ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【トランプ大統領の新休戦案の内容が報道され始める】(Y,P,H)
サウジメディアは26日、米トランプ大統領の新しい休戦案に盛り込まれている21のポイントについて報道した。同案の内容は国連総会の演説後に行われたトランプ氏とアラブ・イスラム国首脳との会談時に伝えられ、各国から広く理解が得られたといわれるもの。
その中にはガザ内での即刻休戦や休戦開始後48時間以内の(生存・死亡者を含む)全人質解放とそれに対して終身刑100~200人を含む数千人のテロリストの釈放、国連のみによる人道支援という従来のシステムの復活(GHFの活動終了)やアラブ諸国などからなる多国籍軍によるハマスの武器没収(武装解除)、イスラエルが西岸地区を併合しないというアメリカによる誓約やガザからの国防軍の段階的撤退などが盛り込まれている。
戦後のガザは国際社会の主導にパレスチナ自治政府が加わり、その後統治権を自治政府に譲渡する形。ネタニヤフ首相はこれにノーコメントを貫いているが、トランプ氏は「すでに4日間の集中的な協議が行われており、全ての中東諸国が関与しイスラエルにはすでに共有されている」と自身のSNSで述べている。
(9/27)

 

【去年の人質救出時に司令官を殺害したテロリストを排除】(Y,P)
27日に国防軍とシンベトはハマスのテロリストであるモハメド・アフマド・ユセフ・アル=ジャマルを軍事作戦で殺害したと発表した。
このテロリストは去年6月に行われたノア・アルガマニさんをはじめ人質4人が救出された特別作戦に参加した警察特別部隊のアルノン・ザモラ士官を殺害していた。この1年3か月越しの復讐とも言える作戦では10月7日の越境攻撃・虐殺に参加しアル=ジャマルと潜伏していたもう1人のハマスのテロリストも殺害している。
またガザ内の別の場所ではゴラニ旅団特殊部隊が配備場所のすぐ横の地下トンネルを発見、奇襲のため中で準備をしていたテロリストの集団に逆に奇襲攻撃を行い、ほぼ全員を排除するなど近距離での銃撃戦が行われている。
開始から2週間が経ったギデオンの戦車作戦Bでは参謀総長自らが日に1度はガザ内に配備された各旅団の進軍状況を把握・了承するなどゆっくりと進められており、作戦を全て完了するには数か月単位の時間が必要との見通しもある。
(9/27-28)

 

【ネタニヤフ・トランプ両首脳が新休戦案を発表】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相がトランプ大統領との首脳会談でガザ戦争と休戦案を話し合い、その後の共同記者会見でトランプ氏の休戦案に言及した。冒頭にトランプ氏は「これはおそらく文明において最も重要な日の1つとも言える偉大な日だ」と語り、ネタニヤフ氏が同案に賛同したと発表し謝意を述べた。
その後、会見直前に発表された休戦案について、休戦開始から72時間以内にハマスは全人質を解放し、ハマスやその他テロ組織は武装解除を進めること、中東を含むイスラム各国が武装解除の保証人となると発表した。ハマスが拒絶したら、イスラエルが必要な軍事作戦を行うことを全面的に支持すると発言し、ハマスに同案を受け入れるよう警告した。同案ではイスラエルが終身刑者250人を含む1950人のテロリストを釈放し、段階的にガザ地区を三方から囲む緩衝地帯まで軍を撤退させる。
「この計画は人質の解放とハマスの軍事力と統治能力を解体するという戦争における全目的を達成させる」とネタニヤフ首相はこの案を全面的に支持する姿勢を示し、中東平和における劇的な進展だとトランプ氏を賞賛した。
同案では戦後のガザ統治をパレスチナ人によるテクノクラシー(非政治的な技術者や官僚による政治)が開始し、トランプ氏やトニー・ブレア元英首相などが参加する新設の国際機関『平和協議会』が監視・監督する。並行してパレスチナ自治政府の改革を行い、安定的な統治能力があると判断されたのち、テクノクラシーに代わるというものになっている。
右派を含むイスラエルの大半はこの休戦案を支持しているが、極右はパレスチナ自治区が将来的にガザ統治を行うことはパレスチナ建国に繋がるため反発している。会見の直後に極右のベングビル・スモトリッチ氏はネタニヤフ氏に電話し、ネタニヤフ氏は「自治政府の改革は実現せず、ガザを統治する可能性はない」と理解を求めている。
ハマスにはこの休戦案受け入れは人質という唯一の切り札を失う上、より過激なイスラム聖戦などに「西側に屈服した自治政府と同類」と烙印を押される可能性がある。しかしカタール・トルコというハマスを支持する2か国がこの案を支持しており、拒絶すればイランを除く全イスラム世界から孤立するため、難しい判断を迫られているとメディアは伝えている。
(9/29-30)

 

【ハマス『ガザ支援船団』に直接関与か、船団を拿捕したものの支援物資は見つからず】(Y,P)
外務省はガザ地区内から見つかったガザ封鎖に反対する国際活動家のガザ支援船団にハマスが直接関与したことを示す文書を公開した。それによると支援船団に使用されている船舶の所有会社の中に『サイバー・ネプチューン』というスペインの会社があるが、その実態はハマス工作員アブ・キシュクのダミー会社であることが判明。
キシュクの実態はハマスメンバーだが、表向きはイスラエルへの反対デモやガザへの支援船団を企画・実行するPCPAという民間団体のスペイン支部スタッフ。このPCPAも人道団体を装ったハマスの傘下団体であることが分かっており、イスラエルでは21年にテロ組織に認定されている。
見つかった文書の中には前ハマス政治部リーダーのイスマイル・ハニヤからPCPAを賞賛・支持する正式文書やPCPAのメンバーリストが含まれており、同リストにはキシュクの他に15年に渡って支援船団を先導しているイギリスを拠点とするハマスメンバーの名前などが見つかっている。
その後、「イスラエルのガザ封鎖を突破し、直接支援物資をガザに届ける」とのスローガンのもと、8月末にジェノアやバルセロナを出発していた約50隻の船舶からなる『グローバル・スムード船団』が1日午後からガザ付近の領海に侵入。同日夜から3日朝に海軍・警察共同の拿捕・移送作戦が行われ、全ての船舶が南部アシュドドの港に到着し約500人の活動家は全員拘束された。
外務省はその後「乗客の健康状態は良好で全員が安全である」と発表、グレタ・トゥンベリさんをはじめ各国の活動家たちには自主退去に同意するか否かの選択が提示され、拒否した場合は不法入国者として強制退去という形になる。在イスラエルの各国大使館は自国民の活動家に自主退去に従うよう説得しており、一部はすでに同意しイスラエルを出国している。
500人という大量の不法入国者になるが、活動家が帰国する旅費などはイスラエルが負担し、活動家の国々は一切負担しない形になるもよう。
外務省は3日朝に拿捕された船舶の内部を調べた結果、支援物資をガザに届けるという目的だったが、支援物資は船内から発見されなかったと声明を発表している。
(9/30-10/3)

◯ 内政

【首相は反対も極右主導でテロリストの死刑に関する審議開始か】(Y,P,H)
国会の国家安全委員会が会議を行い、凶悪なパレスチナ人テロリストに死刑執行を認める法案について国会の第一読会で審議を開始することを決定した。
この法案はベングビル国家治安相率いる「ユダヤの力」が法整備を求めており、これまでにも何度か首相などの反対から断念を繰り返してきた。委員会の会議では左派議員の他、出席していた人質解放に関する責任者が「人質の安全のためにも今議論を行うべきではない」と発言。同委員会法律顧問も「国会休会中の採決強行は基準を満たしていない」と反対した。
しかしベングビル氏は首相の側近に議論延期を要請されたが突っぱねたとし「人質が居る時だからこそ死刑制度を進めるべき」と語った。
生還した人質たちはベングビル氏がテロリストたちの待遇悪化を決定した直後に監禁中の待遇がより劣悪なものになったと証言しており、この法整備は人質を危険にさらす可能性が大きい。
(9/28)

◯ 国際情勢

【マイクロソフト、国防軍へのサービスの提供を一部停止】(Y,P,H)
マイクロソフト社が国防軍諜報部の8200部隊にクラウドサービスの提供を停止した。同社はパレスチナ人同士の通話を8200部隊が傍受し、そのデータをMicrosoft Azureのクラウド内に保管し解読作業を行っていたとの調査結果を発表。これは国民の監視に該当し同社の利用規約違反することから、サービスを停止したと説明している。
同部隊はこのサービスを3年間利用、携帯電話による通話傍受・解読は主要な活動になり総データ量は約8000TBになっていたとのこと。当初は西岸地区内の通話に使用されていたようだが、10/7以降はガザ内の通話傍受もこのサービスで行われていたといい、国防軍の契約を打ち切るようにとの声が内外から上がっていた。
軍関係者は同社の全サービスが使用不可となった訳ではなく、別のサービスをすでに使用しており影響はないとコメント。
(9/25-26)

 

【ネタニヤフ首相、ガザに多数のスピーカーを設置し国連で演説】(Y,P,H)
26日午後の国連総会でネタニヤフ首相が41分間の演説を行った。まずはイラン率いる抵抗の枢軸がこの2年間でほぼ姿を消したことからイスラエルに敵対した勢力はいずれ消えることになると主張。
その後ハマスとの戦闘に「世界の大半はもう10/7を覚えていない」と国際社会を批判、ハマスによる虐殺・性的暴行などの蛮行を改めて主張した。その後20人の生存者とされる人質の名前を1人ずつ読み上げ、その後ヘブライ語で「私たちは1秒たりともあなたたちを忘れてはいない。全員が家に戻るまで黙りも休みもしない」と呼び掛けた。
直後にはガザに残るハマスに「武器を置け。私の民、人質を解放せよ!そうすれば生きることが出来るが、拒否すればイスラエルがお前たちを捕らえる」と人質解放・降伏を求めた。
首相は演説前、軍にガザ地区内でスピーカーを設置し、『歴史的演説』を聞かせるように指示していたよう。
またネタニヤフ氏は一方的かつ無条件にパレスチナ国家を承認した英仏加豪といった先進国を激しく非難。パレスチナ側が2国家共存を標榜していないとし、そんな状況での国家承認は「ユダヤ人を殺害することは(パレスチナ承認という)益になる」というメッセージの表明になっていると厳しく批判した。承認した西側諸国の首脳たちに「あなたたちが喉元にテロ国家を押し付けることを私たちは許さない」と述べた。
この『歴史的演説』には支持層からは賞賛の声がある一方、右派を含む現地メディアの大半からは「ギミック(スピーカー設置や演説内で出題したクイズ)は豊富だが、内容・ビジョンには乏しいもの」と批評する記事が見られている。
(9/26)

 

【英マンチェスターで大贖罪日にテロ、2人が殺害される】(Y,P,H)
ユダヤ教で最も神聖な日とされる大贖罪日である2日朝、英マンチェスター郊外のシナゴグにテロリストが車で突っ込み、礼拝に参加していたユダヤ人たちが刺されるテロが発生した。
地元警察によると50・60代男性2人が死亡し、4人が重軽傷を負ったとのこと。テロリストは急行した警官に射殺された。
その後テロリストはシリアで生まれ幼少期に英国に移民して来たイスラム主義者ジハド・アル=シャミエ(35)であると判明。
ラビが危険をすぐに察知し、シナゴグのドアを閉めて施錠したためより大きな惨事にはならなかったと英メディアは報じている。英国当局は直後に国中のシナゴグの警備をより厳重なものとしている。
イギリスではこの日も「インティファーダのグローバル化」を叫ぶ大規模な反イスラエルのデモが開催されており、このシナゴグから5kmほどのマンチェスター市内でも予定通りデモが行われている。
(10/2-3)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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