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学びの継続のためにー

子どものいる難民家族の家計を圧迫する学校教育費

 

 日本に暮らす子どもはすべて、国籍や在留資格に関わらず学校に通うことができます。義務教育期間をはじめ、高等教育でも無償化の動きが見られます。しかし、教育にかかる一切の費用が無料になるわけではありません。

   小学校であれば、まず入学の際にかばん(ランドセル)や体操服、上履きなどを購入しなければなりません。授業で使用する学用品(文房具、お習字セット、絵具セット、リコーダー、裁縫セットなど)なども購入が必要です。無償で配布される教科書以外にも、学習ドリルなどの補助教材が必要となり、給食費、PTA会費、遠足費も徴収されます。公立小学校に通うだけで、年間約10万円は必要になると言われています。修学旅行の積立や卒業アルバムなど、学年が上がるにつれて徴収される金額は増加します。日々の暮らしで精いっぱいな家庭では、それらを捻出することは容易ではありません。 中学校にあがれば、制服が必要になり、部活動へ参加するともっとお金がかかるでしょう。無料になるのは授業料と教科書だけで、それ以外は家庭で負担しなければならないのです。
 
 困窮する家庭には就学援助や就学支援という制度がありますが、外国籍の場合には支援対象とならない在留資格があります。奨学金も同様です。すべての子どもは学校には行かれるけれど、外国籍の子どもの教育は義務ではなく、在留資格によっては公的援助を受けられないこともあります。子どもが多い家庭では、学用品の負担が大きくなると教育を継続させるハードルが上がり、「学校に行かせない」という選択肢が生まれるかもしれません。毎年12月頃から、ISSJには困窮する家庭から子どもの教育費に関する相談が入り始めます。年間の負担額はいくらなのか、いつ徴収されるのか、分割払いは可能なのか。このような具体的情報が提示されないまま、子どもが日々持ち帰る「納入のお願い」は親を悩ませます。母国では教育にかかる費用はすべて無料だった場合には、適応の課題と合わせて親にとって一層のストレスとなっています。
 
 

保護者が支出した1年間・子供一人当たりの学習費

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」表1 学校種別の学習費総額より作成

 

子どもの学びを支えたい

 

ISSJは「難民の子どもの就学支援基金」を始めます。皆様からのご寄付を募り、困窮するご家庭の費用負担を軽減するため、新入学生や公的な修学援助・支援を受けられない生徒に教育費の補助を行います。

 

 

寄付期間:2024年1月〜2025年3月
目標金額:150万円
ご寄付の方法:クレジットカード/郵便振替/銀行振込
※詳細はウェブサイトをご覧ください

皆様のご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

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お知らせ
一緒に働くソーシャルワーカーを募集しています!
  • 2022年度事業報告書を発行しました
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ISSJは、以下の職員を募集しています。ISSJの活動にご興味のある方はぜひご応募ください。

 

  • 「養子縁組支援」ソーシャルワーカー
  • 「Children Across Borders(CAB)」ソーシャルワーカー
  • 「外国につながる人々のコミュニティ支援事業」ソーシャルワーカー
動画「ISSJオンライン活動紹介」公開中
  • 2022年度事業報告書を発行しました
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12月19日(火)に、YoutubeライブでISSJスタッフによる活動紹介を行いました。

 

移住者の支援、養子縁組の支援、Children Across Borders(CAB)のスタッフが、日々の活動内容や相談支援のあり方などを紹介しています。

 

本ライブ配信は終了しましたが、録画配信をご覧いただけます。是非、ご覧ください。

 

 
活動報告
【養子縁組】児童福祉関係者向けセミナー『子どもの生い立ちへの疑問にどう応えるか―ライフストーリーワークの実践―』を開催しました
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社会的養護下にある子どもたちがもつ生い立ちへの疑問。子どもたちとの関わりのなかで、その思いにどう応え、成長を支えていけるでしょうか。
 
児童福祉の支援者向けに、イギリスで支援者や当事者ジョアンヌ・アルパー氏を講師に迎え、セミナーを開催しました。児童相談所や児童養護施設などで支援にあたる約220名のお申込みがありました。
 
ライフストーリーワークの方法について、実践の意義・イギリスでの具体例を用いて生い立ちの整理についてお話しいただきました。質疑応答では「子どもが知りたいと声を上げやすくするために、何ができるか。そもそも知りたいと言えない子がたくさんいるように思う」「子どもが施設にいるうちに収集しておくべき情報は何か」といった、日々子どもと向き合っている支援者からの質問が寄せられ、活気のある講義となりました。
【移住者の支援】支援者向け研修「移住者とソーシャルワーク」終了しました
難民の背景のある人を含む移住者(難民・移民)からの相談は、背景や事情がわかりにくかったり、色々な課題が複雑に絡み合ったりして、対応が難しいことがよくあります。当事者だけでなく、家族やコミュニティといった当事者を取り巻く環境について理解し、働きかけを行っていくことも欠かせません。
 
本年度は、ソーシャルワークとしての対人支援について理解し、多様な視点を持って実践に活かせるようになることを目的として、専門家による講義・当事者との対談・演習をおこないました。約80名のお申込みがあり、行政機関・自治体・支援団体などに所属する方々に参加していただきました。
 
研修のライブ配信は終了しましたが、録画視聴のお申込みを受付中です。
ソーシャルワーカーの視点
ー最近読んだ面白い本
アン・ウーキョン 著 / 花塚 恵 訳
ダイアモンド社 発行
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心理学者であるアン・ウーキョン教授によるイェール大学の人気講義「シンキング」を元に、誰でも陥りそうな思考の穴(エラーやバイアス)と、対処法(論理思考を高める!)について、わかりやすく解説されています。日頃から「バイアス感度」が高いと自負する人が読んでも、気づきが多いのではないでしょうか。誰でも、自分のバイアスには気づきにくいものです。

 

 人は何かを知覚すると、自動的かつ無意識的に、自分が持っている知識に照らして解釈するそうです。また、事象の解釈は、その時信じていることにも左右されます。つまり事実は一つでも解釈は人の数ほど存在し、私たちはバイアスから逃れることが困難です。もしも誰かに自分の思いを知ってほしい、あるいは誰かの心を知りたいのなら、できるだけ推測の余地をなくすことが大切。つまり一番確実な方法は、率直に伝える、あるいは聞いてみること。(あぁ、これは世界で最も難しいことの一つ)。

 本書は、単なる認知心理学の紹介ではありません。最後に著者は、『より良い世界』とは『よりフェアな世界』だと思っている、といいます。バイアスを少なくすることで、自分自身にも他者にもフェアになれる。自分を卑下するための情報ばかり集めたり、過信しすぎるのは自分に対してフェアではないし、バイアスにとらわれなければ他者にもよりフェアになれるはず。バイアスを0にはできないけれど、それを自覚し、もう少し自分にも他者にも優しくなれれば、より良い世界にできると信じたい。

 

(ソーシャルワーカー 石川)
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