ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【大規模な予備役を招集、ガザ軍事作戦は拡大へ】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は2日午後から夜の数時間協議を行い、カッツ防衛相・ザミール参謀総長が決定したガザでの軍事作戦拡大と大規模な予備役招集を了承した。関係者は協議後「ハマスが人質を解放しなければ、作戦を拡大する」と話しており、ここ数日間複数の予備役部隊司令官が兵士に召集の可能性があるため、準備しておくよう言い渡しているという。
この報道と同時にサウジメディアはイスラエルが仲介国に休戦案(恐らく全人質解放・5年の休戦を含む)を拒否する姿勢を伝え、「これまで賛同していた内容に翻意し、ガザ内での軍事作戦拡大に固執」していると交渉は破談と報道。イスラエルは人質解放と共にハマスの武装解除を求めており、全人質解放を同案は含んでいるが、「ハマスの再軍備・将来的なイスラエルとの戦闘を可能とする休戦を了承することはない」との姿勢を示している。
4日夜に国家安全保障内閣は全会一致で軍事作戦の拡大を決定。参謀総長は人質の命を危険にさらす可能性も示唆したが、首相は「(今までの局地作戦→作戦後の撤退ではなく)占領・駐屯へシフト」と閣議で発言するなど、イスラエルはさらなるガザでの軍事作戦へ舵を切った形。(5/2-3,5)

 

【ハマス、人質の新たな動画を公開】(Y,P,H)
10/7にノバ音楽祭からガザに拉致され、575日間囚われの身になっているマキシム・ヘルキンさん(35)の生存を示す新たな動画をハマスが公開した。約1月前ヘルキンさんの生存を示す最初の映像が公開され、その際に同じく音楽祭から拉致されたバル・クペルシュタインさん(23)と映っていたが、今回は単独でのハマスによる心理的テロ。
ヘルキンさんの家族が映像の公開を希望しなかったため、メディアは映像・画像を使用せずに報道している。ヘルキンさんはロシア系イスラエル人で、母親と娘は現在もロシア在住のロシア国籍所持者。そんな背景もありヘルキンさんの解放に関してはロシアもハマスと直接交渉を行っており、今年2月にはハマスがヘルキンさんを「解放リストの上位に置く用意がある」との意向を示していた。(5/3)

 

【ハマス、食料を略奪したとして複数のパレスチナ人たちを処刑】(Y,P)
ここ1週間、ガザ内の食料店や共同体の炊き出し所で強奪を行ったとして、ハマスはパレスチナ人数人を処刑したと発表。略奪を行っているのは銃器などで武装した「犯罪集団」で、ガザ内の豪族の他に一部はイスラエルの直接支援を受けガザを恐怖に陥れているとハマス関係者は説明。
ハマス政府は「重罪人には画期的な死刑判決が下された。このような犯罪者を厳しく取り締まり、どのような代償があろうと必要な処置は全て講じる。彼らが市民の命を脅かし、財産を奪うことを私たちは許さない」との声明を発表している。(5/4)

 

【フーシ派の弾道ミサイル、ベングリオン空港に着弾】(Y,P,H)
9時半前に中央部を中心にサイレンが鳴り、フーシ派が発射した弾道ミサイル1発がベングリオン空港の敷地に着弾した。
国際ターミナルから数百mの林に数十キロの爆薬を搭載したミサイルが着弾したことで深さ15mのクレーターができ、その衝撃で土砂や石などが飛び散った。これにより駐車場に居た50代男女2人が負傷、5人が心理的ショックのケアを受けている。また飛び散った土砂などで野外駐車場に停めてあった車両のガラスが割れ、ターミナルへ続く幹線通りが土砂まみれになり、国際ターミナル入口付近でも物損被害が確認されている。
国防軍によると迎撃システム・アローと米のTHAADミサイルが迎撃するも失敗、原因解明を行っている。米空軍がフーシ派への攻撃を開始して以降、イスラエルはフーシ派の攻撃を受けても自重の姿勢を保ってきたが、空港内の着弾を受けてフーシ派はもちろんその背後にあるイランに報復を行う姿勢を示している。これにはフーシ派も「イスラエルがガザでの軍事作戦を拡大するのであれば、我らも攻撃の手を強める」と警告。
サウジやイエメン内の反フーシ派の高官はアメリカの空爆は根本的な解決にはならず、「フーシ派に対抗する部隊(イエメン正規軍など)への軍事支援・援軍など地上戦を行わなければ、フーシ派問題の打開はない」と主張している。しかし米英をはじめ国際社会にそれだけのパワー・関心があるかは懐疑的。(5/4)

 

【空港着弾を受けイスラエル、約2か月ぶりにイエメンへ空爆実施】(Y,P,H) 
1月半ほどフーシ派の弾道ミサイル・無人攻撃機での攻撃に報復行為を自重してきたイスラエルだが、前日4日のベングリオン空港内でのミサイル着弾を受け、5・6日とイエメンのホデイダ港と首都サナアの国際空港に空軍による空爆を行った。
5日に標的となったのはフーシ派の収入源であり、イランからの武器供給の要所ともなっているホデイダ港でサウジメディアによると戦闘機をはじめ30機以上による作戦で約50発の爆弾が投下され、コンクリート工場も標的になったとのこと。そして翌6日に空軍は空港からの避難勧告を出した後にサナア国際空港への空爆を実施、管制塔など空港の施設を機能停止させ、サナアとその近郊にある複数の発電所やコンクリート工場なども攻撃している。(5/5-6)

 

【16歳の元人質女性「テロリスト1人が常に私を触っていた」】(Y,P)
ナハルオズのキブツから10/7に拉致され、23年11月の休戦期間中に解放された元人質の女性ダフナ・エリヤキムが中高生向けのハスバラ(イスラエル側の主張の広報活動)のイベントに参加。行った証言の中で「テロリストの1人が常に私に触れ、『全員解放されるがお前は残り、俺と結婚することになる』と言われていた」と性的被害に遭っていたと語った。またそのテロリストはシャワーの際に毎回ついて来ようとしたが、断固拒否したとも。
このイベントには音楽祭から拉致され今年3月に解放された、22歳男性のオメル・ベンケルトさんも参加。「最もつらかったのは狭い場所での監禁状態。誕生日には殴打され、『来年は殴られないように』と願い事をした」と囚われの身だった500日間について証言した。(5/6)

 

【イスラエル空爆直後のトランプ首相、フーシ派との休戦を発表】(Y,P,H)
イスラエルがイエメン首都のサナア国際空港へ空爆を実施した数時間後、トランプ大統領が記者会見を行いフーシ派への空爆を停止したと発言した。
トランプ氏曰く正式な休戦ではないようだが、フーシ派が米船舶を攻撃しないことを条件に米がフーシ派を標的としたイエメン全土での空爆を停止することで両者が合意。仲介役であるオマーンの外相がSNS上で、「両者による休戦合意」という言葉を使い発表していることから、限りなく正式な休戦に近いものであると考えられる。
イスラエル側はこの米国の決定について事前に知らされておらず、寝耳に水の様子。国内関係者はこの報道を受け、「フーシ派からの攻撃がなければ、イスラエル側から攻撃することはない」と話している。(5/6)

 

【生存する人質は21人か、トランプ・ネタニヤフ氏が発言】(Y,P,H)
6日にトランプ大統領が「1週間前は24人だったが、現在生存している人質は21名のみだ」と発言し、イスラエルに衝撃と混乱を与えた。イスラエルでは59人の全人質のうち24人が生存しているとされているため、被害者の会は政府に対して説明を要求。
当初、人質交渉の調整役を務める司令官も「生存者は24人」とトランプ氏の発言を否定していたが、翌7日にネタニヤフ首相はビデオ声明内で「21人は生存していることに確証を持てており、3人に関しては生存しているかどうかの疑いがある」と語り、実質的にトランプ氏の発言を認める形となった。
先週にはサラ首相夫人が生存者は24人以下だと公の場で発言していることもあり、ネタニヤフ氏はこの情報を前から知っていた可能性も指摘されている。(5/7)

◯ 内政

【ネタニヤフ内閣、10/7の調査委員会に再び『NO』の姿勢】(Y,P,H)
10/7の包括的な調査委員会開設を最高裁から求められていることを受け、政府が閣議を行い「ガザでの戦闘拡大が前日決定されるなど、現段階では10/7の調査を行う段階ではない」と調査委員会を戦後まで行わないと決定した。
この調査委員会はその構成も国内では議論になっており、与党支持層の過半数を含む世論全体では4分の3以上が、最高裁長官が委員を選考し国会・内閣から独立した、非政治的な『国家調査委員会』の開設を望んでいる。10/7やその惨劇に繋がった背景の調査ではネタニヤフ首相をはじめ閣僚たちも調査対象になるため、政府・国会が委員を選考した場合、『利益相反』になる可能性があり大多数は同委員会を望んでいる。
しかし閣議で「幅広く異なった意見を反映してこそ民意の信頼を得ることが出来、そういった委員会でなければならない」との話し合いがされ、独自の特別委員会開設のための法整備を行うと結論が出された。(5/5)

◯ 国際情勢

【トランプ大統領が自身の補佐官を解任、背景にネタニヤフ氏との関係か】(Y,P,H)
今月1日にトランプ大統領がウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任したことについて、米ワシントンポスト紙がその引き金の1つにウォルツ氏とネタニヤフ首相との間で『緊密な関係・やり取り』があったのでは、と指摘した。
この記事は大統領の側近2人の発言に基づいたもので、ウォルツ氏とネタニヤフ氏はイランへの武力行使に関する協議を重ねていたよう。ウォルツ氏は米政権中枢部においてもイランへの攻撃を提唱するタカ派として知られており、そんな氏に大統領は「徐々にフラストレーションを募らせていた」とのこと。
この報道によりウォルツ氏の姿勢の裏にはネタニヤフ氏との協議があった可能性も出てきた。ウォルツ氏は3月のフーシ派攻撃に関する計画漏えいなどにも関わっており、これら複合的な理由があったとされている。(5/3)

 

【長崎の平和式典、今年はイスラエルも招待の意向】(Y)
長崎市は今年8月9日に開催される被爆80年の平和祈念式典にイスラエルやロシア・ベラルーシを含めた全ての国を招待する意向だと示した。去年はガザ戦闘の影響から「平穏な式典実施を」との理由で22年の露・ベラルーシに加えイスラエルが招待されなかったが、イスラエルの不参加でアメリカをはじめG7・EUの大使級がボイコットするなど波紋が広がっていた。
イスラエルメディアによるとこの方針変更の裏に、アメリカから長崎へ「昨年のような事態を繰り返さないように」との働き掛けがあったよう。この決定を受けコーヘン在日イスラエル大使は、「凶悪なテロから自らを守る国家の代表として堂々と参加するつもり」とコメントしている。(5/8)

 

【米、イスラエルとの国交正常化なしにサウジの原子力平和利用を容認へ】(Y,P,H)
来週のトランプ大統領のサウジ訪問を前にロイター紙はトランプ政権がサウジとイスラエルの国交正常化を条件とせず原子力の平和利用を認める意向と報道した。サウジとイスラエルの国交樹立への対話が始まってから、米政府はサウジの濃縮ウラン技術導入の条件に国交正常化を挙げており、前バイデン大統領も譲歩しなかったため、イスラエルでは衝撃と共に報じられている。
背景には国交正常化の条件としてサウジがイスラエルにパレスチナ国家容認の姿勢を示すことを求めていたがネタニヤフ首相が拒否。その後10/7からのガザ戦闘でサウジ国内の世論も変わり、現在国交正常化は暗礁に乗り上げている。トランプ氏はサウジ訪問で、数十億ドル規模の兵器売却に合意するとされており、同様の兵器供給も前バイデン政権は国交正常化を進めることを条件に提示・要求していた。
これらを受けて国内メディアは「本当にトランプ政権はバイデン政権よりもイスラエルにとって良いのか」と懐疑的な声が。(5/8)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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