ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【エルサレム・テルアビブで1週間を通して、フーシ派弾道ミサイルが飛来】(Y,P,H)
20日以降の1週間少しの間に、20・21・23・24・27日とイエメン・フーシ派からの弾道ミサイルがイスラエル中央部に対して発射され、テルアビブでは6度・エルサレムでは5度サイレンが鳴った。数百万人規模のイスラエル市民が、日中・夜・深夜とシェルターに避難する日々が続いた。
どれもアローなどの防空システムが領空に侵入する前に迎撃されたが、迎撃ミサイルが発射される様子が各地上空で見られ、弾道・迎撃ミサイルの破片の落下が複数箇所で確認されている。
27日のフーシ派攻撃は13時ごろと日中のことであり幼稚園や学校などは騒然となり、エルサレムでは反ユダヤ主義に関する国際会議が偶然行われており、シェルターの遠くにいた参加者たちはその場でうつ伏せになり両手で頭を覆い保護する様子が見られた。
現状でイスラエルはフーシ派への報復攻撃を行っておらず、これは現在フーシ派への空爆を行っているアメリカによる要請があると見られている。(3/21-27)

 

【レバノンからのロケット弾攻撃、国防軍も報復の空爆】(Y,P,H)
国内最北端の町メトゥラに向かってレバノンからロケット弾6発が撃ち込まれ、サイレンが発動。半分はイスラエル領空に届かなかったが、飛来した3発は空軍により迎撃された。レバノン南部から北部へのロケット飛来は、昨年11月末以来。
その直後に国防軍はレバノン南部にあるヒズボラの司令部と、ロケット弾の発射施設数十に対して報復空爆を実施した。国防軍は「両国間の合意に対する明確な違反であり、責任はレバノン国にある」と警告の声明を発表している。ヒズボラは関与を否定しており、レバノン政府もどの組織による攻撃かについては把握していない。
休戦はしたもののメトゥラには住民の8%ほどしか戻っておらず、町長は「多くの町民が戻っていない理由がこれ。断続的な飛来であっても許容してはならない」と、政府・国防軍を批判している。(3/22)

 

【音楽祭で拉致された人質2人のビデオが公開される】(Y,P,H)
10/7の虐殺にノバ音楽祭からハマスによって拉致された、エルカナ・ブフブットさん(35)とヨセフ・オハナさん(24)の2人の動画を、ハマスが公開した。2人とも怪我人への治療や安全な場所への輸送などを危険を冒して行い、音楽祭に残っていたところをテロリストたちにより拉致され、535日にわたり囚われの身となっている。
恐らくハマスによって指示された内容だがビデオの中で2人は、「政府が人質たちの口を塞いでいる状態は、もう十分だ。ここから出た全員は声を上げるべきだ、口を開いてくれ!(2人と共に監禁され2月に解放された)オハッド、私たちが何を体験しているかを語ってくれ。一緒にここに居たではないか。」と語った。
2人に関しては拉致された様子の動画が残っているが、それ以降初めての生存を明確に示すものとなる。動画の中で出てきたオハッド・ベンアミさんはその直後に自身のSNSを通じて2人にメッセージを送り、全ての人質が帰還するまで戦いをやめないと誓っている。イスラエルはその内容から上記3家族の許可を取り、心理的テロとしてメディア上で動画を報じている。(3/24)

 

【北部で刺傷・銃撃テロ、85歳の男性が死亡】(Y,P,H)
北部ハイファ近郊にある幹線道路の交差点で刺傷・銃撃テロが発生、1人が死亡し1人が重傷を負った。車に乗った20代のアラブ系イスラエル人が交差点に居た20歳の兵士を轢き、その後車から降りてナイフで刺して重傷を負わせた。そして兵士が所持していた自動小銃を奪い通行していた複数の車両に向かって乱射、そのうちの一発が自家用車で通りかかっていたモシェ・ホーンさん(85)に命中、助手席に同乗していた息子さんの前で死亡した。
テロ発生時に国境警備隊が幹線道路を通っており銃声を聞いたため下車、部隊とテロリストの短い銃撃戦の後テロリストは無力化された。この1年間で14人のアラブ系市民によるテロが起こっており、シンベト関係者は「組織ではなく単独犯によるこのようなテロが増加傾向にあり、未然に防ぐことはより困難」と話している。(3/24)

 

【10/7以降最大、数百人がハマスに反対するデモ】(Y,P,H)
ガザ地区北端にあるベイト・ハヌンとベイト・ラヒヤに住む数百人の市民が25日、ハマスと戦争に対して反対するデモを行った。参加者たちは「戦争をやめろ」や「私たちの子供の血は安くない」などと書かれたプラカードを掲げ、「ハマスはここを去れ」などというチャントも聞かれた。参加したアブ・スレイマンさんは「私たちを誰が治めるかは私たちが決める。平和にYes、戦争にはNoだ」とメディアに話した。
ガザ内でのハマスに対するデモは散発的に起こっていたが、この規模は23年10月以降最大。発生直後にハマスは治安維持部隊を急行させ(暴力行為を伴う形で)デモを解散、「イスラエルによって指揮されたもの」と批判。翌26日にも、数千人規模の同様のデモが起こっている。(3/25-26)

 

【シャツをたくし上げ胸はあらわに…女性の元人質による証言】(Y,P,H)
10/7にニルオズから拉致され、23年11月の休戦期間に解放されたイラナ・グリツェブスキーさん(31)が、ニューヨークタイムズ紙の取材で自身の経験について証言した。
それによると彼女は捕らえられバイクに乗せられてガザに行くまでの間にも、後ろに乗っていたテロリストに足を触られたり、シャツの中に手を入れられて胸をまさぐられたりするなどという性被害を受けたとのこと。極限状態のなか連れていかれる間に気を失った彼女だが、目を覚ますとシャツはたくし上げられ胸はあらわになり、ショーツもおろされ半裸状態で、7人のテロリストに囲まれていた。
レイプされる危険性を感じたグリツェブスキーさんは「生理中です」と英語で主張すると、テロリストは失望しその場をしのぐことが出来たとのこと(イスラム教では月経期間中の性交は禁止)。
グリツェブスキーさんはパートナーのマタン・ツィンガウケルとともに拉致され、ツィンガウケルさんは未だにガザで囚われの身となっている。(3/25)

◯ 内政

【最高裁、政府によるシンベト長官更迭の決定を一時凍結】(Y,P,H)
21日深夜に政府は閣議を行い、シンベトのロネン・バル長官の任期を来月10日までとするという事実上の更迭案に関して、全会一致で承認した。それに対して翌22日に最高裁は来月8日に行われる最高裁での審議までの間、現長官の更迭と次期長官の任命に関して一時凍結するようにとの命令を下した。これに対してネタニヤフ首相は閣議で、「何人たりとも首相に対して信用関係のない長官と働くことは、強要出来ない」と語り、最高裁の凍結命令を無視する意向を示している。
バル長官は昨夜の(更迭が決議された)閣議には欠席、その代わりに閣僚たちに対して「私に対する決定は根拠のないものであり、10/7とカタールゲートに関する真相究明を妨げるもの」との文書を一斉に送付。特にカタールゲート疑惑に関しては、首相府の側近をシンベトが捜査しているという状況であり、ミアラ検事総長は首相による長官解任が利益相反ではないかについての、審議を行うとしている。
これに対して各界からは反発の声が上がっており、首相が最高裁の決定を無視した際には大規模なストに入ると報じられている。(3/21)

 

【シンベト長官に続き、検事総長も更迭へ】(Y,P,H)
政府は閣議を行い、ガリ・バハラブ=ミアラ検事総長に対する不信任決議案を全会一致で可決し、更迭の手続きを開始した。司法改革を進める政府と検事総長の間には、超正統派の兵役免除や教育補助金、また首相や閣僚たちによる人事に関する多くの対立があり、ミアラ氏は法的観点からの不当性を度々指摘。
ここ1週間では政府が、ミアラ氏の反対を無視するような形で極右ベングビル氏の国家治安相の再任とシンベト長官更迭を強行しており、政府による検事総長の更迭も時間の問題と報じられてきた。先週末のシンベト長官に続く解任劇であり、シンベト長官と同様にミアラ検事総長も自身の不信任案について決議する閣議を欠席、「政府は法の上に立とうとしている。信頼(信任)ではなく政府に対する忠誠心を、ガバナンスではなく(司法権を無視した)際限なき行政権を求めている」との抗議文書を閣僚たちに送付した。(3/23)

 

【デモに乗じて基地に侵入した3議員への取り調べが決定】(Y,P,H)
去年7月南部スデ・テイマン基地で、複数の兵士たちに取り調べが行われていることへのデモに参加、基地に侵入した国会議員に対し検事総長は事情聴取を行うことを決定した。対象となるのはエリヤフ遺産相と元議員のスコット氏という極右の2人と、国会副議長を務めるリクードのバトゥリ議員の計3人。
3人とも数十人の極右系活動家と共に南部の同基地に集まり、収監されていたテロリストたちに性的虐待を行ったとされる、兵士たちへの取り調べに対するデモに参加した。当初は基地の前だったが次第に門に近づき、デモ隊がこじ開けるのに続いて基地内に侵入。
議員であっても民間人は許可なく入ることが出来ない軍事基地に数十人が侵入し、その中に3人の現職議員が含まれていたことは当時衝撃と共に報道された。取り調べを受けることとなった3人は決定に批判のコメント、2人は出頭要請を拒否する意向を明言している。(3/26)

 

【司法改革の主軸、判事選考委員会の改正案が可決される】(Y,P,H)
イスラエルをここ二分し続けている司法改革の中心的政策になる、判事選考委員会の構成に関する改正案の決議が強行された。決議前には18時間以上にも及ぶ討議が行われ、採決の際に野党議員は全員退席しボイコット。結果的に賛成67・反対0 で法案は可決された。
これにより次の総選挙後から、現行の委員構成である弁護士連合代表の2人が与・野党により選考された弁護士2名に。これにより現状では委員会9人のうち4人だった議員枠に、これら政治色の付いた弁護士2名が加わり、裁判官選考における政治家の影響力が強くなることが危惧される。
また最高裁判事に関しては現行では9人中7人の賛成が必要だが、これも過半数の5になったことで上記のような裁判所の政治化が発生しやすい状況に。レビン法相は「歴史的な日だ」と評すなど与党からは祝福の声が上がる一方、野党側は「(司法改革を巡る国の分断をハマスが察知したことで行われたともされる)10月7日から、何も学んでいない」と反発。野党や市民団体は最高裁に、可決された案への司法介入を求めている。(3/27)

◯ 国際情勢

【米ウィトコフ特使、ネタニヤフ首相を評価も「民意に逆行している」】(Y,P,H)
人質交渉を主導している米ウィトコフ中東特使が米保守系記者の取材に応え、パレスチナ問題やネタニヤフ首相について語った。
ウィトコフ氏はネタニヤフ氏がハマスの指導層を一掃し「以前のテロ組織とは似つかない存在」にしたと評価しつつ、必ずしも全てにおいてネタニヤフ政権に賛同している訳ではない、とした。その1つとして氏は「ビビ(ネタニヤフ氏)は自身が正しいことをしていると思っているだろうが、人質の生還を願う民意には反対しており、人質よりも戦闘のことを考えているよう」と述べた。
またハマスが非武装化した暁には「ガザ統治に政治的に関わることは可能」との姿勢を示したり、最終的な二国家解決に対して明確に否定しなかったりと、現地メディアはネタニヤフ政権の立場との相違点を指摘し「驚くべき発言」と報じている。(3/22)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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