ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【諜報部隊の予備役兵も休戦を求める手紙を発表、ネタニヤフ首相は批判】(Y,P,H)
前日にパイロットを含む約1000人の空軍予備役兵(現・退役を含む)が「休戦による全人質の解放」を求める連名の抗議文書を発表したのに続き、11日には軍諜報部の精鋭部隊「8200部隊」の予備役兵250人が同様の文書を発表した。
そこには「現段階で戦争は国防ではなく個人・政治的な利益しか生んでおらず、戦争継続は本来の目的を何一つ達成していない。人質や国防軍兵士、罪のない民間人に死をもたらすだけだ」とあり、(ハマスに代わるガザ統治体制など)戦略・ビジョンをはっきりさせていない政府を厳しく批判する内容にもなっている。
これらの文書は予備役拒否を直接的に呼び掛けたものではないが、ネタニヤフ首相は「右派政権を崩壊させるため、外国資本により動かされた過激な少数派によって書かれたものだ。イスラエルと国防軍の弱体化を図り、敵を助ける行為。予備役拒否を呼び掛ける者は除隊になる」と、予備役拒否とし反発のコメントを発表している。(4/11)

 

【祭りの休日中にフーシ派による攻撃、百万人以上がシェルターへ】(Y,P)
祝日に当たる過ぎ越しの祭り初日の午後6時ごろ、イエメン・フーシ派から発射された弾道ミサイル1発がイスラエル領空近くに飛来したため、ヘブロン近郊部からエルサレム、テルアビブの北までの約75キロの範囲でサイレンが鳴り渡った。ミサイルは領空侵入前に迎撃されたが、その破片の一部がヘブロン近郊に落下したのが確認されている。
アメリカがフーシ派に対して激しい空爆を行うなか、イスラエル中央部では約2週間ぶりのサイレン。また途中で迎撃されたためサイレンは作動しなかったが、前日にもフーシ派はイスラエルに対する無人攻撃機を用いた攻撃を試みている。(4/13)

 

【ガザ病院の役職クラスがテロ使用を告発、その後脅迫を受ける】(Y)
ガザ最大規模のナセル病院の看護科ムハンマド・サクル科長が、同病院がテロ活動の拠点として利用されていることを公に批判したことにより、イスラム聖戦から脅迫を受けているとSNS上で明かした。
実名での投稿のなかでサクル科長は、病院に出入りしていた聖戦メンバーたちに「病院を守るため」に引き払うよう要請したとその経緯を説明。その直後自身のもとに同聖戦の軍事部門アルクッズ旅団から「お前は一線を越えた―(自身の身に)気を付けるように。これは最初の警告だ」と書かれた、メッセージが届いた。
ハマスやイスラム聖戦が(国際法において民用物の中でも特に保護されるべき)病院をテロ拠点化していることは長く知られているが、病院内のしかも科長クラスが実名で内部告発するのは異例のこと。(4/13)

 

【ハマス、武装解除を含むエジプト案を一蹴】(Y,P,H)
アルジャジーラの取材にハマス指導層が応え、直近のエジプトが提示した休戦案にはハマスの武装解除が盛り込まれており、ハマスの交渉団は驚きを見せつつも明確に拒絶したと話した。「武装解除に関する交渉なくして休戦合意はないと主張したエジプトに対して、私たちは合意への唯一の道はイスラエルのガザ完全撤退と終戦だと伝えた」と語り、自らの武装解除への拒否が交渉への障害となっている訳ではないとの姿勢を示した。
しかし先月以降のイスラエルの軍事作戦・緩衝地帯拡大はハマス軍事部の再軍備化を受けてのものでもあるため、両者の主張が平行線を辿ることは必至だとされている。そんな反面数時間後にハマスは別のアラビア語紙上で米国籍を所持するイダン・アレクサンダーさんを解放する用意があると、歩み寄ろうとするメッセージを発信。これは休戦合意の枠組み構築を試みるトランプ大統領に対する『好意の意志表示』だと考えられている。(4/14)

 

【ザミール参謀総長、政府の『軍事的圧力のみ』の姿勢に疑問を呈す】(Y,P)
ここ最近の閣議においてザミール参謀総長が現状のままでは戦争の目標達成は不可能であり、軌道修正する必要があると首相を含む閣僚に対して警告していることが14日発覚した。現在国防軍は政府からの指示を受けて緩衝地帯の拡大を行っているが、主力部隊となる予備役兵たちの召集率は良くて60~70%と大きく落ち込んでおり、戦車や装甲車なども1年半を超える戦闘によりかなり消耗されている。
これらを受けてザミール参謀総長は閣議の場で閣僚たちに対して「ファンタジーから目覚めること」を提案したと関係者が明かしている。このファンタジーには極右層が標榜する緩衝地帯拡大からの占領の他、政府がハマス後のガザ統治などの長期的ビジョンを掲げずに軍事圧力のみを解決策としていることも含まれていると考えられ、実際に参謀総長は「政府が外交的プロセスを拒否していることにより、兵士たちによる軍事的成功が後退する結果となっている」と閣議の中で話し、政府に対して長期的ビジョンを掲げるよう求めている。(4/14)

 

【ガザ内で、再び戦争とハマス政権終了を叫ぶ抗議行動】(Y)
ガザ地区北端にあるベイト・ラヒヤで、数百人規模の反ハマスの抗議デモが発生した。3月下旬以来数週間ぶりのデモでは参加者たちが、「一致にYes、テロにはNo」や「平和に住みたい。ガザは(ハマスにより)屈辱を受けている」といった内容のチャントを、ハマス幹部の名前などとともに叫んだ。
今回の抗議運動では珍しく、親ハマスとされている有力氏族のリーダーたちもデモに参加している様子が見られたとのこと。ハマスの治安維持兵がデモ隊に向かって終戦を訴えるだけのデモにし、ハマスに反対する主張を止めるよう指示するも罵倒を含む激しい反対に遭い退散した。その後複数の有力氏族が共同声明を出し、今後の抗議行動への参加を市民に呼び掛け、またイスラエルとハマス双方に対してガザ撤退を要求している。(4/16)

◯ 内政

【人質のビデオに元人質の呼びかけ―10/7以降2度目の過ぎ越しの祭り】(Y,P,H)
イスラエルはこの日59人の人質がガザに残されたなか、10/7以降2度目の過ぎ越しの祭りを迎えた。そんななかハマスは、兵士として拉致されたイダン・アレクサンダーさん(20)の生存を示すビデオを公開した。
家族は現地メディアに対して画像の使用を許可、「アメリカ・イスラエルにいる家族が過ぎ越しの食卓に着こうとしているなか、1人でイスラエルに帰還しゴラニ旅団に入隊した私たちのイダンはハマスのもと囚われの身にある。祭りの際にも、イダンと58人の人質を覚えて欲しい」との声明を発表した。
またメディアは1・2月に解放された元人質たちがどのように祭りに臨むかを取り上げている。家族と共に解放後初めての祭りに喜ぶ姿もあるが、「家族との最初の祭りだが、心からの祝いではない。頭はここにあるが、心はまだあちら側。人質のために、空席を1つ食卓に置いて下さい」とのコメントや、黒いテーブルクロスの食卓にただ1人で悲しそうに座っている様子を発信する元人質も。
過ぎ越しの祭りは出エジプトを通し奴隷から自由の身になったこともあり『解放の祭り』とも呼ばれており、イスラエル全体が解放の祭りを心から祝えるのはまだ先になることが報道からも感じられた。(4/12)

 

【シンベト諜報員、閣僚・記者への機密情報リークで逮捕】(Y,P,H)
今月9日にシンベトの予備役諜報員がシクリ離散相と大手メディアの2人の記者に対して機密情報をリークしていたとの疑いで逮捕されていたことが分かった。リークされたのは、テロ組織にも指定されているユダヤ系極右団体「カハネ主義」の影響がイスラエル警察上層部に及んでいるという疑惑・調査に関してと、10/7についてシンベトが行った内部調査に関しての2件。
特に前者は過去にカハネ主義者だった極右ベングビル氏が国家治安相として警察を指揮する立場に居ることから、非常に議論の紛糾するトピックでもある。取り調べに対して容疑者は問題となっている情報は公的価値が大きいため公益のために公開したとし、国の安全保障には害を加えていないと供述している。
ネタニヤフ首相率いるリクード党はこの逮捕劇を受け、「シンベトが政治的組織と変わったと危機感を抱いた、この諜報員は逮捕された。バル長官のもとシンベトはディープステイトの防衛組織となっている」と、更迭問題のあるシンベト長官を批判している。(4/15)

◯ 国際情勢

【米軍がシリアから撤退、イスラエルでは不信感も…】(Y,P,H)
アメリカ国防総省の高官が、今後2か月の間に米軍がシリアからの段階的撤退を開始する意向であることを、イスラエルに対して通達していたことが分かった。トランプ大統領は海外に派兵されている米軍の撤退については何度も語ってきており、元軍人のバンス副大統領も同様の考えを持っている。
イスラエルは米軍がシリアから撤退すれば、10/7以降関係が緊迫化しているトルコの軍事的プレゼンスが(イスラエルに近い)国内中央部の要衝で高まるとの予想から、米軍のシリア撤退に関しては強い危機感を示し派遣継続を呼び掛けてきた。先週の米イ首脳会談でトランプ氏は、ネタニヤフ首相の前で自身とトルコ・エルドアン大統領との良好な仲をアピールするような発言をしており、その直後のシリア撤退決定にイスラエル側ではトランプ政権に対しての不信感が生まれているもよう。(4/15-16)

 

【イスラエルが5月にイラン空爆を計画も、米政府がストップ】(Y,P,H)
米ニューヨークタイムズ紙がイランの核兵器保有を防ぐためイスラエルが来月にも関連施設の空爆を計画していたが、ホワイトハウスからの協力が得られずに中止になっていたと、独自の調査結果を発表した。それによるとイスラエルは当初、空爆だけでなく精鋭部隊をイラン領内に派遣し、核関連の地下施設内での特別作戦実行を考えており、アメリカにも空爆・防空での支援を要請していたが、その複雑さから準備に時間が掛かり過ぎると断念。
そこで関連施設に対する空爆攻撃だけというプランBに変更し、米に協力を求めていた。しかしここ数か月の間ホワイトハウスのなかではイスラエルによるイラン攻撃に対しての意見が二分、最終的にバンス副大統領やヘグセス国防長官らがイラン空爆は地域戦争への引き金となり得、米国も巻き込まれるとの危惧を示し、トランプ大統領は攻撃への協力・容認を行わないとの決定を下した。
また10日前にあったネタニヤフ首相とトランプ氏との会談は、ハマスとの休戦・人質問題と関税が主な議題と報道されていたが、最大の目的は上記の計画について米の協力をネタニヤフ氏が取り付けるということだったと判明。しかし説得は成功せずトランプ氏はイラン攻撃へ協力しない姿勢を正式に伝え、その後の記者会見で核問題についてイランとの直接対話という外交的解決を優先する意志を表明することとなった。
この報道を受けてトランプ氏は「(イラン攻撃を)急いではいない。イランには死人が出ずに幸せに暮らせるチャンスがあり、それが私の最初のオプションだ」と、イスラエルの空爆を止めた訳ではないとしながらも、外交的解決が最優先であるという姿勢を改めて示した。(4/17)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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