ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【パレスチナ人による追突事故で入植者の少年が死亡、大規模な暴動へと発展】(Y,P,H)
ナブルスの北にある入植地の幹線道路で21日、ピックアップトラックを運転していたパレスチナ男性が入植者の乗っていた多目的四輪車を追走したのち、道路から突き落とすような形で後ろから衝突する事故が発生した。
パレスチナ人男性と入植者の計4名が負傷し、そのうち重傷を負っていた入植地に住む18歳の少年は病院にて死亡した。当初からテロの疑いが指摘されており、現在軍と警察はテロの可能性が高いとして調査を行っている。
この18歳の少年の死は入植地の過激派たちの間で大きな怒りを呼び、報復として21日夜から22日朝にかけて若い入植者たちが複数のパレスチナの集落に押しかけ、20以上の物損や暴行などといった犯罪行為が発生。少なくとも11人のパレスチナ人住民が負傷し、23日時点で7人の入植者が逮捕されている。
国際メディアではこの入植者による暴動のみが主に取り上げられ、米高官からネタニヤフ首相に対して入植地における国粋主義的な暴力を抑制するようにとの要請があった。これを受けネタニヤフ氏はベングビル国家治安相やカッツ防衛相・軍部に対して対処するよう指示している。
(3/21-23)

◯ 国際情勢

【交戦21日目:神殿の丘付近にミサイル落下も、アラブ諸国は沈黙…】(Y,P,H)
イランからのミサイル攻撃はこの日増加し、ヒズボラによる北部へのロケット弾発射を含め、14回にわたり国内の広い範囲でサイレンが作動した。
テルアビブとエルサレムではそれぞれ6回ずつサイレンが鳴った。特に午後のエルサレムを標的としたイランの攻撃では迎撃後の大型破片が旧市街のユダヤ人地区に落下。落下地点は神殿の丘から約350メートルの距離にあり、イスラム教の聖地近くの事案として衝撃が広がった。
現地のアラブ人指導者は「ミサイルはユダヤ人とアラブ人の双方を脅かし、イランは無差別攻撃を意に介さない。アルアクサが破壊されていた可能性も。これもユダヤ人に責任が押し付けられるだろう」と述べ、イランを強く批判した。
湾岸諸国を含むアラブ諸国は公式には沈黙を貫いているが、SNS上ではイラン批判とともにイスラエルによる自作自演を疑う陰謀論も拡散している。このほか中央部や北部でもクラスター弾が住宅に着弾する事例が複数報告され、少なくとも9人が負傷している。
イスラエル国防軍はこの日もイランへの空爆を継続し、未明にはテヘラン市内のアパートに潜伏していた革命防衛隊の報道官を排除したと発表した。この人物は代理勢力を通じた反イスラエルやテロを扇動するプロパガンダを主導していた。また空軍は開戦後初めて、北部カスピ海近郊のヌール地方への空爆を実施している。
またイランによるホルムズ海峡封鎖をめぐり、ホワイトハウスでは最大5000人規模の海兵隊を派遣し、カーグ島を制圧する地上作戦の検討が水面下で進められており、イスラエル関係者によれば計画は現実味を帯びつつあるという。
一方イスラエル側もペルシャ湾ガス田攻撃に対する湾岸諸国の反発を受け、ザミール参謀総長が湾岸3カ国の軍トップと会談し開戦の背景や自国の立場について説明するなど、湾岸諸国との軍事的協力を進めている。
しかしイスラエル軍内部からは戦略面への疑問も出始めている。ある軍高官は「1つ1つの戦闘では勝利しているが、真の勝利とは新たな状況を生み出すこと。しかしそのゴールが示されていないため、戦争終結は見えない状態」と述べ、政府から明確な戦争目的が示されていない現状に懸念を示している。
(3/20)

 

【交戦22日目:イランが原子力施設へミサイル攻撃、欧州全域もイランの脅威下に?】(Y,P,H)
この日もイランからのミサイル攻撃が続いたが、これまでの中央部ではなく南部が主な標的となり、弾道ミサイルによる南部攻撃が6回ほど確認された。これは核兵器開発が疑われている原子力研究センターのあるディモナが標的となったため。
午後以降市内の複数箇所で着弾が確認され、19時前の攻撃では迎撃されなかったミサイルが集合住宅地に直撃。数十世帯が全半壊し約60人が負傷、約500人が自宅損壊によりホテルなどでの避難生活を余儀なくされた。さらにその後、再び同地域を標的としたミサイルが飛来し、ディモナの北に位置する南部の町アラドでも着弾が発生。重傷者19人を含む115人が負傷し、約900人が避難生活を強いられている。この2つについてはクラスター弾ではなく、数百kgの爆薬を弾頭に積んだ通常の大型弾道ミサイルだったことが調査から分かっている。
原子力関連施設周辺への攻撃を受けて数時間後に国際原子力機関は声明を発表。現時点で基準を超える放射線レベルは確認されていないとしつつも、イランに対し最大限の軍事的自制を求めた。
さらにイラン体制系メディアはこの日、この3週間でインド洋のディエゴガルシア島にある米軍基地を標的とし、長距離弾道ミサイル2発を発射していたと発表した。同基地はイランから約4000キロ離れており、同メディアは「イランのミサイル能力は敵の予想を大きく上回り、中央アジアの米やその同盟国を脅かすもの」とその成果を強調している。
仮にこれらのミサイルが欧州方向に発射された場合、ポルトガルを除くほぼ全域が射程に入るとされる。これを受け、ザミール参謀総長は夜に声明を発表し、「これらのミサイルはイスラエルに向けられたものではなく、欧州の首都、ベルリンやパリ、ローマを射程にしたもの。イスラエルは『中間地点』に過ぎない」と警告。
さらに「脅威に最初に立ち向かわなかった者はいずれその犠牲となることは世界史やユダヤ人史(特にホロコースト)が教えている」と述べ、立場を明確としない国際社会に対し、対イランでの結束を呼びかけた。
(3/21)

 

【交戦23日目:テルアビブ高速が一時通行止め、トランプ氏はイランへ最後通告】(Y,P,H)
イランによる攻撃は前日のディモナなど南部ではなく、再び中央部を中心とした従来のパターンに戻り、クラスター弾を用いたミサイル攻撃がエルサレムやテルアビブに対して行われ、約6回にわたり広範囲でサイレンが作動した。
大きな被害は午前中の攻撃でテルアビブなど中央部7カ所に着弾し、50代男性の重傷者を含む15人が負傷した。テルアビブでは市内を通る高速道路にミサイルの破片が落下し一時通行止めとなり、市中心部の国立劇場付近にも着弾して物的被害が発生するなど一時騒然となった。
また北部へのヒズボラによる攻撃も続き国境部ではロケット弾が乗用車に直撃し、乗車していた61歳の住民が死亡した。複数回のサイレンが鳴っていたものの、着弾時には警報が発令されておらず、当初はヒズボラが犯行声明を出していたこともありヒズボラによるロケット弾によって出た犠牲と報じられていたが、夜には国防軍による誤射との情報が浮上。翌日には軍による調査結果で誤射によるものだと断定された。
イスラエル国防軍はヒズボラによる連日の無差別攻撃を受け、南レバノンにおける軍事作戦の拡大を決定し、リタニ川に架かる橋を爆破した。これは国境地帯へのテロリスト移動を阻止するものだが、レバノンのアウン大統領は主権侵害であり緊張を激化させる行為だと強く批判している。
一方、ホルムズ海峡をめぐる緊張も高まっている。トランプ大統領は21日深夜、イランに対し「48時間以内(23日夜まで)に封鎖を解除しなければ、エネルギー施設を破壊する」と最後通告を発したが、イランは応じる姿勢を見せていない。またこれに対して湾岸諸国はエネルギー戦争への発展と報復攻撃のリスクから強い懸念を示している。
そして交戦の激化・長期化を避けるため、カタール・トルコ・エジプトによる停戦交渉への動きも浮上している。想定される案としては、ホルムズ海峡の段階的な航行再開と並行し米軍は空爆を縮小し将来的な撤退へとつなげるものだが、米イ双方が受け入れるかは不透明。
イスラエルは交渉の行方を注視しつつも、決裂した場合には米軍の地上作戦を含むさらなる大規模衝突に発展する可能性を見据え、備えを進めている。
(3/22-23)

 

【交戦24日目:トランプ氏が一転停戦間近と発言、イスラエルは懐疑的も注視】(Y,P,H)
23日、ホルムズ海峡封鎖を解除しなければイラン・エネルギー施設への大規模空爆を行うとする最後通告の期限を同日夜に控え、トランプ大統領は「交渉を通じ、核問題など主要項目で合意に近づいた」と5日間にわたるエネルギー施設への大規模攻撃の延期を発表した。
トランプ氏によると、交渉はウィトコフ特使・クシュナー氏が主導し日曜日に開始され、核兵器保有断念などを含む「15項目の合意」に向けて大きく進展。またこの交渉内容はイスラエルとも共有されており、イスラエルも満足しているとされる。
この最後通告から一転して合意間近という急展開について、イスラエルメディアは驚きをもって報じている。イスラエル側は米イ間で水面下の接触は把握していたものの、トランプ氏が大々的に発表するまで進展していたことには驚きを隠せない様子。
一方で、米国が求める核開発・弾道ミサイル開発の放棄や代理勢力への支援停止については「イランが受け入れるとは考えにくい」と合意に至る可能性は低いとの見方が強い。しかしエネルギー危機を背景に湾岸諸国から停戦への圧力が強まればイランに譲歩し、核やミサイル問題が未解決のまま停戦してしまうのではないかとの懸念も国内で広がっており、交渉の行方を警戒しつつ注視している。
こうした中でも戦闘は続いている。この日もイランからの弾道ミサイルが中央部3回、北部1回、南端エイラット1回の計5回飛来したが、負傷者は報告されていない。一方、北部キリヤット・シュモナではヒズボラのロケット弾が路線バスに直撃し、運転手1人が重傷を負った。国境部ではロケット弾が警報と同時に着弾するケースも多く、避難するのに十分な時間がなかったもよう。
また空軍もイランへの空爆を継続し、テヘランの政府関連施設や革命防衛隊の拠点、防空システム司令部、防衛産業施設などを攻撃した。またレバノンでも空爆が行われ、ベイルートでは革命防衛隊コッズ部隊の司令官がピンポイント攻撃で排除されたと報じられている。
(3/23-24)

 

【交戦25日目:近くパキスタンで停戦に向けた直接交渉開始か】(Y,P,H)
24日も未明からイラン・ヒズボラによる攻撃が相次ぎ、南部4回・テルアビブ3回を中心に計13回にわたり広範囲でサイレンが鳴り、100万人以上がシェルターへ避難した。
最も深刻な被害は前日に続き北部で発生したもので、ヒズボラが発射した約150発のロケット弾のうちの1発が幹線道路に着弾、近くにいた27歳の女性が死亡した。女性は予備役での任務から一時帰宅する途中で、警報直後に車を降りて道路脇に伏せるなどガイドラインに従っていたが着弾による破片で致命傷を負い、救急隊によってその場で死亡が確認された。
また中央部ではテルアビブやその周辺の集合住宅地にミサイルが着弾し、爆風で周辺の建物に被害が及び車両火災や車が吹き飛ぶなどの被害が発生、約160人が避難を余儀なくされている。南部ではアラブ系ベドウィンの集落で迎撃ミサイルの破片が落下し、2人が軽傷を負った。
イスラエル軍はイラン・レバノンへの空爆を継続しており、23日の空爆で21日にアラドへ弾道ミサイルを発射し甚大な被害をもたらした部隊の戦闘員を排除したと発表。またレバノン南部の村ではヒズボラ系ラジオ局の施設内に精鋭部隊「ラドワン部隊」の拠点が設置されていたとして、同施設への空爆をしたとも明かしている。
一方、トランプ大統領が示唆する停戦の可能性をめぐり、近くパキスタンで米国とイランによる初の直接交渉が行われる見通しだと報じられている。自国のエネルギー施設が攻撃を受けた湾岸諸国は早期停戦を望んではいるが、仮に停戦が成立してもイラン問題の根本解決にはならないとの悲観的な見方が強い。湾岸諸国のある高官は「米イは合意には程遠く、核だけでなくミサイルを含む軍事全体の抑制が必要だが、期待はできない」と述べている。
こうした中、米メディアはサウジアラビアのムハンマド皇太子がイラン体制転換の「歴史的機会」として戦争継続をトランプ大統領に強く求めたとも報じている。このように湾岸諸国の立場は分かれているものの、「交渉への期待は低い」という点ではおおむね一致している。
(3/24)

 

【交戦26日目:イランの非現実的な要求も、米は停戦合意に前向き】(Y,P,H)
25日もヒズボラによる北部国境地帯への攻撃が続き、ロケット弾や無人攻撃機による攻撃が断続的に1日を通して行われた。イランからの弾道ミサイルも中央部から南部にかけて約9回飛来。北部ではシェルターに避難できなかった住民数人が軽傷を負ったが、イランからの攻撃による人的被害は確認されておらず、中央部での着弾による物的被害にとどまっている。
イスラエルはこの日も、イランの弾道ミサイルなどの兵器開発・製造関連施設を中心に空爆を継続し、反体制派への弾圧を行うバスィージ部隊の司令部や基地も標的とした。また南レバノンでは、ヒズボラ戦闘員を掃討する地上作戦を継続している。
一方イスラエルメディアの報道の中心はトランプ大統領が提示した「15項目の停戦案」に対するイランの拒否と新たな要求に移っている。
イランは公式発表ではないものの自国およびヒズボラ系メディアを通じ、米国案拒否の姿勢を発信。これらによるとイラン側は戦争賠償の支払い要求や中東における全米軍基地の閉鎖、ホルムズ海峡の管理・通行料徴収、将来的な米・イスラエルによる攻撃の禁止、さらにミサイル開発を制限しないことなどを条件として提示しているとされる。
こうした内容について米高官は「非現実的で到底受け入れられない」と強く批判しており、両国間の隔たりは依然として大きい。一方でホワイトハウスの報道官が対話は決裂しておらず、戦争目的の達成も近いと交渉継続に前向きな姿勢を示す一方、「トランプ大統領は『地獄を解き放つ』用意もある」と警告し、米側の要求に歩み寄るよう圧力を掛けている。
(3/25)

 

【交戦27日目:南レバノンで兵士が死亡、湾岸諸国からは停戦に危機感も】(Y,P,H)
26日もイランおよびヒズボラによる攻撃は中央部と北部を中心に続き、計13回にわたりミサイル攻撃が行われた。各地で物的被害が発生し、10人以上が負傷した。
特に北部では被害が大きく、国境部ナハリヤではロケット弾が着弾し、自転車に乗っていた30代の男性がシェルターに間に合わず死亡した。付近にいた歩行者1人も重傷、その他2人が軽傷。また別の北部の町では避難中の12歳の少女が心停止状態となり、蘇生措置を受け現在集中治療を受けている。
ヒズボラの攻撃は北部にとどまらず、深夜にはテルアビブにも飛来したが、迎撃され負傷者は出ていない。
一方、南レバノンでは地上戦も続いており、ゴラニ旅団の21歳の特殊部隊兵士が国境付近の緩衝地帯でヒズボラとの至近距離での銃撃戦により死亡した。作戦ではもう1人の兵士も負傷している。この兵士は2か月後に義務兵役を終える予定だったとのこと。
こうした中、湾岸諸国の間ではイランの核開発をめぐる懸念が急速に高まっている。各国の情報機関による協議ではイランが保有する約450キロの濃縮ウランの一部を保持したまま、簡易的な核兵器の開発を加速させる可能性が指摘されている。仮に低純度であっても核兵器を保有すれば、湾岸諸国はイランに対する抑止力を失い、地域の力関係を一変させる「ゲームチェンジャー」となる恐れがある。
湾岸諸国はイランの核やミサイル、無人機といった軍事開発を確実に抑制できる形での停戦のみを望んでいる。しかしイランがそのような合意に応じる、あるいは応じたとしても順守するとは考えられないため、(トランプ政権は停戦に傾きつつある中)サウジやUAEなどからも、イランの軍事能力を可能な限り削ぐため戦争継続を容認・支持する声が強まり始めているとの情報もある。
(3/26)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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