【梅雨と室内楽】
梅雨真っ盛り。
久しぶりの日本の梅雨は、楽器にとっても苦行といえるシーズンです。
湿気で木が膨張し、接着剤が緩くなって隙間が開く。弓の毛は弾力を失い、松脂はベトベトに…。
状態によって音の出方が変わるので、日々楽器のご機嫌を伺いながらの演奏です。
先月最初の公演は、ピアニストの正住真智子さんと静岡県の小学校でコンサートでした。トークの間は元気いっぱいに盛り上がっていた子供達も、演奏が始まった瞬間に水を打ったように静まり、音楽に集中して耳を傾けてくれました。
弦楽器の室内楽に多く取り組んだ月でもありました。チェロとのデュオ、そしてプライベートの演奏会も含めると三つの弦楽四重奏のコンサート。
6月最後の演奏となった渋谷・イープラスカフェでのアレグロカルテットは、それぞれ個性豊かなメンバーの音楽が掛け算となって重なり、本番ではより一層皆で燃え上がりました。
アンコールには、メンバーのチェリスト、内田麒麟さんの作曲した弦楽四重奏より第2楽章を初演しました。
この夏にアレグロカルテットで全楽章をレコーディングし、年末にCDがリリースされる予定です。どうぞお楽しみに!
さて、7月も室内楽のコンサートが続きます。
11日は銀座・王子ホールにて「フランス室内楽の夕べ」。同年代の尊敬する演奏家達と、フランク、イザイ、ルクーなどのフランコベルギー派の作品をお届けします。
王子ホールでの演奏は、中学生以来。
ソリストとしても活躍するメンバーが集まり、この濃厚なプログラムが演奏されることは滅多にないチャンスです。
齊藤一也さん(Pf)とルクーの ヴァイオリンソナタ より第三楽章、長尾春花さん(Vn)とは初挑戦となるイザイの 2台のヴァイオリンのためのソナタ から第一楽章、そして實川風さん(Pf)長尾さん、田原綾子さん(Va)伊東裕さん(Vc)とフランクの ピアノ五重奏曲 をご披露します。是非お運びください!
皆様にお会いできるのを楽しみにしております。