【イスラエル政界「最大の友」リンゼー・グラハム氏死去】(Y,P,H)
米共和党の重鎮リンゼー・グラハム上院議員が11日に71歳で死去した。トランプ大統領に近い存在として知られ、イスラエルやウクライナへの支援を一貫して訴え、今回のイラン戦争でも政権打倒を含む強硬論を展開するなど、グラハム氏はイスラエルの安全保障観に極めて近い立場を取ってきた。
そのためイスラエルではネタニヤフ首相ら与党だけでなく、ラピード野党議長やベネット元首相ら野党指導者からも「イスラエルは最大の友を失った」といった追悼の言葉が相次いだ。
グラハム氏はイスラエルの安全保障をアメリカの中東政策における最重要課題の一つと位置付け、首相や大統領に加え、国防首脳ともたびたび会談を重ねてきた。2023年10月以降、アメリカ国内でイスラエル支持が低下するなかでも連帯を示すためイスラエルを訪問し、人質家族とも面会。
訪問のたびに「イスラエルにはテロ組織を壊滅させる権利だけでなく、義務がある」と述べ、ハマスやヒズボラ、そしてそれらを支援するイランの脅威を排除することが中東の安定には不可欠だと訴え続けてきた。
共和党内でも代表的な親イスラエル派を失ったことで、イスラエルでは今後、共和党内でイスラエル支持が弱まるのではないかとの懸念も広がっている。
(7/12)
【豪医療機関で反ユダヤ差別が常態化、有力紙が実態を調査】(Y)
オーストラリアの有力紙が医療従事者への取材を行った結果、国内の医療機関で反ユダヤ的な差別が日常的に起きている実態が明らかになった。
静脈注射で意図的に何度も針を刺したり、分娩前後の妊婦に鎮痛剤を投与しなかったり、ホロコーストや10/7を否定する発言を繰り返すスタッフの存在などが報告された。こうした状況は現地ユダヤ人社会では周知の問題となっており、多くのユダヤ人は差別を恐れて自身の素性を明かさないようにしている。
複数の証言ではこうした行為はイスラム教徒の看護師によるケースが目立ち、病院の規定回数を超える穿刺や帝王切開後の女性が鎮痛剤も処置も受けられず出血したまま放置されていた例も報告されている。
また、ユダヤ人の医療従事者や医学生も同僚や学友から暴言やいじめ、疎外を受けた経験があると回答した。しかし、将来への影響を恐れ、大学や病院へ訴えることなく泣き寝入りしているという。
オーストラリアでは昨年2月、シドニーの病院勤務の看護師がビデオチャットでイスラエル人に反ユダヤ的暴言を浴びせた事件が大きな問題となった。今回の調査はその事件が例外ではなく、医療現場に反ユダヤ的風潮が広く存在する可能性を示すものとして受け止められている。
(7/12)
【米イラン空爆再開で給油機受け入れに摩擦、米軍がイスラエルへ抗議】(Y,P,H)
アメリカがイランへの空爆を再開する中、交通省は14日ベングリオン国際空港での米軍給油機の受け入れについて合意済みの1日20機を超える運用は認めない方針を発表した。夏の旅行シーズン中に米軍機の利用が増えれば、約5万人に影響が及ぶとの懸念によるものだが、米軍はイスラエル軍へ抗議している。
現在、ベングリオン空港には33機の米軍給油機が待機している。停戦後は空軍基地へ移すことで両国は合意していたが、アメリカが先週からイラン空爆を再開したため、利便性の高い同空港を引き続き使用。
民間空港であることから交通省は受け入れ制限を表明したが、これにアメリカ中央軍はイスラエル軍へ直接抗議。軍関係者は「アメリカ側は激しく怒っている」と明かしている。別の軍関係者は、「平時なら交通省の判断は理解できるが、米軍給油機は対イラン作戦に不可欠であり、必要な環境を提供すべき」と理解を示している。
翌15日、交通省は来週火曜日までに待機機数を20機まで減らし、それ以上は空軍基地を使用すると発表し、「ベングリオン空港を巡る問題は収束した」とコメントした。一方、防衛省は交通省の発表は最終決定ではないとし、最終判断はネタニヤフ首相が下すとしている。
(7/14-15)
【英国国教会、親パレスチナ神学文書への関与を決議】(Y,P)
英国国教会は13日の教会総会でパレスチナ人クリスチャン指導者らが執筆した「ジェノサイド時代における信仰」など、政治的主張が極めて強い神学文書について、「パレスチナ人クリスチャンの生きた経験からの心のこもった表現」と位置付け、教職者・信徒を問わず教会全体でこれらの文書に触れ、関わりを持つことを求める決議を賛成多数で可決した。
これらの文書は2023年以降のイスラエル軍のガザでの軍事作戦を「ジェノサイド」と位置付け、10/7の虐殺についてもハマスの責任には言及せず、イスラエル建国以降の政策やガザ封鎖の結果だと主張している。イスラエルへのボイコットや経済制裁を呼び掛けるほか、クリスチャン・シオニズムを「人種差別・植民地主義・民族的優越主義から生まれたもの」と批判している。
このような内容から審議の際には慎重論も出され、カンタベリー大主教は「耳を傾けることは全てに同意することを意味しない」と説明。神学的拘束力をより伴う「受け取る」との表現を「耳を傾ける」などに修正した上で採決が行われ、司教では全会一致、全体でも圧倒的多数の賛成で決議は可決された。
文書がミサや祭儀で使用される予定は現時点ではなく、主に教職者教育などで活用される見通しだが、「教会の全てのレベルで」との明記があることから信徒向け勉強会などでも扱われる可能性がある。イスラエルのメディアからは英国で反ユダヤ主義を助長・正当化する結果になりかねないとの懸念も示されている。
(7/13-15)