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台風7号の被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
これからも、どうぞお気をつけてお過ごしください。
 
終戦から始まった、ISSJのあゆみを振り返る
ISSJは、養子縁組事業や日本に暮らす移住者支援事業において、子どもを中心とする家族へのソーシャルワークを実践しています。ISSJの事業が多岐にわたる背景には、戦後の社会の変化に応じたソーシャルワーカーたちの実践があります。78回目の終戦の日を迎えた今日は、このISSJのあゆみをお伝えします。
占領期の日本と戦後「混血児」

 

ISSJの前身は「日米孤児救済合同委員会(American Joint Committee for Assisting Japanese-American Orphans)- 以下、委員会」で 、1952年に設立したとされています。これは、日・米 ・カナダ人有志による任意団体で、第二次世界大戦後の駐留軍兵士と日本人女性の間に生まれた子どもたちの救済を目的に、国際養子縁組の支援を行っていました。

 

委員会の始まりについては正確な記録がなく、1945年からという説もあります。ただ、「1952年」には様々な変化がありました。この年は、サンフランシスコ条約が発効して連合国による占領が終了した年であり、同時に、戦後に日本人女性と駐留軍兵士との間に生まれた、いわゆる「混血児」が就学年齢に達したことから、その存在が顕在化した年でもありました。

前例のない事態に対して政府は実態調査を行い、それを受けて国会でも議論が行われました 。一方 「委員会」は 、養子縁組によって子どもたちに新しい家族を見つけると共に、日本に残された女性に米国に渡って米国人夫との家族再統合を行う支援を継続していました。米国では1953年に「難民救済法 (Refugee Relief Act)」が成立すると米国人の養子となった孤児や、縁組手続中の孤児も入国が認められるようになり、日本から米国へわたる国際養子縁組が活発化しました。委員会からISSJに引き継がれ残されている記録には、1952~1954年の3年間に委員会による国際養子縁組は785人であったとされています。
 

求められたのはソーシャルワークの知識とスキル

委員会は、国際養子縁組を支援するなかで、専門知識と技術の必要性を痛感するようになりました。それが、ソーシャルワークです。海外に多くのネットワークを持っていた委員会は、ジュネーブに本拠を置くInternational Social Service(ISS)に連絡し、1955年に業務提携を開始します。これにより、ISSから専門家を招聘して研修を行うことが可能になりました。委員会スタッフは欧米のソーシャルワークを直接学ぶ機会を得て、養子縁組支援のなかで実践するようになり、そのスキルは後世に受け継がれていきます。

 

委員会はISS日本代表部として活動を続け、1959年に社会福祉法人日本国際社会事業団として認可され、同時に、正式なISS日本支部となりました。

 

ISSJの設立時の時代背景やその知見は、現在のISSJの活動の軸として引き継がれています。 

 

 

 

 

移住者(難民・移民)の支援
ー新事業「難民の背景を持つ移住女性の社会統合促進事業」をはじめます
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ISSJは、難民を含む移住者が日本社会で定住していくための支援を行っています。関連する新規事業として、今年6月、休眠預金等交付金を活用した「アウトリーチ手法による外国ルーツ住民の自立支援」助成事業(資金分配団体:日本国際交流センター(JCIE)、ジャパンプラットフォーム(JPF))に採択されました。

本事業では、日本社会での自己実現は難しいと感じている難民の背景のある移住女性が、それぞれのニーズに応じて自立に向けて現実的なステップを踏めるようになることを目指し、①移住女性への職業訓練、②日本社会への働きかけ、③生活課題への伴走支援を行います。

ISSJではこれまでも、様々な背景を有する移住者とその家族が日本社会で安心して暮らしていくための支援を提供してきました。その一環として、「ムスリム女性のための日本語教室」も7年ほど継続して実施しています(以下、「活動報告」参照)。これらの実践を通して気づいたのは、「日本語力」は日本社会への参加に大きな比重を占める一方で、必ずしも「日本語力」のみが参加を阻む理由になっているわけではないということです。母親という家族内での役割と時間的制約、文化宗教的背景、さらには移住者(外国人)であることなど、多くのハードルが存在します。同時に、本国での経験やユニークなアイディアを持ちながらも、それらを活かすことができず、ただ諦めざるを得ないという現状も目の当たりにしてきました。彼女たちが自ら望む形で社会に参加することはできないだろうか。私たちは、言葉の習得だけではない新たなアプローチを考えました。

 

本事業は、直接的に就労を斡旋するものではありませんが、当事者のニーズに即した職業訓練や就労・起業等に関する研修は、移住女性が日本社会での自己実現を目指す一助となるはずです。そして、移住者家族がそれぞれのライフコースを見通した生活基盤を構築する機会と材料を提供できれば、と考えています。

 

就労に大きく関わる本事業は、ISSJにとっても新たな挑戦です。関係者の皆さまに学びながら、これまでの知見と融合させ、支援の質と精度をより高めていきたいと思います。

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お知らせ
日本社会で自立するために
ー社会的養護下にある外国につながる児童またはケアリーバー向け
「当事者向けレクチャー&相談会」を実施します
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児童養護施設などで暮らしている外国につながる子どもたちは、退所後、在留資格やパスポートの申請・更新手続きを自ら行わなくてはなりません。もしも、出生登録がなされていない場合は、無国籍(状態)である可能性があり、国籍を取得するまでには長い時間がかかります。十分な支援がないなかで、1人で手続きをするのはとても大変です。
 
 ISSJは、こうした外国につながる児童やケアリーバー(※)の皆さんに向けて、在留資格・国籍・帰化に関する当事者向けレクチャー&個別相談会を開催します。東京都福祉保健財団の助成をうけて、東京都に在住、在学、勤務される方を対象として実施します。
 
お申込みは8月下旬に開始します。
 
※ケアリーバー:児童養護施設や里親などの社会的養護のケアから離れた子ども・若者のこと
 
 
 
活動報告
Children Across Borders(CAB)】無国籍状態だったきょうだい4名にパスポートが届きました!
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親の出身国で出生登録がされておらず、無国籍状態のまま日本の児童養護施設で暮らす4人きょうだいに、7月、全員分のパスポートが届きました、と職員さんから喜びの声が寄せられました。ISSJが施設から相談をうけたのは2020年。親族とのやり取りを初めて、大使館での出生登録、パスポートの申請までおよそ3年を要しました。
 
無国籍状態から国籍を取得するまでは、親の所在や必要書類の有無などによって、とても長い道のりになることがあります。ISSJは、弁護士や関係機関と連携しながら、このような子どものために支援を続けていきます。
 
※写真はイメージです
 
【養子縁組】養親さんがISSJ事務所を訪ねてくださいました
約15年ほど前に、ISSJで3人きょうだいを養子に迎え、現在は家族で海外にお住まいの養父さんが事務所を訪ねてくださいました。養子縁組成立時に担当していたスタッフが、久しぶりに対面で再会しました。
 
お子さんの成長の様子や近況をご報告いただきました。子育ての喜び、悩み、葛藤など、たくさんの気持ちもお話くださいました。
 
ISSJスタッフ一同、これからも家族の皆さんを見守り続けたいと思います。
 
 
【移住者の支援】7月、日本語教室がスタート
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昨年度に引き続き、文化庁事業として子育て期のムスリム女性のための日本語教室を実施しています。事前ヒアリングや日本語教育コーディネーターの先生方との協議を経て、7月より、全6クラスが開講しました。

今年度は、コロナ禍前のような対面クラスも復活。新たに学び始める女性たちは緊張の面持ちで、数年ぶりに先生と直接顔を合わせる女性たちは久しぶりの再会を喜んで、活気溢れる賑やかなスタートとなりました。
ソーシャルワーカーの視点
世代を超えて、記録をたどって知る家族の気持ち
特集「 “ずっと父が嫌いだった” 家族が向き合う戦争の傷痕(NHK)」
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8月に入り、第二次世界大戦に関する番組や報道を見ることが多くなりました。そんななかで、養子縁組後の相談窓口を担当するソーシャルワーカーから、この動画について紹介がありました。番組内で登場するのは、戦争から帰還した後、無気力で働くこともせず、家族と言葉も交わさず「ただいるだけ」の父の姿を見てきた男性。中国戦線で6年間戦っていた父親のことが記された様々な資料をたどっていきます。戦争の最中を生きた父の経験を知って涙を流す息子さんを見て、時を経て知ること、その記録の重みを感じずにはいられませんでした。
 
ISSJには、ISSJの前身である日米孤児救済合同委員会の資料として、第二次世界大戦の影響により孤児となった子どもの支援記録が紙資料で断片的に残されています。もし、この記録を大人になった本人が見たら...その家族が見たら何を感じるだろうか、と思わずにはいられません。記録を読み解くことは、ISSJという1団体だけの視点だけではとても困難です。時代背景を知り、記録に関する専門家、そして当事者との連携が不可欠だと思います。
 
リアルタイムに情報が錯綜する現代に生きる私たちにとって、”記録”とは何なのか?記録を保管している団体として、この問いを大切にしながら活動していきたいです。
 
(事務局 櫻井)
 
※この番組は、現在はYoutubeでダイジェスト版のみご覧いただけます。
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