ISSJではこれまでも、様々な背景を有する移住者とその家族が日本社会で安心して暮らしていくための支援を提供してきました。その一環として、「ムスリム女性のための日本語教室」も7年ほど継続して実施しています(以下、「活動報告」参照)。これらの実践を通して気づいたのは、「日本語力」は日本社会への参加に大きな比重を占める一方で、必ずしも「日本語力」のみが参加を阻む理由になっているわけではないということです。母親という家族内での役割と時間的制約、文化宗教的背景、さらには移住者(外国人)であることなど、多くのハードルが存在します。同時に、本国での経験やユニークなアイディアを持ちながらも、それらを活かすことができず、ただ諦めざるを得ないという現状も目の当たりにしてきました。彼女たちが自ら望む形で社会に参加することはできないだろうか。私たちは、言葉の習得だけではない新たなアプローチを考えました。
本事業は、直接的に就労を斡旋するものではありませんが、当事者のニーズに即した職業訓練や就労・起業等に関する研修は、移住女性が日本社会での自己実現を目指す一助となるはずです。そして、移住者家族がそれぞれのライフコースを見通した生活基盤を構築する機会と材料を提供できれば、と考えています。
就労に大きく関わる本事業は、ISSJにとっても新たな挑戦です。関係者の皆さまに学びながら、これまでの知見と融合させ、支援の質と精度をより高めていきたいと思います。