私を生んだのは誰?~出自を知る権利とは~

私たちの多くは、父、母、きょうだい、祖父母といった血のつながった親族がどのような人たちかを知っています。実際に会ったことはなくても、その人を知る人から、その人にまつわる話を聞き、写真を見て、その人を思い描くことができるのではないでしょうか。

 

自分は誰から生まれ、誰に育まれて、今ここに存在するのか。

 

その答えの多くは、血のつながりをたどれば自ずとわかります。けれども、特別養子縁組によって「養子」として迎え入れられた子どもは、親族との法律上のつながりが絶たれ、交流することもなくなるため、「血のつながった人」を身近に感じることが難しくなります。

 

ISSJは、そのような子どもたちが、生みの親やきょうだいのような「血のつながった人」をもっと知りたいと思ったとき、知るための方法が約束されていることが、大切だと考えています。なぜなら、子どもたちは、自分の親が養子縁組を選んだ理由を知ることで、その選択に導かれて今に至る自分の人生を見つめ直し、受け入れ、その先に進むことができるようになるからです。

 

そのため、ISSJをはじめ、養子縁組の相談に応じる団体は、実の親がその選択に至る過程に寄り添い、その記録を残し、記録に基づくさまざまな情報を養親や養子に伝えることができるように管理する責任を担います。ISSJは、養子縁組後の相談窓口を立ち上げて、養子縁組の当事者からのご相談に応じています。

 

養子縁組後支援の取り組みが日本国内でも浸透し、制度化され、養子になった子どもたちにとって、出自を知ることがもっと身近になることを願います。
お知らせ
カナダ・ブリティッシュコロンビア州との連携

ISSJは、養子縁組後支援の一環として、カナダ・ブリティッシュコロンビア州政府と連携することになりました。同州の養親に養子縁組された子どもとその親族がお互いを知り、交流するための情報開示申請手続きをお手伝いします。

 

制度の詳細につきましては、ISSJのホームページをご覧ください。

外国にルーツのある家族と子どもへの相談支援オンラインセミナー
第2・3回目開催報告
10月30日と11月27日、外国にルーツのある家族と子どもへの相談支援オンラインセミナー第2・3回をそれぞれ開催いたしました。
 
第2回目の講師には、いずみ橋法律事務所弁護士の小田川綾音先生をご招待。子どもの在留資格や無国籍児童の国籍取得のやり方について、豊富な事例とともに丁寧にひも解いていただきました。全国各地から115名の方にご参加いただきました。
 
第3回目の講師には臨床心理士/公認心理師の東谷知佐子先生をお招きし、多文化・多言語環境の子どもの発達について解説頂きました。発達基盤となることばの習得過程にいる子どもやその親に対して、愛情をもって向き合う支援の在り方を学びました。こちらも125名の方にご参加いただきました。
 
次回は、1月22日(土)に第4回「フィリピン人児童の出生登録手続きについて」を開催いたします。お申し込みをいただいた方に限り、後日1週間の録画配信もございますので、奮ってご参加ください♪ セミナー詳細・お申し込みはこちらから。
(写真:第3回目セミナー風景)
養親向けこころの専門家によるオンラインセミナー開催報告
11月23日(火)、日本財団の助成を受け、現在子育て中の養親の方を対象とした小規模研修を実施いたしました。講師には、一般社団法人無憂樹代表を務められ、心理領域の専門家である上村宏樹先生をお招きしました。
 
真実告知(養子に対し、養子縁組を通して迎えた子であることを伝えること)とそれに関しての心理的影響について学びました。グループワークを通して当事者同士の思いを共有したり、上村宏樹先生からのお話を通して”養子の思いに応えること(答えを探す、与えるのではなく、わからないことも含めて共感すること)の大切さ”を見つめ直す時を持つこともできました。今後もISSJでは、養親向けの小規模研修を継続していきたいと考えています。
ソーシャルワーカーのつぶやき vol.6

先日、先輩ワーカーからの紹介を受けて、『ワタシが"私"を見つけるまで(原題:Found)』というドキュメンタリー作品を視聴しました。中国で生を享けたある3人の女の子が養子としてアメリカに渡り、自身のルーツを求めて中国に里帰りをします。行きつ戻りつしながら自身の生い立ちと向き合う姿、それを包み込む養親のたゆまぬ愛情に触れ、思わず涙がこぼれてしまいました。

 

養子縁組が成立した後も、当事者が自分自身を求めて思い悩む姿に思いをを寄せ、自分自身がソーシャルワーカーとして何ができるのか、改めて考えさせられる作品でした。(武田)

スタッフ紹介(榎本裕子)

ISSJを知ったのは、赴任先のベトナムから帰国した際に「国際的な福祉に取り組む団体があるよ」と知人に教えてもらった時でした。

 

当時、国際協力分野の仕事をしながら社会福祉士の資格取得を目指しており、自身の経験を活かせる場を探していました。その後もしばらく他の社会福祉関連の仕事をしていましたが、2015年に2年越しの恋?を実らせ、ISSJでのワーカー生活も7年近く経ちました。

 

現在は養子縁組や無国籍の子どもの支援などの業務をしています。これまで様々なケースを担当しましたが同じことは一つとしてありません。私のISSJでの日々は色褪せることなく続いています。

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