ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ネタニヤフ首相が『特別』の声明、ハマスによる休戦案拒否を明かす】(Y,P,H)
過ぎ越しの祭後の夜にネタニヤフ首相がビデオメッセージを発表。直近にイスラエルが提示した休戦案をハマスが拒否したことを認めた。同案には約半数の生存する人質と遺体返還も含まれており、拒否に「殺人者達に屈服しない。ハマスの話術に屈服すれば、全ての軍事的成功が水泡に帰す」と今後もハマスに軍事的圧力を行使すると述べた。
アメリカとイランが核問題について直接協議していることは「イランの核計画阻止を長年私は率いており、軍事作戦がなければ10年前にイランは核兵器を保有していた」と自身の功績を強調。そのうえで「イランが核兵器を持たないよう私はコミットしている。諦めも(態度の)軟化もしない」と述べた。
この声明については24時間以上前にアナウンスがあり、人質の家族をはじめ多くの国民が何かしらの進展を期待していたが、新しい情報が何一つなく従来の姿勢を繰り返した内容。また4か月以上にも渡り質疑応答のある記者会見が行われていないこともあり、現地メディアは「首相による”特別”な声明」と皮肉交じりに報じている。(4/19)

 

【米からの協力がなくてもイラン空爆を模索か】(Y,P,H)
国内を含む複数の関係者への取材から、イスラエルがイランへの空爆を完全に断念していないと米ロイター紙が報じた。
現段階でアメリカはイランと直接対話を継続しており、そんな中でのイラン空爆はトランプ大統領との間の亀裂を生み、現政権内でコンセンサスとなっているイスラエル支持を危険にさらす。そのため関係者は「起こりそうにない」としながら、現段階では正式な攻撃延期は決まっていないよう。
イラン軍部高官も同紙の取材に「イラン諜報部がイスラエルの攻撃計画についての情報を掴んでいる」と話し、攻撃を受けた際は「厳しい報復行為」を行うとしている。(4/19)

 

【ハマス、約3万人のテロリスト新兵募集活動】(Y,P,H)
サウジメディアは20日、ハマス軍事部門であるカッサム旅団がガザ地区内で約3万人の新兵募集を行っていると報じた。関係者への取材によると新しく入隊した兵士(テロリスト)の多くは戦闘訓練を受けたことがない。
1年半続く戦争で長距離ロケット弾などの兵器や無人攻撃機が不足しており、10/7以前のような正規軍に近い形での再軍備は現段階では不可能な状態。従ってカッサム旅団はゲリラ組織へとシフトしていくと見られている。
しかしハマスはイスラエルによる空爆により軍部・政治部のリーダーの多くを失い、また人道支援の搬入停止により(その一部を高値で売ることでの)重要な収入源が断たれた結果、テロリスト達への給与支払いが滞っており、新兵募集が難航しているとの情報もある。(4/20-21)

 

【アッバス議長がハマスを批判「人質を返し、戦争を止めよ」】(Y,P,H)
パレスチナ自治区のアッバス議長が人質解放とガザ統治から退くことを拒否し続けているハマスを激しく批判した。
「毎日数百人が殺害されている。なぜか?それはハマスがアメリカ人をはじめとした人質解放を拒否しているからだ。犬の子ら(蔑称)よ、人質を解放して戦争を終わらせよ」と発言したアッバス氏。ハマスにガザの統治を放棄し、全ての武器を自治政府に譲渡するよう求めた。
アメリカとイスラエルによるガザからの民間人移住の試みについて、自身が断固拒否の姿勢を示し阻止していると強調。
同声明内ではハマスだけでなく、「ガザ・西岸地区や東エルサレムでの作戦を通じ、パレスチナ人問題を消し去ろうとしている」とイスラエルへの批判も展開している。(4/23)

 

【国防軍、先月の国連職員死亡について自らの砲撃であると認める】(Y,P,H)
先月ガザ中部のデイル・アル=バラフで国連職員が死亡した事例の調査結果を国防軍が発表。イスラエルの戦車による砲撃を受けたものとの結論をザミール参謀総長と国連の代表団に報告した。それによるとテロリストが居るとの疑いがあった建造物が国連の施設だったということで、数日中に全ての情報をまとめた最終報告書が国連にも提出される予定。
国防軍は「国連職員に対する意図せず起こった攻撃に遺憾の意を表する」との声明を発表している。この事例は先月19日に起こったもので、パレスチナと海外メディアが国連職員の死亡を報道。当初国防軍は「国防軍が同地区の国連施設へ攻撃を行った実実はない」としていた。(4/24)

◯ 内政

【シンベト長官が最高裁に陳述書を提出、首相と全面対決の様相】(Y,P,H)
シンベトのバル長官が自身の更迭問題について審議中の最高裁に「ネタニヤフ首相による自身の解任決定は安全保障の観点からではなく、政治・個人的なもの」との主張を立証するための陳述書を提出した。機密情報を多く含んでいるため公開されたのは8ページほど。
そこには1. 国家運営を進めながら(自身の汚職事件の)裁判での証言を行うことは不可能、という防衛的見解を司法府に提出するよう首相から要求されたこと、2. 政府に対する抗議デモに参加する市民にシンベトが身元解明などを行うよう要求されたこと、3. 憲法危機的な状況になった際に最高裁ではなく自身に従うよう命令されたこと、4. 10/7の惨劇はシンベトの予想を大きく超えたものだったが、前日深夜~当日早朝にかけてシンベトはハマスによる攻撃が起こる可能性があると警告していたこと、などが述べられている。
また自身の解任理由について首相側は安全保障の観点からの「信頼関係の欠落」としているが、バル氏は去年末から1.ネタニヤフ氏側近による機密書類漏えいに関するシンベトの捜査開始、2. 上記1番についてのバル氏の拒否、3. シンベトによる10/7に関して(首相が強硬に反対する)国家調査委員会設置が必要との見解の発表、4. 首相側近が関与するカタールゲートへのシンベトの捜査開始、などが連続して起こったことを受けての首相による個人的かつ政治的な理由からのものであると主張している。
首相側は「偽証の陳述書であり、近いうちに論破されるだろう」との声明を発表しているが、前日となる20日の報道で首相府がバル長官に最高裁への陳述書提出を行わないよう、圧力を掛けていたことが判明している。(4/21)

 

【スモトリッチ財務相が「人質≠最重要の目的」と発言、内外から反発】(Y,P,H)
スモトリッチ財務相が地方ラジオ局の取材に応え、人質問題について「非常に、非常に重要」と前置きした上で、「人質の帰還は最重要目的ではない」と発言した。
スモトリッチ氏は「10/7再発の可能性をゼロにしたいのであれば、ガザにおいてハマスが存在し続けるという状況が起こってはならない」と人質問題よりハマス壊滅を優先すべきと明言。同氏が同様の発言をするのは初めてではない。
これを受けて被害者の会はもちろん、与党の超正統派政党の指導者ガフニ議員からも「人質の帰還こそが最重要事項。人命よりも国家主義を優先したシカリ派(1世紀にローマへの軍事抵抗を標榜、内戦を引き起こし同胞の殺戮を行なった過激な熱心党)になぞらえている」と批判の声が。これに対してスモトリッチ氏(正統派)は「ガフニが超正統派社会の中で減少を続ける少数派であることを神に感謝する」とやり返している。(4/21)

 

【ホロコースト記念日、国家式典で大統領・首相が演説】(Y,P,H)
23日夜にホロコースト記念日の国家式典が行われ、ヘルツォグ大統領とネタニヤフ首相が演説を行った。大統領は毎週のホロコースト生存者との面会で「大統領、国に一致をもたらして下さい」と懇願されたエピソードを紹介。「ホロコーストという灰の中から生まれたユダヤ人にとって愛すべき唯一の民主主義国家を傷つける者を歴史は許さない。中から私達を分裂させる者を歴史が許すことはない」と続け、国内の一致を求める演説を行った。
対照的に首相の演説はハマス・イランを現代のナチスに譬え、彼らへの勝利の必要性を強調するもので「悪の枢軸による締め付けを組織的に破壊し続けている。どのような決定や圧力があっても、ナチスのような悪質な野蛮人達(ハマスやイラン)との決着をつける」と語った。また「イスラエルが敗れれば、西側が過激主義にさらされる」とイスラエルは西側を代表してテロと戦っていると強調した。
ホロコースト博物館『ヤッド・バシェム』で行われた同式典ではホロコースト生存者によるトーチへの点火もあり、点灯者となった1人は「59人の人質が一刻も早く戻って来ますように」と叫んだのちに点灯(無言での点火が通例)。ホロコースト生存者の心からの叫びとして報じられている。(4/23)

◯ 国際情勢

【イランとの直接協議、米は「とても良い進展があった」】(Y,P,H)
今月12日にオマーンで行われた第1回目の協議に続き、19日にアメリカとイランによる核問題に関する2度目の協議がオマーン仲介のもとローマで行われた。
アメリカからはウィトコフ中東特使、イランからはアラグチ外相が参加、イラン側は「両者が別室に待機し、オマーン外相が両国間でのメッセージを取り次ぐ形」と直接対話を否定しているが、実際には両者が顔を合わせて会談が行われたもよう。後の取材で米側関係者は「とても良い進展があった」とし、イラン外相も国営テレビに対して「多くの原則において前進があり、より良い理解に至ることが出来た」と話している。
両国間とも次のステージである実務者会談開催で一致しており、来週水曜日にオマーンで行われることも決定している。
仲介役であるオマーン外相によると両国はイランが核兵器の保有はしないものの原子力の平和利用に関しては認める、というゴールに向かい協力する意志を確認し合っており、イランに対する経済制裁解除についても話し合ったとメディアに話している。(4/19-20)

 

【外務省が教皇への追悼ツイートを削除、外交官からは批判の声】(Y,P)
21日に逝去したフランシスコ教皇に外務省が公式Xアカウントを通じ、「フランシスコ教皇、安らかにお眠り下さい。彼の記憶が祝福となりますように」と投稿。各国のイスラエル大使館もこの投稿を引用したが、外務省が数時間後に突然この投稿を削除、各国大使に教皇死去に関する一切の発信を削除するよう指示を行った。
背景には、フランシスコ教皇がガザ戦争についてイスラエルの批判を続けていたことがあるのだが、特に駐カトリック国の大使・外交官から「発表してからの追悼文削除はイスラエルの国際的イメージを著しく損なう」と批判の声が上がっている。
外務省は各国のイスラエル大使館に同国に駐在しているバチカン大使館への訪問・弔問の記帳も禁じており、大使館側からの説明を求める声に関しても「調査・対応中」とのことで十分な説明はなされていない。(4/22)

 

【アウシュビッツで元人質達が「命の神聖さ」を訴える】(Y,P,H)
10/7で妻と娘達を殺害され、自身は拉致され今年2月に解放されたエリ・シャラビさんがアウシュビッツでの『命の行進』にガザ周辺キブツの被害者代表の1人として参加した。
シャラビさんは報道陣に「ホロコーストは何物とも比較できず、忘れることも許されることもない。私達がここにいることはユダヤ精神の勝利」と話した。また59人の残された人質に関して「ユダヤ民族は死ではなく、命を神聖なものとする。全ての人質を連れ戻さなければならない」と語った。
同じく元人質として娘と参加していたキース・シーゲルさんは23日にハマスが生存を示す映像を公開した人質オムリ・ミランさんに言及、2人は数ヶ月間、同じ場所で監禁されており、シーゲルさんは「オムリはとても強い人間。強くあり続け、負けないで下さい」とアウシュビッツからガザに向けて呼びかけた。(4/24)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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