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豊かな緑が目に眩しく、日中は汗ばむくらいの陽気となってまいりました。春から夏への季節の変わり目ですが、皆さまお障りなくお過ごしでしょうか。
 
メルマガ5月号では、5月10日に公開された「社会的養護下におかれた外国籍児童」に関する調査報告や、メディアでも注目された無国籍児童に関連して、ISSJが作成した「無国籍の子ども Q&A Book」をご紹介します。
 
また、今回よりシリーズ「支援の現場から」が始まります。このシリーズでは、ISSJのソーシャルワーカーが、日頃感じた事・思った事をストーリー仕立てでお伝えしていきます(不定期の発信予定です)。
 
なお、配信内容のリクエストやご質問がありましたら、mailmagazine@issj.orgまで、どうぞお問い合わせください。
Index
  1. 「社会的養護下におかれた外国籍児童」に関する調査報告
  2.  無国籍児童に関するパンフレットの発行!
  3.  日本で暮らす難民 〜シリーズ・支援の現場から〜
  4.  お知らせ
  5.  ソーシャルワーカーのつぶやき vol.2
  6.  スタッフ紹介(林乙平)
    1.「社会的養護下におかれた外国籍児童」に関する調査報告

    5月10日、厚生労働省による委託事業として、「児童養護施設等における外国籍等の子ども・保護者への対応等に関する調査研究報告書」が発表されました。全国の乳児院・児童養護施設等にアンケート調査を行って実態を把握すると共に、検討委員会が分析・提言を行っています。

     
    これまで可視化されてこなかった、社会的養護下の外国籍児童の実態。今回の調査で、子どもだけでなく、保護者、とりわけ母親の抱える困難も明らかになりました。詳しい内容はこちらから。
     
    調査報告書全文はこちら
    2. 無国籍児童に関するパンフレットの発行!

    法務省の統計によると、無国籍として登録されている0~20歳はおよそ300人(2020年6月末時点)。その7割を0〜2歳児が占めています。

     

    ISSJが主に関わるのは、社会的養護下で育つ外国籍の子どもの国籍取得。他にも、児童養護施設から退所した後に、婚姻手続きや妊娠・出産、パスポート取得、就職活動等の機会に無国籍状態に直面し、ISSJに相談が寄せられることもあります。

     

    そこでISSJでは、『無国籍の子どもQ&A BOOK』を作成しました。実際に受けた相談事例も掲載されています。このパンフレットが、一人でも多くの子どもの無国籍状態の解消に役立つことを願います。今後も、無国籍児童に関する情報発信を続けていきます!

     

    パンフレットは、こちらのページからダウンロードできます(日・英・タイ・タガログ・ネパール語)。印刷版が必要な方は、issj@issj.orgまでお問い合わせください。

    3. 日本に暮らす難民 〜シリーズ・支援の現場から〜
    今回の主人公は、歯科を受診したミャンマー人難民の父子。同行したワーカーの目を通して、彼らのストーリーを紡ぎ出します。

    ある難民申請者の方と、地下鉄の駅で待ち合わせた。

     

    彼と、彼の小学3年生の息子は、今日、歯医者さんで診療してもらうことになっている。彼の家族は長年日本で暮らしていて、難民申請をしている。つい最近まで、在留資格のある難民申請者だったが、昨年春に不認定となり、在留資格を失った。それに伴い、国民健康保険も失われた。保険がなくても医療ニーズは生じる。我慢しているうちに病状が悪化した。今日は、保険がなくても診療してくださるという、親切な歯医者さんに行けることになった。

     

    待ち合わせ時間に少し遅れて、彼ら父子は到着した。その前に、「少し遅れそうです。ごめんなさい。」というメッセージをもらっていたので、心配することはなかった。

     

    「電車賃が一番安い行き方を探して来たら、思ったより遠回りになって」という言葉を聞いて、少し胸が傷んだ。子どもは恥ずかしそうに、お父さんの斜め後ろについている。

     

    歯医者さんでは、快活な先生がにこやかに迎えてくれた。彼らの事情は話してある。先に父親からの診察。日本語でのコミュニケーションに支障のないことがわかり、先生も安心した様子。治療の方針などを、丁寧に説明してくれた。

     

    その次は、息子の診察。これまで学校の検診で、歯科治療を受けるようにという手紙をもらっていたが、行くことができなかった。

     

    2人とも治療は1回では終わらなかったので、次回も診てくださることになった。子どもの方は、割れている奥歯を抜歯する。

     

    帰り道、ようやく受診できて安心したせいか、彼は自分のことをいろいろと話してくれた。

    出身国のミャンマーでは1988年に大規模な民主化運動が起こり、多くの市民が弾圧を受けた。3人の兄たちもデモに参加して次々に投獄され、後に釈放されたが、ほぼ1ヶ月で全員死亡した。一人は精神を病んで自殺したという。両親も早世し、彼はあっという間に一人ぼっちになった。

     

    彼が結婚したのは2006年。その翌年にサフラン革命が起きた。

     

    家族は日本に逃れ、難民申請をした。

     

    結果は、不許可。そして2021年、軍によるクーデター。同じことが、また起きている。

     

    「私たちはどうしても帰ることはできない。今の生活はすごく苦しいけれど、ミャンマーでデモしている人たちに比べたら、ずっと幸せ」と彼は言った。

     

    本国での情勢悪化は、日本にいるミャンマー人にも暗い影を落としている。夜眠れない、食べられない、などの訴えを聞く。彼もまた、同様である。

     

    それでも「幸せ」と言えるのはどういうことなのか、彼らと別れてから、ひとり考えた。

     

    (ソーシャルワーカー M.I.)

    4. お知らせ
     
     支援者向け研修、今年度も開催
    ISSJでは今年度も、外国につながる子どもと家族の相談支援に関するセミナー(日本財団助成)を企画しています。5月には週に1回のスタッフミーティングで皆の意見を交わしつつ、担当スタッフで企画案を練りました。(ちなみに、昨年度に実施した連続講座では、初のオンラインセミナー開催のため、機器を揃えるところからの試行錯誤でした。)
     
    今年度は相談支援や在留資格・国籍の基礎に加え、昨年度の講座アンケートや、前述の社会的養護下にある外国籍児童の調査報告書で明らかになったニーズに応える内容で準備中です。詳細はあらためてメールマガジンやISSJのウェブサイトでお知らせいたします!
    「教育 X 福祉」活動報告書公開!

    ISSJでは、2019年度より、中央共同募金会赤い羽根福祉基金の助成を受け「日本語教室を介した外国につながる家族へのアウトリーチと相談支援事業」を実施してまいりました。

     

    2年間の事業の成果を、活動報告書「福祉の視点を取り入れた社会統合の試み」としてまとめたデジタルブックも公開しています。PDF版はこちら。ぜひご覧下さい!

      夏のチャリティ映画会&バザー、中止

    新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、2021年度の夏のチャリティ映画会&バザーも引き続き中止にすることに決定いたしました。秋の映画会&バザーに関しましては、決定次第皆さまにお知らせいたします。ご理解賜れますと幸いです。

    5. ソーシャルワーカーのつぶやき vol.2

    改正入管法の、今国会での審議が見送られました。その前には連日メディアで取り上げられ、関心の高まりが感じられました。

     

    2016年にドイツを訪問したとき、大量に流入したシリア難民の受け入れについて国中で議論が沸き起こっていました。「なぜ外国人のことをそんなに話すのか」と質問するたびに、「これは私たちの社会の問題だから」という答えが返ってきて、日本との違いを感じたものです。

     

    入管法に戻ると、残念ながらまだそこまでの社会的関心はないようですが、外国籍住民との共生の必要性は誰もが感じているはず。様々な意見を持つ人が、ああだこうだと言い合える土壌が、少しずつ形成されているのかもしれません。
     
    (ISSJ常務理事 石川)
    6. スタッフ紹介(林乙平)
    はじめまして、林 乙平(いっぺい)と申します。
     
    1年ほど前からISSJで公認心理師として働いています。性格は好奇心旺盛で、特に身体を動かすことが大好きです。小さい頃の好きな科目は断トツで体育でした。
     
    仕事は、今まで、特別養護老人ホーム、学童保育、東京都の里親支援機関など、主に福祉関係で心理士として、高齢な方、子どもたち、里親さんや養親さんたちとお話させていただいてきました。
     
    ISSJでは、養子縁組事業を担当しており、今までの経験も活かして、精一杯、仕事をしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願い致します。
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