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養子縁組の記録管理のあり方を考える

ISSJは、設立時より、養子縁組に関する全ての資料を保管しています。2022年度、こうした資料をデータベースとして永年保管するプロジェクトをはじめました。

「自分の知らない記憶」を探して

 

ISSJが運営する養子縁組後の相談窓口に、日本人母から生まれ、アメリカ人夫妻に養子に託されたという男性から相談が寄せられました。男性は自分が養子縁組された生い立ちについては受け入れることができていて、養親に感謝をしつつも「誰かが記憶しているかもしれない、自分にまつわる記憶を自分のものにしたい」という切実な想いを口にしました。

 

男性が指す"誰か"とは、生みの親であり、彼の出産に携わった医療従事者や、養子縁組に関わった福祉関係者でもあるでしょう。男性が"知らない記憶"は、当時の彼を知る人たちから語られることが望ましいのですが、当事者が十数年前の記憶を鮮明に覚えているとは限りません。“誰か”の記憶は、文書や写真等の記録によって残されていると、探し出して、つなぎ合わせることが可能になります。

 

"記憶"を自分のものにするには、散逸した記録を集め、つなぎ合わせて、読み解く、という過程をたどります。相談窓口のワーカーは、相談者ひとりひとりの記録のありかを探し、記録をつなぎ合わせ、読み解く過程を支えながら、埋もれた記憶探しをお手伝いしています。

 

記録の永年保管に向けて

 

ISSJは、設立以来、養子縁組に関する資料を当時の形のまま保管しています。数十年前の記録には、紙が劣化し、印字が薄くなっているものもあります。災害に見舞われると、燃えてしまったり、流れて消失することもあるでしょう。そんな心配を抱えながら、資料を保管している団体は、ISSJだけではないはずです。そうした懸案を解決するための第一歩として、2022年度に永年記録保管プロジェクトを立ち上げました。

アーカイブス学の専門家でおられる目白大学の阿久津美紀准教授をスーパーバイザーにお招きし、資料の電子化だけではなく、データベース化を試行し、情報開示の効率化を図るため、記録の分類にも取り組んでいます。本プロジェクトの試みと成果を、ゆくゆくは養子縁組に携わるすべての団体に還元できるように、と願いながらプロジェクト作業にあたっています。

 

(ソーシャルワーカー 武田)

 

写真は記録のデータ化の様子。養子縁組の審判書、戸籍謄本、ソーシャルワーカーの報告書、生みの親からの手紙や写真など、一枚ずつスキャンし、データベース化しています。

相談の間口を広げる@LINE相談
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近年のコミュニケーションツールの多様化と、コロナ禍での相談間口の拡大を目指して、昨年4月よりLINE相談を開始しました。

 

誰しも、相談するときには、緊張したり、戸惑ったりします。気軽に問い合わせをしてもらえるよう、少しでも相談のハードルを下げたい、との思いから、身近で使いやすいツールになっているLINEを導入しました。以前より電話やメールで相談を継続していた方のなかも、LINE相談に移行するケースが増えています。

「実子を育てられない」「どうやら自分は無国籍状態にあるらしい」など一人一人の困りごとや相談に至る経緯はさまざまですが、「今どういったことでお困りですか?」など、短文のやりとりを重ねて、悩みごとを確認しながら、お役に立つ情報やアドバイスを提供できるよう日々心掛けています。

 

時代の移り変わりでコミュニケーションツールは変わっても、相手の心に寄り添う相談支援のあり方はそのままに、日々の業務に取り組んでまいります。

 

(ソーシャルワーカー 山口)

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お知らせ
「子育て期のムスリム女性のための日本語教室」実践報告会を開催します

3月9日(木)に、令和4年度文化庁「生活者としての外国人」のための日本語教育事業(地域日本語教育実践プログラム)において実施した「子育て期のムスリム女性のための日本語教室」の実践報告会を開催します。ご関心をお持ちの方は、どなたでもご参加いただけますので、ぜひご参加ください。

イラスト©森公宏

【日  時】 2023年3月9日(木)10:00~12:00
【形 式】オンライン(Zoom) 

【申 込】お申込みフォームより
【締 切】2023年3月8日(水)12:00まで
【参加費】無料

【内 容】

  1. 「子育て期のムスリム女性のための日本語教室」教室紹介
  2. 講演:日本語教室と福祉的な視点
    南野奈津子氏(本事業運営委員、東洋大学ライフデザイン学部生活支援学科教授) 
    遠藤知佐氏(本事業統括コーディネーター、大阪大学・立命館大学 非常勤講師)
  3. トークセッション:教室参加者と指導者に聞いてみよう
  4. 質疑応答  
 
活動報告
【養子縁組】養親子からの近況報告
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毎年年末年始には、ISSJでお子さんを迎えた家族から、それぞれの成長を伝える写真やエピソードが添えられた素敵なクリスマスカードや年賀状が届きます。大きく成長したお子さんの近影に、委託当時の面影を見つけて、喜んだり、月日が経つ早さに驚いたり、と私たちにとっても、楽しく幸せなひと時になりました。
【養子縁組】委託後の養親家庭を訪問しました
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年明け、養親家庭のTさん宅に、おじゃましてきました。家庭訪問は、委託したAちゃんの様子を確認しつつ、養親さんの困りごとや悩みごとについて話し合う、大切な機会です。Aちゃんは、養母さんに甘えたり、養父さんと一緒におやつを食べたり、とくつろいだ姿をみせてくれました。

※写真はイメージです。

【難民支援】収容施設からシェルターへの移動支援を行いました
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日本に入国後、空港から収容施設に入所させられていた難民申請者に対し、民間団体が運営するシェルターに転居してもらう移動支援を提供しました。シェルターに向かうなか、初めて目にする日本の街並みや人の往来に緊張しつつも、ISSJワーカーが電車・バスの乗り方や車内マナーなどを教えると、熱心に聴いて覚えようとされていました。厳しい寒さのなかでの移動は、心身ともに負担だったと思いますが、まずはしっかりと休息をとり、シェルターでの新しい生活に慣れてもらいたいと思います。
【開催終了】「外国につながる家族と子どもの相談支援」オンラインセミナー

今年度は、専門家や実務に関わる方を講師としてお招きし、難民、 多文化・多言語環境にある子どもなど、4つのテーマで全12回の講義を実施しました。実際に相談支援にあたる、行政機関、自治体、民間団体から約180名の皆さまにご参加いただきました。

ソーシャルワーカーの視点
(出版 / 小学館)
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ISSJの相談者のなかには、病気や失業、DV被害など、さまざまな理由から生活保護を受給されている方がいます。外国籍でも、在留資格によって生活保護の申請が可能です。

 

生活保護は、困窮者の命を守る最後のセーフティネットです。それを受ける側と制度を運営する側のストーリーは、教科書でもニュースでもあまり語られることがありません。本作品は、まさにそこに切り込む社会派マンガです。

主人公は、公務員として福祉事務所に配属された、ちょっぴり頼りない新人ワーカー。彼女の担当する生活保護の相談窓口には、倒産による借金生活や、アルコール依存症、DVで離婚し親の介護も抱えるシングルマザーなど、さまざまな事情を抱える人々が訪れます。一見問題の要因が彼らにあるように見えるものも、彼らの生い立ちや人生の過程、依存症を断つ難しさ等を理解することで、決して個人だけに起因する問題ではないことに気がつきます。そんな相談現場で、新人ワーカーは驚きと戸惑い、共感と義務感、同情と制度の間の葛藤を抱えながら、一人ひとりの事情と生活に向き合います。

 

マンガという表現方法によってわかりやすく、シリアスさとユーモアを交えて描かれています。おすすめです。

 

(ソーシャルワークアシスタント 大谷
スタッフ紹介(藤崎節男

2017年4月に、経理·総務業務を担当するスタッフとして、ISSJに勤務することになりました。私は、それ以前は、ずっと銀行で働いていましたが、現在は、社会福祉業務を下支えする仕事として、正確かつ迅速に、担当業務を行うことを使命と考えています。

 

私の趣味は、野球観戦と将棋です。昨年は、私の生まれ育った仙台にある仙台育英高校が甲子園で初めて全国制覇、その事実は、私にとって生涯最高の出来事になりました。

 

これからも、ISSJの存在意義を常に確認しながら、他のスタッフとともに、誰にとっても暮らしやすく、充実した社会の実現に貢献していきたいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。ISSJメルマガに関するご質問・ご意見がございましたら、issj@issj.orgまで、お気軽にお問合せください。
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