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社会的養護下にある外国籍の子どもたち

 2021(令和3)年3月に公表された「児童養護施設等における外国籍等の子ども・保護者への対応等に関する調査研究報告書」(厚生労働省 令和 2 年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)から、約4割の児童福祉施設に外国籍児童が入所していることが明らかになりました。

 

 外国にルーツのある児童については、国籍、在留資格、親子関係などについて把握し、退所後の将来を見据えた、支援を提供する必要があります。ただ、児童相談所や児童福祉施設の児童の支援・処遇方針に、こうした視点が十分に反映されているとはいえません。児童福祉施設での暮らしが長ければ長いほど、子どもは外国にルーツがあったとしても、自身の国籍やアイデンティティをそれほど意識することなく、成長することになります。外国にルーツのあるケアリーバー(※1)は、在留資格を更新し、永住許可や帰化を申請することもあるでしょう。在留資格の更新に必要なこと、永住許可や帰化の審査で不利になる恐れがあるために、社会生活を営むなかで、注意しなくてはいけないことを退所時に正しく伝え、理解を促すことも児童の自立支援には欠かせません。つまり、外国にルーツのある児童が有する課題を正しく認識することなく、児童や家族を支え、自立を促すことはできないのです。

 

 ISSJの相談窓口には、児童相談所や児童福祉施設の皆さんから、次のような質問が寄せられます。

  • 在留カードに国籍が記載されていれば、国籍はあるの?
  • 国籍を取得するには、どのような方法があるの?
  • 在留カードがあれば、パスポートはいらないの?
  • 母の行方がわからない外国人児童は、パスポートを申請できるの?
  • 在留資格のない外国人児童や無国籍児童を養子縁組できるの?
  • 外国人児童や無国籍児童が養子縁組されたら、国籍はどうなるの?
  • 日本で養子を迎えた外国人養親が、出身国でも養子縁組を有効にするには、どうしたらいいの?
  • 外国に住む親族が、児童の引き取りを希望しているけれど、親族の養育環境や養育力を確かめるには、どうしたらいいの?
  • 児童が外国に住む家族のもとに戻った後、家族や児童に困りごとが生じたら、どこに相談したらいいの?
それぞれのご質問について、ソーシャルワーカーが必要な情報を提供したり、調査を行うなどして、相談に応じています。
 
また、こうした皆さんの疑問や不安に応えるため、オンラインセミナー「社会的養護下にある外国籍の子どもの支援」を企画しました。各回では「養子縁組」「無国籍」「児童の移住を想定した支援」という3つのテーマで、講師が実例を交えながら、支援方法を紹介する予定です。
 
(ソーシャルワーカー 大場亜衣)
(※1:ケアリーバー)児童養護施設や里親家庭などの社会的養護の経験者
クラウドファンディングの報告と御礼
「アフガニスタン元留学生と家族の命を守りたい」
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78日に挑戦を始めたクラウドファンディング「アフガニスタン元留学生と家族の命を守りたい」は、延べ450名の皆さまより、5,206,500円のご支援をいただき、830日をもって成功裏に終了することができました。ご支援・応援に心より感謝申し上げます。

 

事務局として、クラウドファンディング企画の立ち上げから運営全般に携わり、プロジェクトメンバーである先生方や応援くださる数多くの方々とのやり取りを通して、資金面だけではない数多くの収穫と学びがありました。ISSJが目指す支援のあり方、難民や移住者を受け入れるとはどういったことなのか、そんな根源的な問いに向き合う日々でもありました。何よりも、アフガニスタンの現状に目を向け、応援してくださる方々が数多くいらっしゃるという事実に、とても勇気づけられました。そして、当事者と直接関わりのある私たちが、社会に伝えていくことをやめてはいけない、というごく当たり前のことに気づかされました。

 

新しい土地で生活を再建し、その地に根付いていくこと。すなわち、定住への道のりは、長く、険しいものです。当事者にも、支援者にも、忍耐力が必要とされます。躓きそうになった時、諦めそうになった時には、沢山の皆さまが応援くださっているというただその事実を、しっかりと振り返りたいと思います。そして、アフガニスタン元留学生とその家族にも伝えていきたいと思っています。

 

皆さまからのご支援、得られたネットワークを活用し、アフガニスタンの家族に一日でも早い心の平穏をもたらせるよう、尽力して参ります。これからも変わらず、アフガニスタンをはじめ、祖国を逃れざるを得ない人々とその現状に、心を寄せていただけますと幸いです。

 

(クラウドファンディング事務局 近藤花雪)

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お知らせ
オンラインセミナー申し込み受付中
「社会的養護下にある外国籍の子どもの支援」
テーマ3のお申込みを受付中です。
 
10月6日(木)10:30-12:00
「外国につながる子どもの養子縁組支援について」
講師:大場亜衣・榎本裕子(ISSJソーシャルワーカー) 
 
10月27日(木)10:00-12:30
「無国籍児童の国籍取得ー手続きと関係機関との連携ー
講師:小田川綾音氏(弁護士
 
11月25日(金)17:30-19:00
「外国籍児童に関するアセスメント(家族関係と家庭環境の調査)ーイギリスの取り組みと実施例ー」
講師:Noriko Takahashi氏(元CFAB-ISSイギリス支部 ケースコーディネーター)
 
お申込みや詳細はこちら。
ISSJ2021年度の事業報告書を公開
2021年度ISSJの事業報告書を発行しました。
 
本報告書では、「子どもの国籍取得」について特集を組んでいます。無国籍の課題に関する解説や、支援に携わるフィリピン人ソーシャルワーカーへのインタビューも掲載しています。ぜひご一読ください。
 
全文はこちら(PDF)
ISS本部2020-2021年分の年次報告書を公開

2020–2021年分のISS本部作成の年次報告書(英語)が発行されました。

 

ISSは2024年で100周年を迎えます。本報告書では、ISSやISSネット―ワークの年次報告に加え、2024年までのISSのネットワーク促進など長期的な計画やビジョンも掲載されています。

 

内容はこちらのリンク(英語のみ)からご覧ください。

 
活動報告
オンラインセミナー・テーマ2
「多文化・多言語環境にある子どもの育ちを考える」を開催しました!
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多文化・多言語環境にある子どもの育ちをテーマに、専門家や当事者を講師として、全2講義「外国にルーツのある子ども・家族支援の実際」「多文化・多言語環境にある子どものことば・発達・関わり方」を実施しました。国際交流協会や日本語教育関係者、行政職員の方々など、約60名にご参加いただきました。

 

本オンラインセミナーは4つのテーマで開催しており、次は10月6日にテーマ3の講義1を実施します。

 
詳しくはこちら
 
(写真は第2回講義での一場面)
養子縁組後の支援事業:事例検討会(9月2日)
日本財団の助成事業として、6月と9月に宮島清先生(日本社会事業大学専門職大学院 客員教授)をスーパーバイザーとしてお招きし、成人した養子のルーツ探しに係る相談対応のあり方について、事例検討会を実施しました。
 
9月2日の検討会では、結婚を目前に、戸籍謄本を見て養子であることを知った相談ケースを取り上げました。相談者本人が有する情報が少なくとも、ワーカーは、情報を収集する方法をお知らせし、当時の時代背景や家族の生活状況などを考慮しながら、収集した情報をいっしょに読み解く役割を担えること、面談の際には会話の速度にも配慮する必要があること等を宮島先生からアドバイスいただきました。
ムスリム女性のための日本語教室
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ISSJでは、2017年から継続して「ムスリム女性のための日本語教室」を開催しています。今年度は、社会との接点が少ない子育て期の女性に焦点を当て、文化庁事業として実施しています。
 
コロナ禍といった理由だけでなく、子どもが自宅にいたり、持病のために外出を控えている母親も無理なく参加できるよう、オンラインと対面のハイブリッドで開講しています。子どもたちの夏休みも終わり、母親たちの日本語教室も本格的に授業が始まっています。ニュースの理解や問診票の書き方なども取り上げ、家庭をもつ母親が日常生活に必要な日本語を受講者のレベルに応じて学んでいます。
 
ソーシャルワーカーの視点
無国籍支援のむずかしさ
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最近、無国籍に関する相談が増えており、支援者の皆さんの関心が高まっていることを心強く感じています。無国籍状態にある相談者の多くは、日本で生まれ育っていて、親が生まれた国に行ったこともなければ、親の国の言葉も理解しません。
 
在日大使館で出生登録をするにも、親の国から書類を収集するなど、煩雑な手続きが必要であるため、本人だけでなく支援者も思わず怯みます。さらに、国籍を取得するには、父母の協力が不可欠ですが、暮らしに困窮していたり、生活上の課題を抱えていることも多く、手続きを一歩進めたと思ったら、二歩下がってしまう事態もしばしば起こります。約束した相談場所に父母が現れず、とぼとぼと事務所に戻ることもあります。
 
でも、無国籍状態になってしまうのは、当事者のせいなのでしょうか。むしろ、国籍という制度に狭間が生じていて、取り残されてしまう人々が多いことが問題であり、無国籍者が生まれる原因に目を向ける必要があるのではないでしょうか。

 

(ソーシャルワーカー 榎本)

スタッフ紹介(伊藤サガー

2012年11月、知人からISSJを紹介され働き始めました。ISSJでは、タイ人からの相談がしばしばあります。タイ語の専門スタッフとしてタイ人家族、タイ王国大使館、タイ政府機関などと円滑にコミュニケーションを図れるよう努めています。

 

ISSJに勤務する以前は、いろいろな活動をしていました。イラク戦争終結後や東日本大震災後は、復興支援の一環としてタイ舞踊を披露しました。また、長い間タイ大使館で困りごとを抱える在日タイ人をボランティアとして支援していました。

 

私はタイ養子縁組の支援に携わる際、養親がタイと日本の両国の手続きを経て、養子縁組が成立できることをいつも願っています。これからも日々勉強を重ねたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。ISSJメルマガに関するご質問・ご意見がございましたら、issj@issj.orgまで、お気軽にお問合せください。
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