ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安
【イスラエルが休戦崩壊後最も激しい空爆、カタールでは交渉に前進の兆しも…】(Y,P,H)
カタールで休戦交渉が再開されているなか、イスラエルはこの2日間軍事的圧力を強めている。まずは15日深夜に空軍が大規模な空爆をガザ地区北部に実施、対戦車ミサイルの発射場所やテロリストが使用している建物など約150拠点を空爆した。パレスチナメディアはこの一晩で、100人以上の死者・行方不明者が出ていると報道。イスラエルは「攻撃と並行しての交渉」との方針から、交渉決裂の際に行われる大規模な軍事作戦のための準備としてこのような空爆を行っており、これらはハマスへの圧力という目的もあるもよう。この攻撃は翌16・17日と続き空爆の範囲も、ガザ中心地やハンユニスなど南部へと拡大。木曜日から17日午後までの段階で300人以上が死亡しており、3月の休戦崩壊以来最も激しい攻撃となっている。
そんななか、これまで全人質解放を見返りとしての恒久的休戦に固執していたハマスに変化が。現在交渉されている案は10人の生存している人質の解放を行う代わりに、1~1月半の即時休戦を行うという、イスラエルが要求してきたウィトコフ案に近い内容で、結果的にイスラエルの軍事的圧力がハマスの譲歩を引き出す形になっている。
(5/16-17)
 
【閣議での議決なしに、ネタニヤフ首相がガザへの物資搬入を再開】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は安全保障内閣を開き、議決を行うことなくガザへの人道支援物資の搬入許可を決定した。極右閣僚をはじめ過半数が反対票を投じることが予想されたため、ベングビル国家治安相が議決実施を求めたが拒否された。ネタニヤフ氏は、トランプ大統領や親イスラエル的な共和党の有力議員やアメリカ人からの圧力があったとし、「ガザが飢餓状態にまで至ってしまうと支持が得られず、結果的に戦争の目的も果たせない」と決定について説明している。ネタニヤフ氏は3月1日に支援物資搬入をストップして以降、人質解放までは物資搬入を拒否する姿勢を示してきことから、「劇的な決定」と現地メディアは報じている。
現在の物資搬入は今までと同じ形だが数週間のうちに、米主導の『ガザ人道財団(GHF)』による物資配給へと切り替えられる予定。この配給場所では国防軍が護衛を行うため、イスラエル側はハマスへの物資流入を最低限に抑えられることを期待している。
(5/18)
 
【イスラエル、恒久的休戦も選択肢に休戦交渉か】(Y,P,H)
あくまでも現在交渉されているのは部分的なウィトコフ案にはなるが、「戦闘の終結と全人質の解放を含む、全ての休戦案に対する可能性のためにドーハに居る交渉チームは動いている」と首相府は声明を発表した。この声明では、ハマスのテロリストたちのガザからの追放とガザ地区全体の武装解除が言及されており、この2つがイスラエル側の休戦のための条件だと考えられる。またこの日にはスカイニュース・アラビアが「ハマスは2か月間の休戦の見返りに、生存・死亡している全人質の半分を解放する用意がある」と報道、これが事実であるならば休戦交渉が前進していることになる。
現在最大の障害になっているのはハマスの武装解除についてで、イスラエルは即時の完全な武装解除を求め、米は段階的なものでも良いと考えている一方、ハマスは現段階での武装解除については断固拒否する姿勢を見せている。
(5/18)
 
【胎児とパートナーを殺害し焼死体に… パレスチナ人男性を逮捕】(Y,P)
今年4月1日にエルサレム近郊、西岸地区のアル・ラムで胎児がへその緒で繋がったままのイスラエル人女性の焼死体が発見された事件について、イスラエル警察は19日に被害者女性イスラム・タウィルさん(東エルサレム在住)のパートナーで、胎児の父親であるアル・ラム在住の34歳男性を殺人の容疑で逮捕したと発表した。警察は数十人の被疑者を対象に捜査を行い、遺体に対する検査などからタウィルさんはまさに出産している途中で殺害された後に、遺体に火をつけて燃やされ容疑者はその直後に彼女が所有していた乗用車を売却していたことが分かっている。
タウィルさんと親交のあった女性の友人たちからは、彼女はパートナーに誰も居ない場所に連れて行かれて暴行を受けていたことや、最近彼女の口数が減っていたこと、また自身に身の危険が迫る可能性から証言することに恐怖を感じていること、など証言が上がっている。
(5/19-20)
 
【新たな人質の過酷な監禁状態が明らかに】(Y,P,H)
10/7にニル・オズの自宅から拉致されたマタン・ツィンガウケルさん(25)の家族が、マタンさんの過酷な健康状態についての最新情報を公表した。それによるとマタンさんは筋ジストロフィーに苦しんでおり立つこともままならず、体が弱体化し震えなどの症状も出ているよう。また劣悪な衛生状況のなか約600日近く監禁状態にあることから、激しい腹痛が続いており腸閉塞症の疑いも指摘されている。また身体的ではなく精神的にもマタンさんの状態は悪化しており、ここ数か月は(与えられている食事量は増加しているが)食事を拒否し、話すことも拒んでおり、トンネルの隅に1人で座り精神的にも閉じこもっている状況と伝えられている。
またこの日には1週間前に解放された米国籍所持のイダン・アレクサンダーさんが、監禁中には『人間の盾』としてヤヒヤ・シンワルとその家族やハマス重役たちの近くで、拘禁されていたとの情報が報道されている。イスラエル軍は人質が居る可能性のある場所では大規模な空爆・地上作戦を行っておらず、それを利用してハマスは人質たちを『人間の盾』としていたことになる。
(5/20)
 
【ジェニン視察中の外交団に国防軍が警告射撃】(Y,P,H)
西岸地区ジェニンを視察していた(日本を含む)約25か国の大使や外交官たちにより構成されていた使節団に対して、ジェニンに駐屯していた国防軍兵士たちによる警告射撃が行われるという事件が発生した。警告射撃が空に向かってであったためけが人などの被害は出ていないが、同使節団に参加していたアフリカ・ヨーロッパ・アジアなど各国から非難・抗議の声が上がっている。国防軍は現在調査中で結果が出次第各国に対して報告・対応するとしているが、現段階では視察に関して国防軍は把握していたが戦闘地帯であるため、視察ルートへの指定が行われていた。しかし外交団がそのルートを逸れたために警告射撃を行ったとしており、アラブメディアの映像から国防軍が設置した(軍用地への立ち入り禁止)ゲートから数mの場所でメディアによる撮影が行われていたことが分かっている。
(5/21)
 
【ワシントンでテロ、イスラエル人大使館職員がパートナーとともに殺害される】(Y,P,H, 独自取材)
米ワシントンにあるユダヤ博物館で21日夜、在米イスラエル大使館の若い職員2人が射殺されるテロが発生した。この夜にはアメリカユダヤ人委員会がイベントを開催しており、大使館職員であるヤロン・リシンスキーさんとサラ・ミルグラムさんも参加していたが、クーフィーヤを被った30歳男性が「Free Palestine」と叫んで2人に向けて発砲。その後銃を持ったまま男性はイベントの中に入ろうとし、警備員により取り押さえられて現行犯として逮捕された。容疑者は日頃より「イスラエルに死を」とのメッセージをSNSで発信しており、現状では単独での犯行によるものとのこと。犠牲者の2人はイスラエル大使館で出会い交際を開始、来週にはイスラエルに2人で行き、リシンスキーさんはエルサレムでプロポーズするため婚約指輪も購入していた。またリシンスキーさんは日本を愛するメシアニック・ジューでありヘブライ大学で日本学を専攻、在学中には日本旅行を行いイスラエルを愛するクリスチャンとの交流を深めていた。ヘブライ大学日本学部のオトマズギン教授は「農村のアベノミクスと地方創生についての非常に優秀な論文を書き、日本語と東アジアの政治に関する知識を活かす外交官になるための夢の途中でした。心が張り裂ける思い」とのコメントを発表している。
このテロを受けて外務省は各国イスラエル大使館に対し、ユダヤ的なイベントへの参加の一切の自粛を通達している。
(5/22)
◯ 内政

【パレスチナ人男性、バスで女性兵に対して唾を吐く】(Y,P)
18日にテルアビブ近郊のバス内で、20代のアラブ系と見られる男性が軍服を着て座っていた29歳の予備役中の女性士官に対して唾を吐き、その直後に停車したバス停で降車し逃亡した。バスの防犯カメラの映像解析から西岸地区のナブルス近郊フワラに住む、24歳のパレスチナ人男性アフマド・ムハンマドであることが判明。軍・警察からの出頭警告を受けて男性は同日夜にユダ・サマリア警察署に出頭、公務執行妨害と不法滞在の罪で逮捕され中央部の警察署で取り調べを受け始めた。19日には容疑者が事件発生時にはパレスチナ西岸地区に居たと供述しているが、警察側は法科学的証拠があるとしているとの続報が報じられている。
(5/19)
 
【左派党首の「(ガザの)赤ん坊を殺す趣味」発言に、非難集中】(Y,P,H)
左派労働党とメレツが合併してできた民主党党首のヤイール・ゴラン議員がラジオ出演し、「まともな国家は民間人に対して戦闘は行わず、赤ん坊たちを趣味として殺すこともなく、民間人の追放を戦闘の目的とはしない」と発言。特に国防軍の兵士たちが、まるで赤ん坊たちを殺すことを楽しんでいるかのような発言は物議をかもし、与党・右派内はもちろん野党からも批判する声が上がっている。またヘルツォグ大統領もゴラン議員を名指ししなかったものの、「私たちを守るために子供たちは趣味や家族を置いて、前線に立っている。国家を守り人質を解放するために戦うことは、趣味ではない」と、批判のコメントを発表。
その後ゴラン氏は「国防兵たちは英雄だが、閣僚たちは汚職まみれ。国防軍は倫理的で国民は真っ直ぐだが、政府は歪んでいる」と、国防軍に向けたものではないと釈明している。ゴラン氏は元副参謀総長でもあり、10/7には真っ先に南部に向かいノバ音楽祭で多くの命を救い右派・左派を問わず英雄となっていただけに、残念な発言となった。
(5/20)
 
【ネタニヤフ首相、約半年ぶりの記者会見】(Y,P,H)
昨年12月初旬から約半年ぶりにネタニヤフ首相が質疑応答を伴う、記者会見を行った。人質の生存人数についてここ1月情報が錯そうしているが、「20人は確実に生存している」と発言し、公式には生存者が24人とされているが4人に関しては安否不明であることを認めた。また休戦のための条件としては希望者をガザから移住させるという『トランプ計画』の実施を挙げ、同計画を「天才的」と絶賛。またこの日、首相側近たちに対する『カタールゲート』でのシンベト捜査が行われているなかの、首相によるシンベト長官の更迭に関し「利益相反であり違法」との結論を最高裁が出したことについては、「民主主義的に選出された私たちがシンベト長官の任命・解任をできないというのは、法治・民主主義を損なう」と批判。近々シンベト新長官を任命すると明言した(今回バル長官は辞意を自ら表明したため、この最高裁の決定は適用されない)。また記者からは、軍のトップである参謀総長が辞任し諜報部トップのシンベト長官も辞任を表明し責任を取っているなか、政治のトップである自身は責任問題についてどう考え、辞職または選挙実施のつもりがあるのかとの質問があり、それに対しては「日々私は、民意に決定権を委ねている。戦時中の今、選挙を行うことができるだろうか」と発言、自ら政界引退するつもりも、近いうちに総選挙を行うつもりもないとした。
(5/21)

◯ 国際情勢
【トランプ大統領:イスラエルが人質を解放できるかは「分からない」】(Y,P,H)
サウジ・カタール・UAEでの訪問を終えたトランプ大統領が帰国前に取材対応し、ネタニヤフ首相とイスラエルが人質解放にこぎつけられるかとの質問に対して、「分からない」と答えた。人質たちの置かれている状況については「それぞれに差があり彼らがどこに居るかによっても少し違うが、悪い状況。もう少しで解明することができるため、救助のためにイスラエルと共に働く」と答えた。ガザに関してはアブダビでの経済フォーラムの場でも言及、「多くの人々が苦しみ悪いことが起こっている」と話し、ガザの人道問題に対して解決のため尽力すると明言している。
また記者からはイランとの核合意に関する質問もあり、アメリカがイランに対して正式な合意案の提示を行ったと認めた。そして「素早く行動(=米案を受け入れる)しなければ、悪いことが起こることをイランは十分理解している」と、イランに対して同案をすぐにでも飲むようにと警告を含んだメッセージを発した。これに対してイラン最高指導者ハメネイは、「トランプは平和のために力を行使していると主張するが、それは嘘だ」と批判。イスラエルに関しても「危険なガンであり根絶されるだろう」と、米国との核合意のための交渉を行いながらもイスラエル殲滅について従来通りの姿勢を示している。
(5/16-17)

[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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