ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
★本日大阪で開催されたピーター・ツカヒラ師とTJCⅡのデイビッド・ルドルフ博士によるセミナーは好評に終わりました。
ご来場頂いた方々、ありがとうございました。
◯ 治安
【4日間で4度、フーシ派からのミサイルにより中央部でサイレン】(Y,P)
25日の午前11時前にフーシ派からの弾道ミサイルがイスラエル上空付近に飛来、ユダ低地部からエルサレムそして死海南部近くの町までの約70kmの範囲でサイレンが鳴った。その後国防軍は防空システムによるミサイル迎撃を発表、けが人やミサイル・迎撃ミサイルの破片落下による物損被害なども出なかった。パレスチナ系メディアはヘブロン近郊内での、ミサイルの破片落下が確認されていると伝えている。
トランプ大統領が今月6日にフーシ派との停戦を発表した後、フーシ派によるイスラエルへの攻撃は頻発しており、先週末からは22日に2度、23日そして25日に1度ずつと、4日間で4度のペースでフーシ派の弾道ミサイルが飛来している。その後週の中頃にはフーシ派による攻撃はなかったが、週末前の29日夜には再びフーシ派からの弾道ミサイルが飛来。海岸部からエルサレム近郊までの広範囲で再びサイレンが鳴り、テルアビブではサッカー国内カップ決勝が行われていたが一時ゲームが中断されるなどした。
(5/23, 25, 29)
 
【23年にバグダッドで拉致されたイスラエル人女性、近く解放か】(Y,P,H)
サウジメディアは、23年にイラクで拉致されたプリンストン大学の研究員で、イスラエル人女性学者エリザベス・ツルコブさんについて、アメリカ・イラク間で交渉が進展しており、ここ10日ほどの間にツルコブさんが解放される見込みだと報道した。それによるとイラク当局は、拉致を行ったイラン系テロ組織と解放のための連絡を行っており、ツルコブさん解放を通じて国際社会の理解を得たいと考えているもよう。ツルコブさん解放の見返りとしてイラクは、アメリカに対して22年にバグダッドで米国人を殺害したイラン・イスラム革命防衛隊の士官をはじめ、計7人の釈放を求めている。米政府は現状ではこの報道内容に関しては、認めていない。
ツルコブさんはロシア系イスラエル人で修士課程までを国内で修めた後に渡米し、プリンストン大学の博士課程でイラクのシーア派系反米民兵組織について研究。そのフィールドワークとして23年初めに、イラクに渡航していた。
(5/24)
 
【ガザ人道支援の新システム、26日より開始へ】(Y,P)
米主導の『ガザ人道財団(GHF)』による、ガザ人道支援物資の搬入・配給に関する新システム開始を26日に控えるなか、支援物資を載せたトラックに対する略奪行為が散見され、新システムに対しても懐疑的な声が上がっている。先週から再開されている物資搬入・配給は従来の国連・人道支援団体によるもので、24日の段階で388台の物資を積んだトラックがガザ地区内に入っているが、ハマス・ハマス以外のガザ市民の双方による物資略奪の事例が多数確認されている。これら略奪を防ぐための新システムでは、ハンユニス・ラファ間に設置された回廊地区に3か所、そしてガザ市の南にあるネツァリーム回廊付近での1か所を合わせた、計4か所でGHFによる配給が行われる予定。各配給所では30万人に対して6日間分の食料が配給されることになっており、略奪行為を防止するためにトラック搬入と食料を求める市民の入り口を反対側に設置している。
ハマスは人道支援が自分たちの存在なしに円滑に行われれば、ガザ市民に対する正当性はもちろん存在意義すら失うため、パレスチナ関係者は「ハマスはイスラエルの軍事作戦よりも、この新たな支援システムの方をより恐れている」と話している。
(5/24-25)
 
【ハマスがウィトコフ案受け入れを発表も、イスラエルは事実を否定】(Y,P,H)
ハマスは自身のアルアクサTVやロイターを通じて、『ウィトコフ案』を受け入れたと発表を行った。しかしその後このハマスが主張する『ウィトコフ案』とは名ばかりのもので、イスラエルはもちろんアメリカも受け入れないようなものであることが判明、米ウィトコフ中東特使は失望感をあらわにしている。このハマスが受け入れた案とは、パレスチナ系米国人ビジネスマンでウィトコフ氏・トランプ政権に近い存在の、バシャアラ・バフバフ氏とハマスが取りまとめた『新案』で、2か月間の休戦期間という点ではウィトコフ案と同じだが、人質解放に関しては1日目と60日目に5人ずつの解放とウィトコフ案とは全く違ったものになっている(ウィトコフ案: 1日目に半分+恒久的休戦合意でもう半分を最終日に解放)。
現段階で、イスラエル・ハマス間の争点となっているのは未だに恒久的休戦について。ハマスは合意案が一時的休戦であったとしても、「休戦期間中の交渉で恒久的休戦について両者が合意しなかったとしても休戦を続行すること」という、事実上の恒久的休戦を求め、またそれをイスラエルが履行するようアメリカが保証人となることを求めている。その反面イスラエルは恒久的休戦ではなく、一時的休戦という今までの態度を崩していない。
(5/26)
 
【ガザ支援新システム初日、ラファで暴動・略奪が発生】(Y,P,H)
27日、1日遅れで『ガザ人道財団(GHF)』を通じての、米主導による新しい支援物資の配給システムが始まった。初日の今日はラファにある2か所で配給所がオープンしたのだが、フェンスを突き破ったり倒したりして配給所に入った大量のガザ市民が暴徒化し、支援物資を略奪する様子が見られた。イスラエルメディアはこのカオスの背景について、市民が配給に向かうのを阻止するためにハマスが検問所を設置したところ、市民とハマス間で衝突が発生し、検問所を破壊・突破した大量の市民たちがその勢いのまま配給所に流入したのが原因と伝えている。また大量に市民が到着したところにGHFが「配給は5時半に終了」とアナウンス、配給を受け取れないとの恐れが市民に広がり暴徒化・略奪行為に発展したという。アメリカ人警備員たちは警告射撃を行い、通報を受けたイスラエル軍も軍用ヘリコプターで急行して警告射撃を行った。
関係者はスタッフの命の危険があったために略奪行為を一部に許したとは認めつつも、「予測されていたことで、短時間のうちに収束。明日も予定通り、配給を行う予定」としている。今日1日で配られたのは約46万食分の食料。
(5/27)
 
【ネタニヤフ首相「ムハンマド・シンワルを殺害」】(Y,P,H)
国会で人質解放・ハマス壊滅といった戦争目的の達成有無に関する討論会が行われ、ネタニヤフ首相が出席。自身の演説のなかで、「テロリストたちを倒し、デイフ、ハニヤ、ヤヒヤ・シンワル、そしてムハンマド・シンワルを排除した」と、ムハンマド・シンワルの殺害に成功したと明言した。空軍は今月13日、ムハンマド・シンワルを標的としハンユニスへの空爆を実施。その後カッツ防衛相が死亡を示唆したり、サウジメディアがシンワルの遺体発見などを報じたりしていたが、国防軍は正式な声明を出しておらずイスラエル側からの殺害を認める初めての公式な発言となる。
シンワルはハマスの指導者の1人で10/7の虐殺にも関与、昨年10月の兄ヤヒヤ・シンワル死亡後はガザ・ハマスの最高指導者となっていた。
(5/28)
 
【テロ犠牲者から帝王切開で生まれた男児、生後15日目に亡くなる】(Y,P,H)
14日夜に西岸地区で起こった銃撃テロで犠牲者となったツェラ・ゲズさん(33)への、救命処置と同時に行われた緊急帝王切開で生まれた、ラビッド・ハイームくんが亡くなった。新生児集中治療室で治療を受け当初は人工呼吸器が必要だったが、医療チームの尽力もあり自身の力で呼吸するまでに状態は好転。しかし28日朝に事態が急変し、懸命の治療の甲斐もむなしく生後15日目に亡くなった。
半月のうちに妻ツェラさんと生後間もない息子を無くしたハナンエルさん(自身もテロで負傷)は、葬儀で「私の心は2度、悲しみに打ちひしがれている。昨日保育器の中で見た時には本当にかわいくて、数秒の間目を開けたらまるで天使のようだった」と語った。葬儀の後、ラビッド・ハイームくんは母ツェラさんと隣接した場所に埋葬されている。
(5/28)
◯ 内政

【ネタニヤフ首相がシンベト新長官を任命も、人選で紛糾】(Y,P,H)
22日夜にネタニヤフ首相が、国防軍のダビッド・ズィニ将官をシンベトの新長官に任命する意向を発表、それ以降様々な方面で議論が紛糾している。1つ目はズィニ将官の適性についてで、彼は輝かしい軍歴を歩んでいるが諜報・テロ防止に関してのキャリアが全くなく、この平時とは呼べない時期に諜報に精通しない同氏を任命することに対して、軍・諜報関係者からは批判の声が上がっている。またズィニ氏はネタニヤフ氏が好んで使用する、ハマスに対する『完全勝利』という表現を軍司令官内では真っ先に使用したり、ネタニヤフ氏一家と個人的な関係があることから新参謀総長選定の際には、妻のサラ氏がネタニヤフ氏に強硬にズィニ将官を推薦したりという、『中立性・非政治性』に欠けているとの声も。
またズィニ氏任命に関してはそのプロセスに対しても批判の声があり、1つ目は同氏の上官であるザミール参謀総長がこの人選について全く把握していなかったことがある。軍内では兵士が議員・閣僚と面会をする際には上官の許可が必要になり、ズィニ将官の場合は任命のためのインタビューを兼ねた首相との面会前に、直属の上司である参謀総長からの許可が必要だった。シンベト長官候補の将官が、軍に報告なしに首相と面会していたことは参謀総長と首相間の緊張関係を物語っており、同氏がシンベト長官となった暁にはシンベトと軍の関係も緊張化するのではとの恐れも考えられる。またもう1つの問題はカタールゲートによる首相がシンベト長官を任命することの利益相反で、ミアラ検事総長は利益相反の疑いが極めて高いとして新長官任命を現段階では行わないよう、首相に対して要請していたがそれを無視しての長官任命となった。
また27日には、軍・諜報部トップや中央銀行総裁などの人選に関わる諮問委員会の議長が、新長官任命に関する同委員会の開催に反対しているとの報道もあり、そうなればネタニヤフ氏が自身の思う任命を進めるため諮問委員会の議長変更を行うという、超強硬策に出る可能性があるともされている。
(5/22-24, 27)
 
【エルサレムの日、旧市街で正統派によるアラブ市民との衝突】(Y,P,H)
1967年の第3次中東戦争でイスラエルが東西エルサレムを統一したことを祝う「エルサレムの日」があった26日、エルサレム新市街から旧市街へ向かう「旗の行進」が行われ、正統派を含む数万人の右派系市民が参加した。毎年東エルサレムにある旧市街の門、ダマスカス門から嘆きの壁への数百mはイスラム教徒のアラブ人地区を通るため、行進するユダヤ人とアラブ人の間での衝突などが見られるのだが、今年も同じような事例が散見された。イスラエル警官の警視総監は「そのような事例は耳にしなかった」としているが、「アラブ人には死を」や「お前たちの村は焼けてしまえ」などというチャントを、ユダヤ人たちが通行または商店にいるアラブ人たちに浴びせ、中には小競り合いに発展。警察は数人に対して取り調べを行い。アラブ市民に対して催涙スプレーを噴射したとして、ユダヤ人男性2人を逮捕している。
(5/26-27)

◯ 国際情勢
【イスラエル・シリア間の直接協議が水面下で】(Y,P,H)
ロイター紙がここ数週間の間、イスラエルとシリアが国境部と両国間の緊張緩和を目的とした、直接協議を水面下で進めていると報じた。両国間の同協議に精通するシリアや欧米の関係者5人からの取材をもとにしたもので、両国とも国防関係の上官が対話のテーブルに付いているがシリア側で主導的役割を果たしているのは、イスラエルとの国境に隣接するクネイトラ県知事も務めるアフマッド・アル=ダラティ氏とのこと(イスラエルの交渉役が誰かについては明言されていない)。現状では両国間での戦闘回避が主な目的としているものの、対話が上手く進めば両国間でより政治的かつ大きな合意に至る可能性もあると報じられている。
サウジで米トランプ大統領とシリアのシャラア暫定大統領が会談し、トランプ氏がイスラエルとの国交正常化についても明言したことなどもあり、ここ最近2国間の接近については報じられてきたが、直接対話についての報道は初めてとなる。
(5/27)
 
【米、核協議中のイスラエルによるイラン空爆に懸念と不信感】(Y,P,H)
米ニューヨークタイムズ紙は、核合意のために米・イランが協議を進めている間にイスラエルがイラン空爆を、しかも事前通知なしに行うのではとの懸念がホワイトハウス内に広がっていると、報じた。この報道に対してイスラエル首相府は「フェイクニュースだ」と否定しているが、ここ最近米・イスラエルの間では首脳や高官同士のイランに関する会談がなされており、外交的解決を望む米国に対してイスラエルは合意を快く思っておらず攻撃を辞さない姿勢を示すなど、両国間で亀裂が目立つようになっている。関係者は、米政府に対する空爆前の事前通知をネタニヤフ首相が全く行わない、または行ったとしても空爆の7時間前と、米政府が空爆中止のために働き掛けられないといった事態を恐れているという。
このような報道内容を認めるかのようにこの日、トランプ大統領は記者会見で「外交的解決に近づいているため、ネタニヤフに対して現段階で(軍事)行動を起こすことは望ましくないと語った」と、警告を行った事実を認めている。
(5/28)​

[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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