ストラディヴァリウス、ガルネリウス、そしてアマティ。
世界三大ヴァイオリンは高名で、時にテレビ番組でも取り上げられますが、銘器だけでは美しい音を奏でることはできません。
脇役のように見えて、実は主役級に重要なのが弓。
「いい弓がなければ、銘器は鳴らせない」とさえ言われています。
一つ一つに個性があり、使いこなすにも慣れが必要。
弾いていくうちに弓に合った筋肉が付いていき、楽器の個性に応じた体も作られていくのです。
普段使っている2本の弓のうち、一つをメンテナンスに出しました。
5日ほど預けなければいけないのが悩みだったのですが、ミュンヘンで予定されていた6月のコンサートがキャンセルとなったことで踏み切れました。
お願いしたのは、初めての「そり直し」。
弓は使用するうちに左右に湾曲することがあり、弾きにくくなったり、思い描く音が出しにくくなったりします。
木製の弓を火であぶって熱を与えながら、少しずつ力を加えて歪みを直す。
匠の技によって修理を終えた弓は、真っ直ぐになって返ってきました。
また気持ち良く練習に打ち込むことができそうです。 |