ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【英国系の元人質「目覚めたら指が2本無くなっていた…」】(Y,P,H)
イギリス系イスラエル人の元人質エミリー・ダマリさん(29)が、英デイリー・メール紙の取材に応えて471日にもわたる拉致期間について語った。ダマリさんは親しい2人の友人と共に自宅のあるクファル・ガザから拉致されたのだが、「拉致されるのであれば死ぬ方がましだ」と思いテロリストの武器を自身の頭に向け、「撃って」と懇願。また監禁中には2m四方の檻の中に最大6人が収容されるという非人道的状態を経験、ガザ到着直後には『ドクター・ハマス』と名乗る医師によって全身麻酔を掛けられて目覚めた時には(襲撃により負傷していた)2本の指を失っていたことなどを証言した。また拉致期間中には自身の性的指向について判明することを最も恐れていたようで、「レズビアンであることはユダヤ人であることよりも危険。(知られていたら)殺されていた」と当時の恐怖を語った。また取材の中でネタニヤフ首相・トランプ大統領に対して、「私のように残りの50人も助けなければならない」と早期休戦・人質解放を呼び掛けている。
(7/25)
 
【ガザの飢餓問題を受け、国防軍が支援物資の搬入量を拡大】(Y,P,H)
ガザでの飢餓状態に関する国際的な議論とイスラエルに対する非難が高まっているのを受け、イスラエル軍は26日に小麦粉・砂糖や保存食品を入れたコンテナ7個を空から投下した。空中投下による人道支援は米仏やヨルダン・エジプトなどにより行われてきているが、イスラエルが直接物資投下をするのは初めての例。またイスラエル軍はガザ南部にある海水淡水化施設に対して電力の供給を再開、これにより約90万人に対して生活用水が提供できるようになったとしている。国防軍は発表の中で「ガザにおいて飢餓状態はなく、住民への食糧配給の責任は本来国連と国際支援団体にある。ハマスに物資が渡ることなく、より効果的な配給を行うための改善を国際団体は求められている」と、飢餓状態を否定し国連などに対して適切に対処するよう求めている。そして翌27日には物資搬入量を増やすことを目的に、ガザ市など3か所で1日に10時間の『人道的戦闘休止』を行うと発表している。
またこの日にはイスラエルに続いてヨルダンとUAEによる支援物資の空中投下が行われたが、投下されたパッケージが闇市で取引され肉入りの缶詰に8000円以上の値がついていた様子などが現地からの発信により分かっている。
(7/26-27)
 
【ハマスが休戦交渉に対して柔軟性を見せる意思を表明】(Y,P,H)
サウジメディアが休戦交渉に関わるハマスの関係者からのコメントを引用し、ハマスの反対により休戦合意のための障害となっていた点に関して「柔軟性を見せることが正しいとの意思を示した」と報じた。先週末までハマスは休戦交渉に対して強硬な立場を崩しておらず、(大きな譲歩をしている)イスラエルだけでなくアメリカ・カタール・エジプトといった仲介国からも大きな批判を浴びていた。この報道によると国際社会からの圧力が適切に働けば、今週中にも暗礁に乗り上げていた交渉が再開するとの見通し。これについてイスラエルメディアは、国際社会によるガザ飢餓問題への批判からイスラエルが人道支援を拡大した直後にハマスのスタンスに変化があったとし、これらの因果関係を示唆している。
(7/27)
 
【ヘブロン近郊での入植者との衝突で、パレスチナ人活動家が死亡】(Y,P,H)
西岸地区ヘブロン近郊で28日に、建設工事を行っていた入植者の男性イノン・レビと近くにあるパレスチナの村ウム・アル=ハイルの住民たちの間で衝突があり、レビ容疑者の発砲によりパレスチナ人活動家のアウダ・ハダリーンさん(31)が死亡した。このレビ容疑者は、前バイデン政権が極右活動家に対して課していた制裁措置の対象者の1人で、入植拡大やパレスチナ人との衝突などに多く関与していた人物でもある。警察と軍はレビ容疑者の他に衝突に関与した疑いでパレスチナ人4人と外国人2人を逮捕し、取り調べの中でレビ容疑者は「数十人からの投石を受けての発砲」と供述。映像を見ると数十人規模ではないが、容疑者や乗っていた車・重機に対してはパレスチナ人たちが投石している様子が写っている。
ハダリーンさんは今年のアカデミー・ドキュメンタリー賞を受賞した「ノー・アザー・ランド」にも出演・協力していた活動家で、イスラエル側の文化人とも交友があったため彼の死を悼む声がイスラエル内からも上がっている。
(7/29)
 
【ネタニヤフ首相、極右の連立離脱阻止のためガザからの移住を進めるか】(Y)
現状では人質解放を伴う休戦合意を最優先事項としているネタニヤフ首相だが、ハマスが交渉のテーブルに戻ることを拒否し続けていることを受け、この交渉が決裂した際には極右のベングビル国家治安相が提唱している「希望者に対する(強制ではない)ガザからの移住」に関する計画を、水面下で進めていることが分かった。この裏には超正統派の離脱により連立が過半数を割ったなか、極右も離脱すると政権崩壊が現実味を帯びてくることがあり、連立保持のために極右の要求を飲む必要が。同じ極右のスモトリッチ財務相に対しても、交渉決裂の際にはガザ北部の一部併合を約束している。
ガザ市民の受け入れ先としてはエチオピア・リビア・インドネシアなどが挙がっており、(国名は明かされていないが)5か国から受け入れの合意が取れているとしている。
(7/31)

◯ 内政

【遺体鑑定を担当していた予備役兵が、自宅で自殺か】(Y,H)
27日の夜、南部の町で予備役兵であるアリエル・メイル・タマンさん(34)が、自宅から遺体で発見された。付近で銃声が聞こえていたことから、自殺であるとされている。タマンさんは軍内のラビ(ユダヤ教)機関に所属して遺体の身元確認・鑑定を行う任務を行っており、10/7からその後にかけて多くの犠牲者や戦死した兵士などの身元確認作業を行った。また予備役がない際にもマゲン・ダビッド公社でボランティア活動をするなど、多くの悲劇的な現場に立ち会っていた。タマンさんには妻との間に4人の子供が居り、1番小さな子は生後3か月。妻は自身のSNS上で家族写真と共に「昔の私たちはどこにでも居るような美しい家族だった。私たちを置いて、あなたは行ってしまった」と、悲しい投稿をしている。
1年半以上続く戦争により兵士の自殺例は23年の17人、24年の21人、そして今年に入って16人と増加傾向にあり、先月だけで5例にも。また2万人弱の負傷兵のうちの半分がPTSDとの診断を受けており、多くの兵士が傷の癒えないうちに戦場に配備されている状況から、兵士たちによる自殺が今後も増加するのではと不安の声が上がっている。
(7/28)

◯ 国際情勢

【トランプ大統領「ハマスは休戦ではなく、死を望んでいる」】(Y,P,H)
トランプ大統領が記者たちに対して、「ハマスは取引ではなく死を望んでいるようで、これは悪いこと」だと発言した。そして「仕事を終わらせなければならないポイント。ハマスは最後の人質たちが戻って来ればどうなるかを知っており、それゆえ合意に至りたくない。彼らは消えなければならない」と続けて語り、交渉が決裂に向かっている現状についてネタニヤフ首相と会談を行ったとも話した。この発言と同じタイミングでネタニヤフ氏も、「ハマスが人質解放の障害になっていると言う、ウィトコフ特使は正しかった。人質解放のための『別の選択肢』についてアメリカと共に、協議している」とコメント。同様の発言をウィトコフ氏が前日にもしており、交渉決裂の様相を受けて元人質や被害者家族からは悲痛の叫びが挙がっている。
(7/25)
 
【米、イラン戦争中に保有するTHAADミサイルの25%を使用】(Y,P,H)
CNNが米防衛関係者へと取材を行い、12日間のイスラエル・イラン間の戦闘でアメリカが保有する弾道弾迎撃のためのTHAADミサイルの約25%に相当する、100~150発を使用していたことが判明した。同関係者はこの事実に対して「同盟国であるイスラエルに対する大きなコミットメント」だとしながらも、去年・今年と10発ほどしか製造されていないことを指摘。「このような(大量のTHAADミサイルを用いての)軍事支援を将来的に何度も継続して行うことは、アメリカであっても不可能だ」との予測を示した。
別の元米国防軍高官はこの報道を受けて、「(韓国に配備されている)THAADミサイルは対中国に対する抑制にもなっているため、再拡充は急務」と懸念の声を上げている。
(7/28)
 
【フランスに続き、イギリス・カナダもパレスチナ国家承認か】(Y,P,H)
イギリスのスターマー首相が29日に首相官邸で記者会見を行い、現状のままであれば9月に行われる国連総会の場でパレスチナ国家を承認する方針を発表した。これについては、1. ガザでの悲惨な人道状況の解決、2. 休戦への合意、3. 二国共存案を再興させる長期的平和に対するコミット、という条件をイスラエルが満たせば承認を先送りするとしている。国連総会の前にイギリス政府はこれらについてのイスラエルの対応を独自調査し、最終的な決定を下すことになる。イスラエル側の関係者によるとスターマー氏は事前にネタニヤフ首相に通達していたとのことで、「マクロン氏によってダムが突き破られた結果」と驚きはないよう。スターマー氏はハマスに対して、休戦・武装解除・将来的なガザ統治への不参加といった「従来の姿勢は崩していない」としているが、ネタニヤフ氏やトランプ大統領は「テロ・ハマスへ報酬を与えている」と非難する声明を出している。
また翌30日にはカナダが、パレスチナ自治政府に対して来年の総選挙開催と武装解除という条件を提示しながらも、9月の国連総会でパレスチナ国家を承認すると発表。先進国として、フランス・イギリスからの流れに続いている。
(7/29-30)
 
【ガザの子供のショッキングな写真、原因は飢餓ではないことが判明】(Y,P,H)
ここ数週間多くの海外メディアが盛んに報じているガザの飢餓問題において、象徴的な存在として世界中のメディアで取り上げられていた、ムハンマド・アル=ムアトック君についてその正確な背景が明らかになってきている。ムハンマド君は生後18か月にも関わらず生後3か月の体重しかなく、骨と皮だけの痩せこけた姿。国際メディアは「ガザの飢餓によって引き起こされたもの」と彼の写真を報じていたが、ムハンマド君は脳性麻痺と重度の筋疾患を抱えており、極度の低体重は飢餓によるものではなくもともとの健康状態によることが分かった。これについては3歳になるムハンマド君の兄がいるのだが、彼は瘦せ細ってはおらず異常のないことからも分かっている。
25日にムハンマド君の写真を一面に掲載してガザの飢餓を報じたニューヨークタイムズ紙は、30日の編集後記のなかでムハンマド君の健康問題を「読者がより良く状況を理解するための追加情報」として言及した。このムハンマド君の低体重の理由に関しては、イスラエル国内では数日前からもともとの健康問題を指摘する声が上がっていたが、大手国際メディアが『修正』を行うのは同紙が初めて。
(7/30)
 
【トランプ大統領「ネタニヤフは政治的理由から戦争を延長」】(Y,P,H)
ウィトコフ中東特使のイスラエル訪問とネタニヤフ首相との会談のタイミングで、トランプ大統領はSNS上でハマスに対して「降伏し、人質を解放せよ!!!」と呼び掛けているが、その反面トランプ氏がネタニヤフ氏への不信感を募らせていることが分かった。米メディアの報道によるとトランプ氏と側近数人は、ガザにおけるイスラエルの軍事的目標はかなり前に達成されているため、ネタニヤフ氏による戦争継続には「自身の政治的力(恐らく政権や政治生命)を保持するため」という目的があると、考えているもよう。これは米イ間や2人の関係を左右するほどの大きな溝にはなっていないが、トランプ氏は「ネタニヤフ氏からの敬意が足りていない」とも感じていると、複数のホワイトハウス関係者のコメントと共に報じている。
(7/31-8/1)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、シオンとの架け橋からのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。
本メールは sorami@zion-jpn.or.jp よりsorami@zion-jpn.or.jp 宛に送信しております。
シオンとの架け橋、京都府


配信停止 | 登録情報更新 | 迷惑メールと報告する