【イラン核開発の被害状況について、情報が錯そう】(Y,P)
12日間の交戦が終わりイスラエルはもちろん国際メディアで、この戦闘がどれだけイランの核兵器開発を遅らせることが出来たかについて報道、様々な情報・見解が飛び交っている。
トランプ大統領は「核計画を完全に破壊した」としネタニヤフ首相も同様の姿勢を示しているが、CNNの取材に対してイスラエル関係者は2年ほどと答えており、「数か月ほど」との意見も。両首脳を除いた専門家・関係者の推測を総合すると、イランの核兵器開発は半年から3年ほど後退した、というのが大方の見方になる。
これほどまでに幅があるのは、濃縮ウランなどという核開発における重要な要素はどれも地下深くの施設にあり、衛星写真だけでの判断は極めて困難なことにある。しかし多くの関係者の間では「濃縮ウランの多くは空爆前に別の場所に持ち出されていた」というのが、一致した見解になっている。
しかしこれらはすでに生成された濃縮ウランについてであり、核兵器に必要な90%に高めるための施設・技術などに関しては、それを再び得るのにはかなりの期間が必要とされている。またあるイスラエル関係者は「アメリカがイラン空爆を行った事実は、今後イランが核開発を急速に進めることを躊躇させ、ウラン濃縮への抑制となるため十分な成功」としている。
(6/27)
【ラマラ近郊で極右入植者と国防軍が衝突、基地も襲撃に】(Y,P,H)
27日夜に約40人の極右入植者がラマラ近郊のパレスチナ人集落に侵入し、集落内での暴行・破壊行為を阻止しようと出動した予備役部隊と衝突が発生した。司令官を含む複数の兵士が暴行・投石や軍用車両のタイヤがパンクさせられるなどの被害を受けたが、入植者たちは「司令官が威嚇射撃をしたことへの正当防衛」と主張している。
またその1時間半後にも約6キロ離れた幹線道路沿いで、覆面を被った極右入植者がパトロール中の軍用車両を待ち構え激しい投石を行う事件が発生。司令官が車のドアを開けて3発の威嚇射撃を行ったところ、そのうちの1発が投石者の1人である14歳の少年に当たり負傷した。この一連の出来事について、与党極右議員はユダヤ人の少年に実弾を用いたことについて国防軍を非難する一方、野党からは関与した少年たちを「テロリスト」と非難する声が。
これら過激な入植者と国防軍の衝突の事例はさらに拡大、29日深夜には100人近い極右入植者が西岸地区内の基地前に集まり、少年が銃弾を受けて負傷したことについてデモを実施した。一部は国防軍を攻撃するような過激なプラカードを掲げ、基地の敷地内に押し入り軍用車両・基地内設備に対して放火などの破壊行為を行った。
この基地への侵入・破壊行為に関しては、与党内からも一様に批判の声が上がっている。27・29日と兵士・基地への攻撃が続いたことを受け、国防軍と警察は西岸地区にある少なくとも3つの違法入植地を撤去した。そのうちの1つの違法入植地は先日の暴動を起こした若者がメンバーの入植地で、「同様の事例が起こす恐れからの安全保障的な決定」と当局は撤去の理由を説明している。
(6/28-30)
【来週月曜に米イ首脳会談、ガザ休戦も近いか】(Y,P,H)
週明けにネタニヤフ首相の渡米・首脳会談が決定し、ネタニヤフ氏は「大きな歴史的チャンスがある」と期待感を見せている。
日曜日の首相による「まずは人質解放」との発言やイスラエル・ハマス間のギャップがここ数日間埋まり始めていること、そしてトランプ氏が「ネタニヤフ氏に断固とした態度を取る。彼も終戦を望んでおり、来週にも合意が成立するだろう」との発言もあり、ガザでの休戦が近いとの期待が国内全体では高まっている。
また国内メディアはこのタイミングでの訪米の裏には、極右・超正統派からの要求による連立内の問題を先延ばしにし、連立崩壊により総選挙になった際には人質解放やアブラハム合意拡大を進めることにより、イランへの勝利と共に力強いリーダー像をアピールし選挙戦を優位に進められる、という外交上の他にも自身の政治生命上のメリットも大きいと論じている。
(7/1)
【イランとの休戦後初、フーシ派の弾道ミサイルが中央部に飛来】(Y,P,H)
イランとの交戦中にも何度か弾道ミサイルをイスラエルに対して撃ち込んでいたイエメン・フーシ派が、1日夜にイスラエル中央部に対して弾道ミサイルを発射。テルアビブ近郊からエルサレム・死海沿岸までの広い範囲でサイレンが発動し、100万人近い市民がシェルターに避難した。
またイスラエル上空も一時封鎖されたが、イスラエルの防空システムにより迎撃され怪我人はもちろん着弾も報告されなかった。南部ベエルシェバに対して28日朝にミサイル飛来があったが、中央部に対してのフーシ派による攻撃はイランとの休戦後初めて。
カッツ防衛相は「イランというヘビの頭を叩いたように、フーシ派に対しても攻撃を行う」とコメントしている。
(7/1)
【国防軍、イラン系テロ集団を南シリアで逮捕】(Y,P,H)
南シリアにあるベドウィン系の2つの村でイスラエル国防軍が2日未明に特別作戦を行い、イラン系のテロリストたちの小集団を逮捕した。この作戦は数週間前から諜報部に、「この地域にイランからの支援・指令を受けテロ活動をしている」との情報が入っており、そこから実行されたもの。
テロリストたちを逮捕した現場・拠点からは武器が見つかっており、部隊により押収されている。この作戦には南シリアに駐屯している通常の部隊だけでなく、パレスチナ領内やアラブ諸国で活動する諜報精鋭部隊である『504部隊』も参加したと報じられている。
(7/2)
【ハマス、反対勢力に「10日のうちに投降するように」と警告】(Y,P,H)
ハマス内務省は2日、裁判所を通じてハマスに抵抗する軍事組織のリーダーであるヤセル・アブ・シャバブに対して、10日間の内にハマス当局に自首するようにと勧告した。
ハマスによるとアブ・シャバブは反逆罪や外国への通報罪、武器を使用し反乱を起こした罪などの罪状に問われているとのこと。ハマス側は出頭しなければ、被疑者不在のまま裁判を進めるとしている。
アブ・シャバブはベドウィン系のガザ人で、武装・麻薬密売組織を率いた罪でハマスにより逮捕・拘留されていたが、この戦争中にあったイスラエルによる刑務所空爆を機に脱走。その後反ハマスを標榜する軍事組織『人民軍』を構成して活動、イスラエルからの軍事援助があるのではとも言われている。
この声明に対してアブ・シャバブ側は「ハマスこそイラン・ムスリム同胞団などという外国組織への通報罪で、裁きを受けるべき立場。ガザがイランの手札と化したのは、彼らのせい」と反論、出頭拒否の姿勢を見せている。
(7/2)
【60日の休戦案の内容が明らかに、来週の米イ首脳会談で合意発表か】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相の渡米が週明けに迫るなか、ハマスとの休戦・人質解放案に関する内容が明らかになって来ている。
報道によるとウィトコフ案を土台とした現状の案は60日間の休戦期間の間に、5度に渡って生存者10人と死者18人の人質解放が行われるというもの。また恒久的休戦への交渉を休戦1日目から行い、事実上の終戦をイスラエル側にも強く働き掛けているアメリカが休戦発表を行い、休戦全般の『保証人・監査役』となるという、ハマスが強く望んでいた条項が含まれている。
イスラエル側は同案をすでに受け入れており、ハマス側は検討中としながらもアラブメディアは関係者のコメントなどから「ハマスも首を縦に振った」と報道。トランプ大統領は米イ首脳会談を休戦合意の宣言のための場にもしたいと考えており、そうなると来週月曜日が発表日になる。
しかし解放される人質の決定権はどちらにあるのかや、どのようなテロリストが何人解放されるのか、そしてイスラエルが恒久的休戦とガザ内に設置した戦略的回廊からの撤退を飲むかなど、最後まで争点に関する議論が難航する可能性も排除されていない。
(7/3) |