダヤ人の元短距離・投てき・跳躍などの陸上選手をリクルートし、五輪出場を果たしたというストーリーから注目を浴びている。
ちなみにファワルセ選手はドゥルーズ系市民としては初の五輪選手であり、「軍以外の場所でドゥルーズ派として、共同体と自身の国を代表するのは光栄なこと」と五輪前の取材で語っていた。
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【ヘルツォグ大統領に反対する大規模なデモがシドニーで発生】(Y,P,H)
昨年12月にシドニーで発生したユダヤ人を標的とし15人が射殺されたテロを受け、豪政府に招待されたヘルツォグ大統領が同市を訪問。
するとヘルツォグ氏訪問に抗議する数千人規模のデモが親パレスチナ団体『パレスチナ・アクション』によって行われた。豪警察は大統領とデモ隊の接触を避けるため3000人の警官をシドニー市内に配備し、訪問先の周辺を封鎖し同団体にデモを許可する地域を制限するなどの厳戒態勢を敷いた。
当日のデモではヘルツォグ氏を戦争犯罪者として逮捕するようなチャントが行われ、(氏の政治的スタンスは左派だが)氏をヒトラーになぞらえるようなプラカードも見られた。またデモ隊の一部が暴動化して警察と衝突、警官たちは催涙ガスを使用し公務執行妨害で15人が逮捕される事態となった。
ヘルツォグ氏は厳重な警備のなか、テロと犠牲者を悼む記念碑を訪問。エルサレムからの石を記念碑に捧げ、「ユダヤ人が1人傷つけられると、私たち全員がその痛みを共有する。私たちが10/7に見たのと、あなたたちが12月にこの場所で見たものは、同じ悪なのだ」と式典で語った。
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