【地球の裏側〜チリへの旅】

ほぼ１年ぶりの海外渡航でした。

南米チリにて、大小合わせ８公演のツアーを行いました。

直前まで新型コロナウイルス関連で入国に必要な書類がチリ政府から発行されなかったり、往路も復路もフライトが欠航になったりと、スムーズにはいかない場面もありましたが、滞在中は多くの方々のサポートで大変充実した日々を過ごすことができました。

深夜にチリの首都、サンティアゴの国際空港に到着し、まずは検疫とPCR検査を受け、無事に入国。

チリは南半球にあるので、日本の北半球とは季節が真逆です。ちょうど４月は夏から秋に差し掛かる季節で毎日快晴、真夏のような気候で心まで太陽に照らされたおかげで旅の疲れは吹き飛びました。

チリで最初に食べた食べ物は、朝食で出されたアボカド。まずその大きさに驚き、さらに味にも驚かされました。濃厚でねっとりとしていて、バターを食べているような食感です。クリーミーで濃厚なその味わいは、今まで食べたどのアボカドよりも美味しく、チリ滞在中に毎日食べるほどお気に入りとなりました。

朝食を終えると早速、在チリ日本大使館へ移動し、天皇誕生日の記念レセプションで演奏しました。チリと日本それぞれの国歌、そして日本にまつわる楽曲を２曲、無伴奏で聴いていただきました。

チリの国歌は溌剌とした曲調で、チリ側の出席者の方々が自然と一緒に歌ってくれました。こうして会場が活気付き、続いて日本国家の君が代を演奏すると、今度は日本側の方々の歌声で旋律が彩られました。

「チリの国歌をヴァイオリンのソロで聴いたのは初めてで感動した」との感想を口々にいただき、チリの皆さんに温かく迎えていただけたことを嬉しく思いました。

翌々日は、サンティアゴ市内でホームコンサートに出演しました。同年代のさまざまな分野で活躍するお客さまから音楽への強い愛情が演奏中に伝わってきて、音楽で対話をする感覚を味わうことができました。

チリは南北に細長い国です。首都から飛行機で1時間半、そこからさらに１時間半車に揺られて南へ向かい、ロスラゴスという地域へ移動します。サンティアゴでの強い日差しとは打って変わって、コートが必要な気温となりました。人里離れた場所で、なんと携帯電話の電波は届かず、通信手段は衛星インターネットのみという環境。そこには、海岸と山に囲まれて佇むリゾートホテルがあり、ここが次の演奏の舞台です。敷地内には宿泊用のコテージがぽつり、ぽつりと間隔をあけて並んでいて、メインの木造の建物には、吹き抜けの空間にスタインウェイの「スピリオ」という最新の自動演奏機能付きピアノがある贅沢な空間でした。

森を散策し地域特有の植物やきのこを観察したり、海岸沿いの岩場のハイキングで打ち寄せる波の音や飛沫を浴びたり、大自然に触れて音楽への感性も研ぎ澄まされたようでした。

旅のお話しの続きはまた次回に綴りたいと思います、どうぞお楽しみに。

さて、今月はまず、5月10日にTOKYO AMERICAN CLUB B1マンハッタン​にて、チャリティー・イヴェントに出演します。11:45と13:00の2回、小林侑奈さんとのデュオで演奏をお届けします。

11日の夜は、池袋西口公園野外劇場「グローバルリング・シアター」にて、お箏、ピアノ、バイオリンのトリオで、ピアソラの四季がメインのプログラムです。オープンスペースでの演奏ですので、是非お気軽にお立ち寄りください。

27日は齊藤一也さんと、中目黒のフランス料理「Q.E.D.CLUB」にて、「春の名曲～ヨーロッパの風に乗せて～」と題したデュオのコンサートを行います。歴史ある建物で素敵なお食事と共に、春の名曲をお楽しみください。

31日は再びお箏とピアノの編成で、チャイコフスキーの名曲のアレンジをお届けします。ソロも演奏予定ですので、是非お運びくださいませ。

会場で皆様とお会いできますことを楽しみにしております。