【イスラエルが休戦崩壊後最も激しい空爆、カタールでは交渉に前進の兆しも…】(Y,P,H)
カタールで休戦交渉が再開されているなか、イスラエルはこの2日間軍事的圧力を強めている。まずは15日深夜に空軍が大規模な空爆をガザ地区北部に実施、対戦車ミサイルの発射場所やテロリストが使用している建物など約150拠点を空爆した。パレスチナメディアはこの一晩で、100人以上の死者・行方不明者が出ていると報道。イスラエルは「攻撃と並行しての交渉」との方針から、交渉決裂の際に行われる大規模な軍事作戦のための準備としてこのような空爆を行っており、これらはハマスへの圧力という目的もあるもよう。この攻撃は翌16・17日と続き空爆の範囲も、ガザ中心地やハンユニスなど南部へと拡大。木曜日から17日午後までの段階で300人以上が死亡しており、3月の休戦崩壊以来最も激しい攻撃となっている。
そんななか、これまで全人質解放を見返りとしての恒久的休戦に固執していたハマスに変化が。現在交渉されている案は10人の生存している人質の解放を行う代わりに、1~1月半の即時休戦を行うという、イスラエルが要求してきたウィトコフ案に近い内容で、結果的にイスラエルの軍事的圧力がハマスの譲歩を引き出す形になっている。
(5/16-17)
【閣議での議決なしに、ネタニヤフ首相がガザへの物資搬入を再開】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は安全保障内閣を開き、議決を行うことなくガザへの人道支援物資の搬入許可を決定した。極右閣僚をはじめ過半数が反対票を投じることが予想されたため、ベングビル国家治安相が議決実施を求めたが拒否された。ネタニヤフ氏は、トランプ大統領や親イスラエル的な共和党の有力議員やアメリカ人からの圧力があったとし、「ガザが飢餓状態にまで至ってしまうと支持が得られず、結果的に戦争の目的も果たせない」と決定について説明している。ネタニヤフ氏は3月1日に支援物資搬入をストップして以降、人質解放までは物資搬入を拒否する姿勢を示してきことから、「劇的な決定」と現地メディアは報じている。
現在の物資搬入は今までと同じ形だが数週間のうちに、米主導の『ガザ人道財団(GHF)』による物資配給へと切り替えられる予定。この配給場所では国防軍が護衛を行うため、イスラエル側はハマスへの物資流入を最低限に抑えられることを期待している。
(5/18)
【イスラエル、恒久的休戦も選択肢に休戦交渉か】(Y,P,H)
あくまでも現在交渉されているのは部分的なウィトコフ案にはなるが、「戦闘の終結と全人質の解放を含む、全ての休戦案に対する可能性のためにドーハに居る交渉チームは動いている」と首相府は声明を発表した。この声明では、ハマスのテロリストたちのガザからの追放とガザ地区全体の武装解除が言及されており、この2つがイスラエル側の休戦のための条件だと考えられる。またこの日にはスカイニュース・アラビアが「ハマスは2か月間の休戦の見返りに、生存・死亡している全人質の半分を解放する用意がある」と報道、これが事実であるならば休戦交渉が前進していることになる。
現在最大の障害になっているのはハマスの武装解除についてで、イスラエルは即時の完全な武装解除を求め、米は段階的なものでも良いと考えている一方、ハマスは現段階での武装解除については断固拒否する姿勢を見せている。
(5/18)
【胎児とパートナーを殺害し焼死体に… パレスチナ人男性を逮捕】(Y,P)
今年4月1日にエルサレム近郊、西岸地区のアル・ラムで胎児がへその緒で繋がったままのイスラエル人女性の焼死体が発見された事件について、イスラエル警察は19日に被害者女性イスラム・タウィルさん(東エルサレム在住)のパートナーで、胎児の父親であるアル・ラム在住の34歳男性を殺人の容疑で逮捕したと発表した。警察は数十人の被疑者を対象に捜査を行い、遺体に対する検査などからタウィルさんはまさに出産している途中で殺害された後に、遺体に火をつけて燃やされ容疑者はその直後に彼女が所有していた乗用車を売却していたことが分かっている。
タウィルさんと親交のあった女性の友人たちからは、彼女はパートナーに誰も居ない場所に連れて行かれて暴行を受けていたことや、最近彼女の口数が減っていたこと、また自身に身の危険が迫る可能性から証言することに恐怖を感じていること、など証言が上がっている。
(5/19-20)
【新たな人質の過酷な監禁状態が明らかに】(Y,P,H)
10/7にニル・オズの自宅から拉致されたマタン・ツィンガウケルさん(25)の家族が、マタンさんの過酷な健康状態についての最新情報を公表した。それによるとマタンさんは筋ジストロフィーに苦しんでおり立つこともままならず、体が弱体化し震えなどの症状も出ているよう。また劣悪な衛生状況のなか約600日近く監禁状態にあることから、激しい腹痛が続いており腸閉塞症の疑いも指摘されている。また身体的ではなく精神的にもマタンさんの状態は悪化しており、ここ数か月は(与えられている食事量は増加しているが)食事を拒否し、話すことも拒んでおり、トンネルの隅に1人で座り精神的にも閉じこもっている状況と伝えられている。
またこの日には1週間前に解放された米国籍所持のイダン・アレクサンダーさんが、監禁中には『人間の盾』としてヤヒヤ・シンワルとその家族やハマス重役たちの近くで、拘禁されていたとの情報が報道されている。イスラエル軍は人質が居る可能性のある場所では大規模な空爆・地上作戦を行っておらず、それを利用してハマスは人質たちを『人間の盾』としていたことになる。
(5/20)
【ジェニン視察中の外交団に国防軍が警告射撃】(Y,P,H)
西岸地区ジェニンを視察していた(日本を含む)約25か国の大使や外交官たちにより構成されていた使節団に対して、ジェニンに駐屯していた国防軍兵士たちによる警告射撃が行われるという事件が発生した。警告射撃が空に向かってであったためけが人などの被害は出ていないが、同使節団に参加していたアフリカ・ヨーロッパ・アジアなど各国から非難・抗議の声が上がっている。国防軍は現在調査中で結果が出次第各国に対して報告・対応するとしているが、現段階では視察に関して国防軍は把握していたが戦闘地帯であるため、視察ルートへの指定が行われていた。しかし外交団がそのルートを逸れたために警告射撃を行ったとしており、アラブメディアの映像から国防軍が設置した(軍用地への立ち入り禁止)ゲートから数mの場所でメディアによる撮影が行われていたことが分かっている。
(5/21)
【ワシントンでテロ、イスラエル人大使館職員がパートナーとともに殺害される】(Y,P,H, 独自取材)
米ワシントンにあるユダヤ博物館で21日夜、在米イスラエル大使館の若い職員2人が射殺されるテロが発生した。この夜にはアメリカユダヤ人委員会がイベントを開催しており、大使館職員であるヤロン・リシンスキーさんとサラ・ミルグラムさんも参加していたが、クーフィーヤを被った30歳男性が「Free Palestine」と叫んで2人に向けて発砲。その後銃を持ったまま男性はイベントの中に入ろうとし、警備員により取り押さえられて現行犯として逮捕された。容疑者は日頃より「イスラエルに死を」とのメッセージをSNSで発信しており、現状では単独での犯行によるものとのこと。犠牲者の2人はイスラエル大使館で出会い交際を開始、来週にはイスラエルに2人で行き、リシンスキーさんはエルサレムでプロポーズするため婚約指輪も購入していた。またリシンスキーさんは日本を愛するメシアニック・ジューでありヘブライ大学で日本学を専攻、在学中には日本旅行を行いイスラエルを愛するクリスチャンとの交流を深めていた。ヘブライ大学日本学部のオトマズギン教授は「農村のアベノミクスと地方創生についての非常に優秀な論文を書き、日本語と東アジアの政治に関する知識を活かす外交官になるための夢の途中でした。心が張り裂ける思い」とのコメントを発表している。
このテロを受けて外務省は各国イスラエル大使館に対し、ユダヤ的なイベントへの参加の一切の自粛を通達している。
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