ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【国防軍ハガリ報道官が退任、昇進せずに除隊へ】(Y,P,H)
国防軍のザミール新参謀総長は、ハガリ下級将官を報道官から解任すると決定した。ハガリ氏は海軍特殊部隊の第13艦隊から軍のキャリアを歩み始め、ハレビ参謀総長のもと10/7以降は報道官として様々な発表を国内外に対して行い、まさに戦闘期間中は「イスラエルの顔」として情報発信を行ってきた。
しかし戦時中には、軍部と政府の間の亀裂が表面化。昨年末には、首相に対して機密情報を無許可で渡した兵士・諜報機関員への不訴追特権を認める法案に対し、ハガリ氏は会見時に「兵士の命と国の安全を危険にさらし得る」と反対の意を表明。
それ以降、同法成立を目指す与党内からはハガリ報道官の更迭を求める声が上がり、カッツ防衛相もハガリ氏を批判する発言を公然と行ってきた。参謀総長側は否定しているがメディアや軍事評論家は、ザミール参謀総長が解任・(昇級させないでの)除隊を決定した裏には、首相や防衛相の意向があったのではとしている。(3/7)

 

【イスラエルがガザへ送電停止も、影響は軽微か】(Y,P,H)
コーヘン・エネルギー相はガザ地区に対して行っている送電の即時停止を決定した、と発表。10/7直後からイスラエルはガザへの送電停止を検討していたが、アメリカ・欧州諸国からの要請があったために、停止を見送っていた。コーヘン氏は「全ての人質が帰還し、ハマスが戦後のガザから姿を消すため、私たちは可能なツールは全て用いる」と、決定について説明している。
しかし戦前にイスラエルからガザへと送電のために使われていた10のラインのうち、現在残っているのは海水淡水化プラントへとつながる1本のみ。ガザ市民が現在使用している電気については、燃料によって動く発電機による供給であるため、これによりガザ中が停電になるということではない。
また先週イスラエルが物資の搬入を停止するまで、停戦期間中には毎日130万リットルの燃料がガザ内に供給されており、「ガザ内で電力不足を感じるまでには数か月の時間がある」としている。(3/9)

 

【実務者レベルの交渉団、ドーハでの第1期間延長の交渉へ】(Y,P,H)
イスラエルは11日からドーハで行われるさらなる休戦交渉のために、交渉団を派遣することを決定した。ドーハでは休戦第1期間の60日延長や10人の人質解放・人道支援物資の搬入再開といった、ウィトコフ中東特使がまとめた案についての交渉が行われる予定で、同氏自らも出席する予定。イスラエル内では当初、「議論が良い方向に進んだ際のため、交渉団の裁量権について柔軟性をもたせるのでは」ともされていたが、最終的に交渉団の構成は実務者中心で第2段階や恒久的休戦について交渉する権限は与えられていない。
しかしハマスは、5~10年間の長期的な停戦やイスラエルによるガザ撤退が実現するのであれば、ロケット弾などの兵器所持の制限などという武装解除に向けての話し合いに前向きな姿勢を示していたり、ガザ復興に際してエジプトもハマスの武装解除を条件としていたりするなど、前向きな情報も報道されている。(3/10)

 

【フーシ派、紅海を通航するイスラエル船舶の攻撃再開へ】(Y,P,H)
フーシ派は人道支援物資をガザに搬入するようにとの最後通告の期限が過ぎたとして、今後フーシ派が支配している紅海をイスラエルと関係する船舶が通航した際には、攻撃を再開すると発表した。
イスラエルによるガザへの物資搬入停止を受けて同派指導者のアブドルマリク・フーシは、「4日以内に物資がガザに入らなかった場合には、イスラエルに対する海上作戦を再開する」と発表しており、前日深夜がその期限だった。フーシ派が発表しているのはイスラエル船舶への攻撃に限定されたものではあるが、イスラエル軍はイエメンからのミサイルや無人攻撃機の発射などが起こり得ることも視野に、警戒レベルを上げている。(3/11)

 

【「ハマスに言われてきた」と4歳児が国防軍兵士に接近】(Y,P)
ガザ地区内の境界部に設置された緩衝地域に駐在している国防軍兵士たちが、地下トンネルから地上に上がり接近してくる不審者を発見。向かってくる姿を注視していると、小さな子供のガザ市民であることが分かった。
兵士たちまで来たところで子供を保護し、事情を聞くと4歳児であることが判明し子供は「ハマスによって送られて来た」と話したとのこと。その後同部隊は水と食べ物を与えた後に子供に同伴し、緩衝地域からガザ地区内へと見送った。
その後軍報道官は「ハマスは自身のテロ行為を進めるためには、一般市民や子供たちを皮肉な形で利用・搾取することをためらわない」と、ハマスを批判する声明とともにこの事例について発表している。(3/12)

 

【10/7の調査結果をニルオズに説明も、キブツは納得せず】(Y,P,H)
10/7の虐殺で住民の約3分の1(386人のうち117人)が殺害、または拉致の被害にあったニルオズに関する国防軍による調査結果の報告会が南部で行われた。説明会は6時間半に及び、ハレビ前参謀総長も自ら出席。調査結果を発表した後には、住民たちから厳しい質問に対しても全て答え、「国防軍として謝罪する」と何度も述べた。
ニルオズは10/7に攻撃を受けた中では唯一、テロリストたちが虐殺・拉致を行い終わりキブツを去った後に、国防軍が到着した場所。ハレビ氏はこれについて、「自警団とは軍が急行するまでの間に、小さな問題に対処するためのもの。しかし私たちはあの日、ニルオズには向かわなかった。最初の兵士が到着したのは最後のテロリストが去った後―この恐ろしい事実を国防軍は忘れてはならない」と、語った。
キブツメンバーの1人は「退役したとしても、人質解放の義務があなたにはある」とハレビ氏に指摘し氏は「もちろんだ」と答えるなどの、やり取りがあったもよう。
説明会を終えた住民からは「(軍からは謝罪があったが)閣僚をはじめ政府からの謝罪は全くない。10/7に何が起こったについては報告があったが、この惨劇がいかに・どのような背景から起こったかについての真相究明のためには、国による中立な調査委員会が必要」との声が上がっている。(3/13)

◯ 内政

【カタールゲート疑惑について、裁判所が報道禁止令を発令】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相の報道官や複数のアドバイザーがカタールと深い関係があったとされる、『カタールゲート疑惑』に関してイスラエルの裁判所は警察からの要請を受け、「同疑惑に対して示唆するような表現」を含めた厳格な報道禁止令を発令した。
同疑惑はネタニヤフ氏のアドバイザー・報道官経験者計4名が、ハマス最大の支援国であるカタールからイスラエルにおける同国のイメージ改善や利益促進のため、資金提供を受け雇用されていたというもの。発端となる報道は去年末で、その後今年1~2月にかけて各メディアが続々と新情報を報道した。
またモサドの元高官も、カタール政府がイスラエル高官を通じてイスラエル人弁護士の雇用を試みていたと証言。これを受け2月中旬にシンベトが首相関係者とカタールとの関係について調査すると発表、月末にはミアラ検事総長が同疑惑についての本格的な捜査開始を命じていた。(3/11)

◯ 国際情勢

【ビバス兄弟は『監禁中に死亡』とのみ―偏向した国連報告書】(Y)
国連が6月に発表予定の戦闘地域の子供たちに関する年間報告書の草案を公開、その反イスラエル的な傾向が明らかになった。最も衝撃的なのはアリエルとクフィル・ビバスの2人の名前が伏せられており、死因に関してもテロリストによって素手で殺害され(その後空爆で死亡したかのように遺体に隠ぺい工作がされ)たとの事実ではなく、「監禁中の死亡」とのみ書かれていること。
また24年7月ヒズボラからの攻撃により、イスラエル北部でドゥルーズ派の子供12人が亡くなっているのだが、それに関する言及もなかった。また国防軍がパレスチナ人女児を誘拐しており、これについてはファクトチェック済みとされているが、(場所やその後の結末など)詳細情報は記されていない。
他にも国防軍による学校・病院などの軍事利用が10例紹介されているが、ハマスによる民用物の軍事利用については1例しか挙げられていないなど、バランスを著しく欠いたものとなっている。(3/7)

 

【米政府、通例を覆しハマスと直接交渉】(Y,P,H)
米ワシントンポスト紙は、ホワイトハウスのボーラー人質担当特使がハマスの複数の高官たちと会談を行い、米国籍を持つイスラエル人の人質解放などについて交渉を行っていると報じた。高官の中にはガザ指導者ハリル・アル=ハヤも含まれており、仲介国であるカタールを介さずの交渉だったもよう。
1997年のテロ組織認定以降、米政府はハマスとの直接交渉や対話を一切行っていないため、異例の動きとなる。米側が提案しているのはウィトコフ中東特使がまとめた案(30人前後)よりも少ない10人の人質解放を求め、その見返りに2か月間の休戦期間の延長と人道支援物資の搬入を約束するというもの。この直接交渉に対してはイスラエルだけでなくホワイトハウス関係者の中からも反発の声が上がっているが、ボーラー特使は「ハマスからの5~10年の停戦・全人質の解放・組織の武装解除についての提案があった」と、交渉の成果をメディアに語っている。
その後の14日にイスラエルメディアは、ボーラー氏が今後イスラエル人の人質に関しての任務から解かれたという、ホワイトハウス内高官からのコメントを報じた。米政府からの正式な発表はないが、あるインタビュー内でハマスとの直接対話を正当化した際に、「ハマスは会ってみれば、ナイスガイたちかも知れない」と発言したことで、イスラエルだけではなく共和党内からも批判する声が強まっており、それを受けての処置。(3/6-7,9,14)

 

【シリアのドゥルーズ派指導者たちがゴラン訪問へ】(Y,P,H)
シリア国内でイスラム過激派新政権と緊張関係にある、ドゥルーズ派の約100人の指導者が今週金曜日にイスラエル北部のゴラン高原を訪問し、イスラエル側の同派指導者たちと会談を持つ予定であることが分かった。先週シリアでは、同じように宗教的マイノリティであるアラウィー派の市民数百人が虐殺されており、これを受けドゥルーズ派はシャラア大統領率いるシリア政府からの弾圧を恐れている。
これに対しイスラエルは「イスラム過激派の政権がドゥルーズ派へ危害を与えるのであれば、我々からの危害が与えられるだろう」と、首相・防衛相が揃ってドゥルーズ派を守るような発言をしている。
また11日にはカッツ防衛相が、国境部に住むドゥルーズ派市民に対しゴラン高原での労働許可を与える意向を発表。まずはイスラエル国内に親戚が居る同派シリア市民に対し、短期の入国許可を下すというパイロット版を来週にも始めるとしており、イスラエルでの労働の可能性についても話し合いがもたれるのではとしている。(3/12)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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