前回と多少被る所もありますが…
裁判は全部で10回。10人の裁判官が存在します。
またこの裁判官は
地獄での「王」と、
天国での「菩薩」の両面を持っています。
これを「本地仏」と言い、本来はコチラの姿なのですが
地獄で「王」という姿に変わって死者の裁きを行います。
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では1人目からご紹介…
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①秦広王(しんこうおう)……不動明王(ふどうみょうおう) →初七日(7日目)
書類審査(生前の行い、特に殺生についてを書類を使って判断する)
秦広王の審判の後に三途の川を渡る。
善人は橋を渡り、悪人は川に放り込まれ自力で泳いで渡る。
その際、六文銭を渡すと橋を渡らせてもらえるので(「三途の川も銭次第」)、
棺に入れるようにする。
②初江王(しょこうおう)……釈迦如来(しゃかにょらい) →27日(14日目)
殺生と盗みについての行為の裁き
秦広王と懸衣翁(あるいは奪衣婆)からの報告書をもとに裁く
③宋帝王(そうていおう)……文殊菩薩(もんじゅぼさつ) →37日(21日目)
邪淫の裁き
④五官王(ごかんおう)……普賢菩薩(ふげんぼさつ) →47日(28日目)
罪状の重さを秤を使ってはかって判断
五官は五感のこと。言葉で人を傷つけなかったかなど、生前の言動を特に裁く。
⑤閻魔王(えんまおう)……地蔵菩薩(じぞうぼさつ) →57日(35日目)
「浄玻璃の鏡」と「人頭杖」を使って生前の行いをチェックし裁く
この時点で死者の行先は決定されるが、
不服申し立て(本人がする)をする場合は更に詳細を見る裁判が続く。
⑥変成王(へんじょうおう)……弥勒菩薩(みろくぼさつ) →67日(42日目)
今までの裁判結果の見直し(再チェック)と、
人間の善悪を見る三つ目の鬼が絶対に誤りのないように裁く。
⑦泰山王(たいざんおう)……薬師如来(やくしにょらい) →77日(49日目)
四十九日。死から生へと生まれ変わるのに必要な期間が49日。
この時点で死者の行先は最終決定される。
ここ以前の裁判では、不審な点や遺族の供養の度合で情状酌量の余地が認められ、
決定の先延ばしや軽い行先の判断がされる余地がある。
泰山王も同じく、最終決定を本人にさせることがある。
6つの門(鳥居)を用意し、自分で行先を選んで進む(転生する)こととなる。
転生先は6つ(六道:りくどう)、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道
これが輪廻転生で苦しみ続ける「道」。
天道であっても苦しは続き、輪廻から抜け出すには「解脱」するよりない。
⑧平等王(びょうどうおう)……観世音菩薩(かんぜおんぼさつ) →百か日(100日目)
裁判というよりも、「悲しみに暮れるのは終わりにしましょう」という時期。
⑨都市王(としおう)……勢至菩薩(せいしぼさつ) →一周忌(1年目)
3と7がつく年に法要がおこなわれる。(最後の年忌法要は50回忌)
この1周期の時に鬼たちが拷問の道具を片付け、浄土への旅が始まる。
(善人と、1年の刑だった者のみ)
⑩五道転輪王(ごどうてんりんおう)……阿弥陀如来(あみだにょらい)→3周期(3年目)
最後の十王。どう転んでも行先が決定され、逃れることができない。
*この後も
7回忌では蓮華王(れんげおう)……阿閦如来(あしゅくにょらい)
13回忌で抜苦王(ばっくおう)……大日如来(だいにちにょらい)
33回忌で慈恩王(じおうおう)……虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)
と担当者が決まっています。
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