渋谷・美竹清花さろんでは、令和3年の幕開けを飾る主催公演として、ピアニスト川口成彦さんと「モーツァルト全曲演奏会」の第1回「パリ・ソナタ集」をお届けしました。
出身の東京藝大で彼は楽理科、私は器楽科の同級生。
大学時代の思い出トークも交えながら、忘れられないひとときとなりました。
実は、モーツァルトの作品も以前は苦手としていました。
シンプルだからこそ、美しく豊かに聴かせることが難しい曲の数々。
ザルツブルク留学時代に一流の演奏に触れたことで、生き生きとした、いい意味で刺激的な一面に気付かされ、印象が大きく変わりました。
2年前、川口さんと大学卒業以来の共演を果たした時、二人の描くモーツァルトの世界観が心地良く重なったことを覚えています。
それを機に「全曲演奏会を是非とも実現させたい」と提案。
音は少ないけれど、まるで崩れかけのジェンガに延々とトライしているような、一瞬たりとも気が抜けない神経戦の、ソナタ6曲を二人で駆け抜けました。
「こんなモーツァルトは初めて」という感想をたくさん頂けたことで、ハードな公演後の心も軽くなり、充実感で満ちました。
第2回は7月28日(水)の予定。
モーツァルトの奥深さを探る旅に、ご一緒しませんか。