ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ハマスが交渉の意思も、ネタニヤフ首相は部分的案にNoの姿勢】(Y,P,H)
ガザ休戦・人質解放交渉についてハマスが部分的案を土台とした交渉の準備があると、仲介国であるエジプト・カタールがイスラエルに伝え、交渉のテーブルに戻るよう要請した。3週間前にドーハで交渉が決裂して以降、ハマスは交渉のテーブルに戻る意思を示していなかった。
この変化にイスラエル政府内では、ザ占領を阻止するための素振りだけとの見方もある一方、交渉関係者は「生存者の半分10人が助けられるのであれば、占領or全員解放の二択に固執すべきではない」としており、意見が分かれている。
しかし週明けの17日にネタニヤフ首相は首相府を通じ、「人質全員を1度に解放し、ハマスが非武装化することが休戦の条件」とコメントし、部分的な休戦案を拒絶する意向を示している。
(8/15-17)

 

【フーシ派からの弾道ミサイル飛来、100万人以上の市民がシェルターへ】(Y,P,H)
17日の午後4時過ぎにイエメン・フーシ派からの弾道ミサイルが飛来し、テルアビブやエルサレムなどでサイレンが作動した。
約10日ぶりのフーシ派からの攻撃だが、この日は人質解放を求める大規模なデモが2つの主要都市で行われていたことから、百万人以上の市民がサイレンと共にシェルターへ避難した。テルアビブの人質広場などではシェルターの収容人数を遥かに超える参加者が居たため、多くがその場でうつ伏せになり頭を両手で覆い保護する様子も。
フーシ派やイスラエル軍も公式声明を出していないが、大規模なデモが行われている時間と場所を狙ったことは明白であり、「フーシ派はイスラエルとの消耗戦争を着々と進め、国をパニックに陥れる事に成功している」とメディアは考察している。またこの日の朝にはイスラエル海軍がフーシ派指導者たちが潜伏していたとされるサナアの発電所を攻撃しており、それに対する報復といった意味合いもあるとされている。
(8/17)

 

【ハマスがウィトコフ『新案』に同意、イスラエルの返答待ち】(Y,P,H) 
ハマスは18日夜、ウィトコフ案を土台にいくつかの修正を加えたエジプト・カタールによる休戦案を受け入れる意思を表明した。
この部分的案によると休戦期間は60日間でハマスは10人の人質生存者と18人の遺体を解放、その見返りとしてイスラエルは終身刑で服役する140人と禁固15年以上の刑で服役する60人のパレスチナ人テロリストたちを釈放する。またイスラエル軍のガザ撤退に関しては、ガザ北部と東部で元々の境界線から1kmまでを緩衝地帯とし、それ以外の場所からは撤退することに。
そして最も大きな変更点は人道支援に関してで、ハマスの要求通り国連と赤十字をはじめとする国際組織による配給という従来のシステムに戻り、米イが進めていたガザ人道財団(GHF)による新しい支援システムは廃止となる。
このハマス同意という公式の回答はイスラエル側に仲介国から通達され、現在検討・協議が行われている。ネタニヤフ首相は公の場では部分的案の可能性を排除しない発言をしているが、閣僚たちには「全人質解放・ハマス解体という包括案でなければガザ占領」との意向を示しており、メディアもイスラエルがどのような返答をするのかに関しては推測できないような論調で伝えている。
(8/18-19)

 

【国防軍、ガザ内での野戦病院設置の計画を進める】(Y)
ガザ市の占領計画が安全保障内閣により可決され、政府からの指示を受けて軍部が作戦の計画を進めるなか、避難対象となるガザ市を中心とした100万人の市民を受け入れるため新たな人道地区に加え同地区内に複数の野戦病院を設置する計画が上がっていることが分かった。
1年以上前から国防軍はガザ内に13の野戦病院を設置しガザ市民の治療に当たっており、国際赤十字の他にもUAEやヨルダンの協力で運営されている。現状は計画段階で実際の設置は先になるが、イスラエルとしては国際社会に向けた正統性という意味でもガザ市占領を含む大規模な軍事作戦を行う上で、さらなる病院設置は必須だとしている。
(8/18)

 

【ハマス・テロリストがハンユニスの国防軍前線基地を急襲】(Y,P,H)
20日朝、約20人のハマスのテロリスト部隊がハンユニスの国防軍の前線基地を急襲し、国防軍兵1人が重傷・2人が軽傷を負った。
テロリストたちは三手に分かれ、国防軍が2か月前に安全確認を行った地下トンネルなどから基地敷地内に侵入。迫撃砲の砲撃に合わせての襲撃や軍が設置した監視カメラが銃撃により破壊されていたことから、突発的ではなく計画的な攻撃だとされている。
一部の兵士たちは就寝中で襲撃を受けてすぐに近距離の銃撃戦となり基地内で3人、撤退の追跡などにより周囲で10人のテロリストを排除している。その後の現場調査から武器などの他に担架が見つかっており、殺害・負傷した兵士を新たな人質として拉致することが目的だったとも考えられている。
またこの日からガザ市占領を目的とした作戦実行のため6~8万人の予備役兵に召集令状が送られ始めている。実際の召集は9・10月の予定。軍部は子供の居る多くの予備役兵やその家族への配慮から招集通知を夏休み明けの9月から行うことを求めていたが、政府からの指示により前倒しして行われることになった。
10/7から数百日単位で予備役に就いた後のさらなる召集であることや、長期的ビジョンが明確でないなかでのガザ占領であることなどから、召集率がさらに低下するのではとの懸念の声も上がっている。
(8/20-21)

 

【ネタニヤフ首相、「人質解放への交渉の即刻開始を指示」と声明も…】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相がガザ師団を視察し、「イスラエルの条件に沿った形での全人質解放と戦争終結に関する交渉をすぐにでも始めるよう指示した」と発表した。
一見イスラエル側の肯定的な姿勢にも見えるが、ハマスが同意したのはウィトコフ案を土台とした部分的休戦案であるため、実質的には包括案をハマスが飲むまでガザ市占領を含む大規模な軍事作戦を進める意思表明になる。
ネタニヤフ氏はガザ占領作戦を進め軍事的圧力をハマスに掛けることで、交渉のテーブルにつかざるを得ない状況を作り出すことが狙い。したがって同日にはガザ占領案に関する協議を行い、同案を了承している。ハマスが突然部分的案を受け入れたのは(ハマス最後の拠点である)ガザ市占領が現実味を帯びたことがあったとされているが、同市内には生存する人質が監禁されており危険な賭けになる。
被害者の会は「人質たちを(交渉の)犠牲にするのはたくさんだ」と激しく反発。
(8/21)

◯ 内政

【ベングビル国家治安相、有力な服役中のテロリストを訪問】(Y,P,H)
ベングビル国家治安相が13日、全国刑務所の最高責任者と終身刑に服しているマルワン・バルグーティ受刑者の独房を視察したことが映像と共に公表された。映像内では現在66歳になるバルグーティ受刑者にヘブライ語で、「お前たちの勝利はない。イスラエルに戦いを仕掛け女子供を殺害する者を私たちは消し去る」と発言している。
同受刑者は第1・2次インティファーダを主導し多くのテロに関与。計5人のイスラエル人が犠牲となった複数のテロには首謀者として直接関与したため、2002年に逮捕され2004年に終身刑5回分の判決を受けて現在服役している。バルグーティは現在もアッバス議長の後継者として1番人気であり、休戦交渉ではハマスが彼の釈放を要求。今回のベングビル氏の面会はそんな背景を受けての政治的パフォーマンスではないかと考えられている。
映像を見る限りは淡々と主張を述べているように見えるが、海外メディアはこれについて『ベングビル氏による嘲笑』という言葉を使って報道。
(8/15-16)

 

【ガザ制圧決定を受け、数十万人が「人質ファースト」の声を上げる】(Y,P,H)
安全保障内閣がガザ市制圧計画を承認したことを受け、17日の午前7時から午後9時までイスラエル中の計数十か所で大規模なデモが行われ、数十万人から100万人近くの市民が仕事をストライキしてデモに参加、人質解放とそのための休戦合意を求めて声を上げた。東西南北を繋ぐ高速・幹線道路は各所で散発的に集会が行われ通行止めに。
また「人質広場」のあるテルアビブでは町の中でも通行止めなどにより広い範囲で封鎖状態となった。メイン会場となる同広場では10/7にニルオズからカップルで拉致され、23年11月に解放されたイラナ・グリツェブスキーさん(31)が白いウェディングドレスを着て登場。結婚式を模した天蓋の下で、未だ囚われの身である恋人マタン・ツィンガウケルさんの写真と共に並んで立ち、家族に囲まれながら「神の助けがあれば帰還した後、一緒に家族を築きましょう」とマタンさんに呼び掛け、多くの人々の感動を呼んだ。
またこの日はヘルツォグ大統領やガラント前防衛相、ハリウッドで活躍中のイスラエル人女優ガル・ガドットが広場を訪問、家族を慰め人質解放を求める声を上げた。特にガラント氏は「まずは人質解放でその後にハマスの排除―これこそがユダヤ的価値観に沿った優先順位。この順番でなければ、帰還させる人々(=生存している人質)が居なくなってしまう」と政府の方針に疑問を呈した。
そんななかネタニヤフ首相は閣議の開始時に「参加者たちは10/7の惨劇再発を確約(加担)している」と家族の会や参加者たちを批判。極右ベングビル国家治安相はデモ参加者たちが2年前に政府を弱体化させ、10/7を引き起こしたとも解釈できるような言葉を用いこの日のデモについて批判している。
(8/17)

◯ 国際情勢

【国連、ガザへの支援トラックの6割以上をカウントせず】(Y,P)
ガザに十分な支援物資をイスラエルが搬入していないという国際社会と国連による批判を受け、イスラエル防衛省の西岸・ガザ地区調整官組織が独自の調査結果を発表。実際には今年5月から約9200台のトラックにより18万トンの支援物資が搬入されたにもかかわらず、国連の統計には3500台・7万トン弱とあり、大きな差があることが判明した。
2つの統計にこれだけ違いがあるのは国連側の数字には国連と協力機関による支援物資しか含まれていないことによる。米イが主導となっているガザ人道財団はもちろん、各国が独自に行っている空中投下による支援物資などを国連側はカウントしていないことが明らかになった。
国連側は「安保理より支援を委任された国連が搬入した物資に関し、透明性を持って公表している」と説明。しかし国連による数字はこのような説明がないまま世界中で広く事実として使用され、イスラエルを批判する国際世論を形成し、各国リーダーの様々な決定に影響を及ぼしているため、現地メディアは「改ざん・虚偽」などといった単語と共に批判的に報じている。
(8/19)

 

【パリでイスラエル・米・シリアの3者会談】(Y,P,H)
パリを訪問中のデルメル戦略相が19日にシリアのシェイバイニ外相、アメリカのバラック・シリア特使兼トルコ大使と3者会談を行い、スワイダーを含む南シリアの政情安定化についての協議した。
先週にはアンマンでこの会談の準備ともなる同じような話し合いがヨルダン外相立会いの下行われており、パリ会談の後シリアは同国メディアを通じて「イスラエル戦略相と会談を行った」と異例のコメントを発表している。この報道によるとイスラエル・シリアはドゥルーズ派・ベドウィン系市民の惨状を改善するため、スワイダーへのさらなる人道支援強化が必要だという点で一致したほか、安全保障に関する合意形成についての話し合いもされたとのこと。
また同会談前にも米バラック特使とイスラエルのドゥルーズ派指導者が面会し、シリア南部に人道回廊を設置する構想などに関して議論するなど、米仲介のもと2国間が水面下で関係構築を行っている。
(8/19-20)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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