ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【イスラエルは大きな譲歩もハマスは譲らず、不信感が】(Y,P)
休戦・人質解放交渉の大きな争点となっている、モラグ回廊を含むガザ南端部についてイスラエルはこれまでの姿勢を軟化させ同回廊からの撤退を飲んだが、ハマスが全く譲歩せずにかえって新たな要求を突き付けていると報道された。関係者によるとイスラエルのみが譲歩しハマスは遅延行為を繰り返しており、「交渉に対する真剣さに疑いを持たざるを得ない」と話している。
モラグ回廊についての問題が解消したのでイスラエル側としては、計28人(生存者10/死亡者18人)の解放される人質の代価としてどれだけの数/重罪のテロリストたちを釈放するのか、そして具体的に釈放される主要人物に対しての交渉に進むことを求めているが、ハマスはそれを拒否しておりイスラエルでは不信感が高まっている。
しかしそれとは対照的にトランプ大統領やその他仲介国関係者からは楽観的なコメント。現状ではウィトコフ中東特使が交渉場所のドーハに向かうこと=交渉の大詰めであるため、特使がドーハに居ない間は大きな進展がないというのが専門家の見解。
(7/18)

 

【シリア南部で戦闘再開、シリア軍がスワイダーへ戻る】(Y,P,H)
16日に報道された休戦合意とシリア軍のスワイダー撤退、そして18日深夜には米シリア特使が「イスラエル・シリア間での休戦合意が成立した」と発表したが、スワイダーでのドゥルーズ派・ベドウィン間の衝突が再発した。この事態を受けてシリア政府はイスラエルの承認を得て、撤退していた軍の一部を同地に引き返させ休戦維持に努めているが、激しい軍事衝突が続いている。
シャラア大統領は、「ドゥルーズ派によるベドウィンに対する報復行為により休戦が崩壊した」とドゥルーズ派を非難。しかしベドウィンによるドゥルーズ派への拉致や虐待・(男性の髭を剃るなどの)屈辱行為などの様子も再びスワイダーでは見られている。
シリア南部での戦闘再開を受けてイスラエル国内では同胞のドゥルーズ派が再びシリア国境部に集結、約2000人のドゥルーズ系イスラエル人がスワイダーに向かい、同胞と共に戦うという参戦の意志を表明している。この中にはイスラエル軍や警察などの兵士なども含まれており、イスラエルは国内の同派指導者に対して自重を要請している。
(7/19)

 

【ハマスの姿勢にイスラエルだけでなく、仲介国たちも怒り】(Y,P,H)
ガザ最南端のラファとハンユニスを隔てるモラグ回廊からの撤退を飲むなど、イスラエルが大きな譲歩を重ねている一方で休戦案に首を縦に振らないハマスにイスラエルだけでなくアメリカやカタールそしてエジプトなども苛立ちを募らせ、ハマスに圧力を掛けている。
イスラエルによる譲歩などが盛り込まれた最新の休戦・人質解放案が、ハマスに送付されてから早1週間が経とうとしており、交渉関係者によると「ハマスからの同意があれば大枠の合意は1日でまとまる」といった状況のよう。
そんななか明確な返答をしないハマスにアメリカは早期回答を要求、カタール・エジプトというハマス側の仲介国たちも圧力を掛けている。報道によると交渉役となっているハマス海外部は同案を受け入れる態度を示しているが、ガザ指導部からの回答があるまでハマスとして回答はできないとしている。
23日にはハマスがカタール・エジプトに回答したようだが、両国はその内容に激怒。2か国はハマスに「より適切な回答を持って戻ってくるように」と警告し、イスラエル側にハマスの回答を送ることなく、修正を要求して突き返した。報道によるとハマスはイスラエルの譲歩に乗じて、さらなるイスラエル軍の撤退やより多くの(終身刑受刑者を含む)テロリスト釈放、ラファ検問所の解放やGHFによる人道支援の新システムの全廃などを求めるなど、関係者曰く「イスラエルはもちろんどの仲介国すら満足できない回答をしてきた」とのこと。
(7/20-23)

 

【空軍がホデイダ港を空爆、翌朝には弾道ミサイルが飛来】(Y,P,H)
21日昼にイスラエル軍はフーシ派が実効支配しているイエメン西部のホデイダ港に空爆を行った。軍報道官によると標的となったのは港の再軍備化のために使用されていた設備や燃料タンク・船舶などとのこと。
15年以降ホデイダ港はフーシ派の主要な港として機能し、イランからの武器補給の要所となっていたことからイスラエル軍は同港を何度も空爆している。フーシ派への空爆は約2週間ぶりでカッツ防衛相も、「イエメンとテヘランへの対処は同様―テロ拠点の再構築には力を持って対応する」と声明を発表した。
翌朝22日にはフーシ派がイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射、6時前に中央部を中心にサイレンが鳴り100万人以上がシェルターに避難した。7月に入ってからは8度目の、ミサイル飛来に。
(7/21-22)

 

【人質が居る可能性のあるガザ中部で、地上作戦が開始】(Y,P,H)
21日の午後、ガザ中部にあるデイル・アル=バラフでイスラエル軍が地上作戦を開始した。軍は正式な発表をしていないが前日のアラビア語報道官の避難勧告に続き、関係者やガザ内から作戦開始の情報が入り戦車を含む地上部隊が南から町に入ったとのこと。
同地区はハマスが実効支配している数少ない場所でハマス最後の砦だが、人質が監禁されているとの可能性もあり今まで地上作戦はほとんどされてこなかった。軍関係者が「ハマスは大きなプレッシャーを感じている」と話していることから、今回の作戦は今月初めから大きな話題となっていた『人道都市』と同様、ハマスが現状の休戦案を飲むための圧力の手段とされている。
しかしこの作戦により人質に危害が加わる可能性は否定できないため、被害者家族からは「自覚しているのに人質たちを危険にさらす者(政府・軍トップ)を、イスラエルの民は許さない」と、混乱・不安と共に怒りの声明を発表している。
(7/21-22)

 

【イスラム聖戦、男性人質との音信が途絶えたと主張】(Y,P,H)
10/7にノバ音楽祭から拉致され、現在生存されているとされる男性人質ロム・ブレスラブスキーさん(21)について、4月を最後にブレスラブスキーさんと彼を監視・監禁しているメンバーとの音信が途絶えたと、イスラム聖戦が発表した。
聖戦は「現時点で安否は分からない」としているが、過去にガザ内のテロ組織は人質の安否や状態について誤情報を発表するなどの『心理的テロ』を行っていることもあり、イスラエル内では注意書きと共に報道されている。
しかし家族は「国防軍もイスラム聖戦も、誰もロムがどこに・どんな状態なのかを把握していない。首相や軍トップは私たちの質問にも答えようとしない」と、悲しみと怒りのコメントを発表。首相たちとの面会を求めている。
(7/22-23)

 

【ガザは飢餓状態なのかー ナラティブの戦いが激化】(Y,P,H)
休戦交渉がハマスによって停滞するなか、ガザの人道状況に関するナラティブの戦いが激しさを増している。
国連安保理がガザ内の人道・飢餓状況に関してイスラエルを批判し、海外の大手メディアはガザ内の特に子供たちがやせ細っている状況を画像などと共に報じる一方、イスラエルは軍報道官が中心となり「十分な物資を搬入しており、ガザ内では1000台規模のトラックが国連による配給を待っている状態」と主張、国際社会がハマスによる『飢餓ナラティブ』に加担していると反論している。
23日には軍アラビア語報道官が地下トンネルの中で、ハマスのテロリストたちが豪華な食事をしている映像を公開、ハマスが主張する飢餓状態はハマスによって人為的に作り出されたものだと批判している。
(7/23-24)

◯ 内政

【急造の委員会、全会一致で検事総長の罷免推薦を決定】(Y,P,H)
シクリ離散相を議長としミアラ検事総長の更迭に関する議論のために立ち上げられた、閣僚による特別委員会が議論・採決を行い同検事総長の更迭を推薦することを全会一致で可決した。これにより来週行われる閣議で75%以上が賛成すれば解任が可能であり、政府がミアラ検事総長を罷免することは既定路線に。
この特別委員会は本来検事総長の選任・解任などを担当する(最高裁判事など法律専門家からなる)諮問委員会を通さずに解任を進めるために、レビン法相の指示により設置された『急造の委員会』。ミアラ氏は通例の諮問委員会を介さない動きを「違法」であるとし、最高裁に対して介入を求めている。
レビン法相は司法改革の急先鋒で、機密文書やカタールゲート問題で首相やベングビル国家治安相の側近への捜査・起訴に深く関与している、ミアラ検事総長の更迭を長く望んでおり司法改革の『大きな前進』を意味する。
しかし首相や首相・閣僚の側近たちが司法府による取り調べ対象となっている中での罷免は、利益相反になる可能性も高く最高裁は「司法審査が必要であり政府が罷免決定を下しても、即刻の解任はない」とコメントしている。
(7/20)

 

【11年間ガザに居た人質、5か月間の治療の末ついに退院】(Y,P,H)
2014年にガザに迷い込んだ後ハマスによって拉致され、今年2月の2度目の休戦期間中に解放されたアベラ・メンギストさん(38)が5か月間の治療を終えてテルアビブのイヒロブ病院から退院した。
10/7に拉致された人質は1~2週間程度で退院するのが一般的だが、メンギストさんは10年以上による監禁を体験したことに加えて精神疾患を患っていることもあり、精神科などもリハビリに加わり5か月間入院していた。
メンギストさんは「感動している」と退院時に語ったそうで、家族は「アベラがイスラエルで自由の身となり、新しいスタートを切る―少し前までは夢だったことが現実になった。全ての人質解放のために祈り続ける」と、喜びと残された人質解放を望むコメントを発表している。
(7/22)

 

【極右閣僚、ガザに関して再び問題発言】(Y,P,H)
極右「ユダヤの力」のアミハイ・エリヤフ遺産担当相が宗教派向けの全国ラジオ番組に出演し、ガザの完全破壊と民族浄化を示唆する問題発言を行った。
エリヤフ氏は「ガザ消滅のため、政府は邁進している。ガザの悪を根絶しつつあることを神に感謝すべきで、ガザ全域はユダヤ人のものとなるだろう」と発言。同相は過激な思想・発言で知られており10/7直後にはガザへの核兵器使用を考えるべきとの発言をし、国内だけでなく国際的な批判を浴びていた。
今回の発言に対しても野党からだけでなく、在米大使もこの発言を「馬鹿げたもので正しくなく、政府の方針を反映するものではない」と批判。ネタニヤフ首相も「同相は戦争の決定権を有する内閣の一員ではない」と、英語でコメントしている。
(7/24)

◯ 国際情勢

【フランス、9月の国連総会でパレスチナ国家承認へ】(Y,P,H)
フランスのマクロン大統領が自身のXアカウントを通じて、パレスチナ国家を承認すると発表した。「正しく持続的な平和への歴史的コミットメントと共に、フランスはパレスチナ国家を承認することを決定した」と語ったマクロン氏。
その投稿にはパレスチナ自治政府アッバス議長に送付された書簡が添付されており、9月の国連総会の場で「祝賀宣言を行う」としている。これを受けて自治政府からは祝福の声が、その反面イスラエル側からは与野党問わずに反発の声が上がっている。
現段階までで143か国がパレスチナ国家を正式に承認しており、今年5月にはノルウェー・アイルランド・スペインなども承認。一方的なパレスチナ国家承認の流れが欧州にも波及していた。またこれは、G7メンバー国としては初のパレスチナ国家の承認例となる。
(7/24)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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