ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【フーシ派からのミサイル攻撃、イスラエルは報復を明言】(Y,P,H)
アメリカと休戦状態にあるフーシ派がイスラエルにミサイルを発射、9日午後にテルアビブを含む海岸部からエルサレム近郊まで65kmの範囲でサイレンが発動した。
ミサイルは防空システム『アロー』に迎撃されたが、安息日前に多くの市民が海水浴や外出をしていた中のシェルター避難となり、中央部は一時騒然とした。怪我人などは出ておらず、市民たちは通常の生活に戻ったが、先週よりイスラエルへの便を欠航していた海外の航空会社は欠航延長を次々と発表している。
国防省の高官はメディアにイスラエルは米・フーシ派の休戦協定に加わっていないため、引き続きイエメンに報復の空爆を実施すると明言。別の政府関係者は「イラン関連の施設を攻撃標的とすることも視野に入れている」とイラン国外にあるイランに関する拠点への空爆を示唆している。
その後13~15日と3日連続でフーシ派からのミサイル攻撃があり、エルサレム・テルアビブを中心に100万人以上がシェルターへ避難する事態が続いている。(5/9,13-15)

 

【ハマス、人質が惨状を語る(心理的テロ)動画を公開】(Y,P,H)

現在もガザで囚われの身となっているエルカナ・ブフブットさん(35)とヨセフ・オハナさん(24)の2人の動画がハマスにより再び公開された。ブフブットさんは話すこともできずに毛布にくるまって横たわり、横の壁には自身の子供の写真が。
この動画の中ではオハナさんのみが話しており、「彼の体調・精神状態は非常に厳しく、私たちの命を危険にさらす戦争続行の知らせがあって以降、彼は自傷行為をしている」とブフブットさんの状況を説明。その後「一体どうしてこの戦争がまだ続いているのか? 国中がこの悪夢が終わることを望んでいる。戦争を止める時、(人質に残された)時間が無くなっている」と休戦・人質解放を訴えた。
ビデオの中では共に監禁されていた元人質や、空軍パイロット、ネタニヤフ夫人に向けられた言葉はあったが、ネタニヤフ首相への言葉はなかった(こういった動画では首相に対するメッセージがあるのが通例)。上記のようなブフブットさんの状態やオハナさんの言葉に関しては、ハマスからの指示による可能性が高いため「心理的テロである」との前置きをしながらも、国内メディアは人質の惨状と叫びについて報道している。(5/10)

 

【米国籍所持の21歳兵士、584日ぶりにイスラエルへ帰還】(Y,P,H)
10/7にガザ境界部の基地からハマスに拉致されていた米国系イスラエル人イダン・アレクサンダーさん(21)が解放され、584日ぶりにイスラエルに帰還し家族と再会した。
アレクサンダーさんはイスラエルで生まれたものの生後2か月の時にアメリカに移住し、兵役の年齢になったのを機に1人でイスラエルに帰還。ゴラニ旅団に入隊し、ガザ境界部で現役の陸軍兵士として配備されていた。
午後にハマスはガザ南部ハンユニスで赤十字にアレクサンダーさんを引き渡した。今までの解放時とは違い、軍服を着せられず見世物にするセレモニーも行われなかったが、彼がアメリカ人であり、イスラエルが関与しない米・ハマスの直接交渉による解放だったことが影響したと見られている。その後レイーム検問所からイスラエル領内に入り、アメリカから急遽駆け付けた両親をはじめ家族と約600日ぶりの再会を果たし、テルアビブの特別病棟へ搬送された。
メディアによるとアレクサンダーさんは付き添いの兵士や家族に兵士の人質ということで取り調べ・拷問を受けていたこと、長期間にわたり檻の中に入れられ手足を縛られていたこと(その影響もあり解放時には若干の歩行困難が見られた)、深刻な飢餓状態にあり最後の数か月間だけは(解放に向けて)食事の量が増えたことなどを話しているという。
この解放の裏にはハマス・米国の直接交渉があり、米国人人質を解放すればトランプ大統領が戦争終結を含む包括的休戦案のための交渉にイスラエルが応じるよう働き掛けるという約束がなされたもよう。それもあってか人質が解放されたこの日に、ネタニヤフ首相はウィトコフ中東特使と会談。その後ドーハへの交渉団派遣を決定しており、(ハマスに約束した)アメリカによるイスラエルに対する圧力が形になりつつある。(5/12)

 

【ハンユニスに緊急の空爆、標的はシンワル弟】(Y,P,H)
空軍がハンユニスのヨーロッパ病院の地下にあるハマス司令部に急遽、空爆を実施した。空爆直後に標的が前指導者ヤヒヤ・シンワルの弟で現ガザ・ハマストップのムハンマド・シンワルだったことが判明。軍関係者は「最終的な結果が出るまでには数日が必要」としながらも、攻撃成功の可能性について示唆している。
攻撃は地中貫通爆弾を含む約40発が使用される大規模な空爆で去年9月のヒズボラ指導者ナスララ殺害時の空爆と(両者とも地下トンネルに潜伏していたため)類似点が見られる。攻撃に関してはアメリカに事前通知する時間もなく、空爆がサウジ訪問中のトランプ大統領の演説中に行われたことからも緊急のものだったことが分かる。
シンワルをはじめハマス指導者たちが地下トンネルにいるとの情報が諜報機関からあり、その後その付近に人質が居ないことを確認。参謀総長・防衛相・首相からの許可を得て攻撃実施となったのだが、了承されてから空爆までの時間はわずか1時間ほどだったとのこと。この攻撃により7人が死亡し30人が負傷とパレスチナメディアは報道している。
シンワルは人質解放に関しては強硬派だったため、これで休戦案締結への障害が1つ消えたことに。またシンワル以外にガザには強力なリーダーと言えるテロリストが残っていないこともあり、ドーハでこの日から再開される休戦・人質解放交渉への期待感が若干高まっている。(5/13)

 

【西岸地区で銃撃テロ:胎児は無事誕生も妊娠9か月の母親が死亡】(Y,P,H)
14日夜に西岸地区の幹線道路でテロリストが車両に向かって発砲するテロが発生、妊娠9か月だったツェラ・ゲズさん(33)と夫が運転する車が銃撃を受けた。ツェラさんは妊娠9か月で、(おそらく陣痛が始まったのを受けて)病院まで車を飛ばしている途中でテロに遭った。
夫は軽傷だったもののツェラさんは銃撃を受けて重体で病院に搬送され、彼女の救命と緊急帝王切開による胎児の出産手術が行われた。2人にとっては4人目の子となる胎児は無事誕生したものの、ツェラさんは亡くなった。
防犯カメラの映像によるとテロリストは自動小銃から7~10発を夫妻の車に発射しており、直後から国防軍・シンベトによる大規模な捜索・近隣のパレスチナの村の封鎖などが行われているが、24時間経った15日夜現在テロリストは逮捕されていない。(5/14-15)

◯ 内政

【ホロコースト追悼日に曾孫の訃報に触れた96歳の生存者、亡くなる】(Y)
先月25日のホロコースト追悼日、自身が収容されていた収容所での式典に向かう途中で曾孫のガザでの戦死の知らせを受けたマグダ・バラッツさんが、先週末9日に亡くなっていたことが分かった。96歳だった。
親族の話によると曾孫アサフ・カフリさん(26)の訃報に触れた後、ベルゲン・ベルゼン収容所解放80周年の記念式典に参加したバラッツさんだったが、ドイツからイスラエルに戻った直後に体調が急変したとのこと。その後治療を受けていたが、回復することなく息を引き取った。
マグダさんは1929年にハンガリーで生まれ15歳の時にアウシュビッツ絶滅収容所、死の行進、そして行進先のベルゲン・ベルゼン収容所を家族で唯一生き延びた。その後イスラエルに帰還し結婚、その後マグダさんの子供たち3人から孫10人・曾孫17人が生まれ大家族に。「家族との収容所訪問が私のナチスへの勝利」と口にしていたマグダさんは、先月末の追悼日にその夢を叶え、家族と共に渡独していた。(5/11)

◯ 国際情勢

【トランプ大統領、サウジでアッバス議長・シリア暫定大統領と会談か】(Y,P,H)
トランプ大統領のリヤド訪問を2日前に控え、サウジのムハンマド皇太子の働き掛けにより、トランプ氏が同皇太子に加えパレスチナ自治区のアッバス議長、シリアのシャラア暫定大統領、レバノンのアウン大統領の『五者会談』を行う予定であることが報道された。
公式発表はされていないが、関係者によるとこのサミットはトランプ氏からの了承を得ているとのことで、サウジ王家の関係者はイスラエルメディアに「1武装解除したパレスチナ国家の米による承認、2長期的休戦とパレスチナ統治からのハマス排除、3イスラエルとアラブ諸国の国交正常化を含んだ包括的計画に対しトランプ氏が賛同することに楽観的」とコメント。
中東の縮図と米国の中東政策を大きく変えることになるこの会談・計画を、イスラエルメディアは「トランプ政権とのさらなる溝」といった観点から報道。先日にはトランプ氏とネタニヤフ首相の関係悪化について否定する発言が米側からあったが、この両者の溝は実際に存在し、アラブ諸国がそれを好機と捉えてイスラエル不在の場で米国に歩み寄り、米の中東政策に対して影響力を行使しようとしている、と分析している。(5/11)

 

【米サウジ間で約21兆円の武器購入協定、F-35戦闘機も売却か】(Y,P,H)
トランプ大統領とサウジ・ムハンマド皇太子が締結した総額89兆円の経済協力協定のなかに約21兆円に上る兵器購入が含まれていることが分かった。ホワイトハウス曰く「市場最大の武器売却」であり、最先端の兵器を供給し「アメリカ同盟国を軍事的に強めるというのは私たちのコミットメント」とその意図をトランプ氏は話している。
先月には別件の5000億円規模の戦闘機や空対空ミサイルなどの兵器輸出を決めており、それに続く巨大ディールに。関係者によると両国は最新鋭のステルス戦闘機F-35の売却の可能性についても協議し、中東におけるイスラエルの質的軍事的優位性についても議題に上がったもよう。
これはイスラエルが中東諸国よりも高度な米国製兵器の実戦配備を保証するという米国の中東政策の原則。F-35戦闘機は実戦配備されている戦闘機では最新型であり、中東で保有しているのはイスラエルだけということでこの優位性が保たれている。
しかしサウジが同じくF-35を保有すればこの優位性が損なわれる可能性もあり、報道を受けて野党ナショナル・ユニティ党首で元参謀総長のガンツ氏などは危惧するコメントを発表。また同日には、トランプ氏と親しい間柄のエルドアン大統領に対しても米はF-35の売却を検討しているとの報道もあり、イスラエルの防衛関係者は懸念とともにこのトランプ氏の中東での兵器売却を注視している。(5/13)

 

【シリア、イスラエルとの国交正常化に前向きな姿勢か】(Y,P,H)
サウジ滞在中のトランプ大統領がシャラア・シリア暫定大統領と歴史的な会談を行い、シリアに対してアブラハム合意に加わりイスラエルとの国交正常化を行うよう呼び掛けた。会談の数時間前にトランプ氏は、2004年より米政府が強めてきた経済制裁の解除を発表。
そんな効果もあり、サウジ・ムハンマド皇太子とトルコ・エルドアン大統領(リモート参加)という仲介役も在席するなか会談は友好的に進み、トランプ氏は会談後にシャラア氏について「若く魅力的なタフ・ガイだ」と賞賛。アブラハム合意に加わることに関しても、前向きな返答があったと話している。
イスラエルはシャラア氏を未だにイスラム過激派としており米の急接近には大きな懸念もあるが、「イスラエルにも伝えており、(この政策は)中東では評判がよい」とトランプ氏は説明。中東を大きく左右する決定がイスラエル不在のまま下されて行くこの訪問はイスラエルにとって苦いものとなっている。(5/14)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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