ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【ハマス・イスラム聖戦、20代人質2人の映像を公開】(Y,P,H)
10/7にノバ音楽祭で拉致された2人の男性人質、ロム・ブラスラブスキーさん(22)とエビヤタル・ダビッドさん(24)の生存を示す映像が31日から3日連続で公開された。
31日にはブラスラブスキーさんのビデオをイスラム聖戦が公開。テロリストの演出や指示を受けた内容ではあるが、終始泣きながら「立つこともトイレに行くことも出来ない。今日食べたのはファラフェル・ボール3つだけで食料も水も尽きている。死ぬ直前」とかなりやせた姿で語り、苦しそうに横たわり涙している様子が分かる。
また1・2日にハマスは2本の動画を公開し、そこではホロコースト生存者のように骨と皮だけの姿になったダビッドさんが地下トンネルで監禁されている様子が。トンネルの壁には毎日食べた物のカレンダーが貼られ、「食事なし」と書かれている日も。缶詰を渡され「これが死なないための2日間の食べ物」と言いながら口にしたり、「自身の墓を今掘っている」と話しながら地下トンネルの中に穴を掘ったりする姿が見られる。
ハマスはダビッドさんの健康状態を「私たちと同じような食生活をしている結果」と主張しているが、イスラエルメディアはダビッドさんに缶詰を渡したテロリストの腕の健康な様子を指摘、この静止画と共に「ハマスの嘘」と報じている。
この2人の惨状を海外主要メディアの多くが無視していると現地メディアは指摘。報道している媒体でも、トップには通常通りガザ市民の惨状のみやパレスチナ国家・ハマスの武装解除などを取り上げ、2人の人質に関して「報道の大きさを意図的に小さくしている」と批判的な特集記事を組んでいる。
また3日には軍部が政府に(動画に見られるような)人質の飢餓・衰弱状態を報告していたため、ネタニヤフ首相をはじめとする政府関係者は事前に知っていたことが判明。被害者家族をはじめ多くの人々から政府に怒りの声が上がっている。
(8/1-3)

 

【フーシ派からの弾道ミサイル攻撃、先月は3日に1度のペース】(Y)
1日夜にイエメン・フーシ派がイスラエルに弾道ミサイル1発の攻撃を行い、内陸のユダ平野からエルサレム・死海南部までの約100kmの範囲でサイレンが鳴った。国防軍はサイレン直後に無事迎撃されたことを発表、ミサイルや迎撃ミサイルとそれらの破片などによる怪我人や物損被害なども出ていないよう。
先月は断続的に10日の間、弾道ミサイル10発と無人攻撃機1機による攻撃で国内の広い範囲でサイレンが作動しており、イランからのような大きな被害はないが(昼夜問わずのサイレンにより)イスラエルでの日常生活に支障をきたすことを狙った、「消耗戦争」の様相が続いている。
また大手紙は「ガザの飢餓と比べ物にならない8.5万人の子供たちがイエメンでは死亡しているが、世界は興味を示していないようだ」と皮肉交じりに報じている。
(8/1)

 

【ハマスが武装解除を拒否、交渉は暗礁に乗り上げたまま】(Y)
1日にウィトコフ中東特使が拉致被害者の家族と会談を行い、アメリカが全ての人質を1度に解放する包括的休戦・人質解放案を働き掛けており、「ハマスが武装解除に応じている」と明かした。
この内容がイスラエルメディアから報道された直後にハマスはその内容を否定する声明を発表。「武器を用いての抵抗は占領が続く限り国家的そして合法的な権利であることを私たちは繰り返し主張する」とエルサレムを首都としたパレスチナ国家が樹立されるまで、武装解除に応じないとした。
ハマスの武装解除は先月末、サウジ・フランスの主導で行われた二国家解決に関する国際会議で「終戦した暁にはハマスがガザ統治権をパレスチナ自治政府に譲渡し、同時に武装解除する」という宣言を採択しており、ハマスの姿勢はイスラエル・アメリカだけでなく、これとも相反するものとなる。
(8/2)

 

【イスラエル、ガザ全面占領へと舵を切るか】(Y,P,H)
5日にネタニヤフ首相やザミール参謀総長などによるガザ戦争について会合が行われ、ネタニヤフ氏が軍にガザ占領計画を提示するよう命じていることが分かった。
約3時間にわたる話し合いでは参謀総長が「ガザで(自らへの)罠を作る行為」と生存する人質を危険にさらすと警告、また兵士たちが疲弊している状況も説明したが、首相は占領計画を内閣で提示・説明するよう命じたとのこと。政府・軍のトップで意見が対立、緊張関係にあるとメディアは伝えている。
同会合後に首相府は「国防軍は内閣に下された全ての決定事項を実行する準備が出来ている」と軍部を牽制・批判するような声明を発表。去年8月には国防軍が付近で軍事作戦を行ったため人質6人が殺害されていることもあり、軍部はガザ市など中部での活動を人質を死なせる行為と考えている。しかし、ネタニヤフ氏は今の方法が上手くいっていおらず、ガザ全域の占領が人質解放に繋がると考えている様子。
そして7日夜からガザ占領について最終決定を下す閣議が行われたが、この前にネタニヤフ氏は米FOXニュースの取材に応え、ガザ全体を占領する意志であることを自国民よりも前にアメリカ国民に明言した。また同日に受けたインドメディアのインタビューで西岸地区のような長期軍事政権にならずガザ併合もないと説明している。
『ガザ全面占領』という最終目標はありながらも、実際にはハマスの残された拠点に包囲網を敷き少しずつ地上作戦で狭めていく段階的な作戦になるのではないかとメディアは推測しながら、論調としてはガザ占領決定が既定路線になっている。
5日に引き続きザミール参謀総長は人質の命の危険から反発するだろうが、ガザ占領に反対する出席者はオブザーバーで投票権のないシャスのデリー党首ぐらいではないかとされている。
(8/5-7)

◯ 内政

【ベングビル国家治安相、協定に反して神殿の丘で礼拝】(Y,P,H)
エルサレム神殿崩壊を追悼する断食日に合わせて、極右のベングビル国家治安相が正統派ユダヤ教徒たちと神殿の丘を訪問し、現状維持協定に反して集団での祈祷・礼拝を行った。
オスマン帝国時代にルーツを持つ同協定は、ユダヤ人など非イスラム教徒は神殿の丘内に規定された時間は入場できるが、一切の宗教行為や聖書などの宗教的な品の持ち込みを禁じるもので、67年にイスラエルが神殿の丘を管理下に置いた後もイスラム教機関の宗教的自治権が認められている。
ベングビル氏は去年のこの日も神殿の丘を訪問しており、その時は同行していたユダヤ教徒たちが礼拝を行う様子を「ユダヤ人の祈祷を許可するのが私の政策」と発言したが、本人は明確な形で祈祷に加わっていなかった。従って、氏が祈祷を行ったのはこれが初で、映像からは祈りを先唱しリードしているのが分かる。
これにヨルダン・サウジなどからは反発の声が上がり、首相府は「神殿の丘における現状維持協定を守るというイスラエルの方針は変わっておらず、これからも不変である」と火消しのコメントをしている。
(8/3)

 

【政府が検事総長の更迭を決定、最高裁は保留命令】(Y,P,H)
2週間前に行われた急造の特別委員会の決定を受け、ミアラ検事総長の更迭に関しての閣議が行われ出席した22人の閣僚が賛成票を入れ、全会一致で検事総長の更迭を決定した。
この解任の手続きは正式な諮問委員会を通さずに行われていることから、ミアラ検事総長は違法であると主張しており特別委員会のヒアリングやこの日の閣議についても欠席しているなかで更迭が決定した。
この直後に最高裁は更迭を一時保留するよう命令、司法審査による決定が出るまで新任者はもちろん一時的な代行者を任命しないよう政府に求めた。閣僚の間からは最高裁に従わず、ミアラ氏を無視し政権運営をしようとの声が続々と上がっている。
司法改革を進める政府とミアラ検事総長の間には、超正統派の兵役問題やカタールゲートなど首相・閣僚たちの刑事事件で多くの対立があり、政府は改革を進めるため同氏排除に動いていた。
(8/4)

 

【超正統派の兵役免除は継続へ:取りまとめ役の解任が決定】(Y,P,H)
国会の常任委員会で採決があり、外交防衛委員会のエデルシュテイン議長(リクード)の解任とビスムット議員(同党)の新議長就任が決定した。
エデルシュテイン氏はイスラエル社会内で最も分断を呼んでいるテーマの1つ、超正統派の兵役法の草案を進めていた。しかし兵役逃れした超正統派の制裁措置案に超正統派政党が激しく反発、先月中旬UTJ党が連立を離脱し与党は過半数割れしていた。
ビスムット議長の選出は超正統派政党が関与し、兵役免除の法整備についてビスムット氏の約束を取り付けていることが分かっており、同氏の議長就任は超正統派の兵役免除継続へ大きな一歩となる。
10月7日とそれ以降の戦争から、イスラエルでは今まで以上に超正統派も兵役に就くべきとの声が広く上がっているが、この声が国の政策に反映される可能性は限りなく低くなった。
(8/4)

◯ 国際情勢

【沈黙は共犯…国連安保理で人質の兄弟が証言】(Y,H)
先週末、ロム・ブラスラブスキーさんとエビヤタル・ダビッドさんの痩せ細った映像が公開されたことを受け、国連安保理はガザで囚われの身となっている人質の状況に関する会合を行った。エビヤタルさんの兄弟イライ・ダビッドさんがビデオ通話で参加し、エビヤタルさんをはじめ人質たちの惨状を語った。
そこでイライさんは「エビヤタルやその他の人質も死の淵に居て、(このままの状態では)数日しか残されていません。私の兄弟は今、体重が40kgです。生きているという希望も失われつつあります。あなたたちの沈黙は共犯を意味します―彼らを死なせないで下さい」と、国際社会へと悲痛のメッセージを発した。
この会合に参加したサアル外相も「この部屋にはハマスではなくイスラエルに圧力を掛け、ハマスにパレスチナ国家というプレゼントをした国がある」と批判のコメント。
(8/5)

 

【ギリシャでイスラエルに対する大規模なデモの予定】(Y,P,H)
比較的親イスラエルで渡航先として人気のあるギリシャでこの夏多くの親パレスチナデモや集会が行われている。
2週間前からエーゲ海の島々を中心にイスラエルのクルーズ会社の客船の入港・乗客の下船と観光を阻止する抗議行動が散見され始め、10日には観光地を中心としてギリシャ国内の25か所以上で「ガザのためのアクションデー」と銘打ち、大規模デモが行われる予定だとイスラエルの離散相は発表。
反ユダヤ主義監視団体もギリシャの渡航危険レベルを『高』に引き上げ、渡航者に注意喚起をしている。今年は約130万人のイスラエル人がギリシャに渡航するとの統計が出ており、アテネ行きのフライトが1日20便ある状況なため、この状況が続けばイスラエル人の休暇事情が大きく変わる可能性がある。
(8/6-7)

 

【5月のワシントンでの射殺事件、ヘイトクライムで追訴】(Y,P,H)
5月にワシントン・ユダヤ博物館でイスラエル大使館職員のヤロン・リシンスキーさんとサラ・ミルグラムさんが射殺された事件に関して、アメリカ司法省は犯人のエリアス・ロドリゲス被告をヘイトクライム(憎悪犯罪)で訴追し死刑求刑する意向だと米メディアが報道した。
同被告は計画的・故意による(最も重い)第一級殺人と外国政府職員に対する殺人の罪にも問われている。ワシントン連邦地裁の司法長官は「特に我が国の首都において、反ユダヤ主義が許容されることはない」とコメントしている。
2人は米ユダヤ人のイベントに大使館職員として参加していたところ、「Free Palestine」との叫び声と共にロドリゲス被告に射殺された。2人は大使館での出会いをきっかけに交際を開始、1週間後にはイスラエルで婚約する予定だった。
(8/7)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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