★イスラエル・レバノンが歴史的合意、「ヒズボラ武装解除ありき」で一致
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ー ISRAEL NOW!ー
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。) |
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【ガザで反ハマスデモ計画も、厳戒態勢で実現せず】 (Y,P)
ガザ地区では26日に「怒りの日」「6月26日の革命」と銘打ち、深刻な人道状況や現状への抗議を目的とした大規模デモが予定されていたが、ハマスが治安維持部隊による厳戒態勢を敷いたことで、デモは実現しなかった。
イスラエルメディアの取材に応じたガザ住民によると、武装したハマスのメンバーが人の集まりやすい場所に配置され、避難民が生活する区域では移動が制限されたほか、デモ参加が疑われた住民の携帯電話が没収されるなど「治安維持」を名目とした措置が取られたという。関係者は「町全体が緊張状態となり、公共の場で人が集まるだけで治安部隊が直ちに駆け付けていた」と証言している。
一方、SNSではこのデモを呼び掛けたアカウントの正体を巡ってさまざまな憶測も広がっている。呼び掛けはハマスの支配に反対するパレスチナ人による「非暴力的で平和的な運動」と説明されている一方で、一部ではイスラエル国防軍が背後で関与しているとの陰謀論も拡散されている。
(6/26-27)
【約12時間で4件の殺人事件、アラブ系市民5人が犠牲に】 (Y,P,H)
昨年、イスラエルのアラブ社会では殺人事件による犠牲者が252人と統計開始以来最多を記録したが、28日には約12時間で4件の殺人事件が発生、アラブ系市民5人が死亡した。
最初の事件は西岸地区に隣接するアラブ系の町タイベで午前0時頃に発生し、19歳の男性が自宅前で銃撃され死亡。その後もテルアビブの南でアラブ系住民も多い町ヤッホで乗用車の爆破事件が、また中央部の別のアラブ系の町で自家用車への発砲事件が相次ぎ3人が死亡した。最後の正午頃の事件はユダヤ系の町で発生し、駐車場で30歳のアラブ系男性が車両爆破で死亡した。
警察はいずれも一族間の報復や土地問題、アラブ社会内の犯罪組織同士の抗争が背景にあるとみて捜査している。イスラエルではアラブ社会における違法銃器の流通や、一族間の報復、犯罪組織による抗争が深刻な問題となっており、昨年の殺人事件による犠牲者数は人口比でユダヤ人など他の人口層の約6倍に達している。この日の最後の事件はアラブ社会の犯罪抗争による殺人事件がユダヤ人居住地域で発生した異例のケースとなった。
大手メディアは「アラブ社会の暴力がユダヤ人の町へ広がりつつある」と報じ、有効策を打ち出せていない警察やベングビル国家治安相、政府にアラブ社会内の組織犯罪対策を強化するよう求める声を強めている。
(6/28)
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【ネタニヤフ首相10/7を巡る質問でジョーク発言、遺族らから批判】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は30日、右派系テレビ局「チャンネル14」の人気番組に出演し、約40分にわたるインタビューに応じた。番組ではイランやヒズボラとの戦争、トルコとの関係、物価高、自身の裁判問題まで幅広いテーマについて語った。
この中で最も物議を醸したのが、「10/7を経験してあなた自身はどのように変わったか」との質問への回答だった。ネタニヤフ氏は「まず体重が少し減ったことだ。運動しているからね」とジョークで応じた後、「(テロ組織とイスラエル市民を隔てる)緩衝地帯は自国内ではなく敵地に設けるべきだという教訓を得た」と続けた。
しかし、10/7の責任を問われている首相によるこの発言はとりわけ政府に批判的な層から強い反発を招いている。また、10/7の犠牲者遺族も怒りの声を上げた。元人質で家族全員を失ったエリ・シャラビ氏は「恥を知るべきだ。多くの共同体が虐殺されたというのに彼はジョークを言っている。私は囚われていた491日間で首相より少し多く体重を落とした」と述べ、首相の発言を厳しく批判した。
(6/30)
【「トーラー学習」を基本法に位置付ける法案、第一読会を通過】(Y,P,H)
1日夜、国会は「基本法:トーラー学習」法案を賛成63・反対53の賛成多数で第一読会を通過させた。同法案は兵役や勤労などの社会的義務を免除され、ユダヤ教の学習に専念する超正統派を保護する内容で、彼らの学びを促進することは国家の最重要事項の一つであり、ユダヤ民族とイスラエル国家に大きく寄与すると基本法に明記するもの。
当初の法案には彼らの貢献を国防軍兵士と比較するような文言も含まれていたが、「兵士と同等の貢献」と受け取られるとして世論の強い反発を招き、この表現は削除された。
超正統派の最大の狙いはトーラー学習を基本法によって国家の基本的価値と位置付けることにある。イスラエルでは基本法が憲法に準ずる効力を持つため、トーラー学習が尊厳や自由・平等と並ぶ法的価値となれば、今後は自分たちの利権を保護する立法を進めやすくなる。
例えば最高裁はこれまで、「平等原則」を根拠に超正統派への兵役免除は違憲との判断を示してきた。しかしこの法案が成立すれば、最高裁はトーラー学習を国家の基本的価値として考慮することになる、違憲判断がこれまでより難しくなるのではと考えられている。
国会解散が迫る中、ネタニヤフ首相と超正統派政党はそれぞれの法案に協力することで合意している。リクードは兵役免除につながる法整備を後押しする一方、超正統派は10/7の調査委員会の在り方や司法府の権限を制限する法案などネタニヤフ氏が進めたい法案に賛成する構図となっている。そのため、国会会期末にこのような物議を醸す法案が相次いで審議されている。
(7/1)
【10/7から1000日の追悼式典、被害者家族が国家調査委員会設置を要求】 (Y,P,H)
2日に行われた10/7から1000日を記念する集会では追悼だけでなく、政府の責任を検証する中立的な国家調査委員会の設置を求める声が拉致被害者家族や遺族らから相次いだ。
息子マタンさんが約2年間人質となり、拉致被害者家族を代表する存在であるエイナブ・ツィンガウケルさんは「この1000日間は戦争だけでなく、失態とその隠蔽の1000日間でもあった」と厳しく指摘。ネタニヤフ首相の政治的責任を厳しく追及すべきとし、「私たちは国家調査委員会を求め続ける。失敗した者、危険を知りながら隠した者、そして(兵士や人質を)見捨てた者は責任を負わなければならない」と訴えた。
式典では犠牲者や拉致被害者の家族からこのような発言が相次ぎ、政府が進める国会主導の調査ではなく、政治的影響を受けない国家調査委員会による真相究明を求めた。
また前日の1日には、国防軍で人質問題の責任者を務めた将官級の司令官がシンポジウムで「戦争は少なくとも1年早く終結させることが可能だった。人質解放の機会も何度かあったが、政府は『完全勝利』という目標を優先し、その都度拒否した」と証言し、生存したまま拉致されたものの遺体で帰還した約40人のうち、一部は救命できた可能性があったとの認識を示した。
人質問題の実務責任者によるこの証言は人質家族や遺族がこれまで訴えてきた「政府は完全勝利を優先し、人質たちを見捨てた」との主張に一層の重みを与えるものとなった。このように、1000日という節目は追悼の日であると同時に、政府の責任を改めて問い直す日となった。
(7/1-2)
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【イスラエル・レバノンが歴史的合意、「ヒズボラ武装解除ありき」で一致】(Y,P,H)
26日、アメリカ国務省で4日間にわたり行われたイスラエル・レバノン協議が終了し、南レバノン問題を巡る歴史的な合意が発表された。
国交正常化ではないものの、合意書には双方が互いの主権を認め、将来的な国交樹立を目指して交戦状態を終結させることを共通の目標とすると明記されており、両国関係においてこれまでにない内容となった。
イスラエルで最大の成果と受け止められているのは、国防軍の南レバノン撤退がヒズボラの武装解除を条件としている点だ。2006年を含む過去の合意ではイスラエルは撤退した一方、レバノン側はヒズボラを武装解除せず、結果としてイスラエルだけが義務を果たす形となり合意が形骸化した経緯がある。
しかし今回の合意では、ヒズボラの武装解除を前提として段階的な撤退が行われることになり、レバノン政府がヒズボラ武装解除を撤退の前提として受け入れたこと自体が外交成果と評価されている。
また、もう一つの成果とされるのが対ヒズボラ戦線をイラン戦線から切り離した点だ。合意書にはイランの名は記されていないものの、「レバノン政府のみが安全保障上の決定権を有し、他者がレバノンの名の下に介入したり武力を行使したりすることを認めない」と明記されている。この文言はイランがヒズボラを通じての「レバノン防衛」という名目でレバノン情勢に介入することを拒否する内容であり、対ヒズボラ戦線とイラン戦線を切り離す重要な一歩と受け止められている。
一方で、肝心の合意の履行に懐疑的な見方も少なくない。ヒズボラは武装解除を拒否しており、駐留する国防軍を攻撃し、合意を崩そうとする可能性があると国防関係者は予測している。また国防軍がヒズボラへ大規模な報復攻撃を行った場合には、戦線が分離されたことにより影響力の低下を懸念するイランがそれを口実としてイスラエルへの「報復攻撃」を示唆または実行し、合意の履行を妨害する可能性も懸念されている。
さらに国防軍内部ではレバノン軍がヒズボラの武装解除を本気で実行するのかにも根強い不信感がある。武装解除が進まなければイスラエル軍も撤退できず、今回の合意も過去と同様に形骸化する恐れがある。そのためイスラエルメディアではこの合意を外交的成果として評価しつつも、「真価が問われるのは今後実際にヒズボラの武装解除が履行されるかどうかだ」との冷静な分析が見られている。
(6/26-27)
【政府がアルメニア虐殺を認定 背景にトルコとの関係悪化か】 (Y,P,H)
政府は28日の閣議でオスマン帝国によるアルメニア虐殺を歴史的事実として認定することを全会一致で決定した。
1915~17年に数十万~120万人のアルメニア人が虐殺されたとされる事件でイスラエル国内では長年歴史的事実として広く認識されている。しかしその一方でオスマン帝国の後継国家であるトルコと長年戦略的関係を築いてきたこともあり、政府はこれまでアルメニアからの要請をたびたび受けてきたが公式認定を避けてきた。
しかし近年、エルドアン政権が反イスラエル姿勢を強め、10/7以降はハマス支持を鮮明にしたことで外交的配慮を維持する必要性が無くなった。政府は今回の決定について歴史認識と倫理的責任を理由に挙げているものの、背景にはトルコとの関係悪化があるとの見方が強い。この決定にトルコのエルドアン大統領は「7万5千人の血がイスラエルの手に付いている」と述べ、ガザ戦争こそが虐殺だと強く反発。
またイスラエルと戦略的協力関係にありながら親トルコ路線を取るアゼルバイジャンも非難声明を発表している。またアルメニアのパシニャン首相は「虐殺を政治的な道具として利用することに興味はない」と述べ、祝福や謝意は述べなかった。イスラエルメディアもこの反応を「アルメニアからの冷ややかな反応」と伝えている。
なお、日本もトルコとの外交関係に配慮し、現在までアルメニア虐殺を公式に認定していない。
(6/28-30)
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【AIが偏見を含む「ユダヤ人像」を固定化か―イスラエル研究が示す課題】 (Y,P)
テルアビブ大学とベングリオン大学の共同研究チームはChatGPTなどの生成AIがユダヤ人の歴史的ステレオタイプを無意識のうちに反映している可能性について学術誌で発表した。
研究ではユダヤ・非ユダヤ系の名前を持つ架空人物の伝記をAIに作成させたところ、ユダヤ系の人物は知的・有能・指導力といった肯定的な性格と同時に非友好性や社会的孤立・権力・特権との結び付きも一貫して描かれた。
このような特徴の組み合わせは中世以降ヨーロッパで広まった「知的だが孤立し、社会を裏で支配する」という反ユダヤ主義的なユダヤ人像を強く連想させる。そしてこういったステレオタイプはユダヤ人迫害のためのプロパガンダとして利用されてきた。
AIが意図的に反ユダヤ的な描写を生み出しているわけではない。しかし、インターネット上の膨大な情報を統計的に学習する過程で歴史的偏見も取り込み、再生成していることが今回の研究から示された。研究者たちはこのような偏見がAIによって客観的な知識・事実であるかのような印象を与え、結果として反ユダヤ的固定観念をさらに増幅させる危険性があるのではと、警鐘を鳴らしている。
(6/29)
【10/7から1000日、各地で追悼イベント「風化させない」】 (Y,P,H)
イスラエルは2日、10/7の虐殺からちょうど1000日を迎え、各地で追悼式典や集会が開かれた。メインイベントの「人質広場」には数千人が集まり、元人質やその家族、遺族らが犠牲者への追悼や自らの体験を語った。
登壇者の一人であるロン・ブラスラブスキーさんはノバ音楽祭で拉致され約2年間人質となった。現在もカウンセリング中に意識を失いそうになることがあるなど、心的外傷と向き合う日々が続いていることを明かし、「1000日が経ったが、私にとっては永遠のようだ。PTSDとの闘いという私自身の戦争はまだ終わっていない」と語った。その上で、「10/7の出来事を生涯語り続ける。イスラエルでも世界でも、この悲劇を風化させないために戦い続ける」と決意を述べた。
また、人質広場に隣接するテルアビブ市中央図書館では「1000の記憶」と題した特別展示が開催され、犠牲となった市民や兵士の遺品、人質が解放時にハマスから渡された「囚人証明書」などが展示された。
さらに、音楽祭会場があったレイームやガザ境界付近に設置された「女性歩哨達の記念碑」でも遺族らが集まり、1分間の黙祷が捧げられた後、追悼式が行われた。
(7/2)
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[情報源略号表]
文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
P=エルサレム・ポスト https://www.jpost.com/(英語)
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
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