【ネタニヤフ首相が供述書を提出「シンベト長官は偽証」】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相とシンベト・バル長官の解任問題について、ネタニヤフ氏は先週バル氏が最高裁に提出した陳述書への反論となる宣誓供述書を提出した。
「バルの盲目はイスラエル国の歴史上、最大の諜報的失敗だ」とバル長官を激しく非難する言葉から始まる同書では、1.10/7以前にガザ緊迫化に関する警告はバル氏から全くなかった、2.裁判での自身の証言頻度を下げるようにとの意見書をバル氏に依頼した事実はない、
3.政府への抗議デモに関しては「暴徒化する恐れからシンベトが対処するうえでの法的制限について確認したのみ」と参加者の身元解明の要求などについては否定、4.カタールゲート捜査がバル氏解任の引き金ではなく解任を阻止するために同疑惑の捜査が行われている、などと先週提出されたバル氏の主張のほとんどを完全否定するものとなっている。
対照的に、「憲法危機になった際に司法府ではなく首相に従うよう指示を受けた」とのバル氏の主張には、明確な否定はしていない。
双方から180度違う供述書を受け取った最高裁は近いうちにネタニヤフ氏によるバル長官の解任の合法性に関して結論を出すことになるが、それと直接関係のない点においては何の結論も出さないのではとみられている。(4/27)
【シンベト長官が辞意表明、政府も解任を取りやめへ】(Y,P,H)
28日にシンベトのバル長官が6月15日付での退任を表明したことを受け、翌29日に政府は同長官の解任を取り消す決定を下した。政府は、「バル氏の退任のタイミングは遅すぎる。しかし当初から首相は、(国防軍のハレビ)参謀総長が退任した時のように、合意と敬意を持った形でバル氏が退任することを望んでいた」と声明を発表。
バル氏が自ら退任表明を行ったため、解任手続きの合法性についての最高裁での審議の必要はなくなり、バル・ネタニヤフ氏間で真っ向から対立している様々な主張などに対しても司法府が介入し、相違点に関して真相を解明し結論を下す可能性は限りなく低くなった。政府は上記のような理由から、バル氏解任に関連する全ての請願の取り消しを最高裁に要請している。(4/28-29)
【ネタニヤフ夫人「(生存中の人質は)24人もいない」】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相とサラ夫人が、独立記念日の国家式典で行われるトーチ点火での点灯者たちとの面会・交流を行ったのだが、その場でネタニヤフ夫妻から驚きの発言が聞かれた。ネタニヤフ氏が「今日までで196人の帰還を実現させ、そのうちの147人は生存者。現在でも24人までの生存者(の人質)がいる」と発言すると、横に座っていたサラ夫人が囁き声で「それ以下よ」と反応。
するとネタニヤフ氏は急いで「『まで』と言っておこう。残りに関しては、残念ながら生存していない」と訂正するように付け加えた。現状では59人の人質のうち24人が生存・35人が死亡しているとされており、ネタニヤフ夫妻の口から出た生存者が24人以下(=生存者とされているが実際には死亡している人質が居る)との発言は、被害者家族の間で不安と怒りを生んでいる。
交渉関係者からは「24人生存は正しい情報」との火消・訂正の声が上がっているが、肝心のネタニヤフ氏側は沈黙を貫いている。(4/29)
【エルサレム山地で4年ぶりの大規模な山火事、独立記念式典は中止】(Y,P,H)
戦没者記念日になる30日の午前10時ごろ、エルサレムの西約20kmにある森林で山火事が発生。その日は非常に乾燥した日で強風が吹き荒れていたことから火は勢いを増し、急速にエルサレム山地の広い範囲に広がり、2000ヘクタール以上の森林が焼失した。
エルサレム山地を通る国道1・3号線は通行止めとなり、周囲にある計11の市町村(メシアニック・ジューの村ヤッド・ハシュモナを含む)の1万人以上に避難・退去命令が出され(翌1日朝に全面解除)、同日夜の国家式典をはじめ独立記念日に関する多くのイベントが相次いで中止となった。イスラエル史上最大規模の山火事だったが幸いにも犠牲者は出ず、負傷者は煙を吸ったことによる18人のみ。
またイスラエルは周辺諸国に対しても消火活動への援助を要請、クロアチア・ルーマニア・スペイン・フランスなどの空中消火隊が翌1日に消火活動に参加し、31時間後の1日午後ついにイスラエル消防庁は「鎮圧」を発表した。イスラエルでは数年に1度このような山火事が発生しており、4年前にも同じエルサレム山地で約1000ヘクタールが焼失している。
今年は観測史上最も乾燥した冬だったこともあり、3月には専門家たちがネタニヤフ首相に対して大規模な山火事再発を警告し、緊急に対策委員会を開設するよう助言していたが、実現されず十分な対策もなされていなかった。
消火活動と並行して原因解明が進められており、放火未遂の疑いなどでパレスチナ人3人が逮捕されているが、現状では放火ではないとされている。しかしネタニヤフ首相は「18人を放火の疑いで逮捕している。隣人たちはこの地への愛を語りながら、その反面火事を起こそうとしている」と、アラブ人による放火説を示唆。また息子のヤイール・ネタニヤフ氏は左派による放火をほのめかすなど、親子による不要な発言には批判が集まっている。(4/30-5/1) |