ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 国際情勢

【交戦14日目:北部でアラブ系市民60人が負傷、イランでは『エルサレム・デー』の行進】(Y,P,H)
この日も北部にはヒズボラから、中央部にはイランからのミサイルが断続的に発射され、広い範囲で計7回サイレンが作動した。未明にはイランからの弾道ミサイルがナザレ近郊のアラブ系の町に着弾。約60人が負傷し約300棟の住宅に被害が見られ、乗用車が炎上するなどの火災も発生している。夜にはイランからクラスター弾を搭載したミサイルが飛来し、テルアビブ南部近郊で14か所に着弾した。けが人は出なかったものの、町の中心部の学校や住宅地に落下し、建物や車両の火災が報告されている。
一方イスラエル軍は、朝と夜の二度にわたる大規模空爆を中心に、イラン各地への攻撃を継続。南部シーラーズでは地下にある弾道ミサイル関連施設を攻撃し、西部アフワズでは革命防衛隊の複数の司令部を破壊。またテヘランでは、軍参謀本部に属する諜報機関の緊急司令部が空爆の標的となっている。イラン国内ではこの日、反イスラエル・反米を掲げる「エルサレム・デー」の行進がテヘランなどで行われ、多くの市民が参加した。行進には反体制派への弾圧・処刑実施などで知られるエジェイ司法長官などの高官も参加し、市民に囲まれながら街を練り歩いた。

近くでは空爆による爆音が響く中高官たちは、徹底抗戦で国が一枚岩であることを強調している。一方で、ここ数日間で数十人から数百人規模の兵士が離脱したとの報道から、イラン内部で動揺が表面化しているとの声も。しかしイスラエルメディアは、「この2週間の大規模空爆を考えると、イラン体制の揺らぎは予想を大きく下回ったもの」と論じている。
(3/13)
 
【交戦15日目:北部では1時間に2回のサイレン、米軍は石油輸出の要所空爆を発表】(Y,P,H)
14日もイスラエルへの攻撃は続いた。イランからの弾道ミサイルやヒズボラのロケット弾により、テルアビブなどの中央部やエルサレム・ガリラヤ地方を中心に広い地域で計7回サイレンが作動。特に被害が大きかったのはレバノン国境に近いガリラヤ北部で、13日夜から14日朝にかけて平均して約1時間に2回のペースでロケット弾攻撃が続いた。大半は迎撃されたが着弾したロケット弾により、100近い住宅や車両が損傷している。中には爆薬に加えて大量の金属片を弾頭に組み込み飛散させることで、被害を拡大させようとする例も確認された。
一方イスラエル空軍はこの日もイラン中部および西部にある弾道ミサイル関連施設への攻撃を継続した。軍の発表によると、過去24時間で200以上の標的に空爆が行われ、その中にはイスラエルへ向けて発射直前だったミサイルや発射台も含まれていたとしている。
またこの日、トランプ大統領はイランの重要な原油積み出し拠点であるカーグ島に対して空爆を行ったと発表した。トランプ氏は「中東史上最大規模の空爆を行った」と述べた一方、破壊したのは軍事拠点のみで石油インフラへの攻撃は避けたと説明した。ただし、イランがホルムズ海峡の航行の安全に干渉する場合には、この方針を見直す可能性があると警告している。
(3/14)
 
【交戦16日目:北部に数百発の攻撃、レバノンとは近々休戦交渉か?】(Y,P,H)
14日深夜から15日午前にかけて、ほぼ毎時のようにイランからの弾道ミサイルが飛来。中央部に加えて北部からエイラット周辺まで、イスラエル全域で断続的にサイレンが作動した。昼にはテルアビブとその周辺の複数箇所にミサイルが着弾し、60代の男性重傷者を含む、計4人が負傷。また北部もレバノンからロケット弾・無人機による数百発規模の攻撃が行われたが、物損被害のみで負傷者は報告されていない。またエルサレム旧市街では弾道ミサイルや迎撃弾の破片が、神殿の丘や聖墳墓教会などの聖地に落下し物損被害も確認されている。ここ数日サイレンの回数は増加しているものの、イランからのミサイルは1日あたり10〜15発程度と減少傾向にあると軍は発表している。
レバノン戦線をめぐっては、二つの異なる動きが報じられている。一つはリタニ川以北からのヒズボラの南下や南レバノンでの銃撃戦などといった、ヒズボラが南部に戦力を集結させているというもの。これに対しイスラエルは、最大45万人規模の予備役動員を検討し、大規模な地上作戦に備えている。しかし一方で、レバノン・イスラエル間で停戦に向けた交渉が、近くパリまたはキプロスで行われるとの報道もある。イスラエル側はネタニヤフ首相の側近ロン・デルメル氏が調整役として関与し、進められていると報道している。
(3/15)
 
【交戦17日目: イラン政府専用機を空爆、米イのみによる戦争長期化か】(Y,P,H)
16日もイスラエル各地では攻撃が続き北部では約12時間の空白があったものの、その後1日を通してヒズボラからのロケット弾・無人攻撃機飛来が多数あった。午後にはレバノン国境部にある町ナハリヤで住宅にロケット弾が着弾、6人が軽傷。南部からエルサレムさらに北部に至る広範囲でこの日約10回のサイレンが鳴り、ガザ周辺ではこの日に教育機関が再開した授業中にイランからの弾道ミサイルによりサイレンが作動、一時学校はパニック状態となった。朝には中央部にクラスター弾頭を使用したイランのミサイルが着弾、テルアビブの南ではアパートが直撃を受けて全壊し、その後ユダ低地でもミサイルの一部が落下し物的被害が報告されている。
これに対しイスラエルはイラン国内への大規模攻撃を実施し、テヘラン、シラーズ、タブリーズを含む200以上の標的を攻撃した。弾道ミサイル関連施設のほか、前最高指導者アリ・ハメネイが使用していた政府専用機(代理勢力への武器密輸にも使用されていたとされる)も破壊されている。また北方戦線ではカッツ防衛相が、ヒズボラの南レバノン再展開を防ぐため「ハマスに対してと同様の措置を取る」と述べ、南レバノンでの地上作戦開始を発表。空軍がベイルート・ダヒヤ地区を中心に各地に空爆を行うのと並行し、国境付近では陸軍部隊による局地的地上作戦が続いている。
国際的には、ホルムズ海峡の安全確保をめぐりNATOや日中韓が明確な関与姿勢を示していないことに対し、トランプ大統領は強い不満を表明。対応がなければNATOにとって悪い未来を意味すると警告したうえで、「我々は40年間彼らを守ってきたのに、この程度の事案にも関与したくないよう」と各国を批判している。
またイスラエルメディアでは革命防衛隊のミサイルがトルコ領空に飛来したのを契機に、イラン政府がトルコと共同で調査委員会を設置し革命防衛隊を追及する姿勢を見せるなど、体制内に表面的な亀裂が生じ始めているとも報道。しかしその一方で湾岸諸国・NATOなどを巻き込むことができず、依然としてイ米が孤立に近い形で戦争を継続している状況にあると論じている。
(3/16)
 
【交戦18日目: 前指導者の側近を排除、イスラエルがホルムズ海峡での作戦に関与か】(Y,P,H)
16日深夜、イスラエルはイラン体制およびバスィージ部隊の上層部に対するピンポイント攻撃を実施した。国家安全保障最高評議会で前最高指導者ハメネイの側近とされるアリ・ラリジャニ、そして革命防衛隊傘下バスィージ部隊の司令官および副司令官を排除したと発表した。ラリジャニはテヘラン郊外のアパートに潜伏しているとの情報を諜報機関が16日に入手、政府の許可のもと空爆が実行された。ラリジャニは保守派に属しつつも特に外交では現実路線を取っていた人物でもあり、彼不在によりイランのパワーバランスがより過激な勢力へ傾く可能性も指摘されている。また、バスィージ部隊の司令官らは即席の司令部テントに所在していたときに攻撃を受け、後任となり得る上層部も同時に排除されたことから指揮系統が機能不全に陥る可能性も。バスィージ部隊は1月以降の反政府デモに対する弾圧や処刑の中心的役割を担っており、反体制派3万人以上を殺害したとされている。この作戦で国家ナンバー2と治安維持トップを同時に排除したこともあり、反政府デモの再燃や政権交代につながる国内からの動きを期待する声も上がっている。
一方で同日、イスラエル国内では引き続き攻撃によるサイレンが続いた。北部ではヒズボラから、中央部から南部にかけてはイランからの弾道ミサイルが飛来し、計7回にわたり広範囲でサイレンが作動、100万人以上がシェルターへの避難を余儀なくされた。イランは引き続き迎撃が難しく殺傷能力の高いクラスター弾を使用しており、上空で分裂した多数の小型弾頭すべてを迎撃することは非常に困難。テルアビブの南では弾道ミサイルが鉄道駅に直撃し、開戦後同駅は閉鎖されていたため人的被害はなかったものの、ホームの屋根やエスカレーターなどが大きく損傷した。イスラエルメディアは、国家インフラへの被害としてこの事案を大きく報じている。
国際的にはホルムズ海峡の安全確保のため、米国が各国の協力を要請しているが難航。それを受けてイスラエルおよび湾岸諸国が、特に諜報面において米軍によるホルムズ海峡での軍事作戦に協力する動きが見られている。これまでイラン南部は主に米国が担当し、イスラエルは関与していなかったが、同海域への関与は戦局の転換点となる可能性がある。また米国は空爆に加え、同海峡の実効的な制圧および治安維持も視野に入れていると報じられている。
(3/17)
 
【交戦19日目: 中央部で高齢夫婦が犠牲に、イスラエルは大規模なガス田を空爆】(Y,P,H)
この日も広範囲で10回以上サイレンが作動した。特に被害が大きかったので深夜0時頃で、クラスター弾頭を搭載した弾道ミサイルが中央部の数十か所に着弾。テルアビブの北の集合住宅の一室に着弾し、シェルターから数メートルの位置で70代夫婦の遺体が発見された。夫婦のうち1人が歩行器を使用していたため、シェルターへ避難できず入り口付近で着弾を受けたとされる。これによりイスラエル側の死者は、5人の子どもを含む計22人に。このミサイルは重量約2トンとイラン最大のミサイルによるもので、内部には通常の4倍近い約80のクラスター弾が搭載されていた。またこの夜の攻撃では他にも、イスラエル最大の鉄道駅であるテルアビブ中央駅にクラスター弾が着弾し、ホームなどの設備に物的被害が発生している。イスラエルの鉄道インフラへの被害はこれで3例目だが、国内最大の駅であることから最も深刻な事例。またこの日にはこれまで発射された弾道ミサイルに関するデータも発表され、その数は約850発に達しそのうち400発以上がクラスター弾頭であることが判明している。
これに対しイスラエルは、イランに対する空爆を継続。未明にはテヘラン市内の潜伏場所となっていたアパートが標的となり、ハティブ情報相が排除された。ハティブは革命防衛隊でのキャリアののち諜報機関トップとなり、反体制派の弾圧を主導してきた人物。また現指導者モジタバに最も近い側近の一人でもある。またこの日の午後には空軍が、ペルシャ湾のサウスパース・ガス田(イランとカタールの共同開発)を空爆した。イラン国内のガス消費の70%以上を支える重要インフラであり、ガスを燃料とする発電の中核を担っている。イスラエルによるエネルギー施設空爆は異例だが米国の許可を得てであり、石油施設という本丸への直接攻撃は避けつつも「いつでも攻撃可能」というイランへの警告と、国家インフラを通じて現体制を弱体化させる狙いがあるとされている。
一方湾岸諸国はこの攻撃を受け、自国のエネルギー施設が報復攻撃の標的となることを恐れ、共同開発国であるカタールをはじめ各国から批判の声が。そしてイランは湾岸各国のエネルギー施設に警告を行い、その数時間後には無人攻撃機がサウジアラビアの天然ガス施設上空に飛来し、迎撃されている。イスラエルメディアの一部は、本格的なエネルギー戦争という新段階に入ったとも報じている。
(3/18)

【交戦20日目: ハイファの石油インフラに被害、妊婦を含むパレスチナ人女性らが死亡】(Y,P,H)
イラン・ヒズボラによる攻撃は前日より増加し、計14回にわたり広範囲でサイレンが鳴った。レバノン国境部の北端にある町キリヤット・シュモナでは住宅に直撃し、60・70代の男女を含む4人が負傷。このうち一部は10月7日以降別の町で約2年間の避難生活を送り、帰還後わずか半年で再び攻撃を受け、再び避難を余儀なくされた。ハイファの石油精製施設では迎撃ミサイルの破片が落下し、一時的に周辺部で停電が発生。死傷者は出なかったが翌20日朝に運営会社は重要インフラの損傷を認め、完全復旧には数日を要すると発表した。また中央部への攻撃ではユダヤ人農業共同体にある外国人労働者宿舎に着弾し、他の労働者23人はシェルターに避難して無事だったがタイ人労働者の33歳男性が死亡した。
またヘブロン近郊ベイト・アワ村では着弾によりパレスチナ人女性4人が死亡、7人が負傷。犠牲者1人は妊娠6か月だった。住民によると一部はイスラエル側の民間防衛アプリを利用しているが、多くは近隣入植地のサイレンでミサイル飛来を認識しているという。また防災意識の低さから状況を確認するため屋外に出たり、着弾地点に近づいたりといった傾向もあり、同様の攻撃でもパレスチナ側では被害が拡大しやすい要因となっているとイスラエルメディアに語っている。
前日のサウスパース・ガス田攻撃をめぐっては、イランが湾岸諸国に対して大規模な報復攻撃を行ったことを受け、トランプ大統領が前日までの発言から一転し「ガス田空爆についてイスラエルから知らされていなかった」と発言した。イ米双方の高官は米国の事前許可があったと説明しており、この発言はカタールなど湾岸諸国からの抗議を受けた政治的対応との見方も出ている。こうした中この日には両国および湾岸諸国の軍高官による合同協議が実施され、この問題を中心に議論が行われたもよう。イスラエルは同施設への追加攻撃を控えるよう要請されており、ネタニヤフ首相もこれを認めている。またガス田攻撃とそれに対するイランの報復をめぐっては、湾岸諸国の反応は分かれている。カタールがイスラエルを強く批判する一方、UAEやサウジアラビアはイスラエルではなくイランへの非難を強めている。
またネタニヤフ氏はこの日に記者会見を行い、20日間の戦闘によりイランのウラン濃縮および弾道ミサイル製造能力が失われたと成果は主張したが、野党のラピード議長は「能力を恒久的に放棄させることが目的のはずであり、今回のように1年以内に再建されれば意味がない」と、ネタニヤフ氏の戦争運営を批判している。
(3/19)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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