ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ハマスが『肯定的な反応』を示すも、休戦合意は首脳会談以降に】(Y,P,H)
ウィトコフ中東特使とカタールにより草案され、イスラエルは受け入れる意思を示している直近の休戦・人質解放案に対して、4日にハマスが公式声明を発表。仲介国に対して「肯定的なスタンスを含んだ回答を行った」とし、ガザ内では複数箇所で休戦を祝う様子が見られた。
しかしハマスから送られて来た修正部には、ガザ人道財団による人道支援の新システム(次のニュース参照)の廃止と従来の国連によるシステムの復活や、60日目以降の休戦延長に対する米をはじめとした仲介国によるより拘束力の強い確約、国防軍の部分的撤退のペースと撤退する場所、などの要求が含まれており首相府は「ハマスによる要求は受け入れられるものではない」と、ハマスの修正案を拒否するとしている。
人道支援については国連によるシステムに戻れば事実上ハマスが支援物資を管理することとなり、それを収入源としてハマスが再び浮上する可能性が高まり、イ米共にこの点に関しては最も反発している。しかし交渉によって折り合いをつける可能性もあるとのことでイスラエルは6日、ドーハに向けてシンベト副長官やモサド高官・首相の外交アドバイザーなどによる交渉団を出発させた。
しかしハマスからの要求により、月曜日に行われるイ米首脳会談での休戦合意発表は限りなく非現実的なものに。(7/4-6)

 

【ハマスの攻撃、ガザ人道財団の米スタッフが負傷】(Y,P,H)
5日朝にハマスのテロリストがガザ人道財団(GHF)の支援物資の配給所に襲撃を行い、同財団のアメリカ人スタッフ2人が投げ込まれた破片手榴弾で負傷した。同財団は5月末から支援物資の配布を行っており配給所の周囲では襲撃などの例も見られたが、配給所のスタッフが標的となり負傷するのは初。同財団側は、「ハマスからの事前警告はあり、このような襲撃が起こるのは時間の問題だった」と話している。
GHFはハマスが関与しない形での人道支援として始まり、現時点で6200万食以上の食料を提供。襲撃があった5日も3つの配給所で、180万食に相当する食料をガザ市民に直接供給しており、イスラエル側はこの試みを成功例としている。(7/5)

【ヘブロンのリーダーたち、自治政府からの離脱・独立の道を模索】(Y,P,H)
パレスチナ西岸地区にあるヘブロンのパレスチナ人シャイフ(指導者)21人が、パレスチナ自治政府からの脱退とアブラハム合意への加入に関する書簡を、イスラエルのバルカット経済相に送付した。
これはヘブロンで最も影響力のあるシャイフ・アル・ジャバリが主導となったもので、同氏を中心とした『ヘブロン首長国』として独立し、ユダヤ人国家としてイスラエルを承認する見返りに、イスラエルによる同首長国を承認とアブラハム合意への加入を求める内容になっている。
シャイフたちからは「このままでは1000年経ってもパレスチナ国家はできず、10/7によりイスラエルが認める可能性はゼロに。ハマスもPLOもパレスチナを代表していない」と、この構想に行きついた背景に関して説明している。ヘブロンは西岸地区内最大の町であり、21人のシャイフたちは約24万人のパレスチナ人を率いており、これはヘブロン人口とほぼ同数に。(7/6)

 

【防衛相が「人道都市の設置」を発言、休戦交渉の争点の1つに】(Y,P,H)
カッツ防衛相は7日、イスラエルがガザ地区南端の町ラファの瓦礫の上に、『人道都市』を設置する準備を進めていると、発言した。現在市民の中に混じりゲリラ組織となっているハマス殲滅を達成するためには、テロリストと市民との選別が必要とのことから生まれたこの計画。
第1段階では約60万人のガザ市民に対して、セキュリティーチェックを行った上でこの指定域内に居住するようにし、その後ガザ市民全体を対象にして非戦闘員を1か所に集めるというものに。
現段階でイスラエルはこの人道都市に関しては1度入った市民は外に出ることを禁止する姿勢を示しており、これに関しては「ゲリラ戦を無効化する良案だが、市民の行動制限・強制は国際法の深刻な違反行為」と国内の軍専門家も懸念を示している。また翌8日には、カタールでの休戦交渉内でこの人道都市計画が大きな争点の1つになっているとも報道されている。(7/7-8)

 

【2日連続でのホワイトハウスでの米イ首脳会談に】(Y,P,H)
現地時間の8日夜にネタニヤフ首相がトランプ大統領との、夕食会を兼ねた首脳会談を行った。
食事前には米メディアの記者たちからの取材時間があり、トランプ氏は休戦・人質解放交渉については好感触であると語り、パレスチナ国家樹立に関する質問に関してはネタニヤフ氏に振り、同氏は「パレスチナ人たちが自治権を持つべきだが、イスラエルの脅威とならない形。そのためにも安全保障はイスラエルが担当すべき」と回答した。
また食事の間には、ネタニヤフ氏がノルウェー・ノーベル委員会にトランプ氏をノーベル平和賞候補に推薦したと推薦状を見せる『サプライズ』や、ウィトコフ中東特使が「休戦交渉の障害となっていた4つの争点が1つに減った」と発言するなど、友好的な雰囲気だった様子。
しかしネタニヤフ氏は「ハマス無きガザ」を恒久的休戦の絶対条件としており、現状の60日間の休戦案にはハマス解体・武装解除は盛り込まれていない。したがってハマスの完全排除を実現させるためには休戦期間後の戦闘再開が必要となるが、トランプ氏はこの休戦期間は一時的なものではなくガザ終戦への序章として理解しており、双方の考えには隔たりがある。
現地メディアはこの点について指摘しながら、報道していた。ウィトコフ氏の発言にあったようにこの日にはドーハでの交渉に進展が見られたため、翌9日にも両者が再び首脳会談を行うことになっており、この会談ではガザ問題についてのみが話し合われる予定。(7/8)

 

【24時間で2度目の米イ首脳会談、休戦合意は来週にずれ込むもよう】(Y,P,H)
前日に続き現地時間9日夜にネタニヤフ首相がホワイトハウスを訪問し、24時間の間で2回目となる首脳会談をトランプ大統領と行った。両氏による共同記者会見はもちろん質疑応答もないなど、マスコミをシャットアウトした首脳会談に。
会談後にネタニヤフ氏は自身のSNSに、人質解放を中心にアブラハム合意の拡大に関しても話し合ったと報告している。また各国はこの会談と共に、米・カタールによるイスラエル・ハマスに対する強い働き掛けによって交渉は前進しているが、訪米前に報じられていた今週中の休戦合意発表の可能性は低くなったと報道。
それによると、トランプ氏がハマスに対して「休戦期間の60日後に戦闘が再開されることはない(=事実上の恒久的休戦)」と確約するなど前進はあるが、ラファとハンユニスの間に設置された『モラグ回廊』が依然として最大の争点。イスラエルは同回廊への駐屯継続を、そしてハマスは撤退を強く求めている。
しかしこれに関しても9日の夜には「イスラエルがより柔軟な態度を見せ始めている」との報道があり、休戦合意前の交渉が大詰めを迎えているもよう。(7/9)

 

【入植地のモールで銃撃・刺傷テロ、22歳男性が死亡】(Y,P,H)
ベツレヘムの南にある入植地グシュ・エツィヨンのショッピングモールで銃撃・刺傷テロが発生。ヘブロンの入植地に住むシャレブ・ズブルニさん(22)が死亡した。
午後2時頃にパレスチナ警察指揮官2人がイスラエルナンバーの盗難車に乗って、モールの駐車場に駐車し、待機。直後にズブルニさんが近くを通り掛かったところ、車から降りて至近距離からの発砲・刃物による刺傷を行なった。
すぐに銃声を聞いた買い物中の警官と兵士の2人が現場に急行し、銃撃戦に発展。その場でテロリストは射殺された。救急隊が駆け付けた時にはズブルニさんは心肺停止状態で、救命活動もむなしくその場で死亡が確認された。西岸地区でのテロで死亡者が出たのは、約2か月ぶり。(7/10)

 

【ネタニヤフ首相と被害者家族がワシントンで面会】(Y,P,H)
米政府や米議会関係者そして親イスラエルのクリスチャン指導者たちとの面会の合間を縫い、ネタニヤフ首相とサラ夫人が訪米に同行していた拉致被害者の家族たちとの会談を行った。
そこでネタニヤフ氏は、被害者・家族の会が一貫して求めている人質の全員解放を含む包括的な休戦案について「不可能だった」と述べ、現状の案以外には選択肢がないと理解を求めた。しかし話し合いの場では「協定が履行されれば、終結の交渉をすぐに始める」と語り、60日の休戦期間はあくまで恒久的休戦と全人質解放という『プロセスの一部』だとの見解を示した。
また家族からの解放される人質の選定・決定についての質問に対しては、「我々のコントロール下ではなく、ハマスが決定すること」と答えた。会談後に家族たちは、帰国後に極右のスモトリッチ・ベングビル氏からの圧力により、交渉が後退するのではないかと危惧していると、イスラエル・メディアの取材に応えている。
この訪米ではネタニヤフ氏そしてホワイトハウスからも合意直前との楽観的な発言が繰り返されているが、交渉に関わる関係者によると合意に至るのは数日単位ではなく、1~2週間ではないかとの声も。
またハマスに近いパレスチナ関係者も「1歩進んで2歩下がっている」と、かなり違うトーンのコメントが聞かれる。同関係者によると最大の争点は国防軍のガザ駐留で、現状イスラエルは約35%での駐留権を主張しているが、ハマス側は強く反発している。(7/10)

◯ 内政

【元人質だったカップルが婚約】(Y,P,H,独自取材)
10月7日にキブツ・ニルオズでハマスの虐殺に遭い、拉致されていた元人質のサシャ・トルパノブさん(29)とサピール・コーヘンさん(31)が婚約した。2人はハイテクで働くエンジニアで、3年ほど前から交際を開始。
23年10月の秋の祭りには2人でニルオズのトルパノブさんの実家を訪れていた時、10/7のハマスによる攻撃・虐殺を受けた。2人はトルパノブさんの母・祖母とガザに拉致され(父親はキブツで殺害)、コーヘンさんはトルパノブさんの母・祖母と23年11月の1度目の休戦期間中に解放。トロパノブさんは今年2月、2度目のハマスとの休戦期間中に498日間の囚われの身から解放され、先に解放されていた母・祖母そしてコーヘンさんと再会を果たした。
2人はSNS上で婚約について家族の一部も知らない段階でメディアに情報が流れるのを望んでいなかったとしながらも「1度も会ったことのない多くの人々が祝い喜んでくれるのを見、私たちが出来る小さなことだと感じた。希望と力を誰かに与えることが出来たのなら」と喜びのコメントを発表。
また残された人質たちについても「誰も諦めてはいけない」とし、早期の休戦・人質解放について呼び掛けている。(7/9)

◯ 国際情勢

【英紙「イランの弾道ミサイル6発が、イスラエルの軍事基地に着弾」】(Y,P,H)
英紙テレグラフがレーダー情報などの分析を基に、イスラエル・イランの12日間の戦争中にイランが発射した弾道ミサイル6発がイスラエル国内の5つの軍事基地・拠点に着弾していたとの調査結果を報道した。
その中には空軍の主要基地でもあるテル・ノフ空軍基地や諜報部を代表する中央部の軍施設や、北部ナザレ近郊の小基地等が含まれている。国内では軍による報道規制により報道されず、現地メディアは「テレグラフ紙による報道」としてこのニュースを伝えている。
国防軍報道官はこれについてはノーコメントとするものの「どの部隊に関しても指揮・戦闘能力のレベルを維持していた」と、何かしらの被害があったことを暗示するような回答が。同紙は2週間後に、より包括的な調査結果を発表するとしている。(7/5-6)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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