【美しき五月】
モーツァルトの”春への憧れ”、シューマンの”美しき五月”、フォーレの”春”・・・
様々な歌曲で春の喜びが歌われる5月がやってきました。
新緑が勢いよく芽吹く季節。川や湖に泳ぐカモの後を雛達が懸命に追う姿は微笑ましく、そこここに新しい命が息づいているのを感じます。
マーケットにはヨーロッパならではの春の食材、白アスパラやルバーブが並び、公園はバイエルン地方の伝統衣装を着て、ビール瓶を片手に春の陽気を楽しむ人々で賑わいます。
ドイツ人によく「あなたの月だね!」と言われるのは、ドイツ語で5月を"Mai”というから。発音もマイで、その上私は5月生まれ。
そんなこともあり、花の香りが街に溢れる5月はヨーロッパで一番好きな月です。
先月のミュンヘンでのリサイタルは、フランクやベートーヴェンのスプリングソナタなど、季節感のある華やかなプログラム。音楽の表情に合わせて、聴いてくださっている客席の空気も一喜一憂している様子がこちらにも伝わる、濃い時間でした。
さらにアウグスブルクでのコンサートでは、ウィーンをテーマに、ドイツ語圏の人にとって馴染みの深い曲の数々を演奏しました。お客様も一緒に口ずさんだり手拍子で盛り上がり、その模様は地元紙にも取り上げていただきました。
その後、一時帰国した東京ではチェロとのデュオコンサートに加え、日本とドイツの作品によるプログラムでリサイタルを行いました。
新しいレパートリーへの挑戦を沢山のお客様に応援していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
今月も初披露となるプログラムのコンサートが迫っています。コンチェルティーナ銀座にて、ドヴォルザーク、シューマン、グリーグの民族色溢れるメロディーを、高校時代から共演を重ねる實川風さんのピアノと共に。
この公演は、ありがたいことに発売早々に完売となりましたが、次回實川さんとは8月3日に渋谷の美竹清花さろんにてリサイタルが予定されています。メンデルスゾーンやクララ・シューマン、ブラームスのロマンティックなドイツ音楽のプログラム。こちらもどうぞお楽しみに!
皆様にお会いできるのを楽しみにしております。