ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【フーシ派からクラスター弾、報復として空軍はサナアを空爆】(Y,P,H)
22日21時前、イエメン・フーシ派が発射した弾道ミサイルがイスラエル中央部に飛来し、テルアビブを中心とした海岸部からユダ内陸部までの広範囲でサイレンが作動した。当初は着弾することなく空中分解しその破片が内陸部に落ちたと考えられていたが、その後国防軍はミサイルがクラスター爆弾を搭載していたことによるものだと発表。
6月にはイランからも同様の攻撃があったがフーシ派からは初の事例になり、これを重く見たイスラエルは24日、首都サナアにある大統領宮殿やフーシ派が使用する燃料庫・発電所へ空爆を行った。同宮殿はフーシ派が大統領を追放して以降大統領府として機能していない。軍報道官は「軍事施設の敷地内にあり、テロ拠点化しているため」との声明を発表している。
(8/22, 24)

 

【テルアビブでのテロ未遂、ナブルスの男性を逮捕】(Y,P,H)
24日夜にシンベトと警察のテロ対策特殊部隊が合同作戦を行い、西岸地区ナブルス在住で不法滞在していたパレスチナ人男性を逮捕した。諜報機関から容疑者がテルアビブでテロを実行しようとしているとの情報が入り、シンベト・警察の両特殊部隊が数時間追跡しての逮捕となった。
逮捕時に武器は所持していなかったが同容疑者はイスラム聖戦所属で、イスラエルのデータベース内ではテロに関与する人物として知られている。現在事情聴取を行なっており、テロ実行の直前だったのかまたは計画段階だったのか、また誰の援助で不法滞在していたかなどを調べている。
(8/24)

 

【10/7に拉致された兵士のビデオが公開される】(Y,P,H)
10/7にガザ国境部から拉致された戦車部隊兵ニムロデ・コーヘンさん(21)の家族がコーヘンさんが拉致された様子を収めた映像を公開した。自身の戦車から引きずり下ろされ、2人のテロリストに左右から囲まれガザ内に連れて行かれる様子を記録している。1人のテロリストがコーヘンさんに「心配するな、イスラエルに戻れるから」との声をかけている1コマも。
またこの映像には同部隊で射殺され遺体が拉致されているオズ・ダニエルさん(19)も映っている。コーヘンさんの家族は「2ヶ月前に初めて見たもので、政府には何度も公開を求めていた。政府は人質解放に最善を尽くしていない」と共にコメントしている。
(8/25-26)

 

【ハンユニスの病院への誤射により20人が死亡、国防軍は調査】(Y,P,H)
ハンユニスで活動中の国防軍部隊が同市内にあるナセル病院に砲撃を行い、ガザ内で活動する記者5人を含む20人が死亡したとハマスが運営するガザ保健省が発表した。
同じくハマス運営の通信省が出した声明によると、5人の記者は全員ロイター・AP通信・アルジャジーラなど国際メディアのために取材を行っているとのことで、記者が犠牲者になったことから国際メディアが広く取り上げ、イスラエルへの批判が高まっている。
これに対してネタニヤフ首相は「悲劇的な出来事だ」とコメント。国防軍報道官は「ハマスが民用物をテロのため使用するという最も複雑な状況下で活動しているが、私たちは民間人を意図的に攻撃しない。国際法に則るプロフェッショナルな軍として現在調査を行っている」と釈明している。
そして翌26日には、死者のうち6人はテロリストだったことやハマスが国防軍を監視するために院内に設置したカメラが標的だったこと、先週末に軍からの許可が下りドローンで破壊を試みたが失敗し戦車が配備されたこと、戦車部隊が先週の許可がまだ有効と考え許可を再度申請せず砲撃したこと、など調査結果の一部が報道されている。
(8/25-26)

 

【空爆に地上作戦、南北2つの戦線で特別作戦を実施】(Y,P,H)
シリアメディアは27日夜、イスラエル軍がダマスカスの南の近郊に特別作戦を行ったと報じた。報道によると事の発端は26日にシリア軍がイスラエル軍により設置された盗聴器や追跡装置を発見したことで、そこからイスラエル空軍は断続的に空爆を実施。
そして翌27日夜には空爆に紛れて軍用ヘリコプター4機から数十人の特殊部隊兵たちが降下し、約2時間の地上作戦を実施した。シリア軍高官のコメントによると両軍間の交戦はなかったもよう。
この一帯はイラン・ヒズボラが軍事拠点としていたことから、イスラエルの諜報対象はシリア軍ではないと考えられているが、この作戦に関して専門家は「特にダマスカスから南における制空権を含む軍事的優位性を手放すつもりはない、というイスラエルからシリアへのメッセージ」と分析している。
翌28日午後にはイスラエル空軍がフーシ派の拠点であるイエメン首都サナアに空爆を実施した。今までの空爆はテロ拠点化していた発電所や港、大統領府などだったが、この日の空爆はフーシ派最高指導者アブドルマリク・フーシのテレビ演説を視聴しに同派の主要リーダーたちが集まっていた建築物が標的という暗殺作戦。
この場所には参謀総長などを含むフーシ派軍部トップのほか、政治部に当たる防衛相・内相などが集まっていたとのことで現在は攻撃の結果を待っている段階。サナア市民たちからの証言では10発のミサイルが5分以内に発射されたという。
上層部を標的とした攻撃は正確な機密情報が必要であり、今までとは全く違う次元の攻撃。軍事記者は「やっとダメージのある攻撃を行うことが出来たと言える」と考察している。
(8/27-28)

◯ 内政

【ガンツ元防衛相、人質・兵役問題のための臨時政権を呼び掛け】(Y,P,H)
野党の中道政党「青と白」のガンツ党首が23日夜に記者会見を行い、ネタニヤフ首相(リクード)と有未来党のラピード野党議長、そして右派だが野党の「イスラエル我が家」のリーベルマン党首の3人に2026年春までという期限付きの臨時政権樹立を呼び掛けた。
現在イスラエルには人質解放と超正統派の兵役免除という2つの大きな対立を生む問題があり、人質に関してはガザ占領を優先すべきとする極右、超正統派への兵役義務化に関しては超正統派政党が強硬に反対しており、ネタニヤフ政権はこれらに関して全く前進できていない。
そんな手詰まり感のある状況からガンツ氏は反対分子となる極右・超正統派を除いた4政党による臨時連立政権を作り、半年限定でこの2つのみを解決し26年春に国会を解散、総選挙を行うという提案を3つの政党に行った。
これに対してネタニヤフ首相とラピード野党議長はノーコメント。唯一メディアの取材に応えたリーベルマン党首は同案を拒絶している。
(8/23)

 

【政府、超正統派の新年巡礼のために予算4.4億円を投入】(Y,P,H)
25日に政府は、ダヤの新年に行われる数万人規模の超正統派のウクライナ巡礼旅行を円滑にするため、5省庁の予算の一部を削減し4.4億円の予算を充当することを決定した。これは多くの巡礼者がモルドバ経由でウクライナに入国するため、モルドバ政府は超正統派の旅行者を受け入れるための空港などの整備や警護などに必要な予算を求めており、これにイスラエルが応じたもの。
ウクライナ中部のウマーニという町はユダヤ教の主要宗派のルーツで同派の創始者のラビの墓があり、新年にこの墓へ巡礼するのが宗派を越え多くのユダヤ教徒にとって特別なこととされている。これに関しては超正統派政党が兵役拒否で海外渡航禁止の制裁が課されている超正統派の若者たちも逮捕されることなく渡航できる枠組み作りを求めており、ネタニヤフ首相も検討中。
また別の宗派からは同じくユダヤ教における中心地の1つニューヨークへの渡航にも同様の措置を要求する声が。
しかし戦争による財政難のなかでの超正統派への大盤振る舞いに批判の声も上がっている。
(8/25-26)

 

【2週連続、人質解放を呼び掛け大規模なデモ】(Y,P,H)
先週日曜日の大規模なデモ・ストライキに続き、この日も拉致被害者家族の会の呼び掛けによりテルアビブの人質広場や国会・閣僚の自宅前またイスラエル全土の幹線道路やその交差点で人質解放と休戦案への合意を呼び掛ける集会が行われた。
高速道路でタイヤに火をつけたり、幹線道路でデモ参加者たちが車を意図的に低速で走らせたりしたため、先週同様一部幹線道路が封鎖または通行止め状態に。しかし先週とは違い多くの企業がストライキしなかったため、参加人数は数万人程度となった。
報道によるとこの日行われた閣議はいつも以上に短く、ガザに関しては触れられずハマスが同意した案の議論もされなかったとのことで人質が帰還できる道筋はまだ見えていない。
(8/26)

 

【モサド前長官、政界入りを明言】(Y,P,H)
21年6月までモサド長官を務めたヨッシー・コーヘン氏が26日にポッドキャスト番組に出演し、「本当の変化をもたらすためには、私が首相になる必要がある」と政界入り表明ともとれる発言をした。
コーヘン氏は38年間諜報機関でキャリアを築き、ここ2・3年間は政界入りを期待する声が上がっている。来年行われる総選挙の出馬に関しては明言を避けたが、「世論からの期待が大きい。私が推し進めようとしているのはリーダーシップについて。首相というのはリーダーであり、必ずしも政治的な役割である必要はない」と自身の考える新しい首相像について語った。
ネタニヤフ政権につくか否かは明確にしていない。2日後に行われた世論調査では彼の新党は5議席獲得との見通しで首相候補は現実的でないが、ネタニヤフ陣営から多くの票を奪う予想のため選挙結果を左右する存在となり得る。
(8/26-28)

◯ 国際情勢

【国連がガザの飢餓レベルを発表、イスラエル側は反論も…】(Y,P,H)
国連などによる食糧危機の指標「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」のガザについての報告書が発表され、「人為的な飢餓」があると認定。ガザ内の64万人が壊滅的飢餓である最低水準の「フェーズ5」、114万人がそれに次ぐ緊急事態の「フェーズ4」とした。
この国連による報告書を受け、ガザ地区を管轄とするイスラエル防衛省内の調整官組織は反論を公表し、「ハマスによる断片的かつ偏向したデータに基づいたものであり、方法論的欠陥も見られるなど虚偽である」と批判した。イスラエル側の代表者はIPCの作成者に説明を行ったが、そのデータなどは無視され、最低レベルに認定するための方法論への意図的な操作も見られるとのこと。イスラエル側は「中立と専門性への深刻な疑問を生じさせるもの」と反論している。
ハマスが運営するガザ保健省によるとこれまでの飢餓による死者数は子供112人を含む271 人。ちなみに23年4月から内戦状態にあるスーダンでは今年1月までに52万人以上の乳児が餓死しており、これは(紛争期間や人口差などを考慮すると)ガザ地区全体の子供の餓死者数の184倍に。しかしIPCの最新データではスーダン全体で上記のフェーズ4・5に該当する地域は18%でガザは90%と、スーダンよりもガザの方が危機的な飢餓であるとの結果になる。
(8/22)

 

【トランプ大統領「生存する人質は20人以下」】(Y,P,H)
トランプ大統領が拉致被害者たちに言及し、「(生存者は)20人いるが、おそらく何人かはすでに私たちと共に居ないため、それよりも少ないだろう」と発言した。続けて、「残っているのは最後の人質であり、彼らを解放すれば自身の終わりであることをハマスは理解している。従って彼らの解放は難しい」と説明した。
この生存者が20人以下との発言は被害者家族の会に衝撃を与え、同会は「もし(イスラエル側の交渉役である)デルメル戦略相が新しい情報を知っているのであれば、まずは家族たちに伝えるべきだった」と声明を発表。
イスラエル政府はこのトランプ発言を受け、生存者が20人、生死が危ぶまれているのが2人、そして死者28人と、現在公表されている情報から変更はないと家族に通達している。
(8/22)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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