ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【イラン核開発の被害状況について、情報が錯そう】(Y,P)
12日間の交戦が終わりイスラエルはもちろん国際メディアで、この戦闘がどれだけイランの核兵器開発を遅らせることが出来たかについて報道、様々な情報・見解が飛び交っている。
トランプ大統領は「核計画を完全に破壊した」としネタニヤフ首相も同様の姿勢を示しているが、CNNの取材に対してイスラエル関係者は2年ほどと答えており、「数か月ほど」との意見も。両首脳を除いた専門家・関係者の推測を総合すると、イランの核兵器開発は半年から3年ほど後退した、というのが大方の見方になる。
これほどまでに幅があるのは、濃縮ウランなどという核開発における重要な要素はどれも地下深くの施設にあり、衛星写真だけでの判断は極めて困難なことにある。しかし多くの関係者の間では「濃縮ウランの多くは空爆前に別の場所に持ち出されていた」というのが、一致した見解になっている。
しかしこれらはすでに生成された濃縮ウランについてであり、核兵器に必要な90%に高めるための施設・技術などに関しては、それを再び得るのにはかなりの期間が必要とされている。またあるイスラエル関係者は「アメリカがイラン空爆を行った事実は、今後イランが核開発を急速に進めることを躊躇させ、ウラン濃縮への抑制となるため十分な成功」としている。
(6/27)

 

【ラマラ近郊で極右入植者と国防軍が衝突、基地も襲撃に】(Y,P,H)
27日夜に約40人の極右入植者がラマラ近郊のパレスチナ人集落に侵入し、集落内での暴行・破壊行為を阻止しようと出動した予備役部隊と衝突が発生した。司令官を含む複数の兵士が暴行・投石や軍用車両のタイヤがパンクさせられるなどの被害を受けたが、入植者たちは「司令官が威嚇射撃をしたことへの正当防衛」と主張している。
またその1時間半後にも約6キロ離れた幹線道路沿いで、覆面を被った極右入植者がパトロール中の軍用車両を待ち構え激しい投石を行う事件が発生。司令官が車のドアを開けて3発の威嚇射撃を行ったところ、そのうちの1発が投石者の1人である14歳の少年に当たり負傷した。この一連の出来事について、与党極右議員はユダヤ人の少年に実弾を用いたことについて国防軍を非難する一方、野党からは関与した少年たちを「テロリスト」と非難する声が。
これら過激な入植者と国防軍の衝突の事例はさらに拡大、29日深夜には100人近い極右入植者が西岸地区内の基地前に集まり、少年が銃弾を受けて負傷したことについてデモを実施した。一部は国防軍を攻撃するような過激なプラカードを掲げ、基地の敷地内に押し入り軍用車両・基地内設備に対して放火などの破壊行為を行った。
この基地への侵入・破壊行為に関しては、与党内からも一様に批判の声が上がっている。27・29日と兵士・基地への攻撃が続いたことを受け、国防軍と警察は西岸地区にある少なくとも3つの違法入植地を撤去した。そのうちの1つの違法入植地は先日の暴動を起こした若者がメンバーの入植地で、「同様の事例が起こす恐れからの安全保障的な決定」と当局は撤去の理由を説明している。
(6/28-30)

 

【来週月曜に米イ首脳会談、ガザ休戦も近いか】(Y,P,H)
週明けにネタニヤフ首相の渡米・首脳会談が決定し、ネタニヤフ氏は「大きな歴史的チャンスがある」と期待感を見せている。
日曜日の首相による「まずは人質解放」との発言やイスラエル・ハマス間のギャップがここ数日間埋まり始めていること、そしてトランプ氏が「ネタニヤフ氏に断固とした態度を取る。彼も終戦を望んでおり、来週にも合意が成立するだろう」との発言もあり、ガザでの休戦が近いとの期待が国内全体では高まっている。
また国内メディアはこのタイミングでの訪米の裏には、極右・超正統派からの要求による連立内の問題を先延ばしにし、連立崩壊により総選挙になった際には人質解放やアブラハム合意拡大を進めることにより、イランへの勝利と共に力強いリーダー像をアピールし選挙戦を優位に進められる、という外交上の他にも自身の政治生命上のメリットも大きいと論じている。
(7/1)

 

【イランとの休戦後初、フーシ派の弾道ミサイルが中央部に飛来】(Y,P,H)
イランとの交戦中にも何度か弾道ミサイルをイスラエルに対して撃ち込んでいたイエメン・フーシ派が、1日夜にイスラエル中央部に対して弾道ミサイルを発射。テルアビブ近郊からエルサレム・死海沿岸までの広い範囲でサイレンが発動し、100万人近い市民がシェルターに避難した。
またイスラエル上空も一時封鎖されたが、イスラエルの防空システムにより迎撃され怪我人はもちろん着弾も報告されなかった。南部ベエルシェバに対して28日朝にミサイル飛来があったが、中央部に対してのフーシ派による攻撃はイランとの休戦後初めて。
カッツ防衛相は「イランというヘビの頭を叩いたように、フーシ派に対しても攻撃を行う」とコメントしている。
(7/1)

 

【国防軍、イラン系テロ集団を南シリアで逮捕】(Y,P,H)
南シリアにあるベドウィン系の2つの村でイスラエル国防軍が2日未明に特別作戦を行い、イラン系のテロリストたちの小集団を逮捕した。この作戦は数週間前から諜報部に、「この地域にイランからの支援・指令を受けテロ活動をしている」との情報が入っており、そこから実行されたもの。
テロリストたちを逮捕した現場・拠点からは武器が見つかっており、部隊により押収されている。この作戦には南シリアに駐屯している通常の部隊だけでなく、パレスチナ領内やアラブ諸国で活動する諜報精鋭部隊である『504部隊』も参加したと報じられている。
(7/2)

 

【ハマス、反対勢力に「10日のうちに投降するように」と警告】(Y,P,H)
ハマス内務省は2日、裁判所を通じてハマスに抵抗する軍事組織のリーダーであるヤセル・アブ・シャバブに対して、10日間の内にハマス当局に自首するようにと勧告した。
ハマスによるとアブ・シャバブは反逆罪や外国への通報罪、武器を使用し反乱を起こした罪などの罪状に問われているとのこと。ハマス側は出頭しなければ、被疑者不在のまま裁判を進めるとしている。
アブ・シャバブはベドウィン系のガザ人で、武装・麻薬密売組織を率いた罪でハマスにより逮捕・拘留されていたが、この戦争中にあったイスラエルによる刑務所空爆を機に脱走。その後反ハマスを標榜する軍事組織『人民軍』を構成して活動、イスラエルからの軍事援助があるのではとも言われている。
この声明に対してアブ・シャバブ側は「ハマスこそイラン・ムスリム同胞団などという外国組織への通報罪で、裁きを受けるべき立場。ガザがイランの手札と化したのは、彼らのせい」と反論、出頭拒否の姿勢を見せている。
(7/2)

 

【60日の休戦案の内容が明らかに、来週の米イ首脳会談で合意発表か】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相の渡米が週明けに迫るなか、ハマスとの休戦・人質解放案に関する内容が明らかになって来ている。
報道によるとウィトコフ案を土台とした現状の案は60日間の休戦期間の間に、5度に渡って生存者10人と死者18人の人質解放が行われるというもの。また恒久的休戦への交渉を休戦1日目から行い、事実上の終戦をイスラエル側にも強く働き掛けているアメリカが休戦発表を行い、休戦全般の『保証人・監査役』となるという、ハマスが強く望んでいた条項が含まれている。
イスラエル側は同案をすでに受け入れており、ハマス側は検討中としながらもアラブメディアは関係者のコメントなどから「ハマスも首を縦に振った」と報道。トランプ大統領は米イ首脳会談を休戦合意の宣言のための場にもしたいと考えており、そうなると来週月曜日が発表日になる。
しかし解放される人質の決定権はどちらにあるのかや、どのようなテロリストが何人解放されるのか、そしてイスラエルが恒久的休戦とガザ内に設置した戦略的回廊からの撤退を飲むかなど、最後まで争点に関する議論が難航する可能性も排除されていない。
(7/3)

◯ 内政

【トランプの「来週にもガザ休戦」発言にイスラエルは困惑】(Y,P,H)
イランとの戦闘を終え、イスラエルが中東全体を包括する『合意』に向けて動いているとの報道があるなか、28日未明にトランプ大統領が「来週にでもガザ休戦が行われると思う」と発言。カイロでの休戦交渉に交渉団を派遣していないイスラエル国内では、トランプ氏の発言に困惑している。交渉にも関わる複数の高官は、「トランプの楽観的推測にどんな根拠があるか分からない」と国内メディアに明かし、ハマス・ネタニヤフ首相共に従来の姿勢を崩しておらず、交渉での前進・糸口は見えていないとしている。同関係者によるとトランプ氏の発言は、イランでの軍事的成功を外交的な成果に繋げたいとの願いに基づいたもので、確固たる根拠はないのではとのこと。
(6/28-9)

 

【ネタニヤフ首相の審問、外交・国防上の理由で1週間延期に】(Y,P,H)
国防・外交上的に重要な時期との理由で自身の汚職事件の裁判について、法廷証言の2週間中止を要請していたネタニヤフ首相。しかしエルサレム地裁が要請を却下したことを受けて、自ら裁判所にモサド長官と軍参謀本部諜報局長を引き連れ出向き、裁判官たちに事情説明を行った。
諜報部トップからの説明を受け、裁判所は今週予定されていた審問(30日・7月2日)については中止するとの決定を下した。裁判官たちには高度な機密情報が提示され、関係者によるとアメリカ・イランによる(核開発に関する)交渉やウィトコフ休戦案や人質解放に向けての発展の可能性などが提示され、裁判所は証言の延期を正当な理由と認めたもよう。
来週の法廷証言については現状では実施されることになっているが、ネタニヤフ氏側は来週分の中止についても再び要請する意志を示している。
(6/29)

 

【ネタニヤフ夫妻、10/7以降初めてニルオズのキブツを訪問】(Y,P,H)
人口の1/3が殺害または拉致されるなど10/7の虐殺で最も大きな被害を受けたニルオズのキブツを、ネタニヤフ夫妻が636日を経て初めて訪問した。
キブツはネタニヤフ氏に対して何度も訪問と被害者やその家族との面会を要請、去年末にあった記者会見ではニルオズ訪問を約束していたが、10/7の象徴とも言えるこのキブツ訪問を避けるような状態が1年半以上も続いていた。夫妻は被害者とその家族数人と面会し、そのなかには息子マタンさんが未だに拉致されており、被害者家族を代表する存在となっている母エイナブ・ツィンガウケルさんも。
ネタニヤフ氏はエイナブさんに対して「雌のライオン(のように強い女性)」と賞賛した。またキブツ視察の中で家族に対して「現状の休戦案に私たちは同意しており、ハマスの回答待ち。近く発表されると願っている」と語り、自身が来週渡米し首脳会談を行う場で休戦・人質解放の発表がある可能性を暗示した。
(7/3)

◯ 国際情勢

【ノバ音楽祭に関するドキュメンタリー映画がエミー賞受賞】(Y,P)
10/7に起こったノバ音楽祭での虐殺を記録した『We Will Dance Again』が、エミー賞のニュース&ドキュメンタリー部門を受賞した。同作品は虐殺の生存者の証言やテロリストのボディーカメラの映像などを収めたもので、ヤリブ・モゼル監督は人質解放を訴える黄色のリボンを付けた姿で関係者や2人の生存者と共に登壇、同賞を受け取った。
モゼル氏は「この賞をまずは、まだガザで囚われの身にある人質の即時解放・安全な帰還のために捧げたい。この戦争は終わらなければならない」とスピーチし、休戦・人質解放を求める声を上げた。
(6/27)

 

【アブラハム合意への『加入』に近いのは隣国シリアか】(Y,P,H)
トランプ大統領が米TVの取材に応え、「アブラハム合意に加わる準備がある国が複数ある」と発言。イスラエルのサアル外相もレバノンとシリアを挙げつつ、「アブラハム合意を拡大させていきたい」との意欲を示している。
イスラエル・メディアでアブラハム合意に加わる第一候補として挙げられているのは、シャラア暫定大統領のシリア。現状では国交正常化という意味のアブラハム合意への加入ではなく、安全保障上の協定締結というのが現実路線とされている。
しかしイスラエル・シリアはここ最近かなりの頻度で直接協議を行っており、関係者は「シリアにとってハマス・イスラム聖戦・ヒズボラ・イランは敵であり、国防に関する利害は一致している。条約締結のための要求は国防軍の南シリアからの撤退で、ゴラン高原に対しては全く議題に出ていない」と、水面下ではかなり話が進んでいると語っている。
9月にある国連総会でシャラア氏は演説する予定で、シリア関係者は総会内でのネタニヤフ首相との面会について「可能性は否定しない」としている。
(6/29-30)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、シオンとの架け橋からのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。
本メールは sorami@zion-jpn.or.jp よりsorami@zion-jpn.or.jp 宛に送信しております。
シオンとの架け橋、京都府


配信停止 | 登録情報更新 | 迷惑メールと報告する