【サマータイム開始】
ヨーロッパはサマータイムが始まりました。雪の日、暖かい日を繰り返しながら少しずつ、着実にミュンヘンも春に向かっています。
ミュンヘン五大陸博物館での生田流箏曲・地歌演奏家の米川敏子さんとの共演は、大変印象深いものとなりました。
満員のミュンヘンのお客様は、珍しい日本の音楽に、緊張感さえ漂うほど集中して耳を傾け、終演後には楽器や邦楽について沢山の質問をいただきました。
邦楽は、洋楽以上に奏者の人間性が演奏にあぶり出されるように感じました。米川敏子さんの芯の通った歌声と迷いのない音運び。そして、亀川真理さんの溌剌とした軽やかな三絃の響きから温かいお人柄が伝わり、胸にじわりと染み入りました。
共演した曲は、バイオリンで演奏できるよう西洋の五線譜に書き直されたものでしたが、楽譜には書き表せないような邦楽独特のリズムやテンポ感、節回しがあり、お箏の演奏に馴染むよう、試行錯誤を重ねました。
翌週はパリでチェリストのグレイ理沙さんと初共演。ツィゴイネルワイゼンなどの名曲を演奏しました。
コンサート前日に初めて会ったとは思えないほど、あっという間に意気投合し、二人のデュオで夏には日本での演奏も予定されています。
今週末はミュンヘンでピアニストの柏本佳央理さんとデュオリサイタル。Virtuoso in Springと題して、ベートーヴェンのスプリングソナタなど、春らしい華やかなプログラムを演奏します。
来週末はモーツアルトのお父さんレオポルドが生まれたアウグスブルクに参ります。ソプラノ、ピアノとのトリオで、ウィーンをテーマにしたコンサートです。
そして東京でのコンサートは、4月20日と22日の2公演。
20日はアンティークカップコレクションとクラシック音楽のコラボレーションイベントに出演します。前半は村上和美さん、塩谷哲夫さんによるアンティークデミタスデミタスカップの講演。後半のコンサートではチェリストの内田麒麟さんとのデュオで、クライスラーやピアソラ等の楽しいプログラムを予定しています。
六本木ヒルズクラブ51階の絶景を眺めながら、ランチ、アンティークカップによるコーヒーとデザートと共に、贅沢なひと時を過ごしにいらしてください。
22日は正住真智子さんと駒込ソフィアザールでリサイタル。ミュンヘン生まれの作曲家、R.シュトラウスのソナタをメインに、現代日本人作曲家の小品と組み合わせたプログラムをお楽しみ下さい。
皆様にお会いできますのを楽しみにしております。